『楽園の瑕』

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タイトル: 楽園の瑕






原題:東邪西毒
英題:Ashes of Time
監督:王家衛ウォン・カーワイ
撮影:クリストファー・ドイル
武術指導:洪金寶サモハン・キンポウ
出演:張國榮レスリー・チャン(歐陽峰・西毒)
   梁家輝レオン・カーフェイ(黄藥師・東邪)
   梁朝偉トニー・レオン(盲武士)
   張學友ジャッキー・チョン(洪七・北丐)
   林青霞ブリジット・リン(慕容兄妹)
   劉嘉玲カリーナ・ラウ(桃花・盲武士妻)
   楊采[女尼]チャーリー・ヤン(卵娘)
   張曼玉マギー・チャン(西毒嫂)

金庸原作の『射鵰英雄伝』に出てくる東邪西毒南帝北丐という伝説の四人の武士をめぐる物語……になるはずが、撮影中に監督の構想が二転三転して、かなり違う話になってしまった、という逸話のある作品。

歐陽峰(レスリー)は、武者修行をしている間に恋人(マギー)が兄に嫁いでしまい、これをたわけて出奔、砂漠のはずれで仲介業をしている。
つまり、自分の手では憎い相手を殺せない人に代わって金で殺人してくれる人間を紹介するサービスだ。
彼のところへは、ときどき、黄藥師(家輝)という男があらわれる。黄はかつて、慕容某(ブリジット)という剣客と知り合い、酒の席で、彼の妹を嫁にもらうという約束をする。が、酔った上での話と思って本気にしなかった彼を、慕容某は妹の仇と付け狙う。
そして慕容某は歐陽峰のところへ殺し屋の仲介を求めてやってくる。殺してほしいのは黄藥師だと。
数日後、こんどは慕容の妹と称する女があらわれ、兄を殺して欲しいと頼む。なぜなら妹は黄藥師に恋しているのに、兄は妹の恋路の邪魔をするからだ、と。
しかし、兄と妹と、そっくり同じ人物なのだ。
つまり、慕容兄妹は同一人物で、男装しているがために黄藥師にからかわれて、恋してしまったものの、それを認めることができず、兄と妹に精神分裂してしまったのだ。
やがて彼女はその事実に気づき、去っていく。

歐陽峰のもとに、ほとんど視力を失った武士(トニー)が、仕事が欲しいとやってくる。故郷に戻って桃の花をみたいから、旅費を稼ぐためだという。
近くの村を馬賊が襲ってくるので、守ってほしいという依頼を受けるが、多勢に無勢でやられる。
死ぬ瞬間、彼は故郷に残してきた妻の桃花(カリーナ)を夢見る。妻は結婚式のその日、式に列席した武士の友人黄藥師に恋してしまい、それに気づいた武士は、妻を残して出奔するが、黄藥師もまた、彼女と通じることなく、去ってしまう。
桃花は一人、夫を待ち続けるが、帰らぬ人となる。

洪七(ジャッキー)は乞食同然の剣士だ。
あるとき、近くの村が馬賊の襲われ、弟を馬賊に殺された娘(チャーリー)が歐陽峰のもとに、仇をとってくれとやってくる。
しかし娘には、一籠の卵しか謝礼がない。歐陽峰は暗に身体を売って金にかえろと迫るが娘ははねつける。
洪七は娘の依頼を受け、卵の謝礼で馬賊を殺すが、己も九死に一生を得る。が、彼は「歐陽峰は卵で殺人はすまい。だが、自分はそうすべきだと思った。爽快だった」と言い残して、彼を追ってきた妻とともに去る。
かつて、武者修行の旅にでたまま恋人を放りっぱなしにしていた歐陽峰は、悔悟にくれる。

黄藥師は歐陽峰のかつての恋人(すでに歐陽の兄は亡くなり、寡婦となっていく)に毎年会っている。恋人(マギー)は、黄が歐陽峰の友人だと知っており、彼からかつての恋人の話を聞くのを楽しみにしているのだ。しかし、お互いに意地を貼っているうちに、己がもう若くも美しくもなくなっていることに気づき、失意のうちに死んでしまう。

兄が死に、恋人もなくなったと連絡をもらった歐陽峰は、砂漠の宿に火を放ち、故郷に戻っていく。

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ストーリーの説明書きながら、わかりづらい話だなぁと思います。
これって一言でいうと、「若さに奢って恋を全うできなかった男たちが、中年に差しかかって悔やんでももう遅い」という話ですね。
なんともはや(^_^;)。
ですから、話にはなにひとつ、進展もなければ結末もない。
なのに、なぜかこの映画、すっっっっごく好きなんです。
なにがどう好きなのかわからないぐらい好き。
どのぐらい好きかというと、まだ日本で公開される前にLD入手して、字幕を全部翻訳したぐらい好き。

役者が豪華、はいうまでもないでしょう。
一人で主役を張れる役者ばかり七人います。(本当はジョイ・ウォンも参加していたんだけど、あまりに拘束が長くて途中脱落)
このときはデビュー直後の新人だったチャーリー・ヤンも、その後次々と主役をやっていますね。(つい最近、ジャッキー・チェンの『新警察故事』で映画復活。楽しい話題です)

あと、クレジットにはいっていて、どの役やってるかわからない、倪星くん。またの名は鄒兆龍コリン・チョウ。そう、あのマトリックシリーズ二作目に出てきて、キアヌ・リーヴス相手に華麗な室内カンフーを見せたセラフその人が、名もなき端役で出ております。
武術指導がサモハンなので、そのご縁だと思いますが。

どうにもわけのわからないフランスの恋愛劇を、古装世界でやってのけた、というミスマッチ感覚。それがこの作品です。
香港映画ファンにはものすご~く評判悪いんですけど、たしかに香港映画のテイストとは違う。香港人の観客なんて、わけわからなくてブーイング続出だったそうです。楽しめるシーンもないしね。

でも斬新なアクションシーンや、光と影の巧みな演出とか、特にブリジットがらみのシーンはぞくっときます。
あ、カリーナの美しいおみ足もね。

そして、髭のレスリー、渋くてよいのです。なんというか、レスリーらしからぬというか、この人は王家衛作品ではそれまでにない姿を見せてくれるので、まったくもって侮れません。
長髪のレオン・カーフェイは、不思議な感じ。ブリジットがらみの、何か生きることに飽きているような、不気味な笑いが印象的です。
トニー・レオンは、とにかくかっこよい。一度も笑わないトニーというのは、この作品にでしかみたことないかもって感じ。
ジャッキーは唯一、「東邪西毒」と「大英雄」の双方同じ役なんですが、飯を食べるシーンが秀逸。

なんだろう。納得できる作品ではないんだけど、とにかく印象的なシーンが多くて、忘れられない、そういう映画なのです。
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原題:慈禧秘密生活
英題:Lover of the Last Empress
95年香港
監督撮影:劉偉強(アンドリュー・ラウ)
制作脚本:王晶(バリー・ウォン)
出演:梁家輝(レオン・カーフェイ)
   邱淑貞(チンミー・ヤウ) 
   于榮光(ユー・ロングワン)
   周嘉玲(バレリー・チャウ)

三級片です。
三級というのは、香港では、18歳未満禁止のこと。すなわち、ポルノ。
素っ裸のチンミー・ヤウが龍の張りぼてにしがみついて、ふわ~~~っと浮いてる画像もすごいんだけど、それよりもチンミーが皇帝(身体が弱い役柄に、筋肉隆々のユーさんあてるのはどうかと思う)を誘惑シーンのお尻が素敵すぎる。必見(爆)。
このチンミー演じる西太后といい仲になるのは皇帝の弟、レオン・カーフェイ。つか、レオン・カーフェイ、アジア一のセクシー・スターに恥じないというか、いやなんか違うでしょうっつーか、いや役を選ばないのは彼に始まったことじゃない香港映画なので、とやかくは申しませんが。

とにかくチンミーが可愛い。少女のチンミーのあどけなさも見事。
あと、皇帝を誘惑すると決めて、娼館に性技を習いにいくシーンなんかもお素敵。
特に皇帝を誘惑するシーン、男装していて、そこからするりっとズボンが脱げちゃうんだけど、そのお尻の魅惑的なことといったら、そりゃもうすごいこと。
ただ、後年の「こわい」西太后の話になると、ちょっとチンミーでは迫力足りないかな、とは思う。皇后のバレリーを殺しちゃうシーンとか、それなりにがんばって盛り上げてあるんだけどね。

でも、ポルノ映画というよりは、西太后ってこんな人だったかも~、という興味が沸きますな。特に、若いころの西太后に焦点あしてた作品はあまりないんで、ポイント高いかも。

でもやっぱり、チンミーのヌードでしょうねぇ。
ただ、なんだろう、三級片っていうほど、ポルノポルノした感じはしませんでしたよ。
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