ふつうの公立高校の快進撃~外部コーチとして取り組んだ2年間~ 北口コラム特別号vol.4 | フープドリームズ【子どもの心技体を育てる地域コミュニティを民の力で運営しています】

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理念
1.未来を築く子どもたちの心技体の成長をサポートする
2.家族や地域社会の和を大切にし、永く楽しめる地域コミュニティを育成する

こんにちは。フープドリームズのたかじさんです。

4週間にわたったお送りしている、

北口コーチの書き下ろしコラムVol.4をお届けします。

 

 

Vol.1

「外部コーチを引き受けた理由と、北口の想い」

を見逃した方はそちらからご覧ください。

 

 

Vol.2

「試行錯誤だった2年間 150点ゲームを乗り越えて」

を見逃した方はそちらからご覧ください。

 

Vol.3

「弱小公立高校が勝ち続けたワケ ポイントとコツは?」

を見逃した方はそちらからご覧ください。

 

 

それでは今回はVol.4

「ミスマッチを突く秘策

強烈なオールコートDef アッと驚く突破法」

をご覧ください。

 

~本文ここから~

 

 

 

【全員ポストプレイ】

次に全員がポストプレーをできるようになるための練習も行いました。

前回までにも書いたように、先生や指導者になる子が多いので、

その目的のために、全員にすべてのポジションの練習を

やらせていることもありますが、

試合中、誰がミスマッチになるかわかりませんよね。

 

 

数少ないミスマッチを、いかに点数につなげることができるかも、

ふつうの公立高校が強豪校から点数を取る大事なポイントですよね。

 

 

先ほどの中央大会でも、

193cmの相手のセンターに、こちらの173cmのセンター

がついていますし、

こちらの182cmのガードに相手の173cmのガード

ついていたりしますよね。

(何せ、ポジションは自分の好きなところを選ばせていますから)

 

 

193cmにつかれたセンターは、

相手を引っ張り出して3ポイントを狙います。

 


173cmにつかれているガードは、

パスをして、インサイドで面とりをします。

 

 

要は、試合中ミスマッチの起ったところの人が、

その状況に応じた攻めをすればよいということです。

それを自然にできるように、最初から練習しておくことです。

 

 

練習としては、センタープレーやインサイドの

動きを中心とした3on3を、週2回、10分程度ですかね。

 

 

どんなプレーをさせるのかは、長期休み中に説明して、

個々に取り組むようにしています。

 


簡単に説明すると、

・もらった瞬間のディフェンスとのギャップを活かした速いシュート、
・ボールをもらった瞬間のステップの仕掛け、

・さらに、ボールが入らないと判断した時のスムーズなボールマンとの2メンゲーム

といったところです。

 

 

 


【オールコートディフェンスに対して、

オールコートオフェンスをやりきる】

次に、強豪チームは、豊富な脚力を活かした、

何らかの得意なオールコートディフェンスを必ず持っていますよね。

 

 

2-2-1ゾーン、

マンツーマンプレス、

1-2-1-1ゾーンプレスからマンツーマンプレスへの変化や、

ダブルチーム。

守る範囲やトラップを仕掛ける場所やシーンも様々です。

(これは、別途、詳しく述べますが、

「相手の長所を簡単にやっつけてしまう」

という、われわれにとっては課題の一つでもあります。
世界でメダルをねらうレベルのアスリートなら、

身につけていてほしい「勝負脳」の鍛え方の一つです。)

 

 

話しをオールコートディフェンスの攻め方に戻すと、

 


「何とかハーフコートまで運べたから、落ち着いて攻めろ」

 

 

では、体力が消耗する割に、もう一度ハーフコートで

攻めなおさないといけないために、時間もありません。

 

 

ましてや、脚力のある相手に対して連続して

2回も違うオフェンスをできるでしょうか?

なかなか点数に繋がらないですよね。

 

 

そこで、オールコートディフェンスに対しては、

オールコートオフェンスでアウトナンバーを

作って攻めきる練習をするわけです。

 

 

 

「相手は、同じ人数で広い範囲を守ろうと

しているのだから、攻めやすいはずだよね。」
の説明から始めます。

 

 

そして、相手の仕掛けやディフェンスの特長に応じて、

オールコートで5人が連動して攻めきる動きを練習するわけです。

 

 

単に決まった動きをするのではなく、

相手のローテーションの具合やカバーポジションを見ながら、

・即座にチャンスのあるポジションにパスを出すか

・ドライブを仕掛けるか、

・2人で協力してスクリーンやハンドオフプレー

を使うわけです。

 

 

その次の一手も予測できていなければ、

オーバーナンバーがつくれません。

 

 

このコツは、

ボールマンは常に3方向を視野に入れている

ということです。
 

 

 

3方向に、パスかドライブを仕掛ける準備を

常に持っているということです。

 

 

この力を高めるには、毎日行う30秒程度の

ビジョントレーニングも大切です。

 

 

さらに、

ふつうのハーフの3on3で、

3方向にどの攻撃を仕掛けるのが有効か?

いつも考えて練習しておく必要がありますね。

ドライブなのかシュートなのかパスなのかの選択です。

と言っても、週に2回、10分程度で大丈夫です。

 

 

 

そして、ボールマンの3方向にレシーバーがいるか、

スペースを空けているかを他の4人が選択しなければなりません。

 

 

このことを整理して、

ゆっくりスローモーションで教えてあげるわけです。

 

 

そして、相手のローテーションやダブルチームの

逆を突いたオーバーナンバー(2対1など)の

フィニッシュのシュートが決まるところまで練習します。

 

 

パズルや将棋を練習するのも、脳科学的には

良いトレーニングになるかもしれませんね(笑)

 

 

(ホントは、そのあとのリバウンドポジションとか、セーフティ、

逆にシュートを決めた後のフルコートディフェンスをやり返すこととか、

もっとやりたいのですが何せ時間がないもので、

そこまでできていないのが現状です。)

 

 

【あえて左右均等にしない】

加えて、フルディナイのオールコートマンツーマンに対しても、

ゾーンプレスに対しても、

最初の選手の立ち位置を左右均等にしない

ことです。

 


5人のフロアバランスを

相手の得意なローテーションでは守れないような左右不均衡

な配置にすること。

 

(この時は左に3人、右に1人で右の進行方向を開けてそこに走り込みます)

 

または、

バックコートに5人いるなどのアンバランス

などもおもしろいですね。

(左に攻めるのに、バックコートで1直線に並びます。

誰が裏に表に飛び出すかわからないので、

ディフェンスが困惑していました 

左下は北口コーチです 手を直線にして指示をだしてます)

 

たくさんの練習時間があるなら、

真っ向勝負で運び方を教えたいところですが、
何せ時間と一人でディフェンスを振り切るスキルが無いもので…

 

 

相手が想定している範囲を超えたポジショニングで、

相手の混乱を招くことも有効に活用しています。

 

 

3方向の話と食い違うと思われる方もいると思うので

説明しておきますね。

 

 

ボールマンから見て、3方向に配置することは、

左右均等な位置にポジショニングするわけですが、

初めのポジショニングの狙いを左右不均衡にするわけです。

 

 

「それでは、選手たちが覚えられない。

難しくてできない」

 

という声が聞こえてきそうですが、

こちらの指示は、相手のディフェンスの特長を見て、

初めの位置取りを指示するだけです。

 

 

 

そのあと、つまり、一つ目のパスの狙い以降は、

全て同じ3方向オフェンスということなので、

選手たちは、最初の位置取りだけを変えるだけです。

 

 

具体的なポジショニングは、

実際に対戦する相手のディフェンスによって違いますので、

対戦するチームの状況を見ないと回答できませんが、

この考え方を参考にしてもらうと面白い結果が生まれると思います。

 

 

少なくても、百戦錬磨の強豪チームは、

何か違うことを仕掛けないと、不安がらないわけです。

 

 

相手を不安がらせながら、こちらはあまり戸惑わない。
これは、オフェンスでもディフェンスでも、

戦術・戦略を考えるのに重要なことですね。


コーチが選手の理解度をしっかり把握していることが重要です。

 

 

 

~今週はここまで~

 

 

次回は…

 

・脳科学でシュート確率を上げる

・強豪校のオフェンスリバウンド対策

・筋トレなしでフィジカルを作る

などの内容をお届け…

 

できるかどうかは、北口コーチの気分次第です(笑)

 

今かなり書きかけてくださっていますので、

(多分ご本人もこのブログをお読みだと思いますので)

期待しましょう!!^^