コウⅥ2 | 恋愛小説 くもりのちはれ

「それってさ、俺の彼女がまるで浮気者みたいな言い方ですよね」


もじもじと俯いたままの木村さんの態度が、更に俺を腹立たせる・・・


「俺の彼女の事、侮辱する様な話なら聞く必要ないんで、もう帰っていいですか?」


強い口調で言うと、慌てたように顔を上げ


『違うの・・・ホントにそんなつもりじゃなくて・・・結城君が彼女と別れたのか?


本当はそれが聞きたかっただけで・・・ごめんなさい。』


あっ?まったく理解できない・・・


困惑した俺に気が付いたらしく、木村さんは話を続ける。


『別れてないなら、噂だと思うの・・・ただ、聞いちゃったから


ホントのとこはどうなんだろう・・・って考えちゃって・・・


ワタルにも聞いたんだけど・・・


あっ・・・ワタルってキャプテンの事ね・・・


お見舞いに行ったときに見た二人・・・


結城君も彼女もすごく仲良さそうだったって言ってたし・・・


でも、火の無い所に煙は「木村さん!」


大きな俺の声に、木村さんの口の動きが止まる・・・


えっ?なんで話を止めるの?と言わんばかりのポカーンとした顔


「年上の人に失礼ですけど、言ってる事、さっぱりで・・・


なんか意味わからないんっすけど!!」


今度は違った意味でイライラする。


『あっ・・・ごめんなさい。』と頭を下げた後


木村さんは、深呼吸らしき一息をついて


『わたし、実は、クロ・・・あっ・・・黒岩君の彼女?なんです。』


彼女・・・だと思うんだけど・・・と、なんとも不可解な告白をする。



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