厚生労働省は3月25日の「第65回社会保障審議会介護給付費分科会」(分科会長=大森彌・東大名誉教授)に、下部組織である調査実施委員会での検討状況を報告した。2009年4月の介護報酬改定後、従事者の平均給与が月額で8930円上がったとの「09年度介護従事者処遇状況等調査」の結果については、さらに詳細な集計を求める声などが上がった。

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 分科会では、同委員会委員長の田中滋委員(慶大大学院教授)が調査結果を報告。08年9月と09年9月の両方の時期に在籍していた介護従事者を比べると、09年の平均給与額は月額22万9930円で、08年の22万1000円に比べて8930円増えた。平均給与の増減額では、「5000円未満」の増加が最も多かった。

 調査結果についての意見交換では、田中雅子委員(日本介護福祉士会名誉会長)が、「日本介護福祉士会でも調査をして集計しているが、約5割の介護福祉士が『給与が上がっていない』と答えている」と指摘し、「実際に働く者の実感とは程遠い」との見方を示した。また、他の委員からは、事業者の規模別や地域区分別、男女別の給与額の変化などについての集計を求める声も上がった。

 また田中滋委員は、来年度の「介護事業経営概況調査」と「介護従事者処遇状況等調査」の実施案についても報告した。それによると、両調査は7月に同時に実施。経営概況調査では記入者の負担を軽減するため、既存の情報を活用できる項目を削減するなどして分量を大幅に圧縮するほか、従事者処遇状況等調査では、09年10月にスタートした介護職員処遇改善交付金の影響を把握できるようにする。

■「新政権のビジョンを」―大森分科会長
 大森分科会長は最後に、鳩山政権が「政治主導」を標榜していることを踏まえ、「給付費分科会は、今まで通りこういう形態でやっていいのか、それとも何か新しい政権の考え方があるのか聞いておかないと(いけない)」と述べた。その上で、次回の分科会で、厚労政務三役が今後の新しいビジョンや方針などを提示することを要望した。
 これに対し、厚労省の宮島俊彦老健局長は「もっともなご指摘」とした上で、「一度、新政権の下でのスタンスというものをここで政務三役に説明してもらえるように、きょうの意見をお伝えする」と答えた。


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