兵庫県芦屋市の高級住宅街「六麓荘(ろくろくそう)」に土地を所有していた大阪府豊中市の資産家の女性(60)が、行きつけのブティック経営者の父娘に財産を奪われたとして、計約1億6900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、神戸地裁尼崎支部であった。工藤涼二裁判官は、女性が統合失調症に罹患(りかん)しているのを認識したうえで利用したと認定し、経営者に約1億5000万円を支払うよう命じた。

 判決によると、経営者らは芦屋市内でブティック(既に閉店)を経営。客だった女性が「親族に財産を取られる」と不安を訴えたことから「財産を守ってあげる」などと告げて信用させ、財産の処分を勧めた。経営者らは女性が通院していたことを知っていた。

 女性は06年11月、六麓荘町の土地約500平方メートルを1億500万円で売却したほか、翌12月~07年1月にかけ、生命保険の解約金計約6400万円を受け取った。経営者らはこれらの金を「預かってあげる」として持ち帰った。

 工藤裁判官は「統合失調症の被害妄想から抜け切れていない女性の精神状況に付け入って信用させた」などと指摘した。【中里顕】

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