↑ 雑誌『BONte』
苺を取りにきたウサギの男の子が
生まれたばかりのひよこのたまちゃんに
『ママ』だと思われてしまいます
暖かく柔らかい色使い
ちょっと切なく
心に沁みる物語
深みがあって和みます
たまちゃんを見ていると
何故か胸がギューッと痛くなる
平凡な日常に宝物が隠れている
宝探しが子供は本当にうまい
いつからだろう…
宝探しを忘れたのは…
いつからだろう…
子供の宝と大人の夢との
違いに気づいたのは…
いつからだろう…
黒を白と平気で言える
ような大人になったのは…
↑『ウサギとタマネギ』まめこ 著
この本は雑誌『BONte』に連載された
作品を単行本で発売するにあたり
大幅に加筆修正したものです
この絵本を見ているうちに
親に甘えてみたくなった…
しかーし…残念ながら~
私には甘えたい『ママ』が存在しない
実家に生息する我が母親は経年劣化が進行し
すでに『ママ』から『ババ』に変化…
世間でいう『ママ』のイメージには遠い…
一度『ババ』に変化変身してしまうと
『ママ』に戻る事は極めて難しいようだ
あ~ら、いらっしゃ~い、うふふ~
お久しぶりねぇ~元気だったぁ~
…飲み屋の『ママ』は問題外である…
ね~パパ~おこずかいちょうだ~い
…愛人の『パパ』はもっと問題外である…
私の長年の研究によれば
父親も『パパ』から経年劣化で
『ジジ』に変化するようだ…
40歳を超えた髭顔の中年男が太い低い声で
「ママー見て見てー」と呼ぶ事を世間は許すまい
やはり「ババー見て見ろや」の方がしっくりくる
だが「ババー見て見ろや」だと川から桃が流れて
きて日本昔話になってしまいそうだ…
オフクロでもかーちゃんでもイメージが違う
マザー…マミー…うむむ…やはり『ママ』が
絵本では一番素直に可愛い響きかな…
甘えてみたいと書いたが
実は親に心から甘えた記憶があまりないので
甘え方がよくわからない…
平和でくつろげる家庭ではなかったから…
親父が亡くなる1ヶ月程前に
病院のベッドで私の手をさすりながら
「もう少し甘えてくればよかったのに…
悪かったな…」と親父は言った
「甘えさせてくれなかったくせに…」
私は心の中でつぶやいた…