俺と彼女が付き合いだして、数週間。
須藤って奴も、彼女を狙っていた野郎達も、今は静観してる状況だ。
耳に入ってきた噂は、直ぐに別れるだろうと言うモノで、誰もが俺達は合っていないと
思っている様だが・・・なワケねぇだろ・・・この俺が、彼女を手放すワケねぇじゃん。
だってさ・・・
「もしもし、俺。俺だけど・・・」
『慶君♪私も電話しようって思ってたの♪』
てな感じ。
念願が叶い、俺って言っただけで、彼女の明るい声が俺の名を呼ぶ。
こんな最高な瞬間を失うなんて、無理っつうか、絶対に誰にも譲る気は無い。
すると俺の横で大人しく聞き耳立ててたカイが、腹を抱え笑い出す。
彼女と明日のデートの約束をして電話を切るまで、ヒィーヒィーと狂ったように笑うカイ。
「お前、うぜぇ。雪菜が、変に思うだろ!」
そんな俺の怒った顔を見て、親指を立て再度、馬鹿笑い。
『はははっ・・・ひひひっ・・・すげぇじゃん!』
「あっ?何が?」
『だから、オレオレ作戦・・・大成功じゃん!』
「あぁ・・・すげぇ・・・うん・・・そうだな。」
俺は、すこし照れて頭を掻く。
『でも、さっきの慶の甘い優しい声は、どこから出てんの?気持ち悪りー・・・らしくねぇ!』
「うっせー!」
今まで、からかわれると直ぐに怒っていた俺が、上機嫌なのは全て彼女のせい。
それが解ってるカイは、笑いながらも本心を大きな声で叫ぶ。
『何はともあれ、俺はマジ羨ましいっ!!
あぁ!!俺も、俺ってだけで俺の全てを解ってくれる女、欲しいっ!』
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