【悪人】

テーマ:

日々のつぶやき-悪人

監督:李相日

出演:妻夫木聡、深津絵里、満島ひかり、樹木希林、柄本明、岡田将生


  なぜ、殺したのか。

     なぜ、愛したのか。


「長崎に住む祐一は車で博多までやってきて待ち合わせをしていた佳乃に合うが、目の前で他の男の車に乗られてしまう。頭にきて思わずその車を追いかける祐一・・・

以前出会い系サイトで何度かメールのやり取りをしていた女性光代からメールが来て会う事になる祐一と光代

。地味な生活をしている光代は本気のメールを送りデートを楽しみにしていたが、ホテルだけでアッサリ帰ることになり傷つく。しかしその後そのことを後悔して謝りにきた祐一と車で遠出をしそこで人殺しなんだという告白を聞くことに・・・」


暗いし重い・・

でも不思議に全く飽きることなく引きこまれて見てしまいました。


吉田修一さんの原作は未読です。

予備知識は予告とチラシだけ。

逃亡劇が中心なのかと思っていたらそうじゃありませんでした。


誰もがちょっとだけ悪人の部分がある。

意識的にだったり無意識にだったり人を傷つける。

この中に出てくる人はみんな誰かを傷つけ、それを見ている私の気持ちもささくれ立ってくる。


誰かがどこかでほんのちょっとだけ違っていたらこんな事件は起きなかったのに。


お母さんが祐一を捨てなければ

佳乃が、祐一が出会い系サイトをしていなければ

佳乃が祐一との約束を反故にしなけらば

佳乃が増尾に付いていかなければ

祐一が佳乃を追いかけなければ


佳乃だって、素直に祐一に送ってもらって警察にでも行けばよかった。

でも好きで憧れている増尾にあんな風に捨てられて、ショックで怖くてプライドズタズタで・・・

バカにしている祐一に八つ当たりをしてしまった。

実際には祐一に言ったとおりの行動をするかどうかは解らない。きっと誰かに悔しさや怒りをぶつけたかっただけなんだと思う。

佳乃の悪意が祐一の行動を引き起こしてしまって・・だからと言って殺されていいわけがない。

お父さんが現場を訪れたとき、もうそれだけで泣けちゃいます。


祐一と光代の孤独が共鳴して二人は結ばれる。

もっと出会うのが早ければ・・・

もうちょっとだけ早ければこんな事件は起こらなかった。

娘を失う両親はいなかったのに、殺される人もいなかったのに、殺人犯も、一緒に逃亡する女性も、犯人の家族も・・・

二人はきっと幸せにカップルになれたのに。


「あなたのお孫さんは人を殺したんですよ!何か一言ー」と迫るマスコミの人たち。

正義の代表者のような顔をしてマイクを向けるけど、家の前にたむろしている時には普通にしゃべって大声で笑っている。

とても印象的なシーンでした。


全ての人が敵に思えたであろう房枝にかけられたバスの運転手さんの言葉・・・沁みましたねー泣けました。


ラストの祐一の行為はなんなのでしょう?

逃亡の共犯じゃなく被害者としてあげたかった、自分のことを待ち続けず忘れて欲しかった。そういうことなんだろうと信じています。


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