たらたらとやっているとなかなか進みませんが、「Illustrator CS6/CCで入稿用データを作成する方法」の「第三部入稿用データチェック編」をキンドル化してアップしました。もともとあったIllustrator CS4までの入稿データ作成講座をCS6とCCに合わせて書き直したものです。あとは最終の第四部で終わりです。

 


llustrator CS6/CCで入稿用データを作成する方法・第三部入稿用データチェック編

 プリプレス関係の機能はだいたいCS3あたりで完成していて、ほとんど仕様変更はありません。といっても一応確認は必要なので調べました。予想外でしたが、1つだけCS6で仕様が変わっているものがありました。それはラスタライズ効果設定です。

 Illustratorのラスタライズ効果設定は、ぼかしとかドロップシャドウに適用するもので、出力時に画像化しなければならないものの解像度を指定します。ドロップシャドウの影の部分とかは出力時に画像化するので、その解像度を指定します。従来ここでトラブルを招きやすいものに、「ぼかし(ガウス)」がありました。

 「ぼかし(ガウス)」は数値がピクセルで指定されているので、解像度を変更すると絶対値が変わってしまうのです。ドロップシャドウとか光彩とかは、効果の単位がミリメートルとかの絶対値になっています。解像度を変更してもドロップシャドウの影のサイズが変わってしまうことはありません。

 しかし「ぼかし(ガウス)」は、解像度を変更すると、1ピクセルあたりの絶対値が変わってしまうので、見た目も変わってしまうのです。たとえば、ラスタライズ効果の解像度が「72 ppi」だったものを、その四倍の「288 ppi」にすると、「ぼかし(ガウス)」の大きさは四分の一のサイズに小さくなってしまうのです。オフセット印刷ではラスタライズ解像度が「200〜300 ppi」程度は必要ですから、あとからラスタライズ解像度を変更すると、「ぼかし(ガウス)」の見た目が変わってしまい、トラブルになるのです。



CS4で開いてラスタライズ解像度を変更

 ところが、CS6ではラスタライズ効果設定の解像度を変更しても見た目は変わりません。見た目は変わらないように修正したのです。ただし、問題がないわけではありません。「ぼかし(ガウス)」のピクセルで指定された効果の幅が、「1.0 pixel」にリセットされます。サンプルに使用していた「ぼかし(ガウス)」は「5.0 pixel」のものを使用していましたが、CS6で開くと、開いたときに「ぼかし(ガウス)」は「1.0 pixel」になっていました。

 古いバージョンをファイルを開いて見た目を優先するとき、「ぼかし(ガウス)」はオリジナルの数値を破棄してしまうのです。そのためもう一度「ぼかし(ガウス)」オブジェクトを選択してバネルを開き、そのまま[OK]すると、「ぼかし(ガウス)」が再設定されて、見た目が変わる可能性があります。古いバージョンのオリジナルが「1.0 pixel」であれば、見た目は変わりませんが、それ以外では変わってしまうのです。ちなみにCS5は手元にはないので確認していません。


CS6で開くとラスタライズ解像度がリセット

 ショットもCS6に合わせて取り直しました。本として印刷する場合はもInDesign上で矢印とか丸囲みとかすればいいのですが、Kindle本にする場合は、矢印とか丸囲みとかを含んだ図版を一枚の画像にしなければなりません。基本的にリフローの電子書籍ですから、複数の画像を組み合わせるのはとても大変です。図版全体を一枚の画像にする方が簡単です。

 ですから面倒ながら、スクリーンショットを撮影した後、それらをInDesignにもう一度貼り込み、レイアウトしてもう一度スクリーンショットを撮影するという方法しかありませんでした。しかも、実寸法で24インチの画面に収まるようにレイアウトする必要があります。

 InDesignは昔は表示ピクセルが「72 ppi」だったと思うのですが、CS6では「96 ppi」になっています。ですから、スクリーンショット原寸の「72 ppi」でInDesignに貼り込む場合は、「75%」で表示すると、オリジナルサイズになります。貼り込み画像の解像度が「350 ppi」だとすると、

350 ppi÷96 ppi=約 365 %

で表示させます。それでスクリーンショットの原寸で表示になります。

 目次は次のようになっています。

第一章 入稿する前にチェックしたいドキュメントのデータ内容
 1-1 入稿前のデータチェックでの押さえどころとは
第二章 ドキュメントのRGBとEPS画像のRGBを調べる方法
 2-1 ドキュメントとEPS画像のRGBはCMYKに変換して入稿する
第三章 トリムマークの外にあるオブジェクトを調べる方法
 3-1 すべてを選択して[バウンディングボックスを表示]で確認する
第四章 ドキュメント内の特色を調べてCMYKに変換する方法
 4-1 スウォッチとドキュメント情報パネルで特色を調べる
 4-2 そのままではCMYKに変換できないダブルトーン画像
 4-3 テキストの特色網点をCMYK変換するとカラーが変わるときはドウスル
第五章 グレースケール以外のカラーデータを調べる方法
 5-1 分版プレビューでグレースケール以外を確認する
 5-2 Acrobat 7 Pro以降でカラーチャンネルを調べる
第六章 ドキュメントのラスタライズ効果設定をあとから変更する
 6-1 CS4以前ではラスタライズ効果設定を変更すると「ぼかし(ガウス)」が変化
第七章 アウトライン化されていないフォントを調べる方法
 7-1 ロックや非表示のテキストを確認してアウトライン化する
第八章 塗り設定だけのヘアラインを調べる方法
 8-1 塗り設定のみの線を調べる2つの方法
 8-2 Acrobat 7 Pro以降で調べるヘアラインと修正
第九章 オーバープリントされているオブジェクトを調べる方法
 9-1 属性パネルで確認するオーバープリントオブジェクト

 というわけで、「Illustrator CS6/CCで入稿用データを作成する方法・第三部入稿用データチェック編」は下記よりお申し込みいただけます。なお、第一部ではIllustratorドキュメントの基本的な作成方法、第二部では入稿用貼り込みファイルの作成方法、第四部では入稿用データの保存方法を取り上げます。

 

 

 

 

 

 

 

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