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サンライズ計画で沈む地方。

2011年05月29日 Theme: Politics watch
 ソフトバンク孫社長がぶち上げた「電田」構想に乗っかるようなプランで出てきた総理の「サンライズ計画」。これはハッキリ言ってCO2 25%削減よりも現実性の薄いプランだ。

 サンライズ・電田にあるいくつかハッキリしている問題点をあげておこう。

全体のコストと実装スパンが不鮮明である


1/3、1/6という数値を提示するのであれば、想定規模として何年にどれくらいの進捗を目指し、その時にかかっていくコストはどれくらいか。…当然初期のものの交換サイクルも含めて…提示すべきだろう。1/3にするというある程度具体的な数字を出している以上、実装コストをいくらで考えているかは提示しなければならない。

つまり「kW単価がいくらになった段階から実装段階にはいるか」という議論が全く足りていない。


太陽光パネルによる発電と原子力の代替を考えた場合の電質調整プランがない


わかりきっている事ではあるが、多くの自然エネルギーの出力は安定化に一つの問題点がある事は様々指摘されている。太陽光と蓄電をセットにしていないようだが、そもそも現時点(おそらく10年単位において)大規模な蓄電池は実装レベルの価格ではなく、当然安定化のためのバックアップ火力が必要であるので、安定化のためにセットで運用するという前提になる。当然、太陽光のための火力をバックアップとして追加しなければならず、この点においては設備を純増しなければならない。

安定化がどれくらい大事かは以前おこった中部電力の瞬断事件を調べて欲しい。


休耕田・耕作放棄地に"簡単に"大規模ソーラーは設置できない


そもそもこれは至極簡単で重大な問題を含んでいて「農地というのは基礎工事をしたら農地に戻すことは困難」なのだ。耕作地は基本的に土壌が柔らかい。

 孫氏は「ボルトで取り付けて外せばすぐ戻せる」と言っているが、そのメガソーラーを大風や地震に負けないようにしっかりと支える「土台と支柱」のほうが大事なわけで、それには相当深くまで届く長い支柱を打ち込むしかない。「簡単に取り外し」なんてものとはほど遠い。

 シロウトが考えてもこの3点が全く不鮮明なのだ。

 そもそもソフトバンクのプレゼン資料を見ると酷いモノで、農地法の関係は国政・自治体に働きかけて改正させるという目算だと思われるが、農地でコントロールしたいのは「土地を安く借り上げ、土地の所有リスクをなくし、かつ、地方自治体を売買電事業者にし、そこに安定的に買い上げさせる」というプランと推測できる。リスクは地方自治体が抱え、発電事業者たるソフトバンクは「オイシイ値段」で売ると言うことだ。 東電の「経費に利益を載せてOK」と全く同じ構造…どころか、不安定な供給に対して優遇契約をするという事になる。

 これで自治体が騙されたとしたら「自治体(首長)が恐ろしく愚かである」か、もしくは「人気取り」をしているかのどちらかだ。いや、もう一つ想像できることがある。「発電事業者のコンサルに自分の関連企業を食い込ませる」事を思いついたか、だ。

 太陽光に未来がないとは言わないが、突然持ち上がったこのメガソーラーのプランは大風呂敷を広げた空手形のようなもので、実現性に乏しいどころかもし自治体がこれに対してなんらかの手当を始めたとすればそれは税金の無駄遣いに他ならないと言えるだろう。

 ちなみに、民主党嫌いの方々には朗報だが、今回の政府のプランにはCO2 25%の時にもご活躍の方がブレーンとして参加しているくらいには「実装性がない」といっていい。(※私は実装性は薄くても意味を持たぬが雰囲気を持つ数値打ち上げることに意味はあったとは思うが、実装案件となれば全く話は別なのである)

 昨今の風車・太陽光で原発はいらない!でもご活躍のよく出ている名前の方であるが、あのあたりの人の言葉を真に受けるのは辞めた方がよい。何故なら、あの人達は「騒ぎがあれば飯が食える・機運が盛り上がればそれで飯が食える」活動家だ。実際の「ちゃんとした実装」はしないほうがいいのである。うまくいかなければ御の字で、うまくいかないのは政府の動きが悪いからと批判すればまた飯が食える。

 こういうポジショントーカーがこの1ヶ月で活発に動き回っているようだが、不安にかこつけてメシを食う「活動ビジネス」の臭いには気をつけて欲しい。

※さらに余談ではあるが、そろそろ「ビジネス復興支援ファンド」みたいな形での詐欺が水面下で増えているだろうと思うので注意してほしいと思います。

原発のこと。これからの電気のこと。

2011年04月08日 Theme: Politics watch
 現行進んでいる福島原発の事は慢性病のようなもので、この先数十年単位では福島原発の問題と付き合っていく事にはなるとは思う。誰が悪いということでもなく、日本がその恩恵の代わりにリスクを取ってきた一つの結末といえる。

 問題は「今後の発電の中に原発が必要かどうか」

 私は脱原発の方向になっていくと思うし、そうあったほうがいいのだろうとも思う。それはいくつか理由があるけれども、大きな理由としては「常に見えない・感じられない不安を常に抱えたこの状態では人の心がすさむことがわかったから」だ。

 ただ、この先20年程度の話であれば、ある程度の発電バランスの中に原発が入ってくるのはエネルギー資源を持たない日本では仕方ない部分がある…と考えています。それは「電気が不自由なことで起こる経済的理由で死ぬ人を増やしたくない」からです。

 電気は経済そのものでもある。そのことはこの1ヶ月で身にしみた事かと思いますが、これからそのことの派生での経済の打撃がボディブローのように効いてくるかと思います。

 結論を先に言えば、すぐに全てを辞める事は経済が維持できないし、ある程度同品質の電力を常に余力(安全マージン)がなければ事故が起きたときに真っ先に発電能力不足にもなる。設備稼働率100%を前提とした議論はまさに机上の空論だ。原発をすぐさま全てを廃炉にする事はその点で難しいし、コスト・発電量・発電の質全てのバランスを考えながら当面は行うしかない。

 自然エネルギーでの発電(太陽光・熱、風力、地熱、バイオ他)だってすぐに代替分を作れる奇跡の発電方法にはならないし、安定的に供給できる電力とは言い難い。自然発電にはそれぞれ弱点があるから、それをどう組み合わせ代替できる規模にしていくか。焦って決めては原発の二の舞となる。

 願いだけであれば、今回の事をきっかけとして現実的なプランの元、自然発電も取り入れて欲しいし、新しいエネルギーの研究開発もより積極的にやって欲しい。また、家庭用蓄電池や燃料電池、小水力などのマイクロ発電も復旧すればそれも僅かずつでも「大きな発電」の需要を下げる事になる。スマートメータの導入でグリーン発電会社などから「コストが高い自然エネルギーを選んで買う」という事もいずれできたらいいし、リスクヘッジとしてまず50/60Hz変換送電設備を多少増強するのも手だし長期的には統一するのも手だろう。節電(効率化)技術もより上がればいいと思う。

 しかし、これらはここから少し(数年)の間ですぐに全てを解決できうる技術ではない。

 いつも気になるのはこの部分で、それら長いタイムスパンの議論は当然あっていいのだけれど、実現するための規模・期間・設置条件他、前提条件がすっぽ抜けていたり、タイムスパンが全く違うとそれは解決する手段ではなく「ただの夢物語」になってしまう。

 だからこそ、今現実としてそこにある原発をどう最新の技術・安全レベルに合わせていくかということが重要なポイントで、古い・リスクの高い物から他の発電方式に置き換える。それが出来なければまず目先安全になるよう改修。条件によっては廃炉して代替原発を新造する必要も出てくる。 

 そして改修したものもできる限り早く、新造も30年程度で(技術者の情報がある程度残っているうちに)確実に廃炉にしていく法的仕組を作る必要がある。

 緊急性の高い場合はよりコストが高くても火力発電で手当して廃炉にする事も考えなければならない。当然その分電気料金に跳ね返る事にはなるがそれは安全に対するコストとして受け入れるしかない。

 その上で、将来的に原発をゼロにするという事も当然あって良いかと思いますし、私自身はなくしていく事を原則として様々な投資・政策を進めていくべきだと考えます。

 今後、原発の「目先~30年程度の議論」、そして「2~3世代、100年先の子供達に向けて、これから我々の世代がどういう選択肢をするか」という時間軸の違う議論がちゃんと進んでいくことを望みます。

 有名になった中3女子アイドルのBlogがありますが、かのBlogは年齢からしたら凄くしっかりとした考えをもっているかと思います。しかし、大人はあの視点だけじゃいけない。経済が回っていなければあのような子供を育てることだってできない。生きることは経済を回すことであり、その経済はグローバルという中で動いている。全ては相対的な価値。日本はこれまでグローバルに対して一定の優位性を持ってきましたが、これからの日本はマイナスの土台から戦う事になる。手を取り合って…などはひとときの幻想。

 「まず食えてこそ物事の価値を問える」

 この一言を「あのBlogで感銘してしまった大人達」に捧げたいと思います。




 少し話は変わりますが、今回の件について自民党に対して非常に残念に思っているのは、原子力発電にまつわる様々な政策は国が原則として関与していたにもかかわらず、この始末についてなんらコメントがなかったことですね。

 現与党の対応がいいかどうかは別問題として、(余り現実として意味があるifではありませんが)自民党が与党だったとしてもどうしようもなかったのかな…と、感じる今までの状況でした。

わかりやすいところを叩く。

2011年03月31日 Theme: Politics watch

 今日の子供手当つなぎ法案成立に対して、多くの所から「何故この大変なときに!」という意見が出ていますが、むしろこの大変なときだからこそ「次の子供」のお金を削る事の愚を考えて欲しい。

 全く問題がないといっているわけではなく、個人的には「なぜつなぎ法案のほうを通したのか」という点のほうが問題で、増額以外の給付条項を生かした新法案をつなぎとして通すくらいのほうが良かったかとは思いますが。

 じゃあ財源はどこに。

 あるではありませんか。医療費です。そしてここは「今後のガン」なんです。子供手当がガンだと思っている人が相当多いようですが、医療費制度が日本の今後の歳出のガンです。これは「老人が子供を食い物にしている」といっていい状態です。

 この支出。特に高齢者分を20%カットするだけで子供手当を超える予算を作り出せる上、復興財源が必要なくなれば自然と「支出軽減」になるのです。一方、日本の子供向けの支出が低かったのは間違いなく、こちら側を削ると言うことは「老人手当」は目をつぶる。という事。


 何故こうなるかといえば、マスコミも報道しないし、野党も批判しない。当然で、マスコミへは多くの人から批判が行くし、選挙で落ちるから。そして「誰しも老人になるから」です。
 
 構造として医療費の構造が医療そのものに負担をかけ、財源にも負担をかけている状態は間違いなく、この点の構造をかえることで大きく財源的な問題も変化させることができる。例えば「市販薬でまかなえる風邪薬などについては保険外にする(税制での控除は認める)」だけで、圧倒的に国庫からの支出がかわるわけです。

 今は総じて「わかりやすいところを叩いている」状態だということは国民自体が考えないといけないのではないでしょうか。

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