私が本格的にお芝居を観だしたのは2010
年度からですが、同じ芝居を二度観たこと
は一度もありませんでした。

今回、一度目の観劇日は「秋休み」と重なりました
のでラッキーでしたが、二度目の平日も劇場近く
へ行く所用があり、初めての「二度観」体験ができ
ました(^_^)v

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【No.23・24】
←2011年度観劇の通し番号です
  ただし、観劇順とは必ずしも一致しません

【公演名:三鷹の化け物】

【カンパニー名:ろりえ/作・演出 奥山雄太】

【観た季節:秋休みの9/30のソワレとたまたま行けた10/5のソワレ】


【劇場名&座席】
三鷹芸術文化センター星のホール

9/30は、最前列ほぼ真ん中のパイプ椅子で、
10/5は、3列目ほぼ真ん中のパイプ椅子でした。
もちろん、全席自由席です。

かわいい座布団&腰当て布団にプラスして
膝掛けの貸し出しもあり、主催者の行き届い
た配慮で快適な観劇となりました(^_^)

【チケット購入方法】
9/30初日のチケットは、劇団(ろりえ)のHPから
所定のフォームに入力して申し込み、代金は
会場で当日精算しました。
10/5のチケットは、出演者の梅舟惟永さん扱い
で予約し、同じく当日精算しました。
ちなみに、チケット代金は初日は2,500円(早割)
で、10/5は2,800円でした。


【客層】
「ろりえ」は女性だけの劇団ですが、今回、多数の
男性客演陣が加わったことも影響したのでしょう
か、老若男女のバランスの取れた、世論調査の
サンプル集団みたいな(笑)客層でした。

あと、やはり、演劇関係者が多かったですね。
私も、「名前はすぐ浮かばないけど、この人が
出演した舞台は観たことがある…」と思った人
が、通算二度の観劇で男女合わせて5~6名
程度は、観客のなかにいましたね。

【隣に座った人】
<9/25>
右隣りは20歳前後の女性、左隣りは25歳前後の
女性でした。

<10/5>
右隣りは50代の男性で、左隣りは iphone の操作
が見事な20代男性でした。

【評価】
☆☆☆☆
=同好の士に「良かったよ~」という
メールを送りたくなる

←評価基準に関しては、ブログ初回の記事をご参照ください


【コメント】

・このお芝居、10/10までの公演でしたので、以下、
当然ながらネタバレあり…ということで(^o^)

・歌舞伎の「川端」もしくは「土手」のような迫力の
あるセットが組まれ、さらに上手、下手ともそこか
ら客席の方へ傾斜のあるスロープが伸び、それ
は観客席後ろまでつながっていました。
つまり、舞台→スロープを下る→客席後ろのスペー
ス→反対側のスロープを上る→舞台 と、まるで
環状道路みたいに一周できる大組みの舞台です。

・ストーリーを時間軸で整理すると、以下のように
なります。
←< >で明記された日は、特に「節目」の日と
お考えください。
日付を間違えていないと思いますが(^^;)…

<平成23年 9月 1日>
男女のお笑いコンビで女性だけが売れっ子となり、
男性芸人はその女性相方に振られます(女性は
ピン芸人として独り立ちするわけです)。

で、元男性芸人となってしまった主人公は、その
直後、天皇の孫である恋子(こいこ)内親王と知り
合い、恋仲になります(*^_^*)
←この辺の荒唐無稽さにいちいちツッこんでいては、
このお芝居の魅力が理解できませんので、まあ、
あまり深く考えずにスルーしてくださいね(^_-)

<平成23年 9月 8日>
男性芸人は構成作家へと転じます。
が、それほどたいした活躍もできません。

その後、当然ながら内親王とは頻繁に会えません
ので、別の女性と恋仲になったりして、怠惰な日を
過ごします。

しかし、9月27日に20歳となりやっと性交渉も許され
る…という恋子内親王との関係も絶ちきれません。

また、今恋仲となっている女性は9/28がバースデー
故、その日のデートも約束されてしまいます。

<平成23年9月27・28・29・30日>
ところが、恋子の誕生日の27日から、日本は大混乱
へと陥るのです!

謎の怪獣が暴れまくり、北関東諸県は消滅し、そし
て天皇崩御に伴い葬祭の儀式に参列した皇族に
までその怪獣の攻撃が及び、恋子以外の皇族は
皆消滅してしまいます。

が、元お笑い芸人(現ニート)が何とかその怪獣を
退治し、さらに彼は恋子と結婚したため何と急遽天
皇となり、東宝元年という新元号がスタートしたの
が 9月30日…という、超激動の平成23年 9月の一
ヶ月間を描いた、最後には大団円となる超スペク
タクルなお芝居でございました(^o^)

・その怪獣は「ゴジラ」なんですが、それが元お笑い
芸人の母親(!)という超ぶっ飛んだ設定で(だから
ゴジラがプラジャーを付けてました(^o^)…)、暴れ
まくった理由は、 9月29日の夫(主人公の元お笑い
芸人からすれば父親)の命日に息子たちがお線香
をあげに帰省しなかったから(!)…ということでした。

・舞台全般を総括してみると、巨大で、かつ、光線を
発したり首や尻尾が自在に動く…という、特撮映画
並みの怪獣の造形物を登場させるなど、とにかく、
「舞台監督さんや美術さんにかなりのギャラを払っ
たんだろうな~」と思わずつぶやいてしまう、大がか
りな仕掛けに、まずは度肝をぬかれました(^_^;)

・また、国会に議席を持つ某左翼政党でさえ、最近は
すっかり「皇室」に親和性を寄せる昨今、あえてこの
種の問題をハチャメチャなドラマ仕立てとした思い切
りの良さや、元お笑い芸人役の高木健氏に全裸の場
面を演じさせる(もちろん、大事なところは実に見事に
隠します(^_-))…などなど、お芝居全体を貫くちょっと
アングラっぽい雰囲気は、スパイスの効いている料理
が自慢の街の洋食屋さんが大舞台で意地を示したみ
たいで、小気味よかったですね(^_^)
←「ニートのオレが皇族なんて…」と逡巡する元お笑い
芸人に、恋子が「皇族だってニートだよ!」と説得する
場面は、観客がドッと沸きました(^o^)

・あと、俳優さんでは、何と言っても恋子役の梅舟惟永
(うめふねありえい)についてふれなければなりません。

今年度上半期、私が最も多く観た舞台俳優さんですが、
今回は内親王という役どころでした。

梅舟さんはどの役もきっちりこなせる俳優さんで、また、
すごくカッコイイ女優さんですが、今回は、皇族特有の
「高貴な野暮ったさ」を実にうまく体現していたように感じ
ました。

10月 5日の終演後にお話しをした際には、喉の状況が
かなりつらかったようでしたから、「のど飴を差し入れ
すれば良かったな~」と、思いました。