オレオレ作戦1 | 恋愛小説 くもりのちはれ

〝ごめんなさい。


正直、ケイ君が誰なのかわかりません。


それと私、メールあまり得意じゃないの


でもでも、メル友になるのは全然イヤじゃないよ。


だってみんなが、ケイ君と仲良くなれて良いなって


うらやましそうに言ってたから・・・


ヨロシクお願いします!〟



そうだよな。俺も今まで、知らねぇ女からのメールなんてまともに返したことは無い。


〝メールをしても良い?〟


って送った俺への返信は、やんわりとだけど・・・友達止まりの匂い。


でも俺の存在自体を知らねぇなんて・・・うそだろ?


昼休みの彼女の教室・・・テンション上げて今までに無い馬鹿をする俺も


部活始まり・・・人より早くコートに立ち、さりげなくしてたアピールのためのシュート練習も


帰りの校門・・・彼女の前を偶然を装って歩いてた俺も


全て、らしくない俺の精一杯のアピールだった。


だけど・・・それはホントに無駄だったって事みたいだ。


普通気がつくはずだって・・・あんな目立ってんだから・・・嘘だろって感じ。


やはりかなりの鈍感?天然・・・それとも男には無関心?だったら・・・


陽が通算9回も告ってるって事すら、彼女はわかってないのかもしれない。


はぁ・・・けど、諦めるワケにはいかねぇ。此処まできたら絶対に、手に入れる。


まずは俺が、唯川 慶だって事を知ってもらうしかねぇな。



〝俺、毎日教室に顔出してるから、探してみて。


とりあえずヒント無しで、まずは名前のイメージで。〟



送ったメールには、苦手とはいえ律儀に返信をしてくる彼女。



〝はい。わかりました。探してみます!〟



あぁ・・・俺、やっぱ重症だ!!


事務的なメールの文字でさえも・・・繋がってる感に嬉しくなる。


絵文字つきの可愛いメールを送ってくるようにしてやろうじゃん!!


よっし!オレオレ作戦開始。


いつか絶対に・・・


名乗らなくても「オレオレ」って言っただけで、彼女の口から『ケイ君?』って言わせて見せる!


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