来年に迫ったバンクーバー五輪に向け、8月からリンクに乗る。トリノ五輪に続く2大会連続出場を目指すカーリング女子のチーム青森は、例年より約1カ月早く氷上練習を開始する。技術練習の時期を前倒しし、9月中旬からのカナダ遠征では戦術を磨いて連戦をこなす計画だ。

 「8月がスタートなので残された時間は少ない。質のいいトレーニングを無駄なくするのが目的」。青森市での合宿でこのほど、サードの“マリリン”本橋麻里(22)は現状を説明した。リンクに出るのは通常9月だが、今年は8月下旬にニュージーランドの国際大会に出場する。それまでに、5人は疲れても正確にストーンをコントロールするフォームを維持するため、基礎体力づくりに取り組んでいる。

 床の上でストーンを投げるような動作を繰り返したり、ボールを使った運動で股関節や体幹を鍛える。氷上練習で技術面の感覚を取り戻し、カナダ遠征では毎週各地の大会で腕試しする。阿部晋也監督は「タフな試合をこなして結果も狙いたい。いい試合ができれば自信にもなる」と、狙いを説明した。

 トリノで「カーリング娘」として人気を呼んだ小野寺歩ら主軸2人が抜けた後、徐々に選手を加えて五輪シーズンを迎えた。前回の7位以上の結果を求める前に、11月の代表選考会に照準を定める。「司令塔」スキップの目黒萌絵(24)は「焦るのではなく無心に一つひとつ積み上げていきたい」と、着実に進むつもりだ。