翻訳かけこみ寺

翻訳会社を経営する筆者が翻訳のことを自分の体験も含めよろずや的に語る


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私はフリーランスの翻訳者として仕事を始めてから30年になります。日英がほとんどですが、最近、面白いことに、相反する二つの思いがよく出てきます。一つは生意気かも知れませんが、どのような日本語でも訳せるという自信です。

この前、ある仕事で「備え付ける」という日本語が出てきました。今までは訳しにくい日本語でした。Installを使ったり、equipを使ったりしていましたが、「待てよ、これは準備するのprepareで良いのではないか」と思い、prepareにしたらピッタシだったんですね。このような時は嬉しいですね。

ところが反対に全く翻訳に自信がなくなってしまう時があります。「棄却する」とか「捨てる」とかは取扱説明書などに頻出しますよね。今まではabolishを使ったり、discardを使ったりしていましたが、abolishでもdiscardでも気に入らないんですよ。ネットでも用例を調べたりして、最終的にdisposeに落ち着きました。これだけで15分も20分も経ってしまいました。

今度は「処置」が出てきました。「処置」とか「処理」とかも翻訳しているとしょっちゅうぶつかる言葉で恐らく私も今までに何百回と英訳していると思うのですが、treat が良いのかhandleが良いのか、わからなくなってしまいました。ちなみにtreat vs handleとGoogleに入力したら出てくるわ、出てくるわ、ネーティブでもわからないとあちこちで議論しています。そのような議論を読んでいると面白いので30分位があっという間に経ってしまいます。訳語はhandleで落ち着きました。

今度は手順です。これはproceduresでピッタシです。ところが今まで複数を使っていましたが、procedureと単数でも良いはずです。さてどこが違うのだろう、手順と言ったらいくつかのステップがあるはずなので、proceduresと複数になるはずなのに、procedureと単数を使う場合はどのような時なのと疑問は出てきます。そこでまたprocedure vs proceduresと検索してみました。案の定これもいろいろな議論があります。「手順は一つではないが、その流れを1つとして見る時は単数」として考え、その時はprocedureとするというある人の説明を読んでなるほどと感心しましたが、しかし、これも実際の文脈上でいつもそのように解釈できるかどうか問題が出てくる可能性もありますよね。安全策は複数のproceduresだと思います。

このような検討をしていると、あっという間に一時間半が経過してしまいました。この間、仕事は進みません。さて、どうしたら良いんでしょうか。私は新しい悩みにぶつかってしまいました。
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