モウソウ ノ コミチ

最近は口コミ番付ネタが多いですw


テーマ:

美容院で髪を切る私。

本当は前髪だけと思っていたが、言い出せない。

美容師さんが気づいてくれた。

「前髪だけでもいいですよ。」

ほっとした。

「ちょっと待ってもらっていいですか?」

そう言って美容師さんは隣の鏡に移った。

鏡に移った自分の顔を見ていると、家の洗面台の鏡に移った自分と重なった。

はさみを持って前髪を切る。

いつもはあまり濡らさない前髪。

今日は額にぺったりくっつくほど濡れている。

私が濡らしたの?

そんなことはどうでもいい。

今は慎重に、できるだけ慎重に前髪切らなくちゃ。

はさみを前髪と額の間にいれる。

―パチン。

「失敗した!」そう思った次の瞬間、そこは美容院の鏡の前だった。

まずい・・・大胆にも私は美容院に来て自分で前髪を切ってしまっていた。

「上手ですね。」笑いながら美容師さんが近づいてきた。

「でも今度からは私にやらせてくださいね。」

そう言われてる間も私は恥ずかしくて顔を真っ赤にしていた。

席を立って私はようやく「あの、お金・・・」と口を開いた。

「いいですよ、私何にもしてませんから。」

やさしく微笑む美容師さんに私は必死に

「直ぐ来ますから、今度は前髪だけじゃなくてちゃんと切ってもらいに。」

そう言いたかった。

でもその時、目の端に私が乗ってきた自転車が倒れるのが飛び込んできた。

隣の家の玄関の中。

「ごめんなさい。」そう言って駆け寄り、倒れた自転車を起こした。

「いいですよ。」特に迷惑そうでもなくその家の人は言う。

「すみません、すみません。」

そう言いながら、急いで玄関から自転車を引きずり出す。

顔を上げると、美容院の扉はもう閉まっていた。

私を担当してくれた美容師さんも、もう次のお客さんの相手をしている。

ガラスの向こう側で―

私は切なくなった。

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。