2011年11月09日

都心廃墟系散歩(下)~都会は廃墟の森

テーマ:東京秘境

また間が空いてしまった。。。
断続的に、続きます。


麻布から広尾まで、のんびり歩きながら移動します。
途中、蔵ふうの建物がインパクトありまくりの和食レストラン「権八」にて昼食。小泉首相とブッシュ大統領の会食が行われたことでも有名なお店ですが、価格はいたって普通でいい感じ。


☆広尾五丁目アパート

廃墟系のカテゴリーに入れたら侮辱罪で訴えられそうなほど、現役バリバリの都営住宅です。
特に廃墟っぽくはないですが、時代を感じさせる、なんともいかめしい建物です。かつての軍艦島はこうであったかと想像させるような、要塞の如き巨大集合住宅。
こんな物件が、広尾セレブタウンの一等地に鎮座ましましている姿は圧巻、爽快ですらあります。


放浪乙女えくすとら-RIMG0128  グラフィカルな美しさ。フォントもいい感じ!


エレベーターで最上階まで上ってみました。
古い団地といった風情は、レトロではありますが、別段珍しくはないかもしれません。
ただ、階段の一角に「ここで小用をしないでください!」という張り紙(手書き)があって苦笑…。
どうやら「小用問題」は、このマンションにおいて深刻になっているようでして、エレベーターには「すでに警察にも話しています」といった旨のお知らせが貼られていました。


建物の中から中庭を臨むと、アパートの巨大さに息を呑みます。
軍艦島みたい…と、行ったことがないのにそんな感想を抱きました。
それにしても、軍艦島に行きたいと云い出してもはや何年が過ぎたことだらう。MILKの服を、年間であと5枚ほどカットすれば充分行けるはずなのですが…。


放浪乙女えくすとら-RIMG0133


そして、この広尾にも、長屋のような木造住宅が立ち並ぶ一角があります。
広尾商店街と並行する、1本の狭い道がそれです。商店街から1本入るだけで、ウソのような光景が広がります。まあ、商店街も昔ながらの銭湯があったりとそれなりに庶民的ではありますが、裏手に回るとまたしても三丁目の夕日的物件の博覧会。狭い小道に出て日向ぼっこしているおじいちゃんとおばあちゃんが、キラキラとまぶしく目に映ります。


放浪乙女えくすとら-RIMG0153 パッと見、京都の路地(ろーじ)のよう。


☆九段下ビル

大トリを飾るのは、この日の大本命にして、今回のブログをアップする理由でもあるこちら!
これまで何度も自転車で通り過ぎているはずなのに、このビルが朽ち果てようとしていることに、まるで気がつきませんでした。鈍感にもほどがあります。こんな体たらくでは、廃墟好きなどと、とても名乗れたものではありません。

改めて全容を見ると往年のアールデコ調建築の美しさが偲ばれ、この都心で広い面積を持つ低層ビルという贅沢さにもなにやら胸を打たれます。
外壁を厚く覆うネットを破って、サボテンがにょきにょきと成長しているのも、微笑ましいような、やるせないような光景です。



放浪乙女えくすとら-RIMG0156 上階はネットに覆われているのでぼんやりした外観に…。


まずは、建物の裏側から入口を探ることにしました。
裏に回ると、前から見る美しさとはかけ離れた建て増しに次ぐ建て増しっぷりが露わになり、うわーよく建ってるなあと、また違った意味で感嘆します。このムチャな増築具合がまた、これ系の物件探訪の楽しみでもあるわけなんですけどね☆
裏手は駐車場が広がり、行き止まりになった道の脇には空き地もあり、一見スキだらけのようなのですが、肝心の入口は見つかりません。むむ…これは意外と手強いかも。さすがによじ登ると犯罪になるだろうしなあ…。



放浪乙女えくすとら-RIMG0181


建物の脇にある部屋は、窓に「FRAGILE」とプリントされたビニールテープが張られています。しかしながら、少し隙間が空いており、パンチラを拝むノリで覗き見してみましたら、えらく年代物の冷蔵庫が見えました。昔、旅行中にキューバの古い家屋で見たようなカッコいいデザインです。「タモリ倶楽部」で紹介された在住の画家の方の住まいでしょうか。


再び表に周り、中に入れそうな場所を探してみると、ん? 待てよ。そこのド正面のドア…。
意外とこれが開いたりして? ってそんなワケないよね~ハハハ。


カチャ


隊長! 開きました!!
そうか、曲がりなりにも現役の、普通の雑居ビル、郵便物を届ける人だっているわけで、開いていて当然っちゃ当然か…。
でも、4階まで上がると、厳しい口調で「進入禁止」「撮影禁止」の旨が書かれた張り紙がしてあります。「見つけたら通報します」とも…。張り紙の主は、1階で営業しているレストランのオーナーと画家の方でしょうか。
これでやや怯んだのですが、ここまで来て好奇心を抑えることの方が難しい…。恐る恐る歩を進めます(よいこはマネをしてはいけませんお)。


最上階には、テナントはまったく入っていないようでした。
うーん、いちおう現役とはいえ、この様子は明らかに廃墟化の一途をたどっているよなぁ。。。
小さな小学校のような廊下。むき出しになった天井。埃の積もる水道場。空いた部屋に佇む一脚の椅子は詩的ですらあるけれど、もう時計の流れを逆に回すことはできなさそうです。
誰もいない廃墟であれば思う存分探索をしたかったのですが、妙にプレッシャーを感じてそそくさと退散させていただきました。


放浪乙女えくすとら-RIMG0206 このグレー1色っぷりが、廃墟化を如実に表しているような。。。



放浪乙女えくすとら-RIMG0191 さりげなく色ガラスがはめ込まれている。

九段下ビルは、関東大震災の復興建築として1927年に竣工。同潤会アパート・復興小学校・聖橋などと並ぶ、東京復興のランドマークだったそうです。
聖橋は橋ということで今も使われているものの、同潤会アパートはすでに無く、復興小学校も次々と解体され…老いて仲間が次々と他界していく人間の心情にも重ねて、なんとも切なくなります。
S級の好立地、重みある歴史、建物としての美しさ…取り壊してしまうには惜しすぎる。
…そう感想を抱いたのもすでに半年以上前。時は容赦なく過ぎ、今回の震災にさえ耐えたにもかかわらず(倒壊しなかっただけで中は危ないのかもしれませんが)取り壊しが始まってしまうなんて、寂しい限りです。


(おまけ)
廃墟系といえば、この本がとても面白かったです。久しぶりにどす黒い観光熱が湧いて来ました。うう、またヘンなスポットに行きたいなあああ…と書いてふと、何故このような場所が好きなのか、好きというよりむしろ興奮するのか、我ながら変態なのかなあとちょっと心配になります(←今さらっ)。
『八画文化会館』→野ぎく堂Online でどうぞ♪

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2011年11月02日

都心廃墟系散歩(上)~都会は廃墟の森

テーマ:東京秘境

たいっっっへんご無沙汰しておりました。
先月はたったの2回更新ですか……ホームページといい、ここといい、もうすっかり死に体になっており、このまま何事もなかったようにフェイドアウトしていてもおかしくない雰囲気です。
まあ更新したところで大した話も書かないのですが、いちおう言い訳なんかしちゃうと、内職というか課外活動というか、そんなことをやっていました。会社の方は会社の方で仕事量がわけわからんことになっており、とてもブログまで手が回らなかったのでした。
課外活動についての話はまたいずれの機会にするとして、そろそろホームページも更新したいと思います…。


さて、すんごく久々ですが廃墟のお話など。
一見、あまりにも唐突なこの展開にもいちおう理由はありまして、かの「九段下ビル」の解体がついに始まったというニュースを小耳に挟んだのですよ。
わたしはこの2月に、都心廃墟散歩と称して廃墟仲間たちとこのビルを訪問しており、ブログでアップしようと思ったら震災が起こって廃墟の話どころじゃねーし! となって放置したまま今に至っておりました。震災後は、廃墟好きなど、不謹慎罪で特高に目をつけられかねないとも限りませんし。
しかしながら、九段下ビルがいよいよ無くなると聞いては、このままお蔵入りさせるに忍びなく(って、たかだか一個人のブログの話ですが…)、ここに改めてアップする次第です。
情報が古いのは何卒ご容赦を。


建物のあるところ、廃墟は生まれる――。
今回の探訪は、正確には「廃墟」ではなく「廃墟のような」、或いは単に「レトロな」物件たちです(廃墟と云ったら怒られそうです)。
移り変わりの目まぐるしい都心で、本当の廃墟などおそらく存在しえないのでしょうが、それでも「こんな建物がまだ!」と驚嘆するような古い物件がけっこうあるものです。
ま、廃墟を抜きにしても、休日の都心を歩くなり、自転車でぶらつくなりするのはワクワクします。人気がすっかりなくなった陸の孤島のような都心部には、一種独特の荘厳さがあるような気がします。
ということで、今回はヘルメットをかぶる必要もなく、「タモリ倶楽部」的ノリでのんびりマニアック物件探訪となりました。


※今回の散歩にあたっては、こちらのサイト「東京DEEP案内 」を大いに参考にさせていただきました。具体的な住所などは載っていないので、まるで宝探しのようになりましたが、それもまた楽しかったです。


☆代々木会館

代々木に魔窟のような雑居ビルがあると聞いて。
魔窟といえば九龍城、あるいは重慶飯店を思い浮かべますが、まあ小規模なそれらと表現してもいいかもしれません。
その昔(1975年)、ドラマ『傷だらけの天使』のロケがここで行われたことで、その筋のファンの間では伝説にもなっているビルのようです。
後日、ニコニコ動画のダイジェストを観ましたところ、代々木会館屋上のペントハウスで、ショーケンがコンビーフをむさぼり食っていました。
ああ、このドラマ、DVDで全部観てみたいなあ。この、カッコ悪いけどカッコいい、でもカッコ悪い感じ最高っすな! それにしても『相棒』の水谷豊に、こんなおちゃめでかわゆい過去があったとは驚きです。


放浪乙女えくすとら-RIMG0595 確かに、重慶飯店の小型版のような面構え。


代々木会館は、代々木駅前徒歩10秒くらいのところに威風堂々たる居を構えております。
正確な住所、調べてなかったなあ…と心配する余裕すら与えぬほどわかりやすい場所にあり、だいぶ拍子抜け。
日曜日だからか、元々なのか、お店は軒並みクローズしています。1階は、うなぎ屋、パチンコ屋、不動産屋(移転済み)、大衆居酒屋…等が並んでいます。
廃墟ではないので、内部アプローチも楽勝。「2階飲食店街」という看板の下から階段が延びていますので、ちょっと上がってみましょう。
む、カビ&ホコリ臭っ…。しかし、この臭いにえも云われぬ廃な風情が凝縮されているようで、ちょっとゾクゾクします(←変態)。
地方の小料理屋のようなお店の看板が並びますが、お店にアプローチする道はありません。ということは、すでに廃業しているのでしょうか…。
3階には中国書籍を専門に扱う本屋が。しかし本日はクローズ。さらに4階へと足を進めますと…。


おわっ


放浪乙女えくすとら-RIMG0568


ホルス21…。
古代エジプトのシンボル・ホルスの目がでかでかと描かれております。こっ、怖~~~~~!
いったい、どういうことなんでしょうか…。東京の古い雑居ビルにおけるこのビジュアル、インパクトありすぎです。この壁画(?)を見た者は呪われる…という都市伝説があってもおかしくないぞこりゃ。
その目を囲んでいる鳩の絵は、何ゆえ鮮やかな赤色で描かれているのでしょうか…。鳩のヘタウマさ加減がいやに不気味です。
「さらに上に進んでください」という、廃墟マニアの悪戯書きにも見える小さな手書きの案内に従って、さらに上に上がりますが、残念ながら封鎖されていました。これを上がっていくと、ショーケンのペントハウスに行き着くのでしょうか。
改めて外観の全貌を眺めると、建物の造形といい経年劣化具合といい、確かにプチ重慶飯店のような様相です。
最初の物件としてはかなりいい衝撃を受けつつ、次なる場所へと向かいます。


放浪乙女えくすとら-RIMG0579 鳩が怖すぎる件。


☆青山霊園~西麻布


天気がよいので、青山霊園を散歩しながら西麻布方面へと向かいます。
乃木希典や小村寿太郎といった明治の有名人の墓などを発見しつつ、霊園を南へ抜けますと、出口付近に「かおたんラーメン」と看板を掲げているラーメン屋があります。
ぐるなびや食べログでも紹介されている、昔からある有名なお店ですが、なんと云っても目を引くのはその外観。都心においてはあきらかに異彩を放つバラック小屋です。
ちょうどお昼時に到着したのですが、残念ながら定休日でした。。。腹を空かせたまま先を急ぎます。


放浪乙女えくすとら-RIMG0618 香織で“かおたん”というあだ名の同級生がいたな、そういえば…。


さて、何ゆえに西麻布を目指しているのかといいますと、どうやらこのセレブタウン(貧乏人立ち入り禁止区域)に、三丁目の夕日仕様なボロ…いや、レトロな木造アパート群が残っているそうなのです。
いったいどこにそんなものが…? と不審に思うほど、周りは小奇麗なマンションや民家ばかりで閑静な住宅地といった風情。むむ、すでになきものになっているとか?
しょうがないので、「東京DEEP案内」にてカンニングすることにしました。とは云え、住所番地が書いてあるわけではなく、皆で知恵を絞り暗号を読み解くようにして探しましたら…あった、あったよおっ母さん!
本当にそこだけを時間が置き去ったかに見える、古い長屋風の家屋がマッチ箱のように並んでいます。
しかし、ここは廃墟ではなくれっきとした居住区です。物干し台には洗濯物が干され、今時これはないだろうというくらいに狭い路地に人影が現われて、一瞬ヒヨるわたしたち(苦笑)。地上げ屋に対する挑戦的な張り紙も目につき、妙に後ろめたい気持ちになります…。
無暗にウロウロすると、それこそ地上げ屋と誤解されかねないので、ここは10分程度の滞在で速やかに立ち去ることにしました。


放浪乙女えくすとら-RIMG0102 ビルの谷間に。



放浪乙女えくすとら-RIMG0112 金網と塩ビ波板の間に挟まった選挙ポスター。

(下)へ続きます

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2010年08月06日

山ガールならぬ、廃ガールで

テーマ:東京秘境

さて、先の廃墟ツアーを機に、雑誌「ランドネ」に代表される(?)女子アウトドアファッションが猛烈に気になってしょうがない昨今です。
これまで、アウトドアファッションと云えば、フィンランド旅行の防寒対策でやむなく買い出しに行ったくらいのもんで、縁もゆかりもなかったのでしたが……。夏という季節も関係しているのでしょうか。


前回の廃墟ツアーでは、飲み会に行くのと大して変わらないようなナメた服装で臨み(なんたって、ミルクのスカジャンにミニスカート、足元はなんと9cmのウェッジソール! バカかよ!!)、ケガはしなかったものの、後々、大手廃墟サイトなどに書かれている廃墟に潜む危険 を読むと背筋が寒くなるような装備でした。。。
よく考えてみれば、海外に行くときはバックパックにアーミーパンツにスニーカー、なわけで、最低でもそれくらいにはしろよ!って感じですよね。
ということで深く反省いたしましたので、今回は打って変わって、装備には気を遣うことにしたのです。時間や予算の都合もあり、とりあえず新しく買ったものと云えば、新宿萬年屋のヘルメットとグローブくらいですが(え? それはアウトドアじゃないのでは……)、これを機に、より安全かつ機敏に動ける装備を、徐々に充実させたいと思う次第です。


流行りに乗って山ガールになるつもりはないけれど(山に登るだけではどうも食指がなぁ……山登りは健全すぎるのかも)、廃墟観光と登山の装備はかぶる部分もわりとありそうなので、ファッションだけ拝借しちゃおうかしら~と思っているわけです。
旅になると、途端にミルクだのエミキュだのとは縁が切れ、ねずみ男のような服装になり下がることが密かな悩みだったのですが、アウトドア服もあんなにかわいく着られるものなんですね。次回の旅からはもうちょっと服装に気を遣おう(笑)。
手始めに、かねてより旅行用に探していたウインドブレーカーを購入したいところです(でもレインスーツの方がいいのかな……悩み中)。あとは、25~30リットルくらいのゆったりしたリュックや、今流行りの山スカートや、高機能下着なんかも興味津々。
メーカーもどこにするか迷うう。チャムスのスウェット素材もかわいいし、モンベルの地味な洗練具合もいいし、コロンビアのカラー展開も楽しいし、ミレーやエーグルもいいよね~と、急に普段なじみのないメーカー(笑)について語り出すあたりが、ほんとミーハーですみません。
これまで全っ然気がつかなかったけど、職場の周りは名だたるアウトドアメーカーのショップがてんこ盛りなのだ! 地の利を活かしてあちこち物色してみたいと思います。


ただ、山ガールのようなポップさ&カラフルさと廃墟は、物理的にも精神的に相容れないような気もするので、結局は地味な服装になりそうですね。
いやほら、廃墟観光ってあんまりひと目につかない方がいいですし……。廃墟のプロたちのサイトを読むと、山ガールというよりは軍モノ系で揃えた方がよさそうなくらい、安全対策に力を入れているのです。わたくし、スニーカーだけはスケッチャーズの厚底以外、履くことを許されていないので(誰にだよ)、そこは譲れないんですが、他のことはおしゃれよりも機能を優先しないといけないかも。海外旅行に出るときと基本は同じですね。安全第一(って、工事現場か)。
女特有の危険、てのもありますしね……。ま、これは一人旅のときもさんざん云われたことですけども(「売られるよ!」とか)。廃墟での危険リストにも、女の場合は、中にDQNや浮浪者がいた場合は(以下略)、って書いてあって、うわマジ怖ええ! と思いました。試しに「廃墟 女子」で検索したら、「廃墟に連れ込まれた女子高生」などという恐ろしげなレイプもののAVが出て来て、暗い気持ちに……。しかも、実際にそういう事件、あったみたいだし(涙)。


でも、そのうち、世間が森ガールにも山ガールにも飽きて、廃(墟)ガールの時代が来て、おしゃれな廃ガールファッションが流行らないかしら……って、んなわけねっか♪

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2010年08月05日

夏の廃墟(下)

テーマ:東京秘境

あまり時間もないので(廃墟ツアーは日没までに終了したいものです)、ロープウェイに別れを告げ、次の目的地へと向かいます。


<透明なつり橋>
同行者の提案で今回の目的地が“透明なつり橋”だと聞いたとき、何じゃそら? どういう意味? と不思議でなりませんでした。
検索をかけてもほとんど情報は出てきませんが、それは、奥多摩の山奥・日原にひっそりとあるようです。
この日原という場所、誰がつけたか「日本のチベット」なんて呼ばれているらしい。つまり秘境ってことですか……確かに、そう云いたくなる気持ちはよくわかります。でもまごうかたなき“都内”でもあるわけで! このギャップの凄まじさよ。


小菅集落に向かう途中、二股に分かれるようにして舗装されていない山道が現れます。
昭和30年ごろまでの旧道、日原へ続く道であり、吊り橋への入り口です。同行者の一人が、事前に下見に来てくれていたおかげで、難なく発見できました。
廃道専門サイト「山さ行がねが」によると(このサイトがなかったら我々も行くことはできなかっただろう……多謝)、この道は、東京府道日原氷川線というそうな。
未舗装ですが、T電力などの車両は通っているらしく、ぬかるんだ地面に轍がくっきりと残っていました。関係者以外立ち入り禁止の道なので、万一、作業員に出くわしたら大変です。土曜日だからリスクは少ないだろうと思いつつ……。
最初の方は、道幅もそれなりに広く、よくあるトレッキングルートと変わらぬ様相です、が、よく見ると落石が多いな……。杞憂とは思いつつも、持参していた「萬年屋」のヘルメットをここで着用しました。


進むにつれ、心なしか石の量が増えているな……と思っていたら、途中、大小の落石が雪崩のように積み重なり、道がふさがっている場所がありました。石の雪崩は、そのまま奈落の底へと続いており、踏み外したら一巻の終わりです。
進むか戻るか……しばし全員が悩んだ末、男子2名とわたしは進むことにし、女子2名は留まることになりました。
こういうとき、わたしはどうしても大人しく待てないのです。先陣を切って渡った男子が行けたということは、わたしにだって行けるはず……なんて、ヘンに勇気を振り絞ってしまうんですなあ(苦笑)。いや、勇気ではなくて単に損得勘定ですかね。でも、女の子たちはわたしよりも若いし、万一ケガでもしたらと思うだけでも背筋が凍るので、待っていてくれてよかったです……。
その後も、似たような落石ポイントがあり(さっきよりはマシでしたが)、そのたびに気持ちが萎えそうになりつつ、とりあえず進むしかないので進みます。
ふと見下ろすと、渓流が、高層ビルの上から見る道路よりも小さく見えました。転落は絶対に許されない場所です……。


1.6キロと聞いていたのに、なかなか目的地が見えません。不安を紛らすように同行者たちに話しかけつつ歩きます。
どのくらい歩いたでしょうか……おそらくあの落石ポイントからは20分というところでしょうが、時間の密度がやけに高いように思えました。鉄塔が現れたあたりで、ゴールが近いことは予想されたものの……。
ふいに視界が開け、打ち捨てられた庭のような広場が現れました。男子2名はちゃんと予習をしてきているので(えらい! こういうところにふと男女の差異を感じる……)、そこがゴールだと分かったようです。廃車になったトロッコが、現代アートのオブジェのように転がっていました。
そして、その広場を右に進むと、「透明なつり橋」が現れます。


それは、橋桁だけが落ちた橋梁の廃墟でした。
ワイヤーが柳のように垂れ下った巨大なつり橋の向こうには、現役で稼働する鉱山の工場が山肌にへばりつくようにして建っています。
この橋は、現存していれば東京都で最も高い橋だったそうです。現在の最高記録は、同じ奥多摩の倉沢橋(64m)ということですが、ここは100mの高さがあるとか……。
しかし、橋げたの無いつり橋とは、なんと奇妙な物体でしょう。巨大なだけに、また、橋桁以外のかたちはしっかりと残っているだけに、この物体を何と定義したらいいのか、分からなくなってきます。
橋は、生い茂った木々に徐々に飲まれていくように見えました。谷底は深すぎてまったく視界に入りません。
いろんな意味で圧倒的な光景ですが、云いようのない物悲しさはやはり廃墟ゆえでしょうか。
つり橋の前には、小さなキカイダーのおもちゃと、ドロドロに溶けた花束らしきものが添えてありました。
ここから容易に想像できることはありますが、あまり深く考えると怖いので、手を合わせるに留めました。


そして帰りは、大沢集落にある、廃墟なのか現役なのか不明の超建て増し木造住宅を外から見学しつつ、最後は、鳩ノ巣駅まで戻って、駅前の釜めし屋できのこ膳に舌鼓。歩き疲れた体に、ごはんの美味しさがひとしお沁み入りました。


*******************


どうもこれまで国内旅行には積極的になれなかったけれど、廃墟を軸にすれば、国内旅行に新たな光が見えそうな予感がしています。
海外なら、あるいは帰る日の決まっていない長旅なら、はっきりした目当てなんかなくても旅自体で楽しめるんだけど、国内で短い時間の旅となると、何かしらの目標や起承転結が欲しくなるみたい……。
でも、世の中にはすでに廃墟のプロ(?)がたくさんいるので、わたしはあくまでも、廃墟探索というよりは廃墟観光のスタンスですかね。新しい廃墟を開拓したり、難易度の高い廃墟を制覇するとかではなく、すでに遺産化しつつある第一級廃墟を中心に見て回るのがちょうどいいかなー、と思っています。
でも廃墟観光って、基本は不法侵入ですから(苦笑)、あんまりおおっぴらに楽しんじゃダメかしら?


今回の目的地を決める前に、さまざまな廃墟本やサイトを参考にしましたが、有名どころは軒並み解体済みになっていることが多く、廃墟の足の速さに愕然としました(今さらですけど……)。
それと同時に、今ある苦しみや喜びも、一瞬たりとも同じかたちではなく、やがては変わり果て、終わっていくのだということを痛感します。朽ちて行く廃墟の姿は、そのまま(自分の)人生の姿でもあるわけで、いつかは取り壊され、この世から消えて行くわけで……。心は常に、今ここではないどこかを求めがちですが、わざわざ求めなくてもどの道、“今”“ここ”は消え去っていくんですよね。仕事が辛かろうと、建設的な展望が持てなかろうと……。
廃墟は“諸行無常”をリアルに、強烈に教えてくれる。人の死を日常的に目の当たりにすることは、医療従事者などでない限りなかなかないし、その生々しさに対する耐性もないのですが、廃墟なら自分の目で確かめることができる。そういう意味で、廃墟には、哲学的な存在意義があるようにさえ思えます(毎度おなじみの大げさな感想)。
これが、遺跡や神社仏閣や古い街並みだと、そういうニュアンスが半減するんですよねー。
さて、次はどこに行こうかなあ。


放浪乙女えくすとら-RIMG1719
屋久島か!と、タカトシ的にツッコミたくなる。でも東京都。


放浪乙女えくすとら-RIMG1774

これが問題の落石ポイント。写真で見ると平坦にも見えるが……。


放浪乙女えくすとら-RIMG1721
こんな道がえんえん続くのであった。


放浪乙女えくすとら-RIMG1770

詩的にも思える広場。左に見えるのがトロッコの廃車。


放浪乙女えくすとら-RIMG1733

この先がつり橋。思いっきり立ち入り禁止……。


放浪乙女えくすとら-RIMG1738
確かに“透明なつり橋”だった。


放浪乙女えくすとら-RIMG1761
限界まで手を伸ばしてズーム。


放浪乙女えくすとら-RIMG1740
人間とのサイズ比較もどうぞ。


放浪乙女えくすとら-RIMG1789
激しく建て増しされた住宅。


放浪乙女えくすとら-RIMG1797
じゃれあうにゃんころ。やけに猫が多かった。

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2010年08月04日

夏の廃墟(上)

テーマ:東京秘境

海だキャンプだフェスだと、夏はイベントが満載ですが、どれもこれもわたしとはご縁がないようで、夏のクソ暑さだけをチャリ通で大満喫しております。せっかく「スイマー」で浮輪も買ったのに、どうしてくれる!?
そんななか、唯一夏らしいイベントととして、このほど第2弾廃墟ツアーに行って参りました。
どこらへんが夏らしいかと云うと、松尾芭蕉も「夏草や つわものどもが 夢のあと」と詠んだように、廃墟の季語は夏(注:ウソです!ていうか、廃墟の正確な季語など知りません…)。
ま、実際のところ、夏は廃墟探索に向かない季節らしいのですが(虫、藪、酷暑など)、あまり細かいことは気にしないでください。
(あ、飲みの席で「ぜひ参加したい!」と云ってくださった幾人かの方。お誘いできずすみません。車の乗車人数の関係上もありますが、よくよく考えると廃墟はピクニック感覚で行く場所ではなく、気軽にお誘いして惨事が起こってもいけないので、わたくしめがもう少し廃墟探索に慣れましたら、改めてお誘いできればと思います。まあ、そんなハードな場所に行くつもりはないですけどね……。)


今回のお品書きは、


・奥多摩湖ロープウェイ
・日原の透明なつり橋
・倉沢廃集落


の豪華3本立て。
結果的に、最後の倉沢集落は時間切れで行けませんでしたが、前2つだけでも、充分お腹いっぱいのコースでした。では、前後編に分けて感想文を。


<奥多摩湖ロープウェイ>
1975年に運休停止申請された、奥多摩湖にかかるロープウェイ。ということは、わたしが生まれる前からすでに廃墟への道をたどっていた、云わば廃墟の老舗(って何やねん。むしろそれは遺跡と呼ぶべきか?)。
たった600メートルの距離を結ぶロープウェイは、橋梁の敷設によって観光客が激減。衰退の一途をたどって、現在は奥多摩の山奥に放置状態になっています。


ロープウェイへは、奥多摩某所のレストランが2軒ある駐車場からアプローチします。
5分も歩けばあっさり目的地前に到着しますが、その前にテニスコートがででん!と居座っており、早速行く手を阻まれます。
テニスコートの金網はとてもよじ登れる高さではなく、トビラにはしっかりと南京錠が下ろされています……。
ふと目を凝らすと、ロープウェイ駅の前にある白い小さな建物(これも廃墟。昔の売店?)の前に、一人のおばあちゃんが座っているじゃないか……しかも裸足で。
廃屋に住んでいるのか? どうやってここに入ったのか? というかここに入るにはおばあちゃんの許可が必要??
素姓はまるで分からないながら、人がいるとあっては、あまりおおっぴらに侵入できません。
ここは正面突破で行くか、と、ばあちゃんに話しかけてみますが、聞こえているのかいないのか、何も答えは返ってきません……。
結局、テニスコートの脇にあった足場30cmくらいのガケ道を伝って、奥の広場へ。眼下には奥多摩湖の眺望もさることながら、墓場が広がっており、いろんな意味で怖かったです。よいこのみなさんはマネしないでね♪
(ちなみに帰りは別の道を降りたら、行きと反対側の食堂の横に出たので、そっちから行っておけばよかったです。まあ、ちょっとした冒険気分は味わえましたが……)


晴れてロープウェイの始発駅「かわの駅」に到着。
駅舎を周って行くと、繁る草木の向こうに「くもとり」とひらがなで書かれた1体のゴンドラが待っていました。
その姿は、静かで、どこかやさしく、まるで大きな生き物が眠っているかのようでした。
数十年も放置されているとは思えない状態のよさにうっとりしつつ(廃墟系サイトで見たよりも色あせてはいましたが)、駅舎の中を探索します。
機械室に入ると、巨大な鉄輪が真っ先に目に飛び込んできます。コンクリートの建物内部は薄暗くに、窓からの四角い光だけが刺さるように入ってきます。その光で、沈黙したままの朽ちた機械たちがぼんやりと浮かび上がるさまは、工場萌えならずとも「か、かっこいい……」と思わずつぶやきたくなる光景です。
機械室、運転室、トイレ、休憩室、改札などをひととおり周回。○×参上!的な記念パピコラクガキもあちこちにあり、人為的破壊の後も見られますが(ゴンドラには弾痕も……やめたげてー!)、不思議と凄惨な感じはなく、ゆっくりと自然に廃墟になっていったような印象を受けます。なんとも趣のある廃墟です。


しかし、何が心に残るって、やっぱりゴンドラでしょう。
ゴンドラの「くもとり」とは、東京都でいちばん高い山・雲取山から取られた名前ですが、その文字を見ていると、猛烈な感傷に襲われて、ちょっと怖いくらいでした。
この錆びた鉄のかたまりに名前がついているというだけでも切ないのに、この子は黙って「くもとり」というゼッケンを貼りつけたまま、山深いこの地で静かに朽ち果てようとしている。何も知らないのかな、いつからかふっつりと来なくなったお客さんを、今でも待っているのかな……、などと勝手に擬人化して、涙腺が爆発しそうになるわたし(苦笑)。
これがただの朽ちた車両なら、そうまで感傷的にはならなかったかもしれないのに、「くもとり」というかわいい響きの名前がついていることが、感傷スイッチを容赦なく押しまくるんだよなあ……うっう。
廃墟とて、時間の経過から逃れられるはずもなく、むしろ、それこそが廃墟を作り上げるのですが、それでもここにいると、時間が止まるということもあるのかも知れない、なんて気持ちになります。


「くもとり」には生き別れの兄弟「みとう」がいます。
終着駅である「みとうさんぐち」駅に今もいるようで、そちらにもぜひ会いに行きたかったですが、夏は藪が茂りすぎてアクセスが難しいということで、今回は断念。晩秋くらいに来られるかなあ……。
何というか、「またね」って云いたくなるような廃墟でした。またね。また会いにくるね。ってわたしは青山テルマか。ただでさえ足の早い廃墟にかける言葉ではないのかもしれませんが……。
それにしても気になるのは、廃墟の片隅にいたおばあちゃん……、あなたは山の妖精さんですか?(苦笑)


次回へつづく



放浪乙女えくすとら-RIMG1606

テニスコートの金網越しから、駅舎を臨む。このときはまだ全員が途方に暮れていた。ちなみに、おばあちゃんがいたのは画面よりもぐっと右の方。


放浪乙女えくすとら-RIMG1613
いい眺めだけど、このとき足場30cm。。。


放浪乙女えくすとら-RIMG1618

駅舎からしてもう雰囲気ありまくりで、ワクテカが止まらない。



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いた~~~!!! ゴンドラ「くもとり」 。

放浪乙女えくすとら-RIMG1700
立派にかたちを留めている「くもとり」。


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機械室の内部。


放浪乙女えくすとら-RIMG1638
内部その2。窓からの光は強烈だけど、やっぱり薄暗い。


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機械室の最深部にある受電室。真っ暗すぎて肉眼では見えないが、フラッシュを焚くとこんな感じで、現役バリの良好な状態。


放浪乙女えくすとら-RIMG1678

運転室から「くもとり」を臨む。仮に今、運転したとしても竹やぶがすごくて進めないだろうな……。


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誰かがひっそり置いていったらしい。書き込もうかと思ったけど、なぜか躊躇してしまった。また今度。


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2010年07月23日

これがホントのSATCですわよ(はぁと)

テーマ:東京秘境

昨年は慌てて屋久島に駆け付け、見事、日食にフラレた夏の三連休。
それに懲りたわけでもありませんが、今年は大人しく、クソ暑い東京で過ごしました。しかしホンマに許しがたいほどの暑さですな。。。冗談抜きでやけどしそうですよ。
東京にいればそれなりに何かしらはあるもので、ライブに送別会にと遊び回っておりました。
(ライブに来てくださった方、ありがとうございました!!! 超ふがいない出来だったので、若干、顔が上げにくうございます……。)


しかし……何と云ってもメインイベントは「SA●ISTIC CI●CUS 2010」です。
今回はまりっぺさんとご一緒させていただきました。かれこれ3か月も前からの約束です。
この日は朝からバンド練習→ライブ本番→打ち上げとこなし、最後に待っていたのがこのイベントでした。我ながら消化しきれるのかと心配でしたが、やっぱり翌日は死んでました。


今回のラインナップは以下の通り。

・こまどり姉妹
・浅草駒太夫
・東方力丸Vs.山田広野
・ルイス・フライシャー
・蕾火&早乙女宏美
・ペイン・ソリューション


前回に比べると出演者も少なく、時間も夕方スタートとずいぶん健全になっていました。
こまどり姉妹がここに名を連ねていることが気になってしょうがないですが、前半は観られなかったため、後半の感想のみ。


☆ルイス・フライシャー
うっすらと名前に覚えがあるなあと思ったら、前回のイベントで幻想的なサスペンションショーを披露していた方でした。
フライヤーには「凄惨! 人肉音楽」という普段では見慣れないコピーが踊っていたので、下世話な好奇心をムクムクと膨らませていましたが、今回もゴシックな宗教儀式的パフォーマンスでした。あまりに耽美的なので、途中、眠気が襲ってきてしまったくらいです。
“人肉音楽”は、2人の背中のサスペンションでワイヤーをつなぎ、そのワイヤーを棒で叩くと音が奏でられるというような仕組みでした。肉そのもので音楽が奏でられるのではないかと心配(若干期待)しておりましたが、そんなことはなかったです。
一時、舞台から降りて観客に叩かせるサービスもありました。しかし、わたしたちの前の人までで惜しくも棒がなくなってしまいました。。。ぜひ叩きたかったです。
目の前で、線の細いキリストみたいな人が、恍惚とも取れる表情を浮かべながらよだれを垂らしていたのが印象的でした。
しかし、サスペンションは変態界の最右翼というか、1つだけ突き抜けているなあとしみじみ……。
いったい何が彼らをこのような殉教者じみたパフォーマンスに駆りたてるのか……興味は尽きません。


☆蕾火&早乙女宏美
後者の方は確か、前回のトリだったような。
今回は、緊縛+切腹ショーの組み合わせ(って、平然と書いてるけどよく考えたらすげーな;)。
白虎隊の娘バージョンである「娘子隊」(※実在)の最期を、緊縛と切腹を交えて描くドラマ仕立てでした。
ベタな演出と云えなくもないですが、実際にこんなシーンもあったりして……と思うと、背筋が変な感じでぞくりとします。また、白虎隊じゃなくて娘子隊というマニアックさも何かエロいのよね……。
逆さ吊りにされ、細い体ですすり泣くさまは、演技と分かっていても被虐性満点で、S心を大いにそそります。
ま、細いと云ってもこのテのショーに出るおねえさんたちの体はよく鍛えられているな~と感心しますがね。腹周りの締まり方が普通じゃないですもの。
ところで、前回も気になったのですが、切腹ショーの鮮血は血のりを使っているんですよね……? 本当に切腹していないのはさすがに分かるけれども、薄く皮膚を切っているんじゃないか?と思っていました。実際はどうなんでしょ。


☆ペイン・ソリューション
今回のトリにふさわしい、素晴らしいショーでした!!!
これだけ見に来たとしても甲斐があったと思います。
まず、「レディース、エン、ジェントルメン!!」てな感じで、ザッツ・エンターテインメント的にポップなスタートを切ったときは、いい意味で予想を裏切られました。
「身体と精神を限界まで追い込み、残酷な美学と 極限的な身体制御で観客の視覚に訴える。 ペイン・ソリューションは苦行僧の訓練法をマスターし……」という紹介文から、どんだけハードなのかと思っていたら、、、何だこのテンションの高さ!!
耽美系が2本続いた分、この底抜けに明るい雰囲気に、一気に魅了されたのでした。
しかし、雰囲気は明るくとも、やっていることは確かに苦行僧のそれです。はるばる北欧はノルウェーからいらっしゃった3人組、ヘッドマスター(♂)、マニアック(♂)、プリンセス(♀)が、電撃ネットワークもビックリの体を痛めつけるパフォーマンスを次々と見せてくれます。プリンセスちゃんは、プリプリしたとってもかわいい女の子なのに、腹にふっとい棒(1本)をぶっ刺して宙に浮いたり、男2人のサスペンションワイヤーでつくったハンモックに腰かけたりしていました。。。


電球をバリバリ食べるのも、マジックリンをのどにスプレーするのも(のどぬーるかよ!)、顔にプスプスと針を刺していくのも、すべてがあくまでコミカルに行われ(音響も絶妙)、「うわ~痛った!!」と顔が歪みつつも「うわ~凄ええ!!」と笑ってしまう、ジェットコースター的おもしろさ。パフォーマンスが終わるたびに、団長が英語で「みんな~、もっと観たいか~?」と聞くのがまた楽しい。
いちいちおもしろくすごいのですが、いちばん驚嘆したのは、でっかい針山をサンドイッチしながら3人が水平に乗り重なっていくパフォーマンスでしょうか。
あとはラスト、団長の顔に指しまくった針を次々と抜いて流血! というパフォーマンスも、観客のうれしい悲鳴(なのか?)を沸かせていました。やっぱこのテのイベントは、流血を見てナンボです(?)。
ちょっとやそっとのことでは驚かないであろうまりっぺさんも満足そうに席を立ち、ペイン・ソリューショングッズを買いに走っていました。パフォーマンスの直後とあって、ペインコーナーは超・大盛況。そりゃ、あれを観た後では、記念品が欲しくなるのも当然のなりゆきです。ということで、わたしもTシャツを買おうとしたのですが、あいにくサイズがなく、ライターだけ買って帰りました。


後で調べたら、翌日は「聖ヴァニラ学園」というイベントでボディ・サスペンション教室をやっていたらしいですね~。連日すごす!!
しかし、同じ体を張ったパフォーマンスでも、アスリートのそれは「夢と希望と感動をありがとう!」とか云われて多くの喝采を浴びるのに比べ、こちらは、多くの人にとってはただの変態で「やだ~コワイ~」で終了になってしまうのは、何とももったいないことです。体の張り方は、こちらも相当すごいんですもの!!
いや、正直、ピュアな感動すら覚えましたもん(笑)。


そんなこんなで、わたしにとっては「SATC」よりも刺激的な"SAdisTic Circus"でした(こじつけです、てへ☆)

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2010年05月21日

廃墟のように美しく

テーマ:東京秘境

これまた1か月も前の話になりますが…(書きかけで放置しているテキストの多いこと!)。


放浪乙女えくすとら-RIMG0037


歴史ブームとともに周期的に自分の中にやってくる廃墟ブーム。
かなりしばらく落ちついていましたが、先だって有志で集まりニッチツ鉱山の廃墟ツアーに出かけたことで、第?次廃墟ブームが静かに湧きあがっております。
やはりこういうものは、ナマで見ると写真などで見るとでは、受ける感情の質量がぜんぜん違いますね。「百聞は一見にしかず」という言葉をしみじみと噛みしめています(モノによっては逆のこともありますが…)。


振り返ってみれば、遺跡でない廃墟を訪問するのは初めてです。
昔、神戸に住んでいる友人と「摩耶観光ホテルに行こう」という話をしたことはあったけれど、実現には至っていません。
廃墟本も数冊持っているし、昨年は「HPが終わったら軍艦島に行く!」と公言もしていたにも係わらず、これまで、廃墟らしい廃墟に行ったことがなかったのです。


面白半分に行くことに微かに気が咎めはするものの、やはり廃墟には抗いがたい魅力があります。
今回の物件「ニッチツ鉱山」は秩父の山奥にあります。
うねうねと山道を走ったあと、鉱山村の手前で現れるのは、長い手掘りのトンネル。トンネルの出口は、肉眼だと5センチにも満たないような大きさで、小さく白く光っていて、本当にこの先には何があるのだろう、と思わせます。『千と千尋の神隠し』の冒頭で登場する、異世界につながるトンネルのような果てしなさです。宮崎アニメで喩えるなんて、わたしらしくないですね☆


そしてトンネルを抜けると(ああ、この『雪国』的なトンネルの抜け方など、なかなか出来るものではない)、いよいよ廃墟集落の始まり。工場の建物が要塞のように、山の斜面にへばりつくようにして建っています。
ここは厳密には廃村ではなく、小規模に稼働しており、入口にある郵便局は今でも現役です。この日は土曜日のため閉局していたので、うっかり廃墟かと思ってしまいましたが…。
郵便局の隣には、石灰の大きな山が築かれていて、まだこの村が動いていることを知らされます。


先に進むと、小学校、社宅、共同浴場、食料雑貨店、病院、講堂……などが次々と現れます。軍艦島同様、ここが1つの“世界”だったことを如実に物語っています。
小学校や浴場は閉鎖されているものの、社宅の廃墟群は管理が甘いのか、けっこう気軽に侵入することができます。
なんというか…圧巻です。木造建築の社宅は、内部はともかく、外観はかなりキレイにかたちを留めていて、手を入れれば映画のセットになりそうなくらい。雨風くらいなら凌げるんじゃないかと思いますが、なにぶん木造なので、階段なんかはちょっと危なそう(でも上った)。
社宅のほとんどが、下から見ると「どうやって家に帰るねん!」的なすごい斜面に建っていて、中には切り立った岩の上にせり出しているような社宅もあります。「玄関開けたら2分で断崖♪」ってか…。メテオラ(@ギリシャ)じゃないんだからさ。
社宅の廃墟は、さすがに時が経っているのと、ある程度の取り壊しも進んでいるようで、そこまで生々しさはありません。死体だとビビるけど、ミイラだとそうでもないように、この廃墟もわりとミイラ寄り(って何だよ!)の、静かに風化したような雰囲気が味わい深い(動物のコロコロしたフンが散乱しているのがちとビミョーですが…)。
それでも時折、道ばたに懐かしの「はちみつレモン」の缶が転がっていたり、玄関先にヤクルトのポストがかかっていたり、はたまた日付の入った新聞や「小学5年生」なんかの雑誌がガラクタの中から現れたり……、時の経過を明確にする“固有名詞”が現れると、妙にドキッとします。
あと、何故か陶器製の便器がそこここに埋まっていました…。
そんな、点在する“忘れ物”からは、物言わぬ廃墟の無言のメッセージが聞こえてきそうです(ポエマー的表現)。
ちなみに、ニッチツ鉱山は、昭和40~50年代が最盛期だったそうです。当時は3000人近くが住んでいたのが、今では何人になったのでしょうか…。


さらに進み、集落の終わりあたりに来ると、今も稼働している工場勤務者の居住区エリアにたどり着きます。さすがにここは生きている場所なので、侵入は自重しました。
それにしても、このような人里離れた場所で働き、暮らすという心情は、どのようなものなのでしょうか…と、失礼な好奇心を働かせてしまいます。
しかも、単に田舎であるという類いの場所ではなく、周りは8割方廃墟。物好きや人目を避けて暮らす人ならいざ知らず、普通に働いて暮らしているなんて…。想像しようにもあまりに遠く及びません。


どうせなら、集落の中ほどにある病院の廃墟にも侵入したかったのですが、道路から病院へ架かっている鉄橋がかなり錆びており、万一落ちた場合は半身不随になることも覚悟せねばならない高さでしたので、断念。
いちおうしてある柵は簡単に越えられるようなシロモノで、「ここからは責任は持てませんけどまあ行きたい方はどうぞ」といった感じだったので、本音を云えばかなり行きたかった…。でもま、病院の廃墟というと、どうしても心霊スポット的なものとリンクしがちなので、やっぱ行かなくてよかった…かな?


何ともはや、詩的とでも評したいような廃墟でした。
こういう場所を見ると、日本(の観光)の美しさは廃墟にあるのではないか?などと思ってしまいます。
日本の国道・県道沿いはどこも、うんざりするほど同じような風景ばかりですが、もしあれらの量販店やアミューズメント施設が廃墟群だったら……と考えると、ちょっとぞわぞわしてきます(変態?)。
かつて在ったものが、今はない。でも、確かにそこには在った…。
生身の人間を含め、そんな、どこででも絶えず繰り返されている営みに、今さらながら強烈なノスタルジーを掻き立てられます。そして、ノスタルジーとは何と美しい感情なのだろう、と。


ところで「廃墟」とくれば「工場」「秘宝館」「見世物小屋」…などのキーワードが芋づる式に繋がっていくのが面白いですね。
多分、旅好きと廃墟好きの人口はかぶっているし、廃墟好きは自ずと工場萌えにもなりそうな気がする。
とりあえず廃墟ツアーは定期開催したいですね(笑)。東京の秘境ツアーも1年くらいご無沙汰しているので…(←誰かが引っ張ってくれないとやらない子)。次回は足尾銅山でどうでしょうか。
かねてよりの軍艦島訪問計画も再燃してきました。
ぶっちゃけ、今年も旅行するんなら海外かなーと横にうっちゃっていましたが(え?海外行ける??)、ここはワンピースの1枚や2枚、いや10枚くらい削ってでも行かねばなるまいて…。


【プチ写真館】※この日、運悪くメモリーカードがいっぱいで、いつものように狂ったように撮影できず、不満が残ってます(笑)。


放浪乙女えくすとら-RIMG0018

まずはこのトンネル。ちなみにこの白い泡、よく「コダマが映ってる」とか云われますが、わたしは信じません…。



放浪乙女えくすとら-RIMG0027

本日は休業。ゆうパックの旗の色鮮やかさが、現役の建物らしい感じ。



放浪乙女えくすとら-RIMG0047

圧巻の木造社宅!遺跡認定したいくらいだ~。


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日中国交回復1周年間近!…ということは1973年。にしては色鮮やかに残っているなあ…。



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写真で見るとそうでもなさそうですが、けっこうな崖の上に建ってます…。


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社宅の内部はこんな感じ。2階建ての長屋が多かったです。


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ここはかなりモノが残っている廃屋でした。

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2009年11月13日

祭りの秋:府中刑務所文化祭

テーマ:東京秘境

さる文化の日(己の怠惰で毎度ながら内容が古くなる)。友人に「ブログのネタにでもすれば~」と誘われ、第34回府中刑務所文化祭に行ってきました。
いつもブログに書くネタを探している人、と思われているのもバツが悪いけれど、なかなか興味深かったので書きます(結局書くんかい)。



放浪乙女えくすとら-fuchu3 昔の刑務官。やけにリアルな造形。


府中刑務所は、日本最大の刑務所であり、主に再犯の男子受刑者(B級)と外国人受刑者(F級)が収容されています。
名前だけはよく知っていても、近所にでも住まない限り、刑務所は近しい存在ではありません(個人的性向としては近いかも知れませんが……)。そんな刑務所で、誰でも参加できる文化祭とはこれいかに。


府中刑務所は、府中駅から歩いて15分くらいのところ、ごく普通の住宅街の中にありました。
近づいてみると、門からはみ出すようにして長蛇の列が……何かと思ったら、刑務所の自家製しょうゆ&味噌セットの物販でした。
その他、文化祭ではあちこちに行列ができています。100円パン、刑務所食堂、コンピュータ性格診断、はては綿菓子屋台にまで。刑務所作業製品の物販コーナーも、まともに品物を吟味できないほどの盛況ぶりです(函館刑務所のマル獄グッズが大人気)。
文化祭らしく、焼き鳥やら焼そばやら豚汁やらの屋台も出ていますが、屋台の看板に「スキー部」「相撲部」などと書いてあるので、受刑者の人たちもスキーとかできるの!?ムショライフってそんなゆるい感じなの?と目を疑いましたが、どうやらこれは、刑務官の部活らしい。そりゃそうか……。でも、短歌部とか文化系のクラブはあるみたい。



放浪乙女えくすとら-fuchu2 大盛況の物販コーナー。


会場の真ん中には特設ステージもあります。阿波踊り・エイサーから“デビルズ”というナゾのバンドの演奏まで、こちらも盛り上がっていました。
行列の後ろにいたおばちゃんが「もうすぐ出所する人がライブをやるらしいわよ」と云っていて、ホンマかいな!とちょっと期待していたのですが、それはガセネタでした(ちなみに“デビルス”は、ベンチャーズ系のおじさんコピーバンドでした)。


そう。最初、文化祭と聞いて、受刑者の人たちが売り子や催し物をしているのかと思い、怖いもの見たさの緊張と興味でドキドキしていたのですが、冷静に考えたらそんなワケないですよね。。。


食堂で食べられるムショめし(カフェめし風に読んでください)は、「チーズカレー」と「から揚げ定食」の2種類を選べて、一律500円。どちらもご飯が、刑務所名物・麦飯になっているのが特徴です。
よく、刑務所の食事はヘルシーなので、受刑者の糖尿病が治ったなんて話も聞きます。そりゃあ、規則正しく栄養のあるものを食べていたらさもありなんと思います。
わたしはチーズカレーを食べました。トマトの酸味がさわやかに効いていてなかなか美味しかったです。


さて、文化祭でダントツの一番人気イベントは、その名も「塀の中のバスツアー」です。
文化祭のスタート時間、朝10時の時点ですでに、どこよりも長い行列ができていました。まさか徹夜で並んでないですよね?!ドラクエ10の発売日じゃないですよね??
午前の部にはありつけず、午後の部の整理券を何とかギリギリで入手。何だかんだでこれに参加しなければ、文化祭に来た旨みが半減します(不謹慎)。
このツアーは、塀の中をちょっとだけお見せしますよといううれしい(?)企画で、20人乗りくらいのマイクロバスに乗って構内を周るのですが、窓にはスモークがびっしりと貼ってあり、サファリツアーばりの厳重態勢……。当然ながら撮影は禁止です。



放浪乙女えくすとら-fuchu1 デカい看板。


犯罪を犯さない限りくぐるのことのない鉄壁の門から入り、講堂、体育館、住居棟、工場、厨房&食堂、グラウンド、小さな日本庭園……など、刑務官バスガイドのアナウンスのもと巡って行きます。
どの建物も窓に鉄格子がはまっているのはいかにもムショっぽいですが、建物はなかなか立派です。
刑務所を取り囲む高い塀の上には細い鉄線が張り巡らされており、アウシュビッツの高圧電線を思い出しますが、実際は、電気は通っておらず、その代わりに即座に監視カメラが通報するシステムになっているそうな。特に変哲もないこんなコンクリ壁1枚が、娑婆と刑務所を隔てているなんて、物理的な距離の短さを思うとどうにも変な気分です。
構内には人っこ一人見当たりません。ここに3000人の人間がいるとはとても思えないほど、死んだように静かです。今日はこのツアーがあるから外出?は禁止になっているのでしょうが、それにしても不気味なほどに人の気配を感じません。
唯一、食堂の裏手で夕食の準備をしている人たちが見えました。食事の当番は受刑者でまわしているそうなので、「顔見えるで!?」と、ちょっとドキっとしました。この中に、●●弁護士とかもいるのでしょうか……。


刑務所の中身までは見られませんでしたが、独房の縮小模型やタイムスケジュールなどを展示で見ることができます。
アルカトラズを見学したときも思ったけれど、独房のつくりは、かなり、ある種の安宿に似ています。
縮小模型で見る限りでは、シングルはトイレ付きの畳部屋だし、ドミトリー(って云うのか?)は安宿の共同スペースのよう。同じ部屋の人たちと気が合いさえすれば、ドミの方が寂しくないか?と思いましたが、同居するのはそれなりの犯罪を犯してきた人たちなので、そんなに和気藹々とはならないでしょうか……。上下関係の恐ろしさは、旅人のドミの比ではないでしょうし、何と云っても逃げられないし。やっぱ個室の方がラクかな。
シングルのトイレはドアがなく部屋と地続きなので(小さな間仕切りのみ)、臭いが気になりそう……と思ったものの、よく考えたら、安宿シングルのバス&トイレもドアがついてないこと多いですね。
刑務所の生活は、ざっくりと、8時~16時までが刑務で、18時~21時の間に就寝するというスケジュール。勤務中の昼休憩が短いのでキツそうではありますが、ある種の工場労働もこんな感じですから、極端に厳しい労働環境でもなさそうです。



放浪乙女えくすとら-fuchu5 独房俯瞰図。


そう云えば、パネル展示の中に、こんなものを見つけました。


放浪乙女えくすとら-fuchu4 クリックして拡大版をどうぞ。


先にも書いたように、府中刑務所の収容対象は「B級受刑者」と「外国人受刑者」なのですが、B級受刑者の特徴として、「服役を繰り返している」「暴力団等の反社会集団にかかわっている」「覚せい剤等の薬物事犯を繰り返している」「アルコールに依存している」……まあここまではいいでしょう。続いて、

「放浪癖がある」
え?放浪癖って犯罪傾向の一種なの?!確かに、どこか遠くへ行ってしまいたいとか、すべてを捨てて逃亡したい願望は無きにしもあらずだけど、それって今話題のI容疑者的な感じってこと??


いやはや、何とも不思議な祭りでした。
この盛況ぶりを見るかぎり、己も含め、いかに刑務所に興味津津の人が多いことか。刑務所の中に入りたい、刑務所のごはんが食べたいと云って長蛇の列ができるって、考えてみたらすごい現象。入りたくなくても何年も入って、そこのごはんを食べてる人もいますよ?そんなに興味があるならガチで入ったら?と云いたくもなるほど、大衆的好奇心(野次馬精神)の業の深さを痛感した次第です。いやホント、他人事だから楽しめるんだよなー……。でも無関心よりはいいのかな。


帰り際、刑務官舎の庭で子どもたちが野球をしている場面に出くわしました。数メートル先にはあのコンクリ壁がそびえていて、ボールとかうっかり入ったりしそうです。


これを機に、かなり遅ればせながら花輪和一の『刑務所の中』も読みました。
いやーこの、恐ろしいまでに淡々とした、規則正しく静かすぎる毎日。受刑者たちの幼稚で和やかなやり取り。そして意外と恵まれた食生活。食べて寝て働いて喋って……人の営みというものが、塀の中でも同じように(ちょっと違うけど)行われているのでした。あの(府中の)塀の向こうも、こんな風なのでしょうか。
いちばん印象に残ったのは、小豆とマーガリンを混ぜたものがあまりに美味すぎて、仮釈放取り消しのリスクを負ってまで盗み食いする受刑者の姿です。それを見て作者は「しかしまあ…その味には大の男も勝てまいて」とつぶやくのですが、この下りは何とも凄まじく、可笑しいですね。
他にも、移送のときに駅弁をふるまわれ「モノはいいけどな 札刑(札幌刑務所)のメシの方がうまいなあ…ああ…もうムショ体質になっちゃった…」と感想を抱いたり、1~2ヶ月に1回の集会でふるまわれる「アルフォート」(ブルボンのクッキー)に思いを馳せたりする場面には、思わず不謹慎な笑みがこみ上げてきます。
刑務所生活も悪くない、とまではさすがに思いませんが、冬に路上で凍死するホームレスとはどちらが幸せなんだろうなあ……。

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2009年07月10日

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テーマ:東京秘境
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2009年07月06日

女装は楽し

テーマ:東京秘境

たまには楽しげな話でもします。
もう半月も前のことになりますが、実質2回しか催されていない東京秘境ツアーのメンバー・Kさんが転勤で東京を出ることになり、せっかくなので何か秘境的な催しでお見送りしましょと、エリさんと計画を立てることにしました。
前回、かなまら祭りに行った経緯もあり、「エリザベス会館」を希望していたのですが、どうやら女子禁の本気の女装クラブだったのであっさり頓挫。
その後、マジックバーやらキャバレーやらいろいろ迷走したあげく、


1.Kさんを女子に仕立て上げる
2.戦国居酒屋で宴
3.女装バーに乗り込む


という計画に落ち着きました。2は必要なのか?と云われそうですが、まあそこは箸やすめ的な感じで。
(わたしはつい調子に乗って、18禁の変態(女装含む)バーもどおすか?とurlを送ってみたのですが、「さすがにダンナに怒られる」とエリさんにたしなめられました……暴走御免。わたしもホントは入店する勇気はなかったのでよかった……;)


まずは夕方、エリさんの事務所に集合し、あれやこれやと女子のアイテムを持ち寄りながら、Kさんを女子に改造。Kさん自身も、事前に除毛クリームを買ってくるという気合いの入れようです。
彼は、どちらかと云うと草食男子系の柔和で細身の風貌で、学生の頃はよく女の子に間違われていたという、女装子としてはかなり高いポテンシャルの持ち主。何でも似合ってしまうのでは? と楽観していたものの……やはりそこは男子。水泳をやっているということもあり、いざ剥いてみると体格が、肩幅がいかつい!わたしが以前、「5月のかわいいもの」でご紹介したH&Mの孔雀ワンピならカシュクールだしいけるかと思ったのですが、サイズが合わず、断念しました。
あーでもないこーでもないと、あれこれ着せかえた挙句(ああ楽しい)、エリさんが持ってきたノースリーブの柄物ワンピ(茶×オレンジ系)と、黒いレースのカーディガンに落ち着きました。ノースリーブのワンピだけだと、まるで古代ギリシャ人のようなのですが、カーディガンを着ると途端に丸みが出て女らしくなりました。コンサバな女子が、高確率でニットのアンサンブルを所持している理由がこれで分かりました。スカートよりもカーディガンこそがより女子的アイテムだったのですね。
心配していた靴も(サイズがね)、かかとの出るサンダルで何とかOK。除毛クリームがけっこうな威力を発揮し、足も美しくツルツルになりました。わたしも除毛クリーム派に転向しよう……。
あとはメークです。エリさんが、まるでヘアメークのように塗り塗りパタパタといろんなものをKさんの顔にのせていきます。エリさんは「やっぱ普段メークしてない分、化粧ノリが抜群にいいわー」と感動していました。
そうこうしているうちに、Kさんの物腰や喋り方も、心なしかしなしなと女子らしくなっていきます(笑)。
しかし、Kさんは自分の姿を見て「美川憲一のようだ……」とフクザツなコメントを残していました。
うーむ、われわれ的には「ショートカットの女の子」として充分通用するだろーとか思っていましたが、やっぱ巻髪のウィッグとか、つけまつげとか、やや過剰に作り込むべきだったか?確かに、頭の方だけちょっと頑張りが足りない感はある(笑)。
とりあえず、白いお花のピンを耳元にさして頭にも女子っぽさをプラスし、夜の新宿に繰り出しました。



放浪乙女えくすとら-josou1 女子1名製作中。


その後、わたし1人チャリンコだったので、新宿の戦国居酒屋で再集合。
居酒屋ビルの前に行くと、ちょうどエリさんとKさんがエレベーター待ちをしています。Kさんは何食わぬ顔で立っていましたが、近くで見ると顔に脂汗をかいていました。
どうやら、事務所を出てからの道のり、小学生に二度見されたり、電車の中で誰も隣に座らなかったりと、なかなか顕著に反応されてここまでたどり着いたらしい。エレベーターでも、周りの女子たちが、気にしつつも目を合わせない的な感じで何とも微妙な空気が流れています。どんな人がいてもおかしくない新宿では、特に誰も気にしないのかと思ったけれど、そうでもないみたいね(笑)。
戦国居酒屋は半個室だったので、Kさんもやっと緊張から解放されたようで、ごく自然におしぼりで顔を拭きそうになっていました。ううむ、男子だ。


さてお次は、もう1人男性が合流し、女装バーに出陣です(戦国居酒屋だけに……)。
Kさんは「あー足がスースーする~;」と云いながら心細そうに歩いています。
比較的安全そうな(笑)女装バーをネットで見つけておいたので、そこに行ってみることに。表の看板を見れば「女装者と女の子はセット料金3000円」と、女子にも優しげなお店です。
入ってみると、そこはごくごく普通のスナックでした。よく目を凝らして見ると女装の人たちがちらほらいますが、ドラッグクイーン的なまつげバサバサの人はおらず、もっとナチュラルな感じです。女装ってもっと過剰なものかと思っていたけど、女装したい男性からすると、こういう“フツーの女子っぽさ”こそが女装の醍醐味なのだらうか、などと勝手に解釈。
テーブルについたおねえさんに、Kさんが、「女装初心者なのですが、どうしても恥ずかしさが抜けなくて……」と顔を赤らめながら(ウソ)真面目に相談していました。別に、女装を極めたいわけでは全然ないと思いますが(笑)、どうも今日の自分に納得いっていない様子。
おねえさんの話を聞いていると、どうやら女性らしさは外見そのものよりも、動作が重要らしい。手の動かし方、足の組み方、髪のかき上げ方……etc。初心者さんは、どうしても股を広げて座ってしまうみたいです(Kさんも「足が閉じれない;」と云ってた)。男は、過剰なまでに女性らしさを意識しないと、女にはなれないとおっしゃってました。ボーヴォワールの云うとおり、女は女に生まれるのではなく、女になるということか。
ちなみに、椿姫彩菜とはるな愛では、はるな愛の方が断然“女性”なのだそーです。


ハプバーのときのような刺激的な出来事は特になく、普通のスナックのように小一時間ほど飲んでお喋りして、帰りました。個人的にはちょっと物足りなかったですが(どんどんキツいドラッグにはまっていく人のような発言……)、まあ、Kさんを改造しただけでもお楽しみとしては十分だったわ。これからも、時々誰かを女装させてみたいので、もし希望者の方がいればメールください(はぁと)。


そうそう、思ったのですが、これからは国民的イベントとして「性別交換記念日」を設けてみてはどうでしょうか。
Kさんは、「女子って大変なんだねー」としみじみ感想を述べておりましたが、何でも、エリさんが最近仕入れた新説(?)によると「デートにおいて男子が支払いを持つべきなのは、女子は女子らしくキレイにするための諸経費がかかっているから」という理屈があるそうで。なるほど!人生において男子との食事の9割は割り勘だったけど、今後は遠慮なくおごってもらってもいい?(笑。ウソです。すみません)
そんな理論(暴論?)も、女装してみるとちょっと理解できたりするのかも知れませんねー。何か、お互いそういうことが分かるようなきっかけがあると、いろいろ風通しがよくなることもあるのかなと思います。
でも、逆に男子の大変さは、たった1日の男装では味わえないかも……?


帰り道、既婚者であるKさんは、すね毛がない件を奥さんにどういい訳するかをしきりに心配していました。もし自分の旦那さんのすね毛が突然無くなっていたら、何を真っ先に疑うべきなのでしょうか……。
ともあれ、東京での楽しき思い出のひとつにしていただければ幸いです。


放浪乙女えくすとら-josou2 姉妹の記念撮影(笑)。

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