「あっ、あのね・・・慶人・・・どうして『俺の前でイチャこらすんなって言っただろ。
朝からうぜぇモノ見せるなっつうの。』
お兄ちゃんが、ダイニングの入り口から大きな声を上げる。
『うっせぇ。うぜぇのは、ナオト・・・お前だろ。真菜、お前の兄貴って手に負えねぇ
最悪な性格だと思わねぇ?フッ、極悪すぎだろ。』
そう言ってお兄ちゃんの方へ歩いていく慶人。
???
「えっ?・・・あっ、ちょっ・・・何?どういう事?」
あんなに険悪だった感じの二人なのに・・・まったく、わからない。
もしかしたら・・・殴り合いの喧嘩の後に・・・
〝仲直りだ。俺んち来る?!〟
〝おう!!〟
って感じで、青春チックに男の友情を確かめ合った?・・・ワケ無いよね?
イヤイヤ、うんうん・・・そんなワケ無い・・・だって慶人は、ギブスだし・・・
とにかくママに聞いてみよう。
そう思って、キッチンに立つママに近付いた私。だけど・・・
『あっ真菜、おはよう。ねぇ慶人君って、好き嫌い無いかな?』
「はいっ?」
『だから好き嫌い無いかしら?』
「えっ?」
『えっ?って・・・』
「ママ、どうして私に聞くの?」
質問したかったのは、私の方なのに・・・
慶人を連れてきたお兄ちゃんにならまだしも、どうして私に聞くの?
『だって・・・尚斗が、慶人君は真菜の彼氏だって言うから・・・
あれっ?それもそうよね?どうして尚斗が真菜の彼氏を連れてくるの?
えっ、まさか・・・ねぇ?真菜どういう事?あの慶人君の怪我・・・もしかして・・・尚斗?
真菜・・・ママ、わからなくなっちゃった。』
「・・・」
ちょっとママ・・・いくらなんでも、ソレは無いと思うよ。
私だって慶人の怪我の件、そりゃ一瞬は、お兄ちゃんを疑ったけどさ・・・でも・・・
ママは母親なんだから信じてあげようよ!って・・・言ってる場合じゃないや。
ポチッ↓としてくれると嬉しいです♪