ヤバイ、マズイ、絶体絶命・・・あぁ・・・また、やっちゃった。
ミィーティングに時間が掛かって、いつもより時間が遅くなったから、だからホームに
慶人がいないと思ってた。だけど、この状況は・・・時間とかのせいじゃない。
慶人や春奈ちゃんの事、ごちゃごちゃと考えてた私・・・
無意識に乗り込んじゃった車輌は、まさに一般人乗り入れ禁止車輌
次の駅で乗り込んできたのは、十数人のヤンキー軍団
決してお近づきにはなりたくない風貌、たぶんお兄ちゃんの仲間達
私と同じ、知らずに乗り込んだ一般人は数人だけ。でも、唯一の救いは私が座る
隣に、強面で大きな体格のサラリーマン。
きっと何かあれば、どうにかしてくれるはず・・・なんて、考えた私・・・甘すぎた。
『おぉ!女子高生、発見っ!!何々、俺達のファン?で、誰?誰、目的?
この車輌乗ってくる女にしちゃあ、真面目そうじゃん。』
私に近づいてくる軽い感じの赤い頭の鼻ピアス
『おい、オッサン。そこ邪魔!はいっ、さっさとあっち行って!スタンダップ・・・
えっと・・・ほいっ・・・ゲット?えっと、シット、なんちゃら・・・』
『ははっ、ミッキーおもしれぇー・・・それ、何語?まさか・・・英語?プッ!ははっ』
『うっせー、黙れ・・・俺語なんだよ。俺が話す言葉なんだから、俺語。
俺のレベルになると言葉も、俺流なんだよ・・・なっ?オッサン!通じたよな?』
『・・・』
隣のサラリーマンは、俯き黙ったまま何も返事を返さない。
ちょっとぉ・・・何、黙ってるの・・・そろそろ堪忍袋の緒が切れても宜しくてよっ♪
何とも言えない微妙な間を取って、そしてサラリーマンは、急に立ち上がる。
だけど、まるで何事もなかったかのようにモソモソと席を移動した。
えぇっ!ちょっ、ちょっと・・・それは無いよぉ・・・その体格でその強面で・・・
かよわき女子高生を盾に逃げるって・・・
オッサン、おいコラッ!!何、ビビっちゃってんのよぉ!!戦ってよ!!
叫びたい気持ちをグッと抑えて、完全無視を決め込んだ私。
『なぁ、名前なんて言うの?どこの駅で降りんの?何年?誰目当て?』
どんな言葉にも一切返事を返さず、一点だけを見つめ無表情の私
そんな私に苛立ちだした赤頭鼻ピアス男が、私の身体に触れ様とした瞬間
『触るなっ!!どけっ!!』
叫び声・・・お兄ちゃん並の迫力・・・そして皆、一斉に振り返る。
『真菜、この車輌には乗んなって言ったよな?』
私に近づくのは・・・慶人。
いやだぁ・・・かなり怒ってるみたいなんですけど、大丈夫かな?
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