メタボ改善や米国横断の挑戦で寄付が集まる? 財布のひもが固くなりがちなご時世だが、個人から薄く広く寄付を募る新しい取り組みが広がっている。

 従来の募金とは趣が違い、「挑戦」と「楽しみながら」がカギらしい。

 「ハッ」「ヤー」。東京都大田区のスポーツジムで5月3日、会員の男女13人が音楽に合わせてこぶしを突き上げたり、足をけり上げたりと、格闘技の動きを交えたエクササイズ(体操)に取り組んでいた。

 「ストレス解消なのに人助けにもなる。普段より気持ちいい」。会社員菊池香さん(39)は笑顔で汗をぬぐった。

 会員がこの日払ったレッスン料200円は、NPO法人「メタボランティア」(東京)を通じて、途上国の貧しい子供たちの学校給食の支援に充てられる。

 昨年5月に設立された同法人は、メタボリックシンドローム解消と社会貢献活動の“一石二鳥”に取り組む。現在、ジムを運営する「東急スポーツオアシス」とタイアップし、全国のジムで寄付活動を展開中だ。

 大阪府大阪狭山市の系列店でも、男女が真っ赤な顔で腹筋を繰り返していた。腹筋1回につき1円を寄付するイベント。40代の女性も15分で200回の目標を達成した。スタッフの今村文耶さん(22)は「こういう企画なら、寄付しようと思う人は多いんだ」と驚いた。

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 「社会貢献したい気持ちはあっても、どこに寄付したらいいか分からない」という人にきっかけを与えてくれそうなのが、寄付仲介サイト「ジャスト・ギビング・ジャパン」だ。

 英国で成功を収めた寄付仲介サイトの日本版。日本に個人の寄付文化を根付かせようと、3月に開設された。

 寄付活動に協力したい人は、サイトに登録された、実績のあるNPO(非営利組織)から「支援先」を選び、自分で決めた課題にチャレンジする。その模様はサイトで公開され、共感した人が、ネットを通じて寄付をする。集まったお金は挑戦者には入らず、支援先に支払われる仕組みだ。

 その1人、調理師の山下憲一さん(62)は、アフガニスタンを支援する日本のNPOのために、インラインスケートで米大陸横断に挑戦中だ。4月9日にロサンゼルスを出発、5か月かけて6000キロ先のボストンを目指す。「途中でスケートが壊れ、歩きました」。日々の様子を携帯電話でツイッター(簡易投稿サイト)に書き込んでいる。

 山下さん自身も、NPOのことをこのサイトで知った。「テロを根絶するためには、貧困をなくすことが必要。還暦を過ぎたオヤジのバカな挑戦だけど、少しでも世のためになれば」。山下さんの挑戦には、既に約2万円が集まった。

 同サイトには、元プロ野球選手の古田敦也さんら著名人も登録している。「禁煙」「スケート1回転ジャンプ」といった課題を掲げる人もいる。

 なぜ、こうした仕組みが出てきたのか。大阪大の山内直人教授(公共経済)によると、名目GDP(国内総生産)に占める寄付総額の割合は、日本は0・12%で、米国の1・87%とは大きな差がある。個人寄付の割合も2割弱で、9割超の米英とは、寄付文化が異なる。

 山内教授は、「寄付する側も楽しみや満足感を得られる仕組みが、今までNPO活動に縁のなかった人を巻き込んでおり、寄付の底辺を広げる可能性がある」とみる。

 さあ、あなたも楽しく社会貢献に挑戦してみては。(蒔田一彦)

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