こんにちはニコニコ

本日は、12月13日(土)に公開される映画『おやすみなさいを言いたくて』をご紹介!ノルウェー・アイルランド・スウェーデン合作映画です。

元報道写真家でノルウェー出身のエーリク・ポッペ監督の実体験に基づく内容をリアルに描いた作品。ポッペ監督は、ベント・ハーメル監督の『卵の番人』の撮影にかかわり、モスクワ国際映画祭のコダック賞を受賞している監督です。そのほかにも、撮影クルーにはノルウェー人が勢ぞろい。

またキャストにも、デンマーク出身のニコライ・コスター=ワルドーが夫役を演じており、北欧映画が好きな方はきっと、そこかしこに北欧のエッセンスを感じる作品になっていると思います。クリスマスシーズンにぜひ!



「おやすみなさい」は、そばにいる愛する人、
世界中の人たちの幸せを願う、尊い言葉だった。


愛する家族か、使命ある仕事か・・・究極の人生の選択に世界中が涙した感動作!


ストーリーは、報道写真家レベッカが、アフガニスタンの首都カブールでの紛争地で自爆テロ犯の女性たちをカメラにおさめていくところから始まります。さらに緊迫した真実に迫ろうとしたとき、爆発に巻き込まれ、危うく命を落としかけるレベッカ。家族が住むアイルランドに帰国したところ、夫のマーカスからもう限界だと告げられてしまいます。

トップ報道写真家として人生をささげてきたレベッカですが、その仕事は、彼女の情熱に理解を示してくれた夫や娘たちの協力の賜物。常に死と隣り合わせのレベッカの仕事に、母国で待つ家族は不安な日々を送っていたことに気づきます。家族の幸せのために、「戦地には戻らない」と決め、家族との時間を取り戻そうとするレベッカ。その一方で、悲しい戦場の隠された真実を世界に伝えたいという報道写真家としての情熱を拭いきれないでいる葛藤の日々を送ります。仕事か、家族か、彼女の選ぶ道は・・・



主人公の報道写真家レベッカを演じるのは、『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞助演女優賞を受賞、世界のトップ女優の一人、ジュリエット・ビノシュ。監督は、元報道写真家という異色の経歴を持つノルウェー出身のエーリク・ポッペ。自らの実体験に基づく内容で、仕事と家族の狭間で苦悩する主人公の姿をリアルに描いた作品。本作では、2013年のモントリオール世界映画祭審査員特別賞受賞をはじめ、数々の賞を受賞しています。

撮影クルーにはノルウェー出身者が多く、ベント・ハーメル監督の『卵の番人』の撮影にかかわり、モスクワ国際映画祭のコダック賞を受賞したエーリク・ポッペ監督をはじめ、撮影を担当したヨン・クリスティアン・ローセンルンもまた、『酔いどれ詩人になるまえに』や『ホルテンさんのはじめての冒険』『クリスマスのその夜に』などでハーメル監督と組んでいます。TVでは、『刑事マルティン・ベック』シリーズにも参加しています。


1980年代に報道写真を撮っていたポッペ監督。ここ6~7年、再び世界各地の紛争地へ足を運ぶことが多くなったといいます。80年代と違い、今は妻と2人の娘がいる監督。テーマをより浮き彫りにするため、自分の役は女性に変えてはいるものの、「危険地帯へ出かけたいと思う一方で、家族に精神的負担を与えているという自分の体験を映画にした」そうです。実際に子供や愛する家族のいる写真家仲間にも話を聞き、国に大切な人を置いてきた彼らの気持ちなども詰まっているとのこと。

戦地での緊張感や、家族といても何かぎこちなく、一人孤独な鎧のようなものを身にまとい、絶妙な空気をも演じきったジュリエット・ビノシュがまた素晴らしい。一つひとつ、とてもていねいな動きが印象的です。彼女は何から何まで本物を求めたそうで、カメラはもちろん、映画では映らないメモリーカードのサイズまでもプロ使用のものを使ったとか。(おお!)

さらに注目は、デンマーク出身でTVシリーズをはじめ、ハリウッドでもブレイク中のニコライ・コスター=ワルドー。海洋学を研究する博士で優しき(イケメン)夫・マーカスを演じます。また、アイルランドのダブリンで撮影することで、アイルランドの要素を加えたいと思ったポッペ監督。長年U2のファンだという監督の想いもあり、なんとU2のドラマーであるラリー・マレン・ジュニアにオファー。レベッカの良き友人役として登場します。思春期の心の模様を絶妙に演じた長女ステフ役のローリン・キャニーは本作が映画デビュー。ビノシュから絶賛されたという演技にも注目です。



ダブリンの穏やかな風が吹く海辺の家と、埃っぽく不穏な空気が漂う戦地。また、家族で囲むあたたかい焚き火の火と、戦火や爆発の火など、緩急あるコントラストも見どころのひとつ。

この作品をつくるにあたり、「仕事にかける情熱をロマンティックに描くのではなく、現実を突きつける映画を目指した」という監督。かなり鮮明かつリアルに、家族から出てくる容赦ない言葉がドスンと突き刺さります。

女性の社会進出、活躍が目覚しい中で、設定は違えど、多かれ少なかれ、こういった環境にある家庭も多くなってきていると思います。子供からの目線、夫からの目線、妻からの目線に置き換えて見つめることができる、あらためて「家族」について考えさせられる映画です。


『おやすみなさいを言いたくて』は、12月13日、角川シネマ有楽町・渋谷シネパレス他全国ロードショー!


(c) paradox/newgrange pictures/zentropa international sweden 2013
PHOTOS (c) Paradox/Terje Bringedal

『おやすみなさいを言いたくて』
(原題:A Thousand Times Good Night)

監督:エーリク・ポッペ『卵の番人』(撮影)
脚本:アルマン・アマール『オーケストラ!』
出演:ジュリエット・ビノシュ『イングリッシュ・ペイシェント』、ニコライ・コスター=ワルドー『オブリビオン』、ラリー・マレン・ジュニア(U2ドラマー)
2013 年/ノルウェー・アイルランド・スウェーデン/118 分/カラー/スコープサイズ
後援:ノルウェー王国大使館
配給:KADOKAWA
公式HP:http://oyasumi-movie.jp/

2014年12月13日(土)角川シネマ有楽町・渋谷シネパレス他全国ロードショー!