■関西の研究会、国に提案へ

 日本の標準時のもととなる子午線を、兵庫県明石市を通る現在の東経135度から東に15度移し、標準時ごと1時間繰り上げてしまおうという壮大な計画を、元行政マンが発案。今年夏にも国に提案する方向で、5日午後に初会合を開く学識者らの民間組織「早起きニッポン研究会」で協議を始める。日本人の生活リズムを変え、省エネや経済発展につなげるのが目的で、効果額は約2兆円に上ると試算。海外には子午線を移した例もあるといい、発起人は「ぜひ実現したい」と話している。

 発案したのは、平成9(1997)年に京都市で開かれた国連の第3回気候変動枠組み条約締約国会議(COP3)にもかかわった元市職員、清水宏一さん(64)。清水さんは、京都議定書を生んだ会議に接する中で、欧州諸国の多くは国の東側に子午線がひかれ、朝を早く迎えてエコや経済活動への効果を生み出していることに気づいた。

 子午線変更の実現可能性を模索する中で、多岐にわたる専門知識がいると判断。大学教授などさまざまな専門家で構成される「関西活性化研究会」の部会として、早起きニッポン研究会が立ち上がった。

 子午線変更で1時間の繰り上げが実現すれば、夜間の消費電力が減るほか、労働効率が上がり余暇も増え、文化活動も活発化するとみられる。財団法人・日本生産性本部(東京)は、国全体で時計を1時間早めるサマータイムを実施すると、年約9700億円(15年度調べ)の経済効果があると試算。清水さんは子午線をずらし、恒常的に時間を繰り上げることで「経済効果はサマータイムの約2倍になる」とみている。

 移行手順としては、最初に全国の公的施設や学校、企業、交通機関などの始業時刻を1時間早くすることから着手。定着度合いをみて、子午線を変更する計画を立てている。

 明石市立天文科学館によると、海外ではキリバスが観光活性化のため、標準時子午線を変更して「世界で一番早く一日を迎える国」にしたほか、オーストラリアやベネズエラでも経済活性化などのために変更したという。

 今回の計画について、研究会に参加する京都大学経営管理大学院の塩沢由典客員教授(経済学)は「時間に余裕ができると、知的文化活動が活発になる。家庭人も増え、教育環境も向上するのでは」と評価。研究会には、京都市の地球環境政策監や高齢者のデジタル化支援団体「老テク研究会」(東京)のメンバーの参加も予定されている。

 子午線変更には、最終的に国会決議が必要となり、明石市との協議なども欠かせないとみられる。清水さんは「子午線の変更は国内初の試みで予想がつかないことも多い。今後、研究会で意見を聞きながら模索していきたい」としている。

 ■子午線 地球の南北に延びる同じ経度の地点を結んだ線で、経線とも呼ばれる。英国の旧グリニッジ天文台を通る「グリニッジ子午線(本初子午線)」が経度0度と規定される。日本の標準時子午線は明治19年、政府により、グリニッジ子午線から時差9時間となる東経135度に設定され、兵庫県明石市を通っている。

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