筆文字『虎』は、

書家・書道師範でありデザイナーでもある
喜多 瞬生Kita Shunsei 個人事務所。

どこにも帰属してない独立系事務所です。

書家がついでにデザインをしているわけではありません。

デザイナーが余技で筆文字を書いているわけでもありません。

書。デザイン。どちらも本職です。

1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>
2010-05-10 18:55:56

遥 ~ Perth WA Australia ~

テーマ:Perth WA


筆文字 虎 / 書家 ・ 瞬生の筆やすめ「トラのたわごと」-遥



人が抱える不安や心配。

その多くは、案外

自分自身の想像や妄想が

創りだしたものだったりする。


自分で創った魔物に

自身が畏れをいだく。


自分の創意工夫や頑張りで

取り除くことができる不安なら

怯えるよりも

解決方法や進むべき道を見つけ出すこと。

そして行動することだ。


でも、悲しいことに病や死など

自分の力が及ばないこともある。

それも現実だ。

ただ祈ることしかできないとしても

決して、自分を責めたり

おかれた環境を恨んだりしてはいけない。








生まれ育った街にも

帰る場所が無くなって久しくない。


仮の宿りのような

ちっぽけな茅屋以外に

こころ和む場所はなく

一歩外に出れば、常に放浪者である。

むろん、それが嫌いではない。

むしろ自分らしい。



そんな自分にも

地球上で唯一、

旅人としてではなく

訪れることができる場所がある。




ブログに幾度か登場したことがある

オーストラリアのパースだ。



パースには、自分が

『 オーストラリアの母 』 と呼ぶご婦人がいる。

先ごろ、82歳になった。


亡きご主人は、パースの名士のおひとり。

自分が、はじめて訪問した頃には

留学生数人を預かるホストファミリーをされていた。

現在、ホストファミリーはやめて

広いお屋敷で悠々自適の生活を送っている。

誤解を招かぬよう書いておくが

自分は留学などという高尚なステイではない。




筆文字 虎 / 書家 ・ 瞬生の筆やすめ「トラのたわごと」-perth01


▲テラスから眺める風景。目の前はスワン リバー。

毎朝、風に吹かれ、この風景を眺めつつ、のんびりとコーヒーを飲む。

夜はワインやビールを飲みつつ語り合う。

大好きな時間だ。







『 若い頃は、ハーレーに乗っていたの! 』



               カッコいい ……。



今でも、ボーイフレンドが逢いにやってくる。





『 プールサイドの壁がさみしいのよ。

自分でモザイクを創って飾ろうと思うんだけど

魚の絵を上手くかくことができないの

デザイナーでしょ、絵を描いていって。 』


翌年、再訪問。

『 ほら、見て! 』

細かく砕いた何色ものブルータイルを

見事なグラデーションで貼り付けた

大きな魚がプールサイドに掛けられていた。




子供の頃から

アジアの文化に興味があったという彼女のために

書をプレゼントしたことがあるのだが

包みを開いて、喜んでくれるやいなや

壁に掛かっていた絵画をはずし、自分の書を飾ってくれた。




自分の仕事に関しても、真剣に耳を傾け

ときにアドバイスをしてくれる。




そんな女性だ。




大学教授、建築家などといった

4人のお子さんたち ( といっても自分より年上だが ) も

日本から来た得体の知れない放浪者に対し

旧知の友のように接してくれる。




初めてパースの地を訪れてから、約7年。

毎回、彼女のお宅に滞在させていただいている。

おかげで、ホテルなど公共の宿泊施設には

1度も泊まったことはない。

彼女は宿泊費さえ受け取らない ……。


休暇さえあれば、チケット1枚とって

いつでも訪ねていくことができる。




そのオーストラリアの母が

今年の初めに心臓の病で緊急入院した。

手当ての甲斐あって、

今は元気に自宅で暮らすことができるようになるまで回復した。


以前は、あまり思わなかったのだが。

昨年、会った時には、さすがに 『 年をとったなぁ 』 と感じた。





確実に近づいてきている ……。





別れの と き ……。





彼女の年齢と病のことを考えると

逢えるときに、逢っておきたい。


あの時、パースに行っておけば。

そんな後悔をせぬように。


日にちは未定だが

近々、行ってくる予定。





筆文字 虎 / 書家 ・ 瞬生の筆やすめ「トラのたわごと」-perth02

▲滞在中は散歩が日課となる。

彼もすでに犬年齢にして12歳 ……。




筆文字 虎 / 書家 ・ 瞬生の筆やすめ「トラのたわごと」-perth03


▲歩いて数分のところにビーチがある。犬の散歩コースでもある。

ひたすら続く水平線。 インド洋に沈む夕日は美しすぎる!







ご主人が、まだご存命だった頃、

ご主人の仕事の関係で、数十年前に2度ほど

日本に来たことがある彼女。



『 ぜひ、また日本に来てよ! 』



そう言って何度も来日を促したのだが

年齢のこともあり、来日を頑なに拒んでいた。

それでも諦めずに説得を続けた結果、

ようやく日本に来てくれることになり、

本来ならば、今年の春、来日する予定だったのだ。



その夢も、叶わぬものとなってしまった ……。



『 古都を訪れて、桜を見よう! 』



咲き誇る桜を楽しみにしていた彼女。



こんなものが

彼女の知る

最後の日本の桜になってしまうだなんて ……。




筆文字 虎 / 書家 ・ 瞬生の筆やすめ「トラのたわごと」-perth04



今年が最後。



今年が最後。



そう思いつつ、今後は逢いにいこうと思う。



結果、気がつけば10数年経っていた。



そんなふうになってくれたら ……。



あまりにも自分に都合の良い解釈だが。








遥か 南半球の街。





5,000 キロ。




意外に遠いことに

はじめて気づいた。









母の日によせて。


1日、遅れてるやん ……。






瞬 生




























AD
いいね!(25)  |  コメント(14)  |  リブログ(0)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>

AD

Amebaおすすめキーワード

◎ ランキング参加中 ◎

1日1回の応援お願いします。


ブログランキング・にほんブログ村へ



Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

ランキング

  • 総合
  • 新登場
  • 急上昇
  • トレンド

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。