友人が試写会あたったけど一緒にいく~?と誘ってくれたので、見てきましたよ。


監督はジェイコブ・チャン。主演がアンディ・ラウ。さらに韓国の俳優や中国本土の俳優、台湾の女優なんかも混じって、香港の俳優はアンディ一人かと思ったら、ティミー・ホン(サモハン・キンポウの息子)がでていました。


さて、物語の原作は日本の漫画です。

この漫画には、実は小説の原作があって、これが『後宮小説』を書いた酒見賢一さんなんだけど、漫画のほうの『墨攻』は小説版とはかなりちがうらしいです。


物語は戦国時代末。戦国時代といっても日本の戦国時代じゃなくて中国の戦国時代ですから、紀元前のお話です。

そのころ、群雄割拠していて、城塞都市がひとつの国家みたいな状態だったわけですが、弱小国の梁は、大国趙(これって、『HERO』で秦国に滅ぼされた国ですよね~)の大軍に押し寄せられ、このまま降るか、それとも籠城するかで悩んでいます。

たとえ降伏したところで、王族ばかりか臣民にいたるまで、殺されるか奴隷にされるか、いずれにしても今までの生活は保証されないので、悩むわけです。とはいえ、あまりに戦力に差がありすぎて戦ってもどうにもならないっぽい。

唯一の頼みが、墨家というわけです。墨子の思想のもとに集まったこの集団は、どうもこうした都市国家同士の戦いにでかけていく助っ人というか傭兵みたいな存在だったらしく、墨家の助けがあれば……ってことですね。

ところがやってきたのは、たった一人の墨家、革離(アンディ・ラウ)だけ。これには梁王(ワン・チーウェン)も王子(チェ・シウォン)も唖然。

実は墨家は梁国を見限って仲間を送らないと決めていたのに、それは信義に反するといって、革離一人でやってきたわけです。

で、紆余曲折はあったものの、とりあえず梁王が革離に軍事をまかせて、その天才的な軍事力で10万の大勢を相手にするわけですが……。


帰宅してから相方に原作の話を聞いたところ、もう少し原作の部分を取り入れたほうが話が分かりやすいよなぁと思いました。

まぁ、主人公を英雄にせざるを得ない部分はあるのかもしれないけど、梁王を気まぐれでやる気のない王さまに改変する必要がどこにあったのだろうかと。

そもそもあんな王さまでは、城下の臣民が従うわけもなく、そもそも籠城もできるわけないだろうと小一時間……。


趙国の大軍を率いる将軍を、アン・ソンギという韓国の俳優さんがやってるんですが、このじーさんがかっこいい。

ただ、彼の立ち位置がわかりづらいんで、なんでそこで我を通しちゃうのか、いまいちわかんないんですね……。


ファン・ビンビンちゃん、紅一点でがんばっているけど、いや、あの、鎧つけたまま水に落ちたら、たとえ泳げても助からないから……。

じゃなくって。

いや~、最後どうなるかと思ったら、それですか……。


全体的に、夜間の戦闘シーンが多く、どっちがどっちかわからないのも困りました。

せめて色分けしてくれないかな……って、それはそれでちがうのかしら(^_^;)。


墨家は頭を角刈りにして、冠もつけず、裸足だ、ということで、アンディもそういう格好なんですが、それが王侯貴族にとっては信頼に足る姿ではないんですね。

そのあたり、もう少し説明してくれたらよかったのになー。


あと、原作では革離はとーーっても頑固な人なんだそうですが、映画だとそのへんの頑固さが中途半端な感じもしました。

なんのために墨家の理想に殉じる(結局はそういうストーリーだと思うのだけど)のか、こう見えてこないというかね。

原作ですと、彼が墨家の中でも浮いた存在で、だから余計に頑固に一人で守りに来ちゃうらしいんですけど……。

そういう話にはできなかったんだろうなぁ。


アンディが渋くていい男です。

あと、趙軍の穴掘り奴隷で革離に助けられた背の高い男が、気になります。彼は誰?

それと、ティミー・ホンがでていたらしいんですが、わたしはいつもティミーを見分けられません……(; ;)。子団という弓の名手の武将かなぁと思ったら、こちらは呉奇隆君だったようですね~。

アン・ソンギ演じる将軍配下の武将だったようですが……。

なんとなく、この世界が『HERO』につながるんだなぁと思いながら見ていました。

時代からいっても、戦国末期のあとが、秦の始皇帝の統一ですものね。

漫画の『墨攻』では、革離はこのあと、秦の始皇帝に挑みにいくらしいです。

続編、ありますか?

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『ハイリスク』

テーマ:



タイトル: ハイリスク





原題:鼠胆龍威
英名:HIGH RISK
監督:バリー・ウォン王晶
出演:李連杰ジェット・リー/リー・リンチェ
   張學友ジャッキー・チュン/ちょん・ほっやう
   邱淑貞チンミー・ヤウ
   楊采[女尼]チャーリー・ヤン/やん・ちゃいねい
   楊宗憲
   午馬ウー・マ
   周嘉玲ヴァレリー・チャウ/ちゃう・かーりん
   林國斌ベン・ラム/らむ・ごっぱん
   周比利ビリー・チョウ

錚々たる面子による、硬軟入り乱れた、(秘かに押しまくりの)秀作。
この作品、嫌いっていう人は、たぶん、ジャッキー・チュン演じるところのフランキーが、ジャッキー・チェンを彷彿とさせるからだろうと思う。(成龍おちょくってるだろーという意見はあちこちから聞かされた)
いやでも、このぐらいは、成龍、面白がってみるんじゃないの、というのがワタクシの意見(^_^;)。

テロリストに妻子を殺されたキット(李連杰)は、大陸から香港に渡り、アクション・スターのフランキー(張學友)の「スタント」をやっている。その名は「大胆(だいたーん)」。
フランキーは「スタントなんて使ってないよ」が売り物のくせに、スタント使いまくりの、情けない大物役者。パパ(午馬)もとことん困っているけど、子供に甘い。
いや、フランキーのアフレコ・シーンは爆笑っす。こういうギャグ、香港人は本当に好きだなぁ。
スタントにしてボディガードでもある大胆は、彼自身がフランキーのスタントをやったシーンを、レポーターの邱淑貞にビデオにとられたので、これを追跡、チンミーの色気にも負けずにビデオテープを奪取する。
そこへ登場するテロリストの一味、周比利(相変わらずの怪演技。ビリーのビリーたる使い方ですな)、すさまじいカンフーの使い手で、フランキーはほんもののカンフー使いだと信じて敵愾心を燃やしているからさぁ大変。
とりあえず、大胆が撃退しますけどね。

大胆の妻子を亡き者にしたドクターと呼ばれるテロリストの次なる標的は、ある新しいホテルの開催パーティ。
オープニングに集められた可愛いお嬢さんの中で、一人、笑顔を作るのに困っている楊采[女尼]、いや、可愛いだけでない演技で嬉しいです。このチャーリーの恋人役が、楊宗憲くん。刑事です。
チャーリーの同僚が周嘉玲、背の高い、すきっとした彼女を迎えにくるのが、なんとドクター。つまりヴァレリーちゃんは、敵方のスパイなんですね。
ドクター一味には、フランキーにあこがれるビリーや、「あたしが一番ドクターのお気に入りよ」なヴァレリーのほかに、ドクターの実弟でキザ男の林國斌がいます。ベンちゃん、やたら髪をいじるシーンがあって秀逸!

恋人と仲違いした刑事と、すれちがったドクターの声で「こいつは敵だ」と認識した大胆が組んで、ドクター一味の乗っ取ったホテルに殴り込みをかけるシーンがなかなか素敵ですよ。
(ちなみに刑事役の楊宗憲くん、台湾の歌手だそうですが、『初生之犢』で見た時からファンなのです)

アクション・シーンも派手なのですが、なにより、クール一辺倒のジェット・リーと、ひたすらギャグを受けてたつジャッキー・チュンとの、決して交わらない二色使いが的確です。ジャッキーとビリーの死闘シーンもスバラシイ。
いや、ジャッキー・チュンは『欲望の翼』といい『楽園の瑕』といい、『大英雄』といい、硬軟とりまぜてエキセントリックなぐらいいい役者だと思っていたんですが、この役もスバラシイですよ。(本人はしばらく、最新作がこれで、辛かったらしいですが……もともと成龍の事務所出身だしねぇ)

特筆すべきは、長いおみ足を遺憾なく発揮してくれるヴァレリーのアクション・シーン。いやぁ、彼女の作品はかなり集中的にみてるんですけど、これほどの悪役ができるとは。(この作品以外で好きなのは、やっぱり『月黒風高』かなぁ。『晩九朝五』は、綺麗すぎる役だったしねぇ)
そして大好き役者ベン・ラムのやくどころは……これだけスターが揃っているから、こんなもんでしょうなんだけど、やっぱり嬉しい。いや、彼の悪役としては、『ロボフォース鉄甲無敵マリア』あたりがお勧めだけど、『雷霆掃穴』もすごくよかったけど、こんなにやけた悪役もいいわねぇ。
そして、いかにもビリー・チョウ、とってもビリー・チョウ、長髪でもやっぱりビリー・チョウなビリー(何いってるのかわかんなくなってきた)は、ラスト、すんばらしいアクションを見せてくれます。うっとり。

それでも主役はジェット・リーです。チンミーとの絡みはあっさりしているけど(お色気シーンは冒頭だけだもんな)ラストの余韻もナイスで、ヘリコプターで突っこんでくシーンなんざ、そりゃもう胸がすきますぜ。
う~ん、とにかく全体的にバランスのいい、行き届いた脚本です。
あ、ジェット・リー演じる大胆に、ヘリコプター使ってもいいよと許可した警察のお偉いさんやってるのが、李力持(リー・リクチー)じゃなかったかしら。

バリー・ウォンは思いっきりはずした映画も作ってくれるんで、なかなか要注意なおっさんなんですが、この作品は文句なく王晶作品の中で一番をつけますよ。

……てことは、私は成龍に愛がないってことなのかな?
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