オレオレ作戦7  | 恋愛小説 くもりのちはれ

俺と彼女が付き合いだして、数週間。


須藤って奴も、彼女を狙っていた野郎達も、今は静観してる状況だ。


耳に入ってきた噂は、直ぐに別れるだろうと言うモノで、誰もが俺達は合っていないと


思っている様だが・・・なワケねぇだろ・・・この俺が、彼女を手放すワケねぇじゃん。


だってさ・・・


「もしもし、俺。俺だけど・・・」


『慶君♪私も電話しようって思ってたの♪』


てな感じ。


念願が叶い、俺って言っただけで、彼女の明るい声が俺の名を呼ぶ。


こんな最高な瞬間を失うなんて、無理っつうか、絶対に誰にも譲る気は無い。


すると俺の横で大人しく聞き耳立ててたカイが、腹を抱え笑い出す。


彼女と明日のデートの約束をして電話を切るまで、ヒィーヒィーと狂ったように笑うカイ。


「お前、うぜぇ。雪菜が、変に思うだろ!」


そんな俺の怒った顔を見て、親指を立て再度、馬鹿笑い。


『はははっ・・・ひひひっ・・・すげぇじゃん!』


「あっ?何が?」


『だから、オレオレ作戦・・・大成功じゃん!』


「あぁ・・・すげぇ・・・うん・・・そうだな。」


俺は、すこし照れて頭を掻く。


『でも、さっきの慶の甘い優しい声は、どこから出てんの?気持ち悪りー・・・らしくねぇ!』


「うっせー!」


今まで、からかわれると直ぐに怒っていた俺が、上機嫌なのは全て彼女のせい。


それが解ってるカイは、笑いながらも本心を大きな声で叫ぶ。


『何はともあれ、俺はマジ羨ましいっ!!


あぁ!!俺も、俺ってだけで俺の全てを解ってくれる女、欲しいっ!』



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オレオレ作戦6 /目次 /過酷な両思い1