■「京都南部豪雨水害」関連
「炭山通信」を発行し続けていた炭山災害対策本部は、まだしばらく継続されますが、併設していた現地災害ボランティアセンターは、宇治市災害ボランティアセンターに統合され、今後もニーズ受付は継続されます。以下のレポートは、当センタースタッフ上野の現地レポートです。
(事務局)
○9月2日(土)、恊働センターのスタッフや神戸大学とともに、私は2回目となる宇治市炭山地区のボランティアに参加しました。1週間前は炭山地区に入る3つのルートのうち2つのルートが通行不可となっていましたが、現在はすべてのルートが通行可能となっていました。
今回の救援活動は、足湯を中心とした活動でした。炭山地区は上(かみ)と下(しも)に分かれているため、恊働センターと神戸大学は上地区の玩具館という施設で足湯を行いました。ニーズ探しも兼ねて近隣の方々に足湯の実施を伝えに行くと、様々な被害の跡が見受けられました。
川のすぐそばのお宅では、地面から腰の高さほどまで水が上がってきたようで、窓に泥の跡が残っていました。その家のお母さんは「なんにもなくなっちゃった・・・・・。」と言っていました。7月に整備したばかりの庭は泥まみれになってしまい、その泥はボランティアが片付けてくれたそうです。確かに、庭は植物を育てていた跡がありましたが流されてしまったようでした。裏の川を挟んだ場所もだいぶ地面が削られていました。2カ所の土砂崩れで川の水がせき止められたためにこのお宅に土砂が流れ込み、門柱をも壊してしまいました。道路には土砂崩れに巻き込まれたのか、ぐしゃぐしゃになって壊れた車があり、土砂災害の凄まじさを実感しました。
"御用聞き"をしていると、同じ上地区の方でも「あまり水が来なかったよ。」と言った方もおられました。しかし、そのお宅のバイクには土砂が多く残っていました。被害の有無や差はあれどかなり多くの土砂が流れたことがわかりました。
お昼過ぎには急な雨に見舞われたために外での活動は一度中断しましたが、幸いしばらくして天候も回復したので活動は再開されました。炭山地区は宇治市でも山間部にあるため、天候が不安定になりやすく、その後も晴天になったり雨雲が近づいたりしましたが午後の活動中は雨が降ることもありませんでした。しかし、この雨により、一時的に3つのルートのうち最もかんたんに炭山へ入るルートが通行止めになっていました。水害の後は、毎回雨が降ると通行止めになるようで、例えば出かけたものの、帰る頃に雨が降ると炭山地区へと戻るのが難しくなることもあるそうです。
午後は、足湯の御用聞きの際に畑が土砂をかぶり柵が壊れている状況をお聴きしていたため、その方の畑で活動を行いました。土砂を被った畑は作物が実りません。そのためスコップで被った土砂を捨てなければいけません。これはかなりの重労働で人手も必要な仕事であり、高齢の方だけでは難しい仕事です。水害発生から2週間が立ちましたが、まだまだやるべきことが残っていることを実感しました。私たちは、10人以上で畑の土砂の撤去やフェンスの修復を行いましたが、少しだけ作業が残ってしまったことは心残りです。
帰り際、先週訪れた窯元へと挨拶へ伺うと、窯元のお父さんが丁寧に陶器作りの工程を一通り丁寧に教えてくださいました。ボランティアに行ったことで生まれた人とのつながりを感じました。
(上野智彦)