風と神々の回廊

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第1期 「神通峡かいわいの昔話集」 企画・編集:佐田 保
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 I 「細入地域」全9冊(既刊・順次掲載) 企画・編集:佐田 保
 II 「下タ地域」全7冊(作成中・順次掲載)企画・編集:神通峡ふるさと創生物語編集部


テーマ:

寺津の河童の話      富山市寺津

 

 

 

むかし、この 寺津の村に、ひとりの おじいさんが すんでいました。

 

一日の しごとを おえた おじいさんは、かわいがっていた 馬のからだを、ゴシゴシ、川原で あらって やったあと、しばらく、夕すずみを させていました。

 

やがて、日は 西の山へ しずんで いきます。

「さあ、今日も ごくろうさん だったな。家に かえって、どっさり うまいものを 食べさせてやるぞ。」

と、おじいさんは 馬のたづなを とりました。

たづなのさきは、川の せの方に のびて、ゆらゆらと ゆれていました。

 

おじいさんは、たづなを ひょいと たぐりよせましたが、いつもと 手ごたえが ちがいます。

「おやっ。」

と思いながら、こんどは 力いっぱい たぐりよせますと、たづなと いっしょに、河童の 子どもが 「フンギア。フンギア。」と、泣きながら ひきよせられました。きっと 馬を、川ぞこに ひきこもうとしたに ちがいありません。

 

河童は ずいぶん 長い間、水から 頭だけを 出して、馬を ねらっていたらしく、力のもとになる 頭のさらが、からっぽに なっていました。

そこを、おじいさんに、ふいに ひっぱられ、たづなに、体のどこかが、もつれて しまったらしいのです。

おじいさんは、

「このいたずらものめ!」

とばかり、こらしめのために、台所の はしらへ 鉄のくさりで しばっておきました。

 

そのばんの ことです。おばあさんが ごそごそ おきてきました。台所で 水が 飲みたくなったのです。おばあさんは、台所で 水を飲み、

「おまえは、また、ばかなやつじゃ。」

といって、なにげなく、ひしゃくで コツンと 河童の頭を たたきました。

 

さあ たいへんです。その時、河童の 頭のさらに、ひしゃくの 水が 入ったのです。河童は たちまち あばれだし、くさりを 切って、いちもくさんに、にげてしまいました。

 

しかし、この河童は、なかなか れいぎ正しく、ごおんをしる 河童で あったらしく、これからのち、毎年のように、サケや アユなど きせつの魚を、台所の かけ木に かけていきました。

 

おばあさんは、だんだんと、よくばりになって、せっかく 持ってきて くれるのだからと、大きな 鉄のカギを いくつもかけ、もっと、もっと、たくさん 魚を かけることが できるように いたしました。

 

ところが、河童は、前に 鉄のくさりで、しばられたことが ありましたので、鉄をみると、びっくりして 二度と あらわれなくなったということです。

 

                                                   民話出典「大沢野ものがたり」

 

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