クワイエットルーム


監督:松尾スズキ

出演:内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう、大竹しのぶ、妻夫木聡


「フリーライターの明日香。締め切りに追われるある日、目が覚めたら見知らぬ白い部屋の中にいた。手足を縛られた状態で、何があったか思い出そうとしていると入ってきたのは看護婦・・そこは精神科病棟だった」


14日間の『絶望と再生』のストーリー。


納得!


松尾スズキさん脚本・監督だし、宮藤官九郎さんだし、かなり笑いいっぱいのストーリーだと思ったのですが、ストーリーは予想に反して重めでした。

でも、随所に散らばっている小ネタが面白くて、私にはかなりツボで相当楽しめました~。


精神科病棟が舞台なので、当然心の病気を抱えた人たちがたくさん。特に閉鎖病棟だから重い人ばかりが登場します。お芝居だと解っていても、スクリーンを通していても、やっぱり病気の人を見ているのはちょっと辛い。

でも、同棲相手のクドカンがいいバランスで登場するんですよね~相当面白いです。


最初、普通の日常生活から一転何が起きたのか????の状態になって、明日香もわからないので見ている方も解らない。そしてどっちが現実なのか何が真実なのかグルグル頭の中で答えを出そうとして・・不安な中からのスタートで、ものすごく集中して入り込みます。


蒼井優ちゃんはイメージが今までと全然違うのですが、さすがインパクトあります。すごい存在感!あの細い身体が拒食症で体重が軽いという役もあの細さでスンナリ。減量したのでしょうか?リアルでしたよ~


病院の中が舞台というので似てるような雰囲気で「17歳のカルテ」と「ベロニカは死ぬことにした」を思い出しました。「ベロニカ~」はDVDの不調で途中までしかの未見ですが・・



「自分はここの人たちとは違う。病気じゃない。」

そう思う気持ちって何となくは解るような気がします。

酔っ払ってる人は、自分が酔っ払ってるってことを認めないし、その時は正常な判断できないように。

・・ちょっと違うかな~でもある部分似てるのかと。

正常と病の違いってそうないのかもしれない。

もしも、とっても嫌なことがあって・・例えば失恋とか大切な人の死とか・・もし眠れなくて、そこに睡眠薬があったら・・自殺とか死ぬとかを具体的に考えてじゃなくて、現実逃避したいと思うのかもしれないな~するかしないか、状況の違いなだけで。

勿論強固な意志があれば別かもしれないけど・・


ダイエットも女性の永遠のテーマ。モデルや女優さんとか仕事で細い方が有利な人には特に重要な問題だろうし、普通の女性も常に細くいたいと思っているはず。ここまでという線はないし、食べることに段々罪悪感を持ってしまう気持ちも解る。

それが病気なのかどうかの一線って、生命に危険が及ぶほどの状態にならないと誰にも解らないかもしれない。心の問題って本当に難しいな~治ったと思ってもそれがはっきりレントゲンに写るわけじゃないから。


ラストの救急車は哀しかったな~。