チョウユンファの海賊

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どうやら『張保仔』という映画をとっているらしいチョウ・ユンファ、山羊鬚です。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』に出るとかいう噂は、ガセだったようですが、『張保仔』撮ることに変わりはないのですな。

張保仔というのは、長州島にいたと言われる実在の海賊……だったと思います。
まぢで、海賊映画やっちゃうんですね。

で、この写真は『黒社會』って映画をとってる途中の張家輝(ニック・チョン)を激励にきたところ……らしい。

こうしてみると、周潤發はやっぱり、背が高いですねぇ。ニックはさほど高くないというのもあるかもしれないけど。
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原題: 新碧血劍
英題: THE SWORD STANDED WITH ROYAL BLOOD
監督脚本:張海靖チャン・ハイチン
脚本:ワイ・サン
撮影:ラウ・フォンシン、マ・カンシャン、プーン・タックイップ
音楽:黄霑ジェームズ・ウォン
出演:元彪ユン・ピョウ、李修賢ダニー・リー、張敏チョン・マン、袁詠儀アニタ・ユン、呉孟達ン・マンタッ、午馬ウー・マ

金庸原作の『碧血劍』をもとに、豪華スターで作った古装アクションもの……のはずなのに、換骨奪胎の感を免れないのは、なぜだろう。
監督も撮影も脚本も、なんだかなぁという感じなのです。

冤罪で死んだ明末の武将、袁崇煥の遺児、袁承志(ユン・ピョウ)は謎の剣客、金蛇郎君(ダニー・リー)と義兄弟の契りを結ぶ。
金蛇郎君は愛し合った女性(マーガレット・リー)を奪い取った男(徐錦江チョイ・ガムコン)によって殺され、その秘刀・『碧血劍』を受け継いだ袁承志は、金蛇郎君の復讐を果たすのだ。
と書くと、とても悲壮な復讐譚のようだけど、脇にからんでくる阿九(チョン・マン)とこれの師匠(ン・マンタッ)夫婦の道化コンビやら、袁承志を殺しにやってきて惚れてしまう、要するに何しにでてきたのか分からない毒殺教団の主(アニタ・ユン)とか、奇妙な脇役がぼろぼろでてきて、何が何やら状態。
せっかくの金蛇郎君の悲恋が真っ青になるようなコメディ展開もみられる。
要するに、どこにポイントをおいたらいいのか分からずに作ってしまったという感じ。

見どころは、ほかに類をみない(いや、ショウ・ブラザーズ時代にはけっこうあったようですが)ダニー・リーの古装(爆笑……失礼。いや、ファンにとっては垂涎なんですよ)。
剣を構える姿も様になっていて、秋官(鄭少秋アダム・チェンのこと)さまに負けないぐらい里見浩太朗です(←ほめ言葉……念のため)。
いや、実際、ダニー・リーの古装をみるために、この作品をみたといっても過言ではないのだ。

原作を読むと、ダニー・リー扮する金蛇郎君はすでに故人で、袁承志は彼の娘と愛し合って、その絡みで一代の剣客金蛇郎君の思い出が語られるという感じらしいんですが、これが生きていて、しかも袁承志と義兄弟の契りを結んでしまったから、もうそのへんで話がこんがらかってきます。
いや、義兄弟の契りを結んだユン・ピョウとダニー・リーというのは、なかなかさまになるんですけどね(←腐女子的妄想あり、失礼)。

剣戟シーンもそれなりだし、アクションもさまざまに凝らしているし、冒頭の袁崇煥の葬儀シーンなんか、むちゃくちゃかっこいいのに、なぜかテンションを保てず、散漫な印象になっているのが、とーーーっても残念な作品なんです。

思うに、長大かつ有名な作品をダイジェストにするってのは、大変にむずかしいことなんでしょうね。
金庸の作品は素晴らしく香港では人気があって、たくさん映画化されていますが、やはり作品としては『笑倣江湖(スウォーズマン)』と『射鵰英雄伝(大英雄)』が、脚本として締まっていて、みていてわかりやすいでしょうね。
金庸作品ならば、香港人はたいがい読んでいるので、説明抜きでいっちゃえ~な『東邪西毒(これは、『射鵰英雄伝』にでてくる、東邪・西毒・南帝・北丐という四人の英雄を独立させたもの)』まであるわけだし。
そういう意味で大変残念な作りではあるんですが、まぁ、役者目当てでみるだけでも面白いですよ。


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『ハイリスク』

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タイトル: ハイリスク





原題:鼠胆龍威
英名:HIGH RISK
監督:バリー・ウォン王晶
出演:李連杰ジェット・リー/リー・リンチェ
   張學友ジャッキー・チュン/ちょん・ほっやう
   邱淑貞チンミー・ヤウ
   楊采[女尼]チャーリー・ヤン/やん・ちゃいねい
   楊宗憲
   午馬ウー・マ
   周嘉玲ヴァレリー・チャウ/ちゃう・かーりん
   林國斌ベン・ラム/らむ・ごっぱん
   周比利ビリー・チョウ

錚々たる面子による、硬軟入り乱れた、(秘かに押しまくりの)秀作。
この作品、嫌いっていう人は、たぶん、ジャッキー・チュン演じるところのフランキーが、ジャッキー・チェンを彷彿とさせるからだろうと思う。(成龍おちょくってるだろーという意見はあちこちから聞かされた)
いやでも、このぐらいは、成龍、面白がってみるんじゃないの、というのがワタクシの意見(^_^;)。

テロリストに妻子を殺されたキット(李連杰)は、大陸から香港に渡り、アクション・スターのフランキー(張學友)の「スタント」をやっている。その名は「大胆(だいたーん)」。
フランキーは「スタントなんて使ってないよ」が売り物のくせに、スタント使いまくりの、情けない大物役者。パパ(午馬)もとことん困っているけど、子供に甘い。
いや、フランキーのアフレコ・シーンは爆笑っす。こういうギャグ、香港人は本当に好きだなぁ。
スタントにしてボディガードでもある大胆は、彼自身がフランキーのスタントをやったシーンを、レポーターの邱淑貞にビデオにとられたので、これを追跡、チンミーの色気にも負けずにビデオテープを奪取する。
そこへ登場するテロリストの一味、周比利(相変わらずの怪演技。ビリーのビリーたる使い方ですな)、すさまじいカンフーの使い手で、フランキーはほんもののカンフー使いだと信じて敵愾心を燃やしているからさぁ大変。
とりあえず、大胆が撃退しますけどね。

大胆の妻子を亡き者にしたドクターと呼ばれるテロリストの次なる標的は、ある新しいホテルの開催パーティ。
オープニングに集められた可愛いお嬢さんの中で、一人、笑顔を作るのに困っている楊采[女尼]、いや、可愛いだけでない演技で嬉しいです。このチャーリーの恋人役が、楊宗憲くん。刑事です。
チャーリーの同僚が周嘉玲、背の高い、すきっとした彼女を迎えにくるのが、なんとドクター。つまりヴァレリーちゃんは、敵方のスパイなんですね。
ドクター一味には、フランキーにあこがれるビリーや、「あたしが一番ドクターのお気に入りよ」なヴァレリーのほかに、ドクターの実弟でキザ男の林國斌がいます。ベンちゃん、やたら髪をいじるシーンがあって秀逸!

恋人と仲違いした刑事と、すれちがったドクターの声で「こいつは敵だ」と認識した大胆が組んで、ドクター一味の乗っ取ったホテルに殴り込みをかけるシーンがなかなか素敵ですよ。
(ちなみに刑事役の楊宗憲くん、台湾の歌手だそうですが、『初生之犢』で見た時からファンなのです)

アクション・シーンも派手なのですが、なにより、クール一辺倒のジェット・リーと、ひたすらギャグを受けてたつジャッキー・チュンとの、決して交わらない二色使いが的確です。ジャッキーとビリーの死闘シーンもスバラシイ。
いや、ジャッキー・チュンは『欲望の翼』といい『楽園の瑕』といい、『大英雄』といい、硬軟とりまぜてエキセントリックなぐらいいい役者だと思っていたんですが、この役もスバラシイですよ。(本人はしばらく、最新作がこれで、辛かったらしいですが……もともと成龍の事務所出身だしねぇ)

特筆すべきは、長いおみ足を遺憾なく発揮してくれるヴァレリーのアクション・シーン。いやぁ、彼女の作品はかなり集中的にみてるんですけど、これほどの悪役ができるとは。(この作品以外で好きなのは、やっぱり『月黒風高』かなぁ。『晩九朝五』は、綺麗すぎる役だったしねぇ)
そして大好き役者ベン・ラムのやくどころは……これだけスターが揃っているから、こんなもんでしょうなんだけど、やっぱり嬉しい。いや、彼の悪役としては、『ロボフォース鉄甲無敵マリア』あたりがお勧めだけど、『雷霆掃穴』もすごくよかったけど、こんなにやけた悪役もいいわねぇ。
そして、いかにもビリー・チョウ、とってもビリー・チョウ、長髪でもやっぱりビリー・チョウなビリー(何いってるのかわかんなくなってきた)は、ラスト、すんばらしいアクションを見せてくれます。うっとり。

それでも主役はジェット・リーです。チンミーとの絡みはあっさりしているけど(お色気シーンは冒頭だけだもんな)ラストの余韻もナイスで、ヘリコプターで突っこんでくシーンなんざ、そりゃもう胸がすきますぜ。
う~ん、とにかく全体的にバランスのいい、行き届いた脚本です。
あ、ジェット・リー演じる大胆に、ヘリコプター使ってもいいよと許可した警察のお偉いさんやってるのが、李力持(リー・リクチー)じゃなかったかしら。

バリー・ウォンは思いっきりはずした映画も作ってくれるんで、なかなか要注意なおっさんなんですが、この作品は文句なく王晶作品の中で一番をつけますよ。

……てことは、私は成龍に愛がないってことなのかな?
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こちらがフランス版のポスターです。
監督はリュック・ベッソン。
ジェット・リーはなんと精神年齢10歳の殺し屋。うわー、すげー。
いや、殺し屋というよりは、なんだろー。現代の拳闘士に近いのかなー。
首輪をつけて飼われている彼が、音楽で解放されるという不思議な展開らしいです。
フランス人の映画だけど、セリフは英語。
このポスターによると「暴力によってつながれ、音楽によって自由になる」とあるから、テーマは解放ですな。
「おのれ自身の主となれ(誰も他人を主人とするな)」というセリフなんかもあります。
非常に示唆的。
しかし、全編、暴力シーン続出だし、なかなかみるのは厳しそうだなぁ。
そもそもこれ、日本にくるかしらん(^_^;)。
しかし、幼い表情のジェット・リーというのが、なんというか、ツボですよ。
かなり腐女子にはやばい映画となりそうな気がします。
いや、もともとジェット・リーは童顔で、無邪気な笑顔がすばらしいとは思っていたんですけどね。
しかし、色調おさえめ、トーン暗め、音楽はアート性にあふれ……つまり、見にくい映画だろうなぁ(-_-;)。
首輪されて、踏みつけにされようとしているジェット・リーのこの新作ポスターが、中国人の抗議を受けて、差し替えになったそうです。
あららん。
英語題名は『Unleashed』文字通りには、犬につけた革紐を解き放つという意味だそうです。
暗殺者として育てられたジェット・リーが主人に刃向かう話らしいんですけどね。
拳で踏みつけられようとする足を押し退け、不敵な表情を浮かべているこのポスターが、さほど屈辱的とは思えないけどなぁ。
「シネログノユクエ」さんからトラックバックがあったので、こちらも記事を独立させてみました。

なんかねぇ、華人の反応というのは、絵に描いたようなのだけど。
やはりそれだけ、欧米人の黄色人種蔑視はまだまだ強いという判断なのかしら。
ただ、これはアメリカ映画ではなくフランス映画で、内容的にもそう単純にハリウッド的なアジア人蔑視とはちがう感じがするんですよね。

まぁ、腐女子的に「首輪のついたジェット素敵~~」などという感想は隠しておくとしても(^_^;)。
『カンフー・ハッスル』の原題は『功夫』といいますが、こちらは香港で昨年の12月23日から上映されており、2月6日の段階で、45日を過ぎたところですが、すでに6080万香港ドルの売上に達しているそうです。
第二位は、実は同じ周星馳の『少林足球』すなわち『少林サッカー』でして、この作品が84日間で稼いだ金額が6074万香港ドル、『功夫』は半分ちょいでこの金額を抜いたことになります。
いやはや、すごいすごいとは聞いていましたが、香港における観客動員数、まじですごいみたいですね。
初日がお祭みたいだったのも、香港在住の方から聞いていましたし、香港では珍しい映画館でのスタンディングオベーションもあったそうな。
なんか本当に、香港人に待ちに待たれていた映画、という感じですね。

金像奨より一足お先に、香港映画評論家協会の金紫荊獎というのが発表になって、ここで、監督賞、作品賞、主演男優賞などを総なめしています。(元秋が助演女優賞だったのが、周星馳には不満だったらしいですが)
さて、金像奨はどうなるでしょう。
つーか、どの記事もネタバレ満載なんですが、いまさらですか。

冒頭、警察署の警部席に置いてあるネームプレートが「探長」。うはは~。幇辧(ぽんぱん)でなく、探長ってとこが、古めかしい。(本当は時代的にはどうなんでしょうね?)
このシーン、『鬼馬智多星』を思い出してしまいましたよ。林子祥ジョージ・ラム、泰迪羅賓テディ・ロビン、麥嘉カール・マッカ、曾志偉エリック・ツァンなどがでていた、新藝城(シネマ・シティ)の作品で、監督は徐克ツイ・ハーク。こちらはカール・マッカ好みのコメディですが、あの匂いが紛々。そう、建物全体に木材が多くてしっとりした感じ。これが昔の香港です。
あそこにでていたテディ・ロビンがやはり警部役で、ネームプレートが「探長」だったなぁ、と。
いや、本当はダニー・リー作品でいやというほど「探長」のでてくるシーンを観ているはずなのに、なぜか一番印象が強いのは『鬼馬智多星』なんですねぇ。
あの作品で、刑務所からでてくる組長の麥嘉もなかなかダンディでしたが、こちら斧頭会のサム君、その上前をさらに撥ねるようなダンディさで、うっとり。しかも踊る! これには負けましたな。いやー、やってくれるじゃないの。
全編を通じて敵役で出ずっぱり、出世です。

のどかな豚小屋砦の日常風景。
粥麺屋で朝飯食った挙げ句、ただ飯で油条までおまけしてもらった大家さん、キターっ。
元華ユン・ワーの登場です。
かつて『イースタン・コンドル』や『覇王卸甲』でのキレた悪役で印象強かったユン・ワーさんですが、最近のテレビ・ドラマで好々爺をやらせてピカ一とは聞いていたんです。
テレビのバラエティでも、終始にこにこしていて、飄々としていて、人柄が滲み出る感じで、こういう人が悪役やると、あんなに切れるんだー、というのは、たとえば、周比利ビリー・チョウとか、于榮光ユー・ロングワンとか?……実は案外多いんだな、そういう役者さん。
あ、成奎安セン・フイオンもそうですな。
かの呉孟達ン・マンタッも、テレビ時代は悪役で鳴らしたそうですし。
話はそれましたが、もう、ユン・ワーさんみるためにいったようなものですよ、『カンフー・ハッスル』(そこまでいうか?)

で、実物そのままに飄々と動く大家にあわせて豚小屋砦の日常が展開されます。荷物担いでるあの人とか、「スリット深くして」と言われてるあの人とかが、そのあと重要な役割を演じるとはね。いや、粥麺屋のオヤジもですが。
そして泣く子も黙る大家夫人、キター。
ユン・ワーや元彪ユン・ピョウ、サモハン・キンポウやジャッキー・チェンと同じ京劇学校に所属し、七小福の一人だったという、映画に出るのは28年ぶりの元秋ユン・チウ……え、えっと、ブランク全然感じさせない、すさまじい登場っぷりなんですけど。
んで、トラックバックに、30年前のユン・チウさんの写真のっけてる「人形姫のアジト」さんをゲット。ぜひ、ボンドガールなユン・チウさんをみてくださ~い。(てか当ブログからトラックバックした先を、当ブログの読者さんはみれるのかしら? いまいち、ブログとトラックバックがよく分かっていない香港巡礼協会です)
いや、正直、いまの彼女からは想像つかない姿ですが(爆)。
健康的なハワイ焼け娘って印象ですね(^_^;)。

さて、黒社會の弱いもの苛めに敢然と立ち上がる三人の勇者が使うカンフーは、それぞれ、人足が十二路譚腿、粥麺屋が五郎八卦棍、仕立屋が洪家鐵線拳とあります。人足は足技、粥麺屋は棒術、仕立屋が拳法で、それぞれの仕事と通じているのが面白いですな。
人足を演じているシン・ユーさんは、少林寺で十年間修行をしたというモノホン。粥麺屋はショウ・ブラザーズの武打星の一人、ドン・ジーホワ。オカマな仕立屋がチウ・チーリン。いずれもすごい面子ですが、この三人が手合わせするシーンがとても好き。
互いに相手の腕を知り、「出会えてよかった。またどこかで逢おう」なんて展開は、江湖ものにはよくあるんですが、やっぱり、ほろり。
ところがどっこい、この三人が三人とも、やられてしまうなんて!
いや、大家夫婦を呼び出す手筈とはいえ、勿体ない勿体ない……。

で、世界で二番目に強い(笑)という古琴波動拳の使い手のお二人。フォン・ハックオンとジア・カンシー。
ここで琴を奏して暗殺技を繰り出すというシーン、いかんなく発揮されるCGにびっくら。
いや、古琴を奏でて剣のような波動が飛ぶのはいいんですけど、最後に出てくる妖怪は……まるで指輪物語に出てくるオークかゴブリンのような(^_^;)。あの造型、もってくるかーーと思いつつも、ナイスでしたわ~。

いやはや、あまりにも長くなったので、ここで中断。

周瑜か、それとも劉備か

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再び「赤壁の戦い」情報です。
ガセねたばかりかもしれませんが、ご容赦。
トニー・レオン梁朝偉とデビッド(ジョン)・チャン姜大衛が参加するかもとの情報あり。
リー・リンチェ(ジット・リー)李連杰参加の情報もあり。
リー・リンチェ説では、周瑜をリー・リンチェがやり、周潤發は劉備だ、とあります。
なんかもう、このネタをめぐって、あちこちの記者が憶測で情報流していますねぇ。
中華芸能ネタは、どうしてもこういうことが多いようですが。
想像すると楽しいです。
あと、日本人や韓国人の役者にオファーがいってるという情報もあります。
ペ・ヨンジュンに声がかかったという情報もね。
現状、日本にもってきて売るなら、いいアイデアかもしれません。
さて、日本人が参加するとしたら、いったい誰でしょうねぇ。
いずれにしても、配役の発表が楽しみになってきましたよ♪
原題:功夫

監督・主演:周星馳チャウ・センチー(チンピラのシン)
共演:元華ユン・ワー(豚小屋砦の大家)
   元秋ユン・チウ(豚小屋砦の大家夫人)
   林子聰ラム・ジーチョン(シンの相棒の太っちょ)
   陳國坤チャン・グォックワン(斧頭会組長)
   林雪ラム・シュッ(斧頭会副組長)
   田啓文ディン・カイマン(斧頭会付弁護士)
   ドン・ジーホワ(麺打ち職人)
   シン・ユー(人足)
   チウ・チーリン(仕立屋)
   フォン・ハックオン、ジア・カンシー(古琴殺手組)
   梁小龍ブルース・リャン(火雲邪神)

豪華スター、というのとはちょっと違う顔ぶれ。
冒頭から懐かしさ爆発の世界観。
華やかでヤクザな繁華街と、汚くて喧騒に満ちたボロアパートの対比。
本来は繁華街を牛耳っているはずの黒社會が、ぼろアパートに乗り込んでくる。
手に手に斧を持ち、こわいもの知らずの黒社會、斧頭会の横暴に、弱者であるアパートの住人たちが踏みにじられようとする時。
お約束のように、野にくだっていた功夫の達人が、義に感じて助けにくるのだ!

香港映画で繰り返し演じられてきたストーリーを、さらにベタにこれでもか、と展開する手法は、チャウセンチー監督にはお手のもののはず。
それなのに、これまでになく温もりを感じるのは、たぶん、チャウセンチー自身の郷愁がしっかりと表にでてきているからなんじゃないだろうか。

何もかも、懐かしい。

便利になってしまった代わりに、希薄になった人間関係を懐かしむのは、日本人ばかりでなく香港人も同じだと思う。
「貧しかったけど、楽しかった日々」という意味では、そう、『月夜の願い』の印象にも似ていますね。

数と武器を頼りに圧倒的な破壊力で簡単にぶちのめせると思っていたおんぼろアパートが己の権力に屈しないと見るや、殺し屋を雇う組長、チャン・グォックワン、出世してます。(『少林サッカー』でゴール・キーパーをやっていた人だ。ブルース・リーに似ていると言われた人だ。しかし、オールバックに髭、スーツで踊る組長、ナイスです)
冒頭、睨みを聞かせていた林雪(ラム・シュッ、しかしついつい「はやしゆき」ちゃんと覚えてしまうおっさん。コメディもいけるんですな、と突っこんでしまいたくなるほど、シリアスな作品ばかりみていた。お時間の関係でしょうけれど、冒頭だけで残念~)はあっさり撃退されてしまうのですが、ディン・カイマンがお調子ものの弁護士ってことで、お笑い役続行、がんばっています。

さて、殺し屋を否応なく迎え撃つことになる三人の勇者は、麺打ち職人、人足、仕立屋という、どれも社会の底辺で地道に生きる人々。しかし彼らが功夫を使うことによって、かえって黒社會に目をつけられるから、と、大家夫人は彼らに退去を命じます。
「功夫ができるなら、功夫使ってよそで稼いでおくれっ」
理不尽なこの言い分の裏に、実は悲しい物語があったことは、いずれ語られます。
そして大家夫人のいうがままにアパートを退去しようとしていた三人を襲う琴奏者の二人組。なんと、琴を演じてその音で相手を殺してしまうという、すさまじい暗殺者なのです。
激闘やむなく倒れる三人組を目にして、大家夫婦も目覚めます。
大家夫人の獅子吼によって、さしもの琴奏者たちもノックアウト。
しかし野にくだって功夫を自らに禁じていた大家夫婦は、これが決して勝利ではないことを知っているのでした。

前半、丁寧に描かれる安アパート豚小屋砦(猪籠城寨……九龍城寨のもじりなんでしょうけど、うまいなぁ。そういや『籠民』という映画もありましたね。この手の一部屋アパートのことをいうのかな)こそが、チャウセンチーの描きたかったものなのかしら、と思ってしまうほど。実際、彼が生まれ育った原風景を再現したという話です。

後半、ようやくチンピラのシンの出番です。「異人類研究中心」の地下奥深く捕らえられている「火雲邪神」と呼ばれる男を救い出してくること、それが彼に与えられた使命です。なんせ、ピッキングの名人だから(^_^;)。
なんとか救い出してきたのは、ランニングに短パン、便所ぞうりの、さえないおっさん(ブルース・リャン! 初の悪役!)。己を殺してくれる相手を求めて幾星霜……なのだそうだが、どこか狂っている。狂ってはいるが、自分で自分の頭に銃をつきつけて、その弾丸を指ではさみとる!
うわはは、きましたね~。

そこへ登場する豚小屋砦の大家夫妻・楊過と小龍女。この名前を聞いて胸踊らない金庸ファンはいませんぜ!
火雲邪神との対決は、思わぬ成り行きからチンピラのシンをまきこみ、なぜかシンが目覚めてしまう……このへんがいかにも香港映画。
ラストは目覚めたシンの如来神掌(←知る人ぞ知るっつーか、有名ね)でカタがつくわけで、後半はちょっと、巻いちゃったかなって感じなんですが。

なんていったらいいのかなー。
見慣れたカンフー映画の、あのシーンやこのシーンが、CGで鮮やか合成ってのも、なんだか嬉しいです。
これは『HERO』のあの雨の棋院シーンでも感じたことですけどね。
古い映画の撮影や編集は、どうしても時代に左右されてしまって、古めかしいんだけど、カンフー技そのものや、ストーリーなどは、現代でも通じるわけですよね。
そこを今風にして、でもテイストは昔のものをそのまま、っていう路線。これが案外、盲点だったんじゃないかな。
チャウセンチーが好きで好きでたまらなかった昔のものを、今にもってきても十分に通じるよってことですね。その現代的な味付けをCGがやってくれてるわけです。
あまりCGがうるさくなかったのも、モノホンのカンフー役者たちの肉体が前面にでていたからだろーな。

金像奨の主演女優賞にノミネートされている元秋(ユン・チウ)、28年ぶりの映画カムバックだそうです。全然、ブランクを感じさせない破壊的なまでの演技にどびっくり。
それにしても、羅蘭ローラン姐といい、夏萍ハーピン姐といい、悪役も辞さない女優さんたちはすごいなぁ。
これを機会に、元秋姐が活躍してくれたら、さらに楽しいですねぇ。