出会い 3 | 恋愛小説 くもりのちはれ

「陽、お前さ・・・飯食ってからすぐに、いっつも何処に行ってんだ?」


俺のクラスは、学年でもトップの成績の奴等で構成されている為に、男女共学にも関わらず


女は、日本人形の様な髪型のメガネ、何かにつけてルールと規則(同じような気がするが)を


口にする風変わりなチビ女の二人しかいない。


まっ、こんなところで昼休みを過ごすのもつまらねぇのは解るけど・・・毎日、慌てて飯を食って


まるでスキップするように教室を出て行く陽。そんな楽しい事が、この学校にあるのか?


『へへへ・・・めちゃくちゃ可愛い子が普通クラスにいるんだって。顔もだけど、会話がさ今時いない


純なんだよ・・・色にすると真っ白・・・で、天然記念物なみのボケっぷり。これが又可愛いんだよ。


でも何度告ってもさ、通じないって言うか、わかって無いって言うか・・・中学の時から通算9連敗中。


なぁ、俺の何処が悪いと思う?今のところ誰とも付きあう気が無いっていうから、安心してんだけどね。


でも競争率高くてさ、クラスも違うし気がきじゃないワケ。別に話しかけるわけじゃねぇけど・・・


毎日、顔見せて俺の存在を主張してんだよ。と、言っても普通クラスの奴と賭けトランプしてんだけど。』


へぇー女ねぇ・・・そんな純粋無垢な奴いねぇだろ。計算して天然ぶってんじゃねぇの?


「一度俺も連れてけよ・・・昼休みめちゃくちゃ退屈なんだって。」


俺のセリフに一瞬考えながら俺の顔を見つめた陽。


『あぁー何か嫌な予感がするっ!ぜってぇユイカワ・・・そうだよ・・ぜってぇ、雪菜ちゃんに惚れるって・・・』


「他人の好きな女には手は出さねぇって。賭けトランプに興味があんだよ!連れてけって!」


ほんの少し沸いた興味・・・いつもなら面倒くせぇ事に首を突っ込むなんて避けて通る。とくに女の事は


一切興味などない。理由が無いがなぜか見たくなった、一度だけと軽い気持ちで。だけど・・・


信じられない事に、陽の予感は的中する。普通科クラスに入ってすぐ・・・聞こえた笑い声。


向けた視線の先には、今まで俺が見たことも無い汚れ無き少女の笑顔。


息を呑み、固まった俺・・・一瞬にして恋に落ちる。


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