ももさんと子宮と赤ちゃん① | 漢方とハーブのお店 なつめやつれづれ養生日記

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長野市の善光寺の門前にある漢方・食・養生の専門漢方薬局
『なつめや』の薬膳や、身体、季節の養生についてつらつら綴る
養生日記

これから綴る話は完全に私が架空の人物「ももさん」が妊娠に至るまで
のお話です。誰かをモデルにしてというものではなく、妊活をされている
方々の代表的な体質を当てはめた「ももさん」はもしかしたら、誰でも
心当たりがあるかもしれない女性です。
そして、ももさんの話を通じて私なりの身体への意識の向け方や
漢方のこと食事のこと、養生のことなどを紹介していきたいと思います。



chapter1:ももさんの電話から始まった①

なつめやの予約はメールから、そして電話で直接というケースをとっている。
接客しているか、漢方薬を作っている時が多い。
ももさんからの初めての電話も同じように漢方薬を作っている時だった。

「初めての相談なんですが、平日で予約が空いている日はありますか?」と
割合にはっきりした口調の方だという印象。
「再来週の金曜日の12時なら空いてますね。その日でよろしいですか?お名前は?」
薬を作っている時は集中力を切らせないように手短にお話するクセがついている。
ぶっきらぼうだと思われないか、ちょっと心配になることもあるけれど。

「木内ももです。その日でお願いします」と、すんなり予約がきまる。
こういうケースの時、私はこの人ときっと縁があるんだな〜と思う。
縁あってなつめやを選んでくれて電話をかけてきてくれた。
ありがたいことです。

あ、そうそう、と
「どんなご相談ですか?差し支えなければ」

「赤ちゃんが欲しくて・・・。病院でも治療しています」

赤ちゃんが欲しいという相談は多く、また年齢も様々。
病院での実際の治療がどのくらいなのかが気になるが・・・。
ひとまず、基礎体温表は妊活にとって地図のようなもの。
あるとありがたい。

「詳しいお話は当日伺いますが、基礎体温表などあればお持ちくださいね」

「わかりました。当日、よろしくお願いします」とももさん。

実際にお会いするその日の朝は予約表を確認しながら
初めての方で、ももさんという女性がくるんだな、と意識を準備しておく。
どのお客様もそうだけれど、その日いらっしゃる方を
確認して、気持ちの準備をしておくこと、
今日も1日、いろんな方のお役に立てれますようにと祈る。

朝のスタート10時からのお客様を迎え、見送り、としながら
12時のももさんの時間になるのはあっという間。

12時までちょっと時間があるからと、おにぎりで腹ごしらえ。
胃が重たくなるのと眠くなるのは嫌なので、たくさんは食べない。
玄米に黒米とキヌアを混ぜて炊いたご飯に梅干し、そして少々の塩。
いたってシンプルなおにぎりを飽きることなく食べている。
ミネラルをしっかり含んだ宮古島の塩、鉄分豊富なキヌア
「血」を補う黒米、を一晩玄米と浸水させて圧力釜で炊いたもの。
1度にたくさん炊いて寝かせ玄米風にしておくと、
もちもちする。
そのおにぎりをよく噛んで食べて、さて、と洗い物をしていると

「こんにちは」と一人の女性がお店に入ってきた。

ももさんだった。

中肉中背の少し痩せた感じの女性だった。

「どうぞ、椅子にお掛けください・お茶を入れますのでちょっと待っていてくださいね」

その人を見てこのハーブが良さそうだな、というのを組み合わせてお茶を
用意する時もあるし、作り置きしてあるのを用意することもある。
ももさんには少し、リラックスするものが良さそうだなと
感じてローズピンクとカモミールのお茶を用意した。

その人を見たときに全身から出ているエネルギーを感じるとき
疲れていそうだな〜、とか悩みがふかそうだな〜とか
緊張しているな〜とか色々感じます。
そういう、エネルギーのバランスをハーブはやんわりと
流してくれる感じがあります。

ももさんは、なんとなく緊張している感じだった。

「いい香りですね〜」と、ももさん。
緊張を緩めるときに香りというのは案外役立ちます。
なつめやは何か、特別にアロマを焚いているわけではないけれど
何かが香っているようです。
私は毎日いるのでわからないのですが(笑)

「お店の中ですか?毎日いると分からなくなっちゃうんですが、
そう言ってくれる方が多いです」と私。

他愛のない会話からその後1時間半ほどのカウンセリングが始まる。
その1時間半で掴める情報と、何回もお会いしていく中で
引き出していく情報とがある。

ももさんと、どんな縁があるのかわからないけれど
赤ちゃんが欲しい、というその気持ちを
最大限私のできる応援をしようと、話を始めた・・・。

つづく