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顔文字教室
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2010-05-18 21:26:39

See you again

テーマ:Tanzania

息子は、このブログを残し


4月12日夜、永遠の旅に出ることになりました。


読者の皆さま、ありがとうございました。




旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~





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2010-04-12 23:15:19

チップの理由は。

テーマ:Kenya

咄嗟のピンチに直面した時、いかにウィットに富んだ対応が出来るか否か。


人生におけるその重要性においては日本もケニアも変わらないというお話です。







ぼちぼちナイロビを出ようと思い、


宿をチェックアウトしようと宿のスタッフであるに8日分の宿代を払い終えたあと、


Wが僕にこんなことを言いました。







『おれにチップは???』








まぁふざけて言ってるんですけど、よく言ったなと思って。



というのは、このWというヤツ、全く働かないヤツなんです。


元よりこの宿のスタッフ全体がそういう雰囲気で、


新入りのスタッフに掃除や洗濯などは全て押し付けてあとのスタッフはかなりのんびりしているという、


まぁくつろぎやすいっちゃあくつろぎやすい宿なんですけど。




お前が言うかぁ???



と思いまして。






『お前、おれに何かしてくれたっけ???』







ってわざと真面目な顔して聞いてやったんです。


ちょっとしたイタズラ心というか。



働いてないので、当然何も思いつかなかったんでしょう。


W、急にちょっと引きつった顔で





『あ・・・』





みたいな感じになっちゃって。



“あ、ちょっと意地悪だったかな”



と僕も少し慌てちゃったんですが、



Wも必死で考えたんでしょう。僕にした、何かいいことを。


でも、ひとつも思い当たらなかったんでしょう。


でも、何か絞り出さんと、と思ったんでしょう。


自信なさげな顔でこう言いました。











『あ、おれ・・・・・・フレンドリーやった







ふれんどりぃ????










この旅の中でチップや金銭を請求されたことは数知れずですが、


“フレンドリー”を理由にされたことは初めてでした。



その答えが面白かったんでブハッと声を出して笑ってしまったら、


Wの引きつった顔が急に、




“やった!!!”




とでも言わんばかりにパアッと輝きました。




僕もコレは、“あーやられたなー”と思って、



『ぎゃはは、まぁ、確かに』






と言ってチップを100シリング(100円くらい)あげてしまいましたね。


アイデア賞、みたいな意味も込めて。




ただ、そのあとで






『おれもお前にフレンドリーだったよな???』






って言ったら、僕もWからチップもらいました。



もちろん100シリング。


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2010-04-09 23:52:07

この旅最も過酷な移動、後編。~切なきトラックライダー~

テーマ:Kenya

早朝目を覚ますと、雨は止んでいた。そしてトラックは止まっていた。



ちょっとした休憩所というか、レストランと雑貨屋がいくつかあるだけの村のようなところだ。


みな荷台から降りて、朝食を取ったりお茶を飲んだりして休憩をした。


しかし、休憩を取り終えてもトラックはなかなか出発しない。



1時間経っても出発せず、そして、2時間経った頃にようやく出発することになった。


すでにモヤレを出発してから20時間以上。目的の町まではそう遠くないところまで来ているはず。


昼には着いて、ナイロビ行きのバスをつかまえられるはずだ。



イギリス人のチャリダー、ダンカンが道路地図を見ながら、現地の人に今いる場所を尋ねた。


そして現在地を確認すると、おいおいと呟いた。





『今いる場所、まだハーフ地点ぐらいだぜ・・・・・』










陽が昇ると、午前8時でもすでに暑い。シートは再び開けられた。


僕らは上着を脱いでアップに上がった。


天気がよければ、ケツの痛みさえ我慢すればアップの方が開放的ではある。



しかし、それからトラックが頻繁に止まるようになった。


30分置きくらいで休憩を取るのだ。


先を急いでほしいのだが、道もデコボコでスピードも上がらない。


この分ではいつ到着することか予想もつかない。


3回目か4回目にトラックが止まった時、業を煮やしたアメリカ人がとうとう運ちゃんに抗議に出た。







『なんでしょっちゅう止まるんだ!!!とっとと先に行ってくれ!!!!』




それに対する運チャン側の主張はどうやら




『雨雲が見える。雨の中だと道が酷いことになるからトラックが進まん』



ということのようだった。


確かに、道の先に雨雲は見える。しかし、まだ雨は降っていない。


進めるうちは進んでもいいのではないかと思う。



アメリカ人もそんなことを言い返していた。


しかし、相手を刺激するような高圧的な主張の仕方だった。


周囲に自分の“正義の主張”をアピールするような大声で。


言い合いのような形になったが、結局は運ちゃん側が根負けした形でトラックを出した。



そして1、2時間も走った頃、再び雨が降り始めた。トラックが止まる。僕らに声がかかる。






『シートを被せるから降りてくれ』





アメリカ人がすぐさま言い返した。




『まだ小雨だろ!?おれらは雨にあたってもいいからこのまま行ってくれよ!!


下はギュウギュウ詰めなんだ!!なぁみんな!!そのほうがいいよな!!??


それとも濡れない方がいいかい???』



僕らに同意を求めてきた。


正直に言えば、確かにその通りなのだ。昼間なら気温は高いし、少々の雨にならあたってもかまわない。


しかし、ダウンには小さな子供やまだおっぱいを吸ってる赤ちゃんまで乗ってるのだ。


その子たちは雨に濡れて風邪でも引いたら大変だろうし、荷物もある。


特に賛成とも反対とも言わない僕たちの“意見”をアメリカ人が“代弁”した。





『ほら!!みんなそれを望んでる!!!さぁ出発だ!!!』




運チャン側も渋々というか、半ば諦めたように引き下がった。


そうしてさらに少し走ると、さらに雨足が強くなってきた。再度トラックが止まる。


すぐさまアメリカ人が抗議する。




『おい!!進んでくれよ!!!』





運ちゃんたちが言い返す。




『このまま進むともっと雨が強くなる。道も悪くなる』




『おれらは濡れてもいいって言ってるじゃないか!!!』




そうしてアメリカ人は何を思ったか、畳んであったシートを自分で引っ張り出し始めた。




『シートを閉めればいいんだな!!??そうしたら出発してくれるんだな!!』




誰もそんなことは言っていない。勝手に自分の理論で話を進めている。



『さぁみんな、シートを閉めよう!!それで出発してくれるんだ!!


ミスタートーキョー!!キミも下に降りてくれ!!!協力してくれよ!!』




ミスターミューヨーク、わからないのか。


彼らはおれらがシートを被ろうと被らなかろうと車を出す気はないんだよ。



ミスターニューヨーク、気づかないのか。


お前がシーツをバサバサやる度に、シートについてる土や水が下にいる人の頭上にバラバラ落ちてるんだよ。



この馬鹿は、人に同意を求めて、自分の意見がさもみんなの意見の統合で、


自分は代弁者だとでも言わんばかりだが、結局は自分が早く目的地に着きたいだけなのだ。


人のことなんかなにも考えちゃいない。



このトラックに乗っているのは、約90人のケニア人(エチオピア人も多少は混ざってると思う)


一人のドイツ人、一人のイギリス人、一人のノルウェー人、一人の日本人。そして一人のアメリカ人。


赤ちゃんもいる。お婆ちゃんもいる。


みんな相当辛いだろう。でも誰も騒いじゃいない。しっかりと現状を受け入れて我慢している。


なんでお前は一人で騒げるんだ。


てめぇの考えが絶対正義だと思ってやがる。


アフリカ人のドライバーたちを下に見てやがる。



あなたの国では自分の意見を相手にしっかり伝えることが大切らしいけど、


それはヒステリックに不平不満を撒き散らすことと同じなの??


だからお前らは“ダメリカ人”だっつぅんだよ。世界の嫌われモンが。






結局は雨足が強くなったので、シートが被せられることとなり、


約100人の人間が一台のトラックの荷台に再度詰め込まれた。


降りようとしてもスペースが見当たらなかったが、優しいケニア人の女性が



『こっちにおいで!!!』



と自分の横のスペースを無理やり空けてくれた。


しかしそこは、アメリカ人と隣り合わせの場所でもあった。


僕はアメリカ人とぴったり肌を密着させた。





気温もまだ高い中、雨に濡れた人間をギュウギュウ詰めにして、そこにシートをかぶせる。


すると、ものすごい湿気がある生暖かい空間が出来上がる。


不快指数1000000000000パーセントだ。



そうしてトラックは少し進んではまた止まり、を繰り返した。


止まる度に、立ちションに行くヤツ、タバコを吸いたいヤツ、そんな数名が荷台を降りる。


当然足の踏み場もないので、人の上を歩くように出て行く。


寝転がろうものなら、顔を踏まれたりする。


そして彼らが帰ってくる時、彼らの靴には雨をたっぷり含んだ粘土質の赤土が付着している。


その靴が、行きと同じように人を踏みつけて戻っていく。



僕の場所は運悪く、荷台を昇り降りする足場の近くだったので、人に踏まれる回数もことさらだった。


それは隣にいるアメリカ人も同じだった。彼が何回目か踏みつけられた時、




『おい!踏むなよ!!!』




と叫んだ。






シートを伝って、雨水が荷台に入り込んでくる。靴が持ち込んだ泥が泥水になる。


それを避けるスペースはない。


ジーパンに泥水が染みる。人の体温と湿気で汗がベタつく。



荷物は大丈夫だろうか。僕のバックパックはシートを被せる時に下に降ろされていた。


しかしそこも荷台を昇り降りする足場のすぐ近くだったため、人に踏まれ続け茶色のバックパックになっていた。


ギターは大丈夫か。最初からこのダウンのどこかに置いてあるはずなんだけど・・・・


辺りを見回すと、偶然にも手を伸ばせば届く位置にギターがあった。


人に埋もれてはいるけど潰されてはいない。よかった。




雨が強くなっているらしく、トラックはほとんど進んではいない。

トラックが幾度となく止まり、運ちゃんが一度荷台に顔を出して、アメリカ人に声をかけた。




『いわんこっちゃないだろう。道が悪くてトラックは進めないよ。』



精一杯の皮肉だったのだろう。それを聞いてアメリカ人は




『I don't know』




と一言呟いて寝転がった。








午後2時。雨が止み、再びシートが開けられた。


数名がアップにあがる。


だけど僕はもうアップに行く元気がなくてそのままダウンに留まった。


朝から大して進んではいないだろう。明るいうちにトラックが目的の町に着くことはなさそうだ。



僕に場所を空けてくれたケニア人女性とその友達だという女性が、


小さなバケツに入った食べ物を僕や周囲の人に勧めてくれた。


ラクダの干し肉だという。疲れている身体には嬉しいご馳走だった。


しかし、アップに座っている人たちの靴から土や砂がポロポロと下に落ちてきてバケツに入る。



『もっと食べていいよ!』



と彼女たちが勧めてくれる度、僕はジャリジャリしたラクダの干し肉を食べた。




ふと気づくと、僕のギターの上にアメリカ人が腰掛けていた。



『おい、これはギターなんだ。上に載らないでくれ』



僕はアメリカ人をどかせた。


僕がアップにいる間、こうして何回も座られたり踏まれたりしていたんだろうか。


ケースも泥だらけだ。




下に目を落とせば泥だらけ。上を見上げれば口に砂が入る。横を向けばアメリカ人。


八方塞というやつだ。



荷台に身体を打ちつけながら、ひたすら時が流れるのを待った。




そしてまた陽が落ち始めた。気温も下がり始めている。現在地も何も分からない。


まさか今夜もトラックで夜を越すのか・・・・




しかし、その頃になると、ポツポツと大きめの町にトラックが止まるようになった。


そしてケニア人たちも少しずつトラックを降りていく。


バスに乗り換えたりして各々の目的地を目指すのだ。




『おれらもここからバスを探すわ』



と、ドイツ人のバレンタインとアメリカ人が先にトラックを降りた。


彼らの行き先はナイロビではないらしい。ほっと胸をなでおろす。






そして午後10時。バスが僕の目的の町に着いた。


一日半、トラックの荷台に乗っていたことになる。


移動した距離はおおよそ600km


時速約17kmだ。




ナイロビ行きのバスはもうなくなっていた。この町で一晩、宿を取らなければいけない。


僕はトラックに残っていたイギリス人のダンカンとノルウェー人のボビーとホテルを探そうということになった。



しかし、





『とりあえず・・・・・ビール飲まない???』




というダンカンの美しすぎる提案で、僕らはBarへ向かった。



泥だらけの大荷物も持ち込んで。何より僕らの顔も服も全てが泥だらけだったけど。



その時のビールは本当に骨身に染みた。


ただ、言いだしっぺのダンカンだけ常温のビールを出されてしまったのが可哀想だった。




ダンカンもボビーも、自転車で旅するチャリダーだ。


とはいえ、さすがにあの悪路を自転車で旅するのは無理なのでトラックに自転車ごと乗り込んでいた。


僕は彼らに聞いた。




『この移動、どうだった??おれの旅史上ではナンバーワンハードだったんだけど』



ダンカンが迷わず答えてくれた。



『ワーストやね』



ボビーが即座に続いてくれた



『ダントツ』




チャリダーという人種は、僕ら普通のバックパッカーよりも過酷な移動を多く乗り越えている猛者たちである。


加えて彼らはすでにヨーロッパ、アジアも周った経験がある。



そんな彼らが“ダントツワースト”だという移動。


これは世界トップレベルのハード移動だと認定していいだろう。



彼ら曰く、



『チャリダーは自分が休みたい時に休める。バスや電車は人次第だから逆にしんどい』


ということだった。そんなものなのだろうか。






ビールを数本と、食事を終わらせた僕らは近くのゲストハウスへ向かった。



『一晩だけだからシェアでいいよな』



というボビーの提案で、ツインベッドの部屋を3人で使うことになった。



『おれらは地べたで寝るのプロフェッショナルだから』



と、ダンカンが進んで床で寝てくれた。



しかしこの宿は水が止まっていて、シャワーが使えなかった。



『今日ほどシャワー使いたい日もないんだけどな・・・』



3人でそう言いながら、汲み置きの水で顔と身体をなんとか流した。




バックパックを開けると、中ではニベアとシャンプーが爆発して、“大放出!!!”みたいなことになっていた。


ダンカンはピーナッツバターが爆発していた。僕のほうがまだマシ、なのか。




そして最も心配していたギターは、心配どおりというのか、ボディの背面にガツンとヒビが入っていた。


これにはかなり凹んだが、あの移動の中でネックやペグが折れたりしなかっただけ、


弾けるだけまだよかったと思わなければいけないのか。


色んな人に踏まれたり座られたりしたのだろうが、


僕が見たのはアメリカ人が座っている時だけだったので、彼への怒りが蘇った。




しかし、そんな怒りも、この疲れと酔いにはかなわなかった。


僕は頭に泥をつけたまま、まさに泥のように眠った。





翌朝、アラームの音で目を覚ました僕は、まだ寝ているダンカンとボビーを起こさないように部屋を出た。


彼らは自転車でナイロビへ向かうという。僕はもちろんバスで向かう。


テーブルの上に宿代と“Seeyou!!”という書置きを残した。




そうして僕は、ようやくナイロビに辿りついた。


トータル75時間。丸3日間の大移動だった。


ギターも割れたし、よく見ればジーパンのケツがボロボロに破れていた。


失ったものは大きく、得たものは特にない。



これ以上キツイ移動はこの先もうないと信じたい。










現在、犯罪多発地帯、ナイロビのダウンタウンに一週間投宿している。



久々の大都会に心踊り、久々の日本人旅行者との会話に話し弾ませ、


久々のホットシャワーに毛穴震わせている。





ナイロビの街中で偶然、ダンカンと再会した。


あの日と同じシャツを着ていたが、泥は綺麗に落ちていた。





今、僕のギターの背面にはガムテープが張られている。




今も一曲弾く度にあの移動を懐かしく思い出し、そしてまた少し、アメリカを嫌いになるのである。


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2010-04-09 23:31:52

この旅最も過酷な移動、前編~悲しきトラックライダー~

テーマ:Kenya

エチオピアとケニアの国境の町モヤレ。


ケニア北部は特に見所となる町がないことや移動手段が少ないことから、


多くの旅行者はこの町から一気に首都ナイロビを目指す。


しかし、このモヤレ~ナイロビ間の移動は旅行者の間ではかなりキッツイことで知られている。



この区間はバスや鉄道など公共の交通手段がないため、足は“トラック”に限られる。


このトラックとて、別に人を運ぶ為に改造されているワケではなく、フッツーの貨物トラック。



『牛、運んだ帰りなんですけど、手ブラもナンなんで、人のっけてきます』





そんなトラック。


こいつに20時間以上揺られなければならないとのこと。


そして道は極めて悪路だという噂。さらにケニアでは今は雨季。さらに道が荒れている可能性がある。



そんな話を聞いていたので、僕は前日の内にトラックの運ちゃんを見つけ、


交渉の末、フロントシートを2500シリング(3000円弱)で予約しておいた。


フロントとは、要するに助手席のこと。ここに乗れなければ“バック”に回される。


バックとは、すなわち荷台。単なる、荷台。


バックは1000シリング(1000円ちょい)だから値段にして倍以上の差があるが、ココはしょうがない。


僕も大人になった。金で快適さを買うのだ。




そうして万全の準備で臨んだ当日だった。


現地の人は我先にとトラックのバック、荷台に乗り込んで場所取りをしている。


この時まで知らなかったのだが、“バック”にも二種類あるのだ。


それは、“アップ”と“ダウン”つまりは、荷台のアップORダウン。


写真を見て頂ければ話が早い。こういうことになっている。




旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-Track


写真では見えないが、ドライバーと同じ高さで白く囲まれているスペース。


つまりは普通の荷台と呼ばれるスペース。


ここにすでにパンパンに乗客と彼らの荷物が詰まっている。


僕は“バック”というのはココのことだと思っていたのだが、実はもう一段階、上があったのだ。



上によじ登っている人たち。この人たちがすなわち“アップ”


荷台の上に張り巡らされた骨組みの上にまるで“二階”だとでも言うように乗っているのだ。



“イナバの物置状態”である。



もちろん、人が座れるようになどなっていない。ただ鉄パイプが張り巡らされているだけだ。


座りにくい上に、おそらくは相当揺れるだろう。



“アップ”と“ダウン”に値段の差はない。早い者勝ちだ。


だから皆なるべく早く乗り込んでダウンに出来るだけ快適なスペースを確保する。


僕は次々と乗り込む人々を、タバコの一本や二本も吸いつつ眺めていた。“フロント”の余裕である。


“アップ”に、欧米人旅行者も数名乗り込んでいる。チャリダーもいるようで、


必死に自転車をトラックに積み込んでいる。おうおう、がんばるねぇ。GoodLuck!!




そんな余裕しゃくしゃく尺取虫な僕に凶報が届いた。






『このトラック、ナイロビまで行かねぇことになった。途中の町で降ろすからそっからバスに乗り換えろ。』






おいおいおいおいおいおい、話が違うぜ。


ナイロビダイレクトだっつうからおれはわざわざフロント予約までしたんだぜ。



僕の抗議に、その場を仕切ってる案内係みたいなヤツがしれっとした顔で言う。





『降ろす町とナイロビはバスでたった3時間。500シリングだ。その分安くするから問題ない』



僕は聞いた。



『いくらになるんだ』



『2000だ』



『それじゃトータルで同じだろうが。ダイレクトじゃねぇのに同じ値段ってことないだろ。手間もかかるし。』



『OK。1500だ』



『いや、1000だな。まず約束と違う』



『無理だそれは。1500だ』




僕はキレた“フリ”をして大声を出した



『おれはダイレクトだっつーから約束したんだ!!!1500なら乗らねぇ!!他のトラックを探す!!!!!』



それで向こうも折れた。




『わかった。1000でいいよ。ただ、欧米人たちには内緒な』



『OK。決まりで』




ったく、しょうがねぇなぁ。ま、アフリカだからしゃーねぇけどー。



するとソイツが、またもやしれっと恐ろしいことを言い始めた。





『上、行けや』






は???



そいつは、突き立てた親指を、“アップ”の方向に向け、もう一度同じコトを言った。




『ゴー、アップ』




完全に僕に“アップ”に上がれとほざいている。今度は普通にキレた。





『っざけんなボケッ!!おれはフロント予約してあんだよ!!!』



そいつは悪びれもせず言った。



『フルだ』



フル??満員??




『なんの為の約束だコラァ!!!』



『フロントがよければ2000出せ』



『てめぇ!!フルじゃねぇのかよ!!!空いてんだろ!!!』



『1000ならアップだ』



『ナイロビまで行かねぇのにアップで1000はねぇだろが!!!!』





『うるせぇ!!!

いいからとっとと

上行けやあぁぁ!!!!』










アフリカNo1逆切れプレイヤーに遭遇。



全く納得いかないが、ここで2000払ってフロントに座るのもシャクに触る。


僕は諦めてアップに行くことにした。



ただ、ここでおとなしく引き下がったのにはワケがあった。


実は、アップにあがる人たちを見て、



“少し楽しそうやん”



と思ってしまっていたのだ。


欧米人の旅行者もいるから多少心強いし、なにか素敵な経験になりそうな気がした。



しかし後に、この時の選択を激しく後悔することとなる。




アップにあがると、すでにそこには10名ほどのアフリカンと、4名の欧米人旅行者がいた。



『こんちゃーー』


『ハロー』



こういう時、旅行者同士は連帯感みたいなものがあるので皆互いに挨拶を交わす。


欧米人メンバーは、ドイツ人のバレンタイン。イギリス人のダンカン。ノルウェー人のボビー。


そして、名前は忘れてしまった。長髪のアメリカ人。その4人だった。


皆それぞれ一人旅で、欧米の旅行者らしく社交的でスマイリーな感じのよい人たちだった。


しかし、アメリカ人が鉄パイプに腰掛けたまま、器用に巻きタバコを巻いて吸い始めた。


何も気にせずに灰を下に落としているが、下には人がいるのだ。


下にいたケニア人が鬱陶しそうに上を見上げている。



“ちょっとタチ悪いヤツかもしれないな”



僕は少しの不安を覚えた。




旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-ダメリカ人


アップの様子。正面に写っているのがアメリカ人。








予定から遅れること2時間。午前10時。トラックは首都ナイロビを目指し、南下を始めた。


走り始めてみると、そこに広がる光景はまさに“アフリカ”だった。



赤褐色の大地に真っ直ぐ貫かれた道。


目に入るは、大地の赤。そこに根付いた木の緑。


それらを包み込もうとでもするような空の青。空に寄り添う雲の白。



その中を僕らを乗せたトラックが砂埃を巻きあげて突っ走る。


僕らは荷台で生ぬるい風に吹かれる。





え?え?なんか、コレ、旅じゃないの???カッコイイんじゃないの???





僕の心の“旅人ロマン中枢”が大きく刺激された。




旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-イージュー


♪ぼくらはーじーゆーうをーーーーーーぼくらはーせーいーしゅんをーーー♪


イージューライダーもかかろうというものだ。




“完全にアップ来るべきっしょ、コレ”




とまで思い始めていた。



そう思っているのは僕だけじゃないようで、欧米人たちもこぞって写真やムービーを撮っている。みんな笑顔だ。


確かに道は荒れていてかなり揺れる。鉄パイプをしっかり掴んでいないと振り落とされてしまいそうだ。


でも、それすらも僕の心を高揚させる一因となっていた。



たまに道を、見たことのないウサギのような動物や野鳥が横切る。


道の横に生えている木の枝葉が、時に道に覆いかぶさるように伸びている。


トラックの荷台はちょうどその枝葉にぶつかってしまうので、


そこを通る時にはアップに座っている者たちは各自で身を守らなければいけない。




『右キターーー!!!1、2、3、ヨイショー!!!!!』




みんなで一斉に身体を倒して枝葉を避ける。そんなことすらも楽しかった。



しかしそれも、5時間も経てばめっきり飽きた。


景色など大して変わりはしない。というか、ずっと同じだ。


最初にガツンと上がったテンションは、ジェットコースターの如く急降下の放物線を描き始めた。


唯一右肩上がりするものはケツの痛みと常に身体を支えている腕の疲れだけだ。


そして、具合が悪いことに空模様も怪しくなってきた。


前にも書いたように、今のケニアは雨季。天候は極めて不安定だ。


ほぼ地平線しか見えない大地の上では、数km先の雨雲が雨を落としている様子まではっきり見通せる。


僕達が乗るトラックは幸い雨には降られていなかったが、


前、右、後ろ、左、斜め左前。何km先かは分からないが、


周囲をたくさんの雨雲に囲まれていることが分かった。


そしてそれらが時折稲妻を光らせる。


自分たちは雨に降られていないのに、360度、どの方角を向いても黒雲が金色の稲妻を落としている。


あの光景はかなり心に残っている。




陽が暮れ始めると、急激に冷えが来た。砂漠やサバンナは昼は暑いが夜は冷えるのだ。


さらに風をモロに受けているので、体感温度はさらに冷える。


各々、防寒対策を始めた。


僕のバックパックは幸い近くの鉄パイプの上にくくりつけられてあったので、そこから上着を出した。


最初にパーカーを出してTシャツの上に羽織ったが、まだ寒い。


パーカーの下にロングTシャツを着たが、それでも寒い。


最後には、バックパックの下に押し込んであったダウンジャケットとニット帽を引っ張り出すことになった。


アフリカでダウンジャケットが必要になるとは思っていなかった。



完全に陽が落ちると、みな口数も少なくなり、ただ身を屈めてひたすらに寒さに耐えた。


そうして数時間走っていると、運悪くというか当然というか、とうとう雨雲に当たってしまった。


ただでさえ凍えそうなのに、そこに雨。どんどん体温が奪われていく。


もちろんその間もしっかり鉄パイプを掴んで身体を支えていなくてはいけない。


トラックが止まり、運ちゃんとその助手みたいなヤツが僕らに声をかけた。





『おーい!!シート閉めるから下降りろ!!!』





僕らが座っている鉄パイプにシートを被せて雨を避けるから僕らにダウンに降りるようにと言っているのだ。


しかし、ダウンにはざっと数えて70人以上の人と荷物が所狭しと詰め込まれている。


足の踏み場もないほどだ。もうすでにキャパは越えているように見える。


アップにいるのは約20人。この中にどうやって入れというのか。


しかし、このままでは眠ることも出来ずに一晩中、寒さと雨と揺れに耐えなければいけない。


僕らは人の間に割りこむように、というよりは人の上に“載る”ようにダウンに降りた。


当然、物理的に無理がある。隣の人と肌が密着しているのは当たり前。


場合によっては自分の右足を右隣の人の左足の上に重ね、


自分の左足の上には左隣の人の右足が重なっているというような状態にならなくてはならない。


何とか自分のスペースを確保したものの、決してくつろげるような空間ではない。


何十秒かに一回はトラックが大きく揺れ、一瞬浮いた身体が次の瞬間、荷台に叩きつけられる。



それでもグッと目を閉じているうちに、疲れもあったのだろう。少しずつ浅い眠りに落ちていった。




旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-車内

次回へツヅク。

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2010-04-05 00:21:47

写真で見ようよエチオピア。

テーマ:Ethiopia

結局最後まで、エチオピアンを“好き”とは言えないままエチオピアを通り抜けました。



もちろん個人的に心が通った人はいますが、


“エチオピア人”として考えた時には正直なところ、かなりキツイところです。



この国の人たちは変わっていくのかなぁ。


少しずつ、豊かになったりして、少しずつ、国民性も変わっていくのかな。


でもそれは、エチオピアの人たちにとって、いいことなんだろうか。




















旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-つまんね顔


あのさ、アンタさっきから黙って聞いてりゃ、


何グダグダ勝手なこと言ってんのよ。





















旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-不良


そうだぜ、別におれらが呼んだワケじゃねぇ。お前が勝手に来たんだよ。


気にいらねぇなら帰りなよ。





















旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-知らん振り


そゆこと。しょっぺぇ顔してるヤツとはおれら遊ばねぇし。

























旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-賛成


そうだそうだーーーーーー!!!!!




























旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-誰きみ?

なーんか小さいコトばっか言ってるけどさ、アンタほんとに男なの??


























旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-変なヤツ


あれ、どうかな??女じゃないの??髪長いしさ。え??ホント??どうする???






























旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-チェック


確かめろーーーーーーーーーーー



































旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-オネエ


あらやだ、可愛いのがついてるじゃない。


遊んであげようかしら。ぐふ。





























旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-木陰


もーみんな、あんまイジめたらかわいそうだよ。


あ、泣いてるじゃない。

























旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-美人姉妹


もー涙ふいて!元気出しなよ!!


ほら、エチオピアの女は美人でしょ??


楽しくないの???




























旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-インジェらおっさん


オッサンら不細工ですいませんね。

























旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-なぁなぁ

ま、とにかくさ、笑ってみなよ。


そのムズカシイ顔、グニャッてしてみ???

























旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-ヨーイ

それが出来たら、仲間、入れてやってもいいよ???























旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-走れ走れ

そっ!!!!わたしらは毎日、えらく楽しく暮らしてんだよ!!!!!

余計なこと考えてんのはアンタらだけさ!!!!
































旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-エチコ


またおいでよ、ねっ。

































































旅の女神にキッスして~マラリア怖いやアフリカ編~-オネエ


待ってるわよ。ぐふふふふふふ。




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