僕の小規模な失敗
テーマ:上京後たまには本の紹介でもしてみます。
最近じわじわと人気が高まりつつある福満しげゆきの、『僕の小規模な失敗』。
今年のGW帰省の際、京都のけいぶん社で買って、長い間放置していた本です。
けいぶん社で物色中、明らかに負のオーラを発しているこの本につい引き寄せられ、「ガロ系だし、山田花子のマンガみたいに読んで絶望的に暗い気持ちになったらどうしよう…でもこの人の本、何冊か出てるみたいだし、人気あんのかなー…」などと、30分くらい悩んだ挙句に結局購入。
しかし、仕事で疲れて帰ってきてこの本を読めるほど心の体力のないわたしは、枕元の本コーナーに常備しておきながらも、今の今まで手に取らなかったのです。疲労した心身には、「フレンズ」みたいなアメリカドラマか、深夜のゆるいバラエティ番組くらいがちょうどいいのです。
というわけで、まるでパンドラの箱の如く扱っていたわけですが、最近の「R25」のコラムで取り上げられていたのを見て、そろそろ読んでみるか…とページをめくってみました。
あらすじはだいたい以下のとおり。
何となくマンガを“描ける”(“上手い”ではないところがポイント)」ことだけが特技の気弱な主人公(男)が、工業高校を中退して、自立するためにバイトを始めるも失敗、定時制高校に入り直し、そのまま社会に出るのが怖いので大学に行き、大学では周囲に溶け込めず孤独な日々、唯一得意なマンガでもなかなか認められず、好きな女の子にはストーカー扱いされ、失恋して心療内科に行くけれど特に病気でもなく、でも人生はたらたらと続く…。
といった感じで、予想通り、ネガティブ満載な内容でした(笑)。
しかし、この主人公とわたしの人生は違うけれど、彼の思考回路や、自分という存在の認識の仕方は、わたしとよく似ています(しかも同い年じゃないか!)。
異様に高いプライドとそれに反比例する世間からの扱い。少しばかりの才能らしきものを後生大事に抱えてしまう性。異性にもてない、恋愛が上手くいかない鬱屈。ああ、まさにわたしじゃないかっ(笑)。
自分は結局何もできない、世間に適応できないという劣等感に苛まれ、「くるしい、くるしい、くるしい…」と呪詛のようにつぶやきながらも、その“くるしさ”の原因を突き詰めてみると、
「『バカなので将来が不安』と『女にもてない』………これだけ?」
と、実はめちゃくちゃしょーもなかったことに気づく下りが、激しくウケつつ共感します。
そうそうそうそう。そうなんだよ。よく見たら、自分の抱えているルサンチマンの種って、そんなもんなんだよねえ(笑)。
まさに、タイトルの「小規模な」が、すべてを象徴しているわけです。この主人公に限らず、ほとんどの人々はそんな「小規模な」事柄を繰り返しながら一生を終えるのでしょう。そう考えると、人生って何だかとっても滑稽です。
でも、主人公のえらいところは、自分の弱さに甘えずに行動するところですね。
ネガティブな要因に開き直ることなく、ネガティブな自分を責め続けながらも、何とかして“普通”になろうとしているところが、単純じゃない人間くささがあって、好感が持てるんですよね。まあ、好感っていうか共感なんですけど。
そうやってかっこ悪いながらも何とか人生にしがみついた結果が、ラストの1コマに集約されます。これが意外な結末。
なんて云うか、静かに明るくなれる本でした。めっちゃネガティブなのに、ふっと心が軽くなる。不思議です。
続編『僕の小規模な生活』も近々購入してみようと思います。
「わかったのは『死にたい』だの『生きているのがイヤだ』などと思うのはただの性格の問題で、そーいうタイプの人は何があっても、だいたいずっと、そーいう性格のまま生きていくのです。」(「あとがき」より)。






1 ■こっちも読んでみます。
モーニング読者なんで、現在連載中の方(僕の小規模な生活)はよぉーく知ってます。
なんだかんだいって、
よさげな「妻」がいたりして、
この人、十分勝ち組だと思ってます。
今週号の週刊マガジン編集者へのnegative発言はあいかわらずですw