天使の気まぐれ25 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『省吾・・・貴方のお父さんが遺したモノを、貴方に渡すにはちゃんと法律上の手続き


を取らなくてはいけないの。奈緒ちゃんは、要らないと答えるって解っているのよ。


でもね、そうは行かない事態が起きているの。貴方の安全の為には今から安西が


説明する話を聞いて頂けるかしら


奥から先ほどの安西さんが現れ、私達の目の前に幾つもの書類を並べ、そして


お祖母さんと私達に一度頭を下げ、話し始める。


『奈緒様・・・お母様の事件もご自宅の火事も、全てが高宮の遺産が絡んでいます


そして、ここ数週間のうちに容疑者が逮捕されます。これは公安上層部の確かな筋


から得た情報なので、間違いありません。』


安西さんは、書類の上に一枚の写真を置く。


『倉橋大吾・・・奈緒様に面識は無いと思います。彼が実行犯です。』


「犯人?・・・この人が・・・」


私の体が震えだす・・・すると、歩君が肩を引き寄せ抱きしめてくれる。


『すみません・・・もしかして倉橋って言うと・・・あの、奈緒のお母さんの同僚の・・・』


歩君が、言いたいのは・・・あの倉橋さんの事?まさか・・・そんな訳無い・・・


『はい、その方のご主人です。彼は奈緒様自身を直接は知りません。


ただ、奈緒様を使って高宮家からお金を脅し取ろうとしていていたのは確かです


あいにく奈緒様が、渡会家に住まわれた事で奈緒様の所在が攫めず、更に


下校時に拉致を計画していたようですが、それも阻止され・・・最終的には家に


火を放ち、奈緒様を誘き寄せる計画だったようです。渡会様がいつも一緒に居た


ことで、今まで手出しはできず、計画も頓挫して後は逮捕を待つのみですが』


そんな・・・お母さんは倉橋さんを親友だと信じていたのに・・・


『倉橋さんは、知っているんですか?』私が聞きたいことを代弁してくれる歩君。


『いえ・・・最初は、知らなかったと思います。


あくまでも憶測ですが、途中で気が付き止め様と動いたのではないかと。


ですので息子さんが、奈緒様の近くでボディーガードのような真似事をされていた


のではないのかと思います。』


息子?それって・・・もしかしてケン君?


『どうして彼女は、警察に届け出なかったのですか?』


歩君の質問に安西さんの解答は、もう頭の中が整理が付かない程、


私をパニックにさせる。


『実際には、計画等を立て、全てを彼に擦り付けようとしている真犯人がいます。


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