友人Mの証言8 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『こっこっちの方がお断りよ!ほら、はやく加奈をはなせっ!!』


奈緒の方へ足を踏み出そうとした男は、『俺、口うるさいの嫌いなんだよね。』


そう言って私の方に方向転換・・・加奈を引っ張りゆっくりと近づいてくる。


加奈もかなり抵抗しているけれど、一向に放そうとしない奴の手は


強く加奈の腕を掴んでいるようで、加奈の腕に食い込んでいるように見える。


何とかするにも・・・私・・・どうやって加奈を助ければ良いのか・・・わからない。


とりあえず・・・うん、もうやるしかないよ・・・カッコだけでも・・・なんでも。


構えるファイティングポーズ。


この際、恥ずかしいとか考えない・・・うん。やってやろうじゃない。


でも、見た目は、案外さまに成ってるはず・・・いつも鏡の前でやってるもの。


もう来るなら来い!


『クックッ・・・パンチ力無さそ・・・あのさ・・・邪魔だから・・・そこどけよ』


「何よ。何が何でも絶対に、ここは通しません!」そう言ったと同時に・・・


急にニヤついてた男の顔が、強張りだした


えっ?私、そんな怖い?


少しずつ後ずさる奴。それでも加奈の腕だけは、一向に放す気配は無い。


「ちょっちょっと、加奈をはやく放し『ぎっぎっ・・・』私を見て奴が突然発した言葉。


「ぎ?・・・何よ、ぎっ?って」


『ぎん・・・銀・・・あっ・・・』


「銀?」あぁ・・・もしかして・・・そうなんだ・・・私の背後に誰かいるんだ。


そう思って振り向こうとしたけれど、奈緒の後方から現れた人に視線を奪われる。


颯爽と現れたその人は・・・瞬く間に男に近づき・・・


『てめぇ、俺の女に何してくれてんの?』と一言発すると


ボスッっと男の腹部に一撃を食らわし、意図も簡単に加奈を奪い返した。


まるで、映画のワンシーンの様・・・カッコ良過ぎる。


加奈の肩を抱き『大丈夫か?』と聞くその人は、まさにヒーロー。


そう、それは加奈の彼氏・・・井上先輩。



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