盲導犬の育成現場で、幼少期の子犬を一般家庭で育てるボランティア「パピーウォーカー」の慢性的な不足が深刻化している。生後間もない子犬が10カ月前後にわたり預けられ、人間とのかかわり方を学ぶ非常に重要なプロセスだが、担い手が少なく、慢性的な盲導犬不足の一因となっている。大阪の育成団体は「より多くの視覚障害者が盲導犬とともに暮らせるよう、ボランティアに協力してほしい」と呼び掛けている。

 全国9カ所の育成団体の1つ、日本ライトハウス盲導犬訓練所(大阪府千早赤阪村)では、子犬を生後2カ月~1歳の間、一般家庭に預ける。子犬は愛情を受けながら人間との関係性を構築、その後訓練所に戻って本格的な訓練を受ける。

 ところが、施設内では春先までに最大約20頭の子犬が生まれる見通しだが、預け先はまだ1頭も決まっていないという。

 パピーウォーカーになるには、室内飼育が可能▽留守が少ない▽月5千円以上の経済負担が可能-など、さまざまな条件がある。共働きや集合住宅暮らしの家庭が増える中、こうした条件が障壁になっているのか、担い手はなかなか増えないという。

 「待っている視覚障害者はたくさんいるので、年間25頭前後の盲導犬を安定的に送り出したい」と、同訓練所の日紫喜(ひしき)均三顧問。育成過程でおおむね6~7割が不向きと判断されるため、25頭前後を育成するには70頭前後の子犬をパピーウォーカーに預ける必要があるが、昨年実際に預けることができたのは50頭余り。しかも、条件を緩和したり、一時的に職員自身が預かったりした結果だった。

 他の育成団体も、パピーウォーカー不足に泣かされている。関西盲導犬協会(京都府亀岡市)は「自転車操業状態。1回やって辞める家庭も多いので、継続してもらえるようにお願いしている」。東日本盲導犬協会(栃木県宇都宮市)も「盲導犬育成はさまざまなボランティアに支えられているが、パピーウォーカーが最も足りない。常に募集している」という。

 育成団体でつくるNPO法人の全国盲導犬施設連合会によると、国内で盲導犬を希望する視覚障害者は推計で約7800人。これに対し、実際に持つことができているのは約1045人(昨年3月現在)にとどまっている。

 日紫喜さんは「目が見えなくなると『人に頼りきりになってしまう』と絶望する人も多いが、盲導犬がいれば自分で行きたいところへ行ける」と強調、パピーウォーカーを募集している。問い合わせは、日本ライトハウス盲導犬訓練所(TEL0721・72・0914)へ。

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