みなさんこんにちは。
ホリスティッククリニック横浜、院長のいのひろです。
Q. 1歳の子供のことで質問があります。
保育園に通っているせいかすぐ風邪を引きます。だいたいいつも鼻水と咳が酷くなります。熱は毎回は出ません。小児科ではいつも、咳止めと鼻水止めが出るのですが、逆にひどくなるような気がします。そんなことってありますか?
A. 保育園に行き始めると、確かに風邪を引きやすくなりますよね。
小児科で良く出される、鼻水止め咳止め。
だいたいそこに痰切りの薬も入っていることも多いですね。
このお母さんが仰るように、風邪薬で逆に痰がらみ、咳が酷くなることはありえます。
その原因の一つが、鼻水止めかもしれません。
別名を抗ヒスタミン薬と言います。
抗ヒスタミン薬は、サラサラの鼻水を止めるだけではなく粘膜を乾燥させます。
すると、鼻水が硬くなって詰まりやすくなります。
また鼻から続く気管支粘膜にある粘液も硬くする可能性があります。
特に小さいお子さんは、気管支の内腔が狭いうえに、風邪を引いて気管支まで症状が広がると分泌物が多くなりがち。気管支を支える気管支の筋肉も薄いため気管支内腔が狭まりやすいのです。そのため、ゼイゼイしやすいとも言えます。
抗ヒスタミン薬はそのような症状を助長するので、あまり使わない方が良いと私は考えています。
また、抗ヒスタミン剤の脳への作用で眠気などを引き起こします。
特に小児の場合は発熱時に抗ヒスタミン剤の作用で、意識がボーっとしていると
薬の副作用か病気によるものなのか判別が難しくなります。
日本人は他の人種より熱性けいれんを起こす頻度が高いようなので、けいれんを助長する可能性もあります。
さらにもう一点付け加えたいことがあります。
喉の奥と耳は耳管という管で繋がっています。その管を流れる粘液が抗ヒスタミン剤でどろどろになると、耳管の流れが悪くなり中耳炎のリスクも上がる可能性があります。(アレルギーがある場合は、抗ヒスタミンが有効と書いてある専門書があります。私のこれまでの経験からは必ずしも正しいとは思いません。)
そういうこともあり私は、基本的に鼻水があっても抗ヒスタミン薬はまず使わないようにしています。もちろん上記の理由を親御さんにお伝えして納得頂いています。
最近の第二世代抗ヒスタミンはいわゆる従来の抗ヒスタミン剤(第一世代)の副作用は少ないと専門書には書いてありますが、基本的には第一世代と同じと考えます。
咳止めも痰を出すために体が引き起こしている生理作用としての面もありますから、ただ止めればよいというわけではありません。
要するに、風邪を引いて早めに病院に行っても早く治るわけではありません。
経過を見て、辛そうだったり症状が悪化してきたり、これ以上経過を見ているのが心配な場合に病院にかかれば良いと思います。早めに薬を貰っても逆に症状が長引くことがあるし、そのうち抗生剤など飲まなくても良い薬が出される可能性もありますから。
季節の変わり目は、急に喘息を発症する方も(大人も子供も)おられますから、あれ?と思ったら受診してください。
私たちのクリニックにも症状緩和のためにネブライザー(吸入器)も用意しています
~あなたの病気の見えないプロセスをみつめる医療を実践します~
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