2005-02-10 14:36:16

インコラプティブル

テーマ:エジプト
インコラプティブル
とは日本人には聞きなれない単語であるけれどこれは

不朽の聖人

という意味である。普通人は死ねば朽ち果てるものであるけれど
朽ち果てない人も居る。
ミイラ? とも思うけれどバチカンには人の手が一切加えられていないのにも関わらず
腐敗せずそのままの姿で居る聖人達が登録されている
これらは「奇跡」として認証される

日本人に一番身近な聖人といえば間違いなく
フランシスコ・ザビエル
であろう。
彼は死した後その功績により聖人に列せられた。
東方にキリスト教を広く広めたというのがその理由であるが
聖人に列するに際し反対する人も多かったらしい。
バチカンの判断としては

「死体の右腕を切り落として血が流れれば聖人として列する」

といったものであった
現在彼の墓はインドのゴアに存在する

フランシスコ・ザビエルの墓を開いてみると
生きたままの姿で保存されているのみならず、
腕を切り落とせば血が確かに流れたという
その後ザビエルの右腕は切断してローマのジェズ教会に安置され
さらには内臓を送れという指示が続いてなされ、
遺体の腹は割かれ内臓はすべて摘出されてしまった。
右腕は「聖腕」として残っているが、その他の内臓は四散してしまったようである

ザビエルの遺体は数年毎に公開されており
最近では1994年に公開されたと聞く
次の公開についての情報は未定である

はじめてこの話を聞いた際どうもぴんと来なかった

無理難題を押し付けてきたバチカンに対し
きっと聖人に列したいと思った人間が細工でもしたのだろう。


しかし インコラプティブル という考え方を勉強するとこの事件について
別の理解が生まれてくる。
聖人であれば、生きたままの姿で保存されるのが普通? である
であれば、血が流れてしかるべきであろう。
というごくごく当たり前? のようなバチカンの意図が見て取れるのである

しかし死というのは人それぞれに公平に訪れる
特に戦争があったときなどは終った後その腐臭などは
言語に絶しただろう

肉体は諸悪の根源であり憎むべき物であった
しかし例外として聖霊が宿った遺体は
病人を癒し知恵の言葉を授け、卑しいものや貧しい者を救済する
聖人の遺体には善良なる力が篭るとされた

「神ご自身もそうした聖遺物のある場所で奇跡を行う事によって
 それらを相応に崇めておられるのだ」

これは十三世紀イタリアの大哲学者であり神学者であった聖トマス・アクティスの言葉である
つまり聖人の遺体は神聖な避雷針であり
奇跡を呼び寄せる事ができると信じられていたのである

インコラプティブル
は存在する。そうしてこうした存在があるからこそ
「ミイラ薬」は万能であるという
発想が生まれたのでは無いだろうか

無論いくつかは人の手に加工されたインコラプティブルであるが
これは悪い意味で隠していたのではなく
公然と防腐処理が依頼されていた事を数百年の月日が経った事により
忘れ去られた事も一つの原因であるらしい

あまり知られていない話であるけれども
新約聖書には聖墳墓に集まった人々が
天然の防腐剤をキリストにどう塗ったかが語られている

「キリスト教の長であるキリストが塗油され、防腐処理されたのなら
 重要な人や神聖な人も塗油して防腐処理をすべき」

と考えたとしても不思議は無い。

では完全無欠のインコラプティブルはどうして生まれたのだろうか

聖ツイータ
グッビオの聖ウバルド
サヴォイアの福者マルゲリータ
聖サヴィーナ・ペトリッリ

がそれらにあたる。
これらの聖人は列せられる前に教会の地下の特殊なドーム型の墓所に葬られて居るのである
敬虔なキリスト教徒は死者を墓ではなく教会の地下にドーム型墓所を建て
実質的には霊廟も兼ねる礼拝場を作ったのである
このような墓所では司教は祭壇に一番近い所に
司祭と修道士はそこから少し離れた場所に葬られた

教会内にあるドーム型墓所は神聖な場所であるだけでなく
内部がアルカリ性の医師で覆われたりしていた為
ミイラ化を促進する環境であったのである
実際聖人になる見込みのある人はこうした墓所に葬られる事が多かったという
また教会関係者がどの遺体がその聖人の物であるか分からなくなった場合は
一番保存状態の良いものが選ばれる事が多かったという

ミイラはなぜ魅力的か
ヘザー・プリングル
ISBN4152084197
インコラプティブル
*聖人の写真を見る事ができます
http://photo-collage.jp/gensougarou/mag/past/56.html

聖人(英語)
*The Incorruptibles の欄がそうです。
*時間があれば訳してみたいと思います
http://www.theworkofgod.org/Saints/




著者: ヘザー プリングル, Heather Pringle, 鈴木 主税, 東郷 えりか
タイトル: ミイラはなぜ魅力的か―最前線の研究者たちが明かす人間の本質
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2005-01-12 14:27:41

ミイラ作成法

テーマ:エジプト
高級な方法ではまず最初に鉄の鉤棒により
鼻腔を通じて脳髄を引っ張り出す。
こうして可能な限り除去すると、
薬品を使って残りを洗い出す。
次には黒曜石の刃物で脇腹に切り込みを入れ
そこから内臓を取り出す。
そして体の内部を荒いヤシ酒と香料の粉末で清める
しかる後純粋なミルラやシナモンなどの乳香をのぞくあらゆる芳香剤を詰め
切込みを縫合する
そのあとで遺体をナトロンで覆う

その期間は七十日でそれ以上ではない
この期間が過ぎると遺体を洗いエジプト人たちがよく糊として使うゴムを塗った
亜麻布の包帯で頭から爪先までを包み込む
こうして最後に遺族に引き取られ
あらかじめ人型に作った木の棺に入れ墓室で壁に立てかけて安置する

二番目の方法は
杉から取った油を浣腸器に満たし
腹部に注入する
原を切ることも内臓を取り出すことも無く
肛門から油を入れていく
しかるのち流れ出ないよう閉ざされる。そして定められた日数の間
ナトロンで乾燥し、それが終わると注入してあった油を抜き出す
その効果は強烈で
すべての内臓が液体となって流れ出てくる。
一方肉はナトロンによって減り骨と皮ばかりとなる
これが終わるとミイラ職人はそれ以上何もせず
遺族に引き渡す

三番目の方法は
単に腸を洗うだけでナトロンで七十日間乾かし
遺族に引き渡すのである

参考
エジプトミイラ5000年の謎
吉村作治
エジプト神話
ヴェロニカ・イオンズ


著者: 吉村 作治
タイトル: エジプトミイラ5000年の謎



著者: ヴェロニカ イオンズ, 酒井 伝六
タイトル: エジプト神話
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2005-01-11 10:13:29

エジプト・ミイラ作成法詳細

テーマ:エジプト
ミイラ作成技術は紀元前三二三年を境に徐々に消滅して行った
過去の技術である
歴史的にはアレクサンダー大王のエジプト征服及び
キリスト教の普及が背景にある
エジプト特有の死者の葬り方であるといえる

中世ヨーロッパではムミアと呼ばれる天然鉱物からの抽出物を処方し
万病に効くと広告していた
この鉱物は非常に高価な物であり、一般庶民が手にする事は
出来ない代物であった
その後その「ムミア」を愛用していた人物が
ミイラに塗られていた樹脂を「ムミア」を勘違いし
これがミイラの英語訳「マミー」の語源となったという

中世ヨーロッパではミイラの全身全てを粉にし
飲んでいたという
後日この薬を飲むと逆に心臓や胃の痛みが増発される事が周知され
薬として役に立たなくなったミイラは焚き火や蒸気機関車の燃料や
マミーブラウンという絵の具の材料として利用される事になる

元々は神話の時代オシリス神が人類初のミイラとされ
より生きていた頃に近い形で遺体を残す事が大切であるとされた

ナトロンと呼ばれる天然塩を使用し
中王時代には内臓を腹を切ったり尻から下剤を使って出したりしていたけれど
脳はそう大切な部位とは思われていなかったらしく
出されていたり、居なかったりとミイラによって違いがあるらしい

新王時代にはかなり技術的に確立し
心臓と腎臓を除いて左側の切り口から
身分の低い卑しい、下級労働者が取り出し
その後の作業は高位の人間が行って居たらしいけれど
これは人間の身体を傷つける事は禁忌に当たる事であったから
であるらしい

今も昔もお偉いさんは汚い事をやるのは嫌いであるようだ

ミイラというとつき物なのは
内臓を納める為に作られた色とりどりのカノポス容器では無いだろうか
取り出した内臓全てをあの容器に入れられるのだろうか?
と心配して居る人が居たけれど
あの容器一つ一つには入れる臓器が決められており
人類初のミイラとなったオシリスの息子ホルスの四人の息子を模しているのだ

肝臓 イムセティ  人の形をした容器
胃  ドウアムテフ ジャッカルの形
肺  ハピ     ヒヒ
腸  ケベフセエフ ハゲタカ

しかし腸全てがあの容器に入るとは思えないので
入れたのはおそらく一部、であろう。
現代でも過去の技術でミイラを作ってみようと
76歳の男性を材料に作った事もあるらしいけれど
遺体は何の問題なくミイラ化されたらしい

とはいえ当時は平均年齢30歳
あまりにも早く逝ってしまった人を悼み
お金をかけて配偶者をミイラ化させる事もあったようだ

しかし、女性のミイラを作成する際は事前に死姦される事を避ける為に
事前に腐敗させたという事もあったようだ
死体を腐敗させてもきちんとミイラ化するというのも驚きであるが
この辺りの習慣がエジプト人が死体をミイラ化させるようになった
理由の一つにあるように思えてならない

ただ総合して考えてみるに
偶然? ヨーロッパの人間がミイラを食べるようになっただけで
やはりエジプトの人間は食べられない為にミイラ化させたという説は
無理があるような気がした




著者: ロザリー デイヴィッド, リック アーチボルド, 吉村 作治
タイトル: カラー版 ミイラ全身解剖-ミイラ科学と古病理学が明かす古代エジプト人の生と死
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2005-01-07 12:43:10

エジプト・ミイラ作成法を追う

テーマ:エジプト
エジプト人は喰うための保存手段としてミイラを作ったのだろうか
それとも人の尊厳を守る為にミイラを作ったのだろうか。

ふと浮かんだ疑問を解決させる為に
まずはミイラを作る手段について考えてみる事にした

ミイラを作る方法は三種類あり
一つは一般的に知られている王族や貴族の為に
鼻から内臓をかき出し処理する方法であるが
残り二つは本当に簡易的な処置で
肛門から油を注入し
内臓を抽出したり
下剤で流しだしたりという
本当に「ミイラになるのか?」と疑問を持つような物である

しかし現代でも実際ナトロン(天然炭酸ソーダ)
を使い内臓を掻き出し、
古代エジプトと同じ気温四十度、
低湿度に設定したまま三十五日間放置すれば
ミイラ化するそうだ

人をミイラ化させるのは非常に高価で特殊な事だと思っていたけれど
上記考えると一般庶民にも広がり
普通に行なわれていたように思う

人を蜂蜜に百年漬け、
蜜剤として薬効の持つ物にするという技術も存在するそうだけれど
それを実際に食べてよいことが起こったという神話さえも
私は読んだ事が無い。
ただ老人がその蜜剤となる為に毎日蜜を食べ
頑張ったという逸話が残るばかりである

参考サイト

SVRIBBLED
http://www.zinciku.biz/egypt/
*エジプト関連コラム満載。
 特にエジプト関連のカニバイズムを調べていると以下のページに当たる
 が、トップページは上記のようです
カニバリズム ~人の血肉を求める神~
http://www.zinciku.biz/egypt/sub2-03.htm

ディル・エル・メディナ
http://oleanderbbb.hp.infoseek.co.jp/Funeral.htm
*ミイラについて色々述懐。非常に説得力がありました
 転載許可をお願いしましたが、もらえませんでした……
 葬祭儀礼とミイラ作りは名コラムです

参考文献「The British Museum --- Dictionary of Ancient Egypt」
イアン・ショー&ポール・ニコルソン著


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2004-12-17 09:05:13

エジプト 創始の話を考える

テーマ:エジプト
皆さんはエジプト王家創始の話となるオシリス神話をご存知だろうか。
もしエジプトの歴史に少しでも興味を持った事があるならば
これらの一説を一度か二度読んだ事がある筈だ

オシリスは地上の王となり、イシスを妻にする。
彼は人間に農耕や牧畜を教え、よく治めた。これをねたんだのが弟のセトである。オシリスを箱に閉じ込め、ナイル川に流してしまう。妻イシスは嘆き悲み、オシリスの遺体を探しに出掛ける。
 遺体は地中海に達し、ある地の岸に流れ着いていたという。イシスはオシリスの遺体を連れ帰った。これを知ったセトは、遺体を十四に切り刻んでエジプト中にばらまいてしまう。
 イシスは悲しみにくれながら、バラバラになった夫を探し回っては集めた。とうとう完全な体にし、ミイラの夫に命を吹き込んだという。そしてオシリスの子ホルスを授かるのである。


河北新報社
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe114/20020620_04.htm

表現は翻訳者によって違う。
が、この一説はエジプトのカニバリズムの本質的な部分を
ついているのでは無いだろうか

上記の訳は一般向けのかなり柔らかい感じに纏められている。
遺体を十四に切り刻んだ後、実際はこのような文章が続く。

オシリスの男根は、オクシリンコスという魚が食べてしまった

と続く。
このオクシリンコスというのは殺したセトの化身であると言われており
つまりセトは地位を簒奪しその者を食べたという事なのである。

無論エジプトでも飢饉の時人肉を食べたというのは勿論であるが
それ以外に地位の高い人間が死んだ場合
その力を自分の物にする為に好んでそれを食べていたのだ

この風習を嫌った時のファラオが
尊い身分の人間の遺体が暴かれる事を防ぐ為に
食べる事が出来ぬよう? 薬品に漬けて
ミイラ化させる技術を開発したのだという
最も初期の段階ではミイラ化させたのは
人肉を長持ちさせ、長期保存を可能にする為であったのかもしれない

アン・ライスの小説「呪われし女王」には
能力継承の為脳みそを喰わなくてはならないと
重ねて記述している

アン・ライス自身はファラオが遺体を暴かれるのを嫌ったからではなく
強い能力を平民に継承させたく無かったからと述懐して
小説を書き綴っている。

私自身まさかエジプトで人喰いが行なわれていようとは考えつかず
この小説の一説を読んで
真実を求め必死に資料を探し回った経緯がある
八百万の神が居るエジプトには確かに人喰いの神 
女神メウト、ネヘベト が居る
ハゲワシを擬人化した神であるが
メウトは主神アメンラー神の妻であり
この事からも人喰いが卑しい習慣ではなく
かなり価値の高い行為であった事が伺えるのでは無いだろうか

この時期エジプトで珍重されたのはアステカ同様
心臓、脳みそ、性器であったようだ

ミイラが作られた数百年後
日本ではそれらを粉末にし
薬として珍重する事になるのだけれど
これらの話はまた後日に譲りたいと思う



著者: アン ライス, Anne Rice, 柿沼 瑛子
タイトル: 呪われし者の女王〈上〉―ヴァンパイア・クロニクルズ



著者: アン ライス, Anne Rice, 柿沼 瑛子
タイトル: 呪われし者の女王〈下〉―ヴァンパイア・クロニクルズ
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