その日一日で物件を決めなければいけないのに、お昼の12時半をまわった時点で、4つあった候補のうちの3つがボツ、残る1つも「どう考えても無理」という、非常にまずい状況になりました。 

 

私も息子もスマホしか携帯していなかったので、たくさんの物件を検索するのは困難です。 

 

そこで息子が会社に連絡を入れ、その結果、新しく勤務する支社のほうで検索をさせてもらえることになりました。 

 

私と物件をまわっていることを会社側は知っているので、一緒にどうぞ、ということなのですが……。 

 

うわぁ……息子の会社に行くのはどうなん? と冷や汗が出るような気持ちになりました。 

 

気まずいし、ちょっとイヤかなぁ……と。 

 

私の曇った顔を見て、息子も気を使い、「一緒に行きたくなかったら、お母さんだけ待っててもいいよ」と言います。 

 

ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。 

 

ぜひ、そうしたい! 

 

堅苦しい場所には行きたくない。

 

しかし、この息子を一人で行かせると……またロクでもない物件ばかり選んできそうです。 

 

そこは逆に信用があります。 

 

難がある物件をキチンと選んでくる、という……。 

 

…………。 ( ̄_ ̄ i)

 

「やっぱ、一緒に行くわ……」 ということで、ついて行きました。 

 

「俺、これ、どう?」 

 

息子はこの日、新しい職場には挨拶に寄らない予定だったので、スーツではなくカジュアルな服装です。 

 

どう? と聞いているのは、ヒザ丈の短パンをはいているからで……。 

 

「最悪やね、すね毛丸出しやん……」 

 

「あ、やっぱり?」 

 

会社に到着して、挨拶をする時に「こんなカジュアルな格好でご挨拶となってしまい、申し訳ございません」と謝っていました。 

 

すね毛を出して上司に挨拶は、ないわなぁ〜、と思いつつ、私も横で頭を下げました。 

 

応接室で上司の人と息子が一緒にパソコンを見ながらの検索となりました。 

 

息子の意見を聞きながら、上司の人がパソコンの操作をします。 

 

私は息子の後方から見ていましたが、モニターが遠いのでよく見えません。 

 

まず地域を決め、家賃の幅を決め、間取りを決めて……そのあたりで一覧を出していました。 

 

なんだかんだと話をして候補を決めていくのですが、バスと電車両方を使うところは上司の人が外していました。 

 

通勤がしんどくなるから、という理由です。 

 

「築年数にこだわる?」 

 

「はい! 10年以内でお願いします! できれば5年以内がいいです」 

 

ぎゃー! おばかー! そこは、今、こだわるとこちゃうやろ、切羽詰まったこの場面でー! と思いましたが、上司の前です。 

 

口から出そうになった言葉をぐっと飲み込み、我慢しました。

 

物件が少ないんだよね~、と、探し始めの頃に言っていた言葉の意味がここでわかりました。

 

こんな条件をつけていたのですね。

 

リノベーション・ リフォーム済みだったら、キレイだから大丈夫だってば〜、と言いそうになるのを必死で押さえ、ひたすら貝になります。 

 

「ここなんかいいんじゃないの? あ、ダメだね、築13年だ」 

 

「はい。10年以内がいいです」 

 

「こっちは? でも1階だね〜、ダメだね」 

 

「1階でもいいです」 

 

いいわけないだろー! ヾ(。`Д´。)ノ

 

お嫁さんがいるんだから、侵入しやすい1階はダメー! と心の中は大絶叫ですが、頑張って涼しい顔を保ちました。 

 

「ここなんかどう? 広いよ?」 

 

「いいですね、ここ、行きます」 

 

「あ、ダメだ、バス使わなきゃいけないから」 

 

と、いうふうに、話が進んでいきます。 

 

「ここは? 駅から近いよ?」 

 

「でも、築16年ですから……」 

 

「築16年だねぇ」 

 

「はい」 

 

後ろから遠目にモニターを見ていた私は、その物件の外観写真がチラッと見えた瞬間に、なぜか、ここは! 行かねば! という気持ちになりました。 

 

遠目に見ているので、詳細は何もわかっていません。 

 

それなのに、「そこ、行きますっ!」と、口から言葉が勢いよく飛び出していました。 

 

自分でもビックリです。 

 

上司の人と息子が同時に振り向きます。

 

(  ゚ ▽ ゚ ;) (  ゚ ▽ ゚ ;)

 

2人とも「は?」という顔です。

 

今まで静か〜に、黙っていたのですから、いきなり、張り切って発言されたら驚くのは当然です。 

 

しかも、上司の人の意識では、「お母さんは運転手」という位置づけで、さらに住むのは息子とお嫁さんですから、私が口をはさむのは、おかしい話なのです。 

 

上司の人は「え? こ、ここ? ここ行きます?」と、すでに次の物件に進んでいた画面を慌てて戻し、 

 

「じゃ、ちょっと印刷して出してきますね」と言ってくれました。 

 

息子は、「え〜、ここ?」という複雑な顔です。 

 

その後もなんだかんだと選び、最終的に4つ候補を決めたところで、ふたたび物件まわりをすることになりました。 

 

時間はすでに3時になろうとしていました。

 

※続きます。

 

 

 

 

 



 

 

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