ばんちゃんは、石巻市の被害の大きかった場所に住んでいる被災者の方。
たまたま、ダニーズ事務所に寄ってくれた時、お話しを聞くことが出来た。
ばんちゃんは震災時、海寄りにある医者に行っていた。
帰り道、車を運転していたら、遠くから迫る真っ黒のそびえたつ壁が見え、
車をそのまま、バックさせて高台に逃げたという。
たまたま後方に車がなかったのが救いだったと。
その高台に奥さんの勤める会社があったので、そこで3日過ごし、自宅(ばんちゃんいわく高層マンション!?)に帰ったという。
膝上までの水が引かない自宅までの帰り道、ガレキをわけながら進む。たくさんの流されたご遺体。
どうしようもなかった。ただ、うつ伏せを仰向けにすることしか出来なかった。
子どももいたな。と。
帰宅した家は(確か2階か3階・・)浸水はしていたものの、その他なんともなっていなかったそう。
食器棚が倒れるとか、テレビが壊れてるとかも。
その自宅の隣では家が全壊したり、お墓の上に車が流れ着いているのに。。
たまたま、地盤が強かったということや、地震の影響はそこまで大きいものではなく
とにかく津波。津波による被害が大きすぎる事を物語っている。
そしてご両親ととも、連絡が取れずにいたため、家に行った。
ばんちゃんのご両親は、地震があった直後、とにかく、すぐ高台に逃げたという。
逃げない人もいたが、昔からの言い伝えを守った。それが正解だったという。
とにかく、ばんちゃんの家族は無事だった。でも失った人もいる。
まだまだ、話はあったし、ここにかいただけでは足りない。
ばんちゃんの話してくれたこと、思いは伝え切れていない。
考えたことがたくさんあったけど、とりあえずココまで。
ばんちゃんは、現状を知ってもらいたい。忘れてはいけないと。
現在、被災地に来たボランティアに震災時の状況を伝えている。
これが夜行われている『ばんちゃんナイト』 。今回は、夕方たまたま即席で行ってくれた『ばんちゃんの夕べ』になった。
こうやって話せる人ばかりではない。でも伝える人が必要だと思う。
今度は「東京さ、話しにいくんだべ」って恥ずかしそうにいっていた。
私も、被災地に入らなければわからなかったことがたくさんある。
だから見たこと、聞いたこと、伝えていかなければ。