接近作戦1 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『とにかく、俺の言った通りの展開じゃん!いやな予感がしたんだよ。』


午後最初の授業は、体育。


班別対抗でのバスケの試合。


ガリ勉集団だけあって、クラスで勝ち残ってるのは、俺と陽の班だけだ。


コートの中、パスを回しながら俺に話しかける陽は、さほど怒ってるようには見えない。


『これまでにどれだけの奴が、玉砕されてきたか解ってる?


この俺をしても、次に告ったら2桁突入だぜ!


だから・・・いくらユイカワでも無理だと思うわけよ。


で、悪趣味な俺は、天下のユイカワが女に〝ギャフン!〟と言わされるところ見てみてぇ。


と言うことで、協力してやるよ!で、まずはコレを決めてくれっ!』


二人のディフェンスを交わし、陽は俺にボールをパスする・・・それを俺は難なくシュートして


ポイントを入れた。こんな風に、どうやら簡単にはいかないらしい。


次の授業が始まる前に、陽が『ユイカワ、放課後もバスケすっぞ!』と突然、俺の机の上に


バスケ部の入部届けを置いた。すでに陽の名前と俺の名前が記入されている。


「はぁ?何だよコレ?」


『作戦その1・・・接近作戦。


彼女の部活は、バトミントンなんだって。


クラスの違う俺達にとって、放課後に存在アピールできるって事は、はずせねぇ!


かっこいい姿を見せ付けるには、部活も利用価値大だろ?!』


こうして彼女を手に入れるために・・・


今までの俺には考えられない程、健全な高校生活が始まる。


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