2007年09月21日

沙羅双樹の色は

テーマ:上京後

またも唐突に、歴史ネタで相すみませぬ。

先だってからの戦国ブームも止まぬまま、今度は源平時代へと勢力範囲を広めたのでございます。

先月、下宿先の大家さんから借りた大河ドラマ『利家とまつ』DVDを観終わり、最近は、かねてより友人から授かっていた『義経』DVDが、家での食事のおともです。毎日最低2話、休日なら4~6話は観ないと気が済みません。

わたしが人生で最も熱中して観たドラマ『武蔵坊弁慶』に比べると浅薄な印象は否めないものの(特に後半ね。あとキャスティングも。やっぱ弁慶はマツケンじゃなくて吉右衛門、義経はタッキーじゃなくて川野太郎様でしょ。逆に、源頼朝の中井貴一とか、木曾義仲の小澤征良、平知盛の阿部寛なんかはいい感じ)、源平合戦というトピックじたいは鉄板ですからね。


ちなみに、そんなわたしが歴史上で最も萌えるのは、

①戦国時代

②源平合戦

③飛鳥時代~奈良時代初期(大化の改新~大津皇子処刑あたりがハイライト)

です。いやーどれもこれも、血みどろの争いばっかりですね~…自分の人格を少々疑います。


結局ね、「滅びの美学」ということに抗いがたい魅力があるのだと思うのですよ。

特に源平の戦いは、あまりにも分かり易すぎる“栄枯盛衰”の物語ですよね。

平清盛にはじまる平家一門は無論のこと、平家を都から追い払った源義仲は源義経に討たれ、義仲と平家一門を滅亡させた義経は兄の源頼朝に討たれ、最後に勝者となったはずの頼朝ですら、最後はナゾの死を遂げ、その子供たちも不幸なかたちで殺され頼朝の直系はあっけなく断絶。


まあ、簡単に云うと、平家は身内を大切にしすぎたために、源氏は身内をないがしろにしすぎたために、それぞれ滅びてしまったわけですが、何にせよ恐ろしくめまぐるしい盛衰の物語には違いありません。まさに、源平合戦を描いた名作『平家物語』の冒頭が記すとおり、この世は諸行無常、盛者必衰であるのだなあ…と、しみじみ、糸のように細い目を伏せて思うわけです。


ところで、敗者に対して採点が甘くなるのは、古来より続く判官びいきの日本人資質によるものなのでしょうか。

義経は云うに及ばずですが、例えば悲劇のヒーローどころか乱暴者のバカ殿みたいに思われている義仲にしたって、「本当にそんなヤツだったのか?」とつい情状酌量したくなってしまうのです。

敗者の名誉回復ということに、わたしはどうやら、かなり弱いらしい。『関ヶ原』を読んだ後の石田三成もそうでしたが、とかくさまざまなホームページで人物研究を読み漁り、「義経は決して政治オンチだったわけではない」とか、「義仲は素朴で心のきれいな武将だった」などという文章を発見しては、まるで不肖の息子を持った母のように安堵するのです(笑)。


国民的悲劇のヒーロー・義経くんには枚挙に暇がないほど同情的なエピソードが残っておりますが、その陰に隠れて今いちメジャー感の薄い義仲くんにも、そういった大衆の視線は昔からちゃんとあったようです。

有名なところだと、松尾芭蕉が義仲の墓の隣に自分の墓を作ったという史実。義仲ファンというのが、さすが俳人です。『奥の細道』は、義経と義仲の足跡をたどる旅だったという話もあるそうですが、なんかこういう心情って、日本人の心のやわらかい核そのものという気がするんですよね。

すなわち…滅び行くことは容赦なく哀しい。だからこそそこに美しさを見出そうという心情とでも云いましょうか。芭蕉が尊敬する西行法師も、義仲のために4首の歌を捧げています。


また、平家方にしても、平清盛なんかわりと悪人イメージが強いですが、幼い頼朝や義経をうっかり助けてしまうツメの甘さには人間味を感じますし、海外貿易で国を富ませるという発想は政治家としての並々ならぬ資質を物語っていて、なかなかにミリョク的な人物であるなあと思うのです。美しき港町・神戸の礎を作った人でもあるということで、関西人としてそこはなんか、ミョーな親近感もありますしね。

ま、大河『義経』の清盛はイイ人すぎてちょっとどうなの?と訝しくなりますが、「自分が早起きしたら、身の回りの世話をする家臣をもうちょっと寝かせてあげるためにそっと起きる」なんてエピソードを聞いたりすると、それまでは脂ぎった権力の権化みたいなイメージしかなかった清盛の株が、にわかに上がる上がる(笑)。

でもそんな、実は気配り屋のおっちゃんだった清盛は熱病で苦しみながら死亡し、その家族たちは、西国の海の藻屑と消えてしまった…。壇ノ浦での平家の最期は、そこに至るまでの経過と、その死に様も併せて日本史上で最も壮絶で、強烈な滅びではないでしょうか。わたしは「壇ノ浦」と聞いただけで、胸が震えます。


いつか、日本じゅうを旅することができたら…松尾芭蕉の真似事をして、源平ゆかりの土地土地をめぐってみるのもよいですね。

西は壇ノ浦から、東は平泉まで…嗚呼、楽しそう。

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2007年09月18日

夏ノ思ヒ出・温泉ノ記③

テーマ:

何だってまた、何の変哲もない温泉旅行の話が3回にも及んでいるのか…正直かなりダレてきたので(苦笑)、簡単にまとめます。


すなわち……翌朝は純和風の朝食をまた腹いっぱい食べ、温泉手形の残り2つを制覇し、午後2時半バスに乗って福岡に戻り、ヒコーキの時間まで天神&大名あたりをあてもなくウロつき、ナゼか原宿にもある(ってかどこにでもある)「SM2」という服屋で買い物し、ラーメンを食べ、またウロつき、いよいよやることがなくなって空港に行き、みやげを物色してから搭乗。

ううむ…こうして羅列してみると、見事に特筆すべきことはありませんね。。。


温泉は、洞窟風呂と、森の湯っちゅうのに入ってきました。

洞窟風呂は24の温泉の中でもオンリーワンな形態なので即決でしたが、あと1つをどこにしようかとかなり悩みに悩みました。で、最初は「優彩」という黒川温泉の宿の中でもかなり大きなホテルにある温泉に行ったのですが、これがなんと改装中。そんなん聞いてない!めちゃめちゃ悩んでやっと決定したっつうのに…。こういうときの間の悪さは、我ながらなかなかのものです。

で、また振り出しに戻って厳選したのが森の湯でした。それなりに規模が大きくかつ自然の中でつかっている感が満喫できる温泉がいいな~というところで決めました。

しかしこれが、温泉街から片道で徒歩25分という距離で、行って風呂入って戻ってきたらバスの出発時間ギリじゃねーの?と思いつつも、3年半も世界中を歩いてきたわたしの足なら15分あればヨユーなどと自分の健脚を過信して歩いたら、これがめっさ遠いやんけ!しかも若干アップダウンがきつい!

普通はこの距離は、誰も歩きません。車道を一人さびしく歩くわたしの横を、何台もの車がこれ見よがしに通り過ぎていきます。くっそー…大人しく町なかの温泉にしときゃよかったぜ…。


そんなわけで、生まれたときから“自分を追いつめることが好きな遺伝子”が組み込まれているわたしは、汗をかきかき、山道の車道を修行僧のように歩くのでした。

でも、ちょっと負け惜しみを云わせてもらえば、誰もが車で一瞬で通り過ぎるその道のりには、素晴らしく美しい田舎の風景が広がっていましたけどね。んでもって、森の湯は、温泉のすぐ側に川が流れているステキな温泉でした。


しかし…あれだな、田舎というのは。それも小さな田舎というのは、自分にとっては軽く異世界という感じがします。

道も、店も、本当に数えるほどしかなくて、まあもちろん、食料なんかは車で買出しとかには行くんでしょうが、とりあえずそれで完結している世界。ここに1~2ヶ月住んだら、ここに住む全ての人の顔と名前を覚えられそうな。

温泉までの道のりを歩いているとき、田畑に挟まれただだっ広い土地に、簡素な長屋風の建物が2軒並んでいるのを見ました。そこから出てきたのは若い女の子。多分、どこかの温泉宿で働いているのでしょう。もし自分があの子だったら、どんな感じなんだろうか。っていうか、やっていけるだろうか。…ま、期間限定ならやっていけるか。


あれ、まとめるとか云って、またとりとめなくなってしまったな。

あとは写真でごまかしちゃえ(何という責任感のなさ)。


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洞窟風呂。ここの宿のオーナーが自分で作ったそうです。すげー…。



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温泉街の中心はこんな感じ。こうして見ると、そこそこ“町感”がありますね。



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緑色のみで構成される世界。



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メインストリート。静かです。



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道の途中のお地蔵様。



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森の湯にいたにゃんこ(おまけ)。


ま、そんな感じで(←便利な言葉)、本当に極小の旅ではありましたが、時々はこんな小さな旅をするのも、それはそれでいいのかも知れません。

わたしは未だに、短い旅よりも長い旅につい気持ちを寄せてしまいがちです。でも、国内で短期旅行、となればおのずとやれることも行ける場所も限定されてくるわけで、それは長い旅とは違うジャンルの旅なわけで。

そうやって割り切れば、1泊2日の温泉旅行も必ずしも手垢にまみれたレジャー(傲慢な言い草)というわけでもなく、今しばらくは、そういう小旅行を積み重ねていくのも、別に悪くはないのかも。限られた時間だからこそ行こうと思える場所だってあるしね。


てことで、この秋冬は、国内旅の定番・温泉旅行にハマってみるってのもいいな~。

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2007年09月14日

夏ノ思ヒ出・温泉ノ記②

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宿にチェックインして、心身ともに落ち着き昼寝を試みたものの、このまま夜寝にまで突入したらどうしよう…という心配が頭を掠めたためか、30分程度うつらうつらしたところで起きました。

まーそれでも4時前です。まだまだ外は明るい。。。

うーむ、明るいうちはやはり、部屋に引きこもっているのはもったいないな…と思ったので、とりあえず近所にある地元人御用達っぽい100円風呂「穴湯」にさくっと入ったあと、旅館組合に温泉手形を買いに行きました。

温泉手形というのは、1200円で3つの露天風呂に入れるチケットのことです。

こういうのを買うと、何が何でも頑張ってしまうのでかなりためらったのですが(しかもこの時点ですでに2回風呂に入っているしな…)、ここには温泉しかないのだからいたし方ありません。




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何もない田舎は、花もやけに美しい気がする。


しかし、手形で入れる温泉が24もあるというので、迷ってしまいます。

色々な湯に入りたければ、追加でもう1枚手形を買えばいい話なのですが、人間というものは、1日にそうそう何度もお風呂に入れる生き物ではなく、わたしにはあと20時間くらいしか与えられていない。そうなると、3つを厳選せねばなりません。

美人の湯、化粧の湯、代官の湯、仙人風呂…と、名前もさまざまでミリョク的。お湯の色も透明だったり、乳白色だったり、エメラルドブルーだったり。でも、地図を見てここ!と決め討ちしても、時間帯や日にちによって混浴のときもあるので、難しいところです。

結局エメラルドブルーの湯に惹かれ、黒川荘の「びょうぶの湯」で本日3度目の風呂に浸かったのち、売店で買った阿蘇小国ジャージー牛乳のカフェオレを飲みながら、夕暮れの村を散歩して帰りました。


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宿での夕食は、食べきれないほどの山海の幸が懐石風に調理されて出てきました。これがまた美味しいんだよ~。こんな美味いもん食べて、温泉入って、部屋でゴロゴロして…って、完全に思考停止、自堕落のキワミだな(笑)。

とシアワセを噛みしめつつも、手酌で地ビールを飲んでいるとふと、わたくし自身が楽しいか楽しくないかはさておき、客観的に見てこの姿は、なんだかとてつもなく寂しいオーラが湧き出てはいまいか…という不安にとらわれました。なんていうんですか、“30代独身OL、寂しさ街道まっしぐら”っていうキャプションをつけたくなる感じと云ったらいいんですか、ほら、小金持ちの結婚できない三十路女が、自分へのごほうび!とかのたまって高い買い物したり、ぜいたく海外旅行に行ったりする、あの感じですよ…。


RIMG0227 寂しい独身女の必須アイテム、手酌ビール。“湯上がり美人”というビールの名が、妙に空しい。。。


夕食後、またも風呂に入り(どんだけ~)、部屋に戻ってもまだ9時前。

ちょっと夜道でも散歩してみっか…と外に出てみたのですが、まー見事に誰も歩いていません。

そうか、夜はみんな、宿で思い思いに過ごしているのよな…。


今日4回も温泉に入ってみて、カップルがわざわざ温泉を選ぶ理由がよく分かった。

まず第一に温泉は、女の肌をトゥルントゥルンにする効果がある。で、こんな田舎だから、夜なんか別に観光もイベントもない、そしたら、やることはひとつしかナイわけだ。すなわち…温泉で通常より3~5歳ほど若返った彼女の肌を、これでもかと触りたくり、あんなことやこんなことやそんな体位までやっちゃうのさ。

それをわたしときたら、一人でトゥルントゥルンになってどーする!?この状態を東京に戻るまで維持できれば、これをエサに王子様を探しに行くということも出来ようが、残念ながら、明日になったらコフキイモの如き乾燥肌に戻るのは自明の理。ああ、何てもったいない、もったいないことか…。


はっ。わたしったら何というアホな世迷言を…。

そもそも今回は、田舎でゆっくり温泉につかり、読書にいそしむことが目的ではなかったか。

世に蔓延する厚顔無恥な恋愛教徒どもが、このような静かなる田舎の村にまで押し寄せ酒池肉林の宵を過ごしていることに憤怒を覚ゆるものの、それをどこ吹く風、心頭滅却すれば火もまた涼しの精神でたった一人屹立することこそが、精神の貴族たる矜持ではなかろうか。


と、つい森見登美彦のニセモノのようなモノローグを書いた結果無残に破綻してしまいましたが、ま、とりあえずはテレビをつけ(え?読書は??)、ドラマ「女帝」をぼんやりと見たのち、NHKにチャンネルを替えると、世界遺産スペシャルがやっていました。

しばらく見ていたら、何とあのきょきーとさんがコメンテーターとして登場しているではないか!すげっ、テレビに出るようになったのかこの人…。秘境ライターか。いいな、旅人としての自分を遺憾なく発揮できて…。それに引きかえ、わたしはこんなヌルいOL旅しか出来なくなってしまったな…。

画面を見れば、行ったことのある世界のさまざまな場所が次々と映し出されます。しばらく見ているうちに、ふと「こんなところまで来て、テレビでヨソの国の素晴らしスポットを見ている必要があるのか…」と空しくなり、電源をオフにしました。


テレビの音が消えると、聞こえるのは川のせせらぎのみ。

それをBGMに、古い和室で、シバリョーを読む(今回は『夏草の賦(上)』)。静かな、完全に静かな夜。素晴らしくストイックな贅沢ではないか。心ゆくまで、それを味わおうではないか。


・・・とか云いつつ、1時間もしないうちにまたテレビをつけ、久々に「探偵ナイトスクープ」を見て一人で爆笑しているわたしは、やっぱりどうしょうもない俗物でございますなあ。


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夜のふじ屋。

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2007年09月11日

夏ノ思ヒ出・温泉ノ記①

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めんたいこの国で、わたしに与えられた自由時間は、約48時間。

つまり、仕事の後、1泊2日で遊ぶことが出来るわけです。その限られた時間を、どこに費やすべきか?

これまた、めんたいこ国の先輩(って何じゃそら)に、あれこれリサーチをかけており、実にいろんな場所を薦められていたのですが、最も魅力的かつ現実的と思われたのが、熊本県にある「黒川温泉」でした。


温泉。実に魅惑的なワードであります。

わたくしはパッカーの頃も、温泉と聞くとそれだけで目の色が変わる、典型的な日本人でした。日本の温泉からすれば、温泉とも云えないような場所にもわざわざ出かけて行ったことよなぁ…。

しかし、そんなに温泉が好きなはずなのに、帰国してからはスーパー銭湯にすら行ったことがないという、我ながら矛盾した行動の持ち主です。

そもそも、1泊2日だの2泊3日だのという短すぎる旅に金を払うのが惜しいので(実家は別)、たとえ3連休になっても、ぶらり温泉旅行なんていう発想は皆無でした。


聞くところによると、黒川温泉は、「九州で最も成功した温泉町」らしいです。

わたしは初めて知る名前でしたが、どうやら「PEN」だの「エクスワイア」だのといった、鼻持ちならない(笑)金持ち雑誌でよく取り上げられているのだとか。

確かに、黒川温泉のHPを見ると、これが実によく出来ているのです。各宿のHPも充実しているし、辺鄙な場所ゆえか、あらゆるアクセスのフォローも抜かりがありません。車のない、わたしのよーな本州エトランジェのために、博多から親切な直行バスまで出ています。また、組合がしっかりしており、悪い宿だと直ちに淘汰されてしまうので、基本的にハズレな宿はないのだそうな。


本当に、温泉しかなさそうな町ですが、1泊2日なら頑張って観光するのも、わざわざ疲れに行くようでもったいない(長崎にも惹かれたのですが、観光に忙しくなりそうなのでやめたのです)。ここは、雰囲気のいい温泉宿に泊まって、温泉めぐりのほかは、部屋で歴史小説など読みふけってだらだら過ごすのがいいのではないだろうか。何せ出張の後なのだし。


というわけで、博多からバスで2時間43分、片道3千円の高速バスで一路、黒川温泉へ。

平日なので、バスもガラ空きです。

博多を出て2時間くらいは、爆睡こいていましたが、ふと目を開けると、いつの間にか車窓の風景が、超田舎に変化していました。

山、川、田畑、点在する家。ああ、これぞ、“ザ・日本の田舎”じゃないですかぁ~。うっとり。

輝くような田畑の緑がえんえんと続くさまに、日本ってこんな美しい国だったのか?と目を奪われっぱなしです。


そんな光景を見てか、斜め前の席の、明らかにOL2人旅な女子が、「あ~旅ってカンジィ」「いい旅夢気分だよね♪」などと盛り上がっています。

わたしはそれを聞いた瞬間、ひどく興ざめし、「人は、旅をしたい時には、やっぱり一人であるべきではないだろうか…」などと、沈うつな面持ちで(ウソ)思いました。

二人や三人、あるいは団体が悪いと云いたいのでは決してなく、誰かがいると、つい沈黙を埋めるために陳腐な言葉を発してしまうじゃないですか。そんなさあ、この風景は、いい旅夢気分などという言葉で済まされるようなシロモノじゃないんだよ、とかさ、つい思ってしまうんですよ。かく云うわたしだって、誰かと一緒だったら、つい気の利いたコメントなんかしたくなってしまうでしょう。大体、そんなものが実際に気が利いていたためしはないのです。それにですね、そもそも、静かな山村風景、穏やかな海浜風景に、OLのくだらぬきゃぴきゃぴ話はふさわしくありません。


まあいいや(って、長えーよ)。黒川温泉に着きました。

本日のお宿は、旅籠風の造りが素敵な「ふじ屋」。他にも素敵な宿がたくさんあってかなり迷いましたが、1人部屋があったのでここに決定。

チェックインの時間まで、荷物を預かってもらって、とりあえず散歩に出かけます。タオルと、姉妹旅館の露天風呂のタダ券も渡されたので、軽くランチを摂ってから、ひとっ風呂浴びてきますかい。



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宿の裏手を流れる川。いかにも温泉街な風景だな~。


まずは、宿の人にもらったかわいいカラー地図(こういうのがあるところも優秀だね)を片手に、町の中心部に行ってみることにしました。

観光案内所を兼ねている旅館組合を中心に、ぐるっと回っても15~20分といった、実に実にこじんまりとした町、つーか村、つーか集落。びっくりするほどミニマルです。昔ながらの温泉街みたいにおみやげもの屋がずらりと軒を連ねているわけでもなく、メインストリートは5分で通り抜けられるほど短く…。

こ洒落たパティスリーと、昭和30年代くらいの雰囲気の雑貨屋が軒を並べているのも、気張っていなくていいよね。で、その隣には、小さな神社があったりして。

あ~なんだか体の力が抜けるな~。観光に頑張らなくていいからか?(笑)


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なつかしいラムネ。氷で冷やしているのも田舎っぽくていい。


途中で見つけた、非常にシンプルだけれど洒落た感じのする小さなイタリアンレストランで、ランチをとることにしました。

すぐ側を流れる川のせせらぎが、控えめなクラッシックのBGMと溶け合って、何ともいい感じ。

昨日―今から24時間前の仕事タイムを思うと、隔世の感があります。

ああ、たまにはこういう田舎で時間をもてあますのもいいもんだなあ。

ここには本屋もない、ネットもない、スーパー、コンビニすらもない(あったら冷めるけど…)。

もう1泊して、「あーーー何もやることがねーーー;」と足をじたばたさせたい(笑)。で、カフェで読書と書き物にいそしんだりするのです。

すこぶる美味しいランチを、のんびりと食べていると、ふと北パキスタンのカリマバードを思い出します。風光明媚な田舎で、ご飯が美味しくて、すごくたまに雰囲気のよいカフェがあったりする感じ(まあ、フンザの雄大な自然にはかなうべくもありませんが)。


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食欲をそそる前菜。岡田真澄みたいな雰囲気の寡黙なおじさんが一人でやっているのもなんかいい。


あーお腹いっぱい、とまた散歩に出かけても、まだまだ時間は有り余っています。素敵。

とりあえず、「ふじ屋」の姉妹店である「のし湯」の露天風呂へ。

ちょうど人が出てきたので、しばらくわたし1人貸しきり状態。とは云え、恥ずかしがりやさんなので、タオルで体を隠しつつ、いざ入浴。


ふあーーーーー気持ちええーーーーー温泉


滞っていた血流が、一気に流れ始めたような感覚。体を心地よく刺激する浸透圧。

あまりのうれしさに、頭がぼんやりするまで長湯してしまいました。

たまにお湯から上がって、岩の上に腰掛けて外気に触れるとまた、すうっと熱気が引くのが気持ちいいんだよねえ。これぞ、露天風呂の醍醐味だよねえ。


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木立の中の露天風呂なのです。


心なしか、肌もツルツルになったような。

さ、そろそろ宿でゴロリ、昼寝でもしようかね。

…ってまあ、その後もこんな感じでひたすらぬる~いんだけど、とりあえず次回へ続くのであった。

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2007年09月05日

夏ノ思ヒ出・出張ノ記

テーマ:

前回の記事で、わたしが何ゆえ福岡空港でめんたいこキティなど購入しているのか?と疑問に思われた方は、多分皆無と思いますが、聞かれてもいないのに説明すると、月末はめんたいこの国に出張していたからなんですねえ。


前にも書きましたとおり、わたしは入社して以来出張というものをしたことがない、だけでなく、よくよく考えると人生においても出張したことがありませんでした。以前の出版社で、プレス招待旅行のグアムに行ったくらいでしょうか…。

ということで、齢30にして遅まきながらの出張デビューなワケですが、いやー、出張というのもなかなかオツな旅でございますね。ま、楽しさは自由旅行に及ぶべくもないとして、ものすごく限られた枠の中で楽しむというのも、それはそれで、ひとつの旅のスタイルという気もします。

何と云っても会社の金で、ちょっとした旅気分が味わえるというのがいいじゃん。これを機会に、月2くらいで出張、というようなスケジュールにならないものかしら…。

さらに欲を云えば、仮にも編集者なので、出来れば「○○村の××職人を訪ねて」とか、同じ九州に来るんであれば「軍艦島は今・突撃潜入レポ」とかいう取材だったらいいのに…と切に思いますが、今回は残念ながら、そんなステキな内容ではありません。仕事は正直、けっこう緊張を強いられ、逃げたくなる一瞬もありました。

が、そこは目を瞑ってガマンのコ。これが終わったらモツ鍋、そして明日は温泉じゃい!

そう、今回は出張に、夏休みを1日プラスして、温泉に行くことになっているのです。


で、ちょっと早送りしまして…約8時間の労働を終えた後、同行のカメラマン、コーディネーターの方々と夜の博多に繰り出しました。

めんたいこの国出身の会社の先輩に、おいしいモツ鍋屋をあらかじめ聞いておいたのですが、それらがことごとく満席だったのにはビックリ。平日、まだ6時なんていう宵の口だというのに…。

そして、ホテルの人に「他に、近くて美味しいモツ鍋屋ないっすか?!」と、電話をかけまくってもらって、やっとありつけたんですが…こちらの人は、毎日のようにモツ鍋を食べているのでしょうか。しかも夏だぜ?


しかし、モツ鍋屋で最初のビールを飲んだ時の爽快感といったら…あーこれぞ出張の醍醐味っちゅう感じですねー。

すべてをリセットする、あのビールの味。わたしは未だに、ビールの美味しさがこれっぽちも分からないかわいそうな娘ですが、こういう時のビールの一口目だけは、何故か心から美味しいと思えます。何か魔法が宿っているのでしょうか。

お腹も空きまくっていたので、全員モツ鍋を餓鬼の如き勢いでつつき、10分くらい無言・無我夢中で食べ続けていました。モツ鍋がまた、美味いんだこれ!ゆず胡椒が絶妙に合う!

東京ではめったに食べることもないんですが、モツ鍋ってこんなに美味しかったんだねえ。


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本場で食べるからか、お腹が空きすぎていたのか…すこぶる美味しゅうございました。


腹いっぱいになったにも関わらず、お次は中洲の屋台へ。

実は昨夜も、前乗りしていたカメラマンさんとともに屋台に行っていたので、2夜連続です。

気温もちょうどいいので、モツ鍋屋から中州まで散歩がてら歩いたんですが、なんかあれですね、博多って、そこはかとなくアジアの香りのする街ですね。具体的にどうという説明は難しいけれど、街が持っている空気が、大阪とか名古屋とかとは違う気がするんですよ。街を構成する要素は大して変わんないはずなのに、やっぱり南の国だからかしら?南特有の、おおらかでちょっとイケてない(笑)感じが、妙に懐かしさを呼び覚まします。


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写真では伝わりづらいけれど、なんかアジアな気がするんだよなあ。


屋台は昨夜と変わらず大賑わいです。

想像していたよりは小規模なんですが、賑わいっぷりはさすが、博多を代表するスポットという感じ。

(ついでながら、中洲を形成している那珂川沿いは、妙に演歌なにおいのする風景ですなあ。)

しかし、どの屋台が何なのかが、今イチ分かりません。おでんの文字の隣にラーメンとか書いてあったりして、少々頭が混乱してしまいます。

われわれが入った屋台も、結局ナニ屋台なのか不明ですが、めんたいこの天ぷらや焼きなす、地鶏の塩焼きなど、酒の美味しいつまみが色々ありました。

コーディネーターさんはかなりテンションが高くなっており、屋台で隣り合ったおじさんたちに話しかけまくっています。

聞けばほとんどが出張族、「いやーやっぱ出張は博多と札幌に限りますよ!」なんて云っていました。ナルホド。この2都市は、色んな意味で夜のお楽しみが充実しているみたいですからねえ。

屋台は値段も少々お高めで、観光客の割合も多そうですが、それでも、屋台文化が息づいている街って、日本では珍しい気がします。

この辺にもアジアの風を感じてよいですね。


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何だか和む屋台風景。


じゃ、次は天神の屋台までハシゴですか、と、出張の夜をとことん楽しみたいところでしたが、さすがにもう、誰も何にも食べられないので、ちょっと早めに解散しました。

男性であれば、この後のお楽しみも色々とあるんでしょうが、わたしはおとなしく部屋に戻り(まあまあいいホテルだったので、部屋で過ごしがいもあるってもんです)、ローカル番組などダラダラと観ながら、夜は更けてゆきました。


次回は温泉編~温泉

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2007年09月04日

8月のかわいいものBEST3

テーマ:かわいいもの

野ばらたん、タイホされちゃいましたねえ。
野ぎくとか名乗っているわたしとしては、実にフクザツな気持ちです。。。
だいたい、大麻でタイホだなんて、ぶっちゃけそんなに意外性もなく、ショックどころか逆に脱力したという感じです。そんなことでパクられんなよーヘタレだなーとか、不謹慎ですが思っちゃう。どうせならLSDとかの方がカッコついたのでは…って、それは云いすぎですか(すみません)。
だって、海外であれだけ日本人が大麻に手を出していて、日本でこっそりやっている人たちもいっぱいいて、それどころか育てていたりもして、その人たちはみんな何食わぬ顔で安穏と暮らしているワケでしょ。それを思うと、「こんなくだらないことで、色んなもの台無しにしちゃってさぁ…」と、ダメ息子の母親のような気持ちになってしまって…。
まーしかし、こんなことになるなら、やらない方がよっぽどマシですよねえ。作家だから、これを糧にすることも出来るのかも知れんけどさ…。だからDは好きじゃないんだよー;


しかし、職質で「ポケットに何を持っているんですか?」と尋ねられ、「ドラッグです」とバカ正直に答えたのにはちょっとウケましたが(笑)。


さ、前置きはこのくらいで。
(※早速コメント欄にタイホのニュースをお知らせして下さった方がいらっしゃるので、反応してみました。わざわざメールをくれる友人もちらほら…)
8月のかわいいものせれくしょん。
バーゲン~秋物の過渡期のためか、そんなにあれこれ買い物していない気はします。とは云え、フツーの30歳OLよりはかなり浪費しているとは思いますが…;


【第1位】
ミルクのハート柄ニットワンピース


milk-heartonepiece


ついに来ました~!
春に行なわれた展示会にて予約購入した秋物のワンピが、やっとこさ届いたのです~☆
いやー、何しろ初の展示会だったので(※知人に紹介してもらったのです)、舞い上がっちゃっていろんなものを買ってしまったのですが、その後ずいぶんと間が空き、「あれ?何買ったっけ?」と若干の記憶喪失に陥っていました。
そうこうしているうちに、冬物の展示会もあり、またぞろ見境なく予約してしまいました。。。ミルク、恐るべし。
でも展示会では、定価の7掛けで買えちゃうんですもの~;しかも新作を!バーゲンとはまた違ったうれしさがあります。こちらは21000円が14700円になりました。


さて、いざこれが届いて、実際に着てみると、「30過ぎの女が着ると犯罪なのでは…?」という一抹の不安がよぎりましたが…まーでもやっぱ、かわいいよね☆
何てったって全身ハート柄(しかも赤!)ですよおにーさん。胸のボタンまでハート型。
袖はパフスリーブ、裾には白いレースと、ラブリー爆発状態のさすがミルク!なディテール。
着てどうかというより、んもうこれ自体でかわいさが完結しているかもですね。


ま、もう少し涼しくなったら、白いブーティとか、ハードめな編み上げブーツなんぞと併せて、若干甘さを引き算しながら何とか着こなしたいと思います。


【第2位】
キャンディーストリッパーの金のパンプス


candystripper-pumps

まだ店の片隅にはバーゲン品が70%オフとかで吊るされているというのに、秋物に早速手を出してしまいました。
あれはやっぱどこの店もうまいよねー。夏物バーゲン品の扱いが、完全に秋物新作を必要以上にステキに見せているもの。


さて、わたしは「歩きやすくて、足がキレイに見えるおしゃれ靴」というものを常々捜し歩いていますが、なかなか理想のものに出会えることはありません。
ヒールが微妙な高さだったり、つま先がものすごく細くなっていたりといった造形の難点ももちろんですが、わたしの手持ちのお洋服に合うかどうかというのが重要なカギ。
ご覧の通り、フリフリしたりキラキラしているお洋服が多いので、なかなか普通の靴だと合わないんですよね。


この靴は、ある日ファッション誌を見ていて目に留まり、お店にわざわざ行ったものです。
「キャンディストリッパー」は、ミルクやエミキュ以上に“若者のためのお洋服”というイメージが強くて、一度も手を出したことがありませんでした。
とってもかわいいんだけど、30過ぎた大人の着る服でもないかなー…と(でも値段は大人服なみだけどねー)。
とは云え、ミルクなどの傍系として、気になるブランドではあったのです。


何と云ってもチャームポイントは、トップのキャンディでしょう。キャンディモチーフは、フリフリ服との親和性も抜群。
また、ウェッジソールで7.5センチというのは理想的なヒールの高さ。わたしはこの、7.5~8センチラインというのを、常に死守したいと願っているのです。これ以上高いと歩行に支障をきたしますし、これ以下だと「足を長くしたい」という、最も大事な使命に反してしまいます。


この秋はゴールドが来るらしいので、いろいろ重宝しそうです。
タータンチェックのミニスカートなんかと合わせたら、けっこうかわいい気がするな。
ちなみにお値段は16800円。普段買っている靴に比べたら、ちょっとお高めでした…;


【第3位】
めんたいこキティ


mentaiko-kitty


今やご当地キティといえば、際限なくバリエーションが出ており、今さらキティがラーメンに浸かっていようが山本勘助になっていようが驚きもしませんが、この「めんたいこキティ」(420円)には一目ぼれ。


一見、だるまのような、落花生のような、あるいはミイラのような…でもその正体はめんたいこ(笑)。

真っ赤なめんたいこに全身をくるまれたキティの、無防備で白痴的な可愛さに、福岡の空港でズキュン!と胸を打たれてしまいました。めんたいこになってしまったキティたん…ああ、何てマヌケな姿でしょうか。そしてこの、イキナリめんたいこにくるまれてキョトンとしているかのようなキティの無表情がたまらん。VIVA!コラボ。


ちょっとジャマかもと思いつつ、あまりにかわゆいので、無理やり携帯電話につけています。
携帯のボディの3分の2はあろーかという大きさで、まったくストラップとしての用を為しておりませんが…。
でも、いつもそばにいてほしかったんだもんハート


というわけで、仕事や通勤の合間、疲れたなーと思ったらキティを見て、心和ませています。

しかも、タオル地のぬいぐるみなのでさわり心地も妙にイイので、ついボディをぷにぷに。
ちょっと前に流行った「たらこキューピー」にはそれほど食いつかなかったというのに、我ながらいったいこれはどうしたことでしょうか…。不思議です。

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