ある女の子がいました。
彼女は家庭の事情がとても複雑で、経済的な問題も抱えていました。
彼女には年の離れたお姉さんが二人いました。
一人は彼女を引き取り、高校生活、大学生活の間の生活の面倒をみました。
もう一人の姉は、彼女の大学の資金を貯めました。
女の子はお姉さんたちのおかげで、高校、大学と無事に卒業し、ようやく恩返しができる立場になりました。
女の子は嬉しかったのです。
やっとお姉さんたちに恩返しができる。
あのときにしてもらったお金も返せる。
女の子はコツコツお金を貯めて、まずは上のお姉さんに30万円を持っていきました。
お姉さんは、これからまだまだ、あなたの人生にはお金がかかるから、これは自分で持っておきなさいと言って受け取ってくれませんでした。
それならお姉さんの息子が18歳になったから、車の免許でもとる資金にしてほしいと食い下がりました。
けれど、今度はお姉さんの旦那さんが、「それで取った免許で、万が一息子が事故でも起こしたら君が責任を感じることになる。気にしなくて良いから、自分のために貯めておきなさい」と言いました。
仕方なく、女の子は引き下がりました。
しばらくして、もう一人の姉の子が受験を迎えました。
女の子はチャンスだと思いました。
お姉さんたちに直接お金を持っていっても、どうやったって受け取ってはくれない。
こうなったら、お姉さんたちの子どもに返していく作戦をとろう。
あの手この手をつかって、女の子はお姉さんの子の受験勉強のためのお金を、ほんの少しだけ渡すことに成功しました。
やっと少しだけど返せた!!
女の子は喜びました。
でも、それ以上のお金は「足りてる」と言われ、結局最後まで受け取ってもらえませんでした。
その後しばらくして、女の子は大きな悩み事に直面しました。
もう生きていくのがイヤになるような出来事に。
そのときに、たまたまお姉さんと話す機会があり、何となく彼女は意見を求めてみたのです。
するとお姉さんは、アホやな~ アハハハハ と笑い、核心を突いたアドバイスをして
あっという間に彼女の心の霧を晴らしてしまいました。
どうして自分はこんなに頼りになる姉に、今まで相談しなかったんだろう。
話を聞いてもらおうと思わなかったんだろう。
彼女は考えて、自分なりに答えを出しました。
「これ以上、甘えてはいけない。負担をかけてはいけない。もう自分は恩返しする立場なのだから」
そう、自分で決め付けていたということに気づいたのです。
一人で頑張らないといけない。
そりゃそうです。最後に立ち上がるのに必要なのは、自分の力なのですから。
でもね、ちょっとだけ肩を貸してもらっても良いじゃないですか。
ふらふらのヨレヨレになってるときに、「よっしゃ、つかまり!」と言って手を差し伸べてくれる人がいるのなら、その手をぎゅっと握り返せば良いのです。
女の子は、自分で勝手に壁をつくっていたことに気づき、それからは聞いてもらいたいこと、意見がほしいことは何でも相談するようになったそうです。
恩返しは、甘えながらでもできる。
5借りて、3返して、2借りて、8返して・・・
そんなバランスでも良いじゃないですか。
大切なのは恩を忘れないこと。
人に甘えることを知るのも、立派な人生勉強ではないかと思います^^