歴史家とっきぃの 振り返れば未来

歴史家とっきぃのブログです。

歴史、日本のカルチャー、勉強法、生徒物語などを随時、更新していきます。

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こんにちは。
歴史家とっきぃです。バージョンアップ記事です。」

正義は国の数だけあります。
そして、国の数だけ仮想敵国もあります。
これまでの歴史もそうだったし、世界の終わりまで
多分そうでしょう。
敵、物語でいえば悪役のことです。


フィクションにおいては、人気のある作品は悪役が強大で、なおかつ憎めない、そういうブロットを必ず用意しています。

スポーツ根性ものだったら、鬼コーチだし、貴族的なプリンスないしプリンセスが立ちはだかります。

例を挙げれば、出崎統監督の劇場版「エースをねらえ!」(1979東宝)。

容赦ないシゴキの宗方コーチ(声:野沢那智)、
華麗なるお蝶夫人(声:池田昌子)、
そっと見守る藤堂さん
(声:森功至)
狂言まわしの親友マキらに支えられて主人公、岡ひろみはその魅力を全開にまで引き出されます。

メーテルのような高貴さに包まれたお蝶夫人、


コブラのようなメンタルタフの宗方コーチ、



ガッチャマンのような爽やかナイスガイの藤堂さん、



でも、それぞれが苦悩を抱えています。
ひろみも不完全ですが、取り巻く人々もまた人間なんです
そして本作で決定的なのは、
藤堂さんが選んだのは麗香(お蝶夫人)ではなく、ひろみだったことです。
お蝶夫人は恋の鞘当てでひろみに敗北したんです。
それでも彼女は
正々堂々とひろみと戦い、その後タッグを組みます。女として敗北し、選手としても敗北しても、それでも気高いんですね。女性特有のくだらないキャットファイトはしません。

これほどまでに魅力ある引き立て陣がいるからこそ、「エースをねらえ!」は不滅なのだととっきぃは思います。

(1979東宝、TMS)

お蝶夫人と似た出崎キャラに雪の女王がいます。


「雪の女王」(2005NHKアニメワールド)の主人公ですが、
本人は序盤と最終回あたりでやっと活躍する程度の露出です。真の主人公は
少女ゲルダです。

最終回、雪の女王はほんの一瞬だけ私情を吐露します。
そして、吟遊詩人ラギに、みごとにフラレます。女王本人と、わかる視聴者だけ気がつくという演出です。それでもお蝶夫人同様気高いのですね。

(2005NHK、TMS)

気丈な女性脇役には心惹かれますが、
ヒーローものなら、なおさら悪役は輝かねばなりません。
悪役はヒーローが成長するための肥やしです
その意味でスターウォーズのダース・ベイダーは典型的な悪役です。

映画「スターウォーズ」といえば誰しもあのヘルメットとマスクを思い起こすと思います。
エピソード5「帝国の逆襲」でみせた極悪非道ぶりと、鉄壁な強さに映画館のお客さんは魅了されたのです。
悪役は純粋に残酷無比でいいんです。その冷酷非情な中に、ちょっとした意外性がでると完璧です。
エピソード5ラストの告白は、お客さんを仰天させました。それもこれもベイダー卿が悪の権化だったればこそです。

逆に、悪役のインパクトが弱いと駄作になってしまいます。
スターウォーズのエピソード2「クローンの攻撃」がそうです。最後のチャンバラシーンこそ面白かったですが、それだけです。
グリーバス将軍、ダース・ティラナスといった魅力ある悪役がまったく活かされていません。案の定、評判は散々たるものでした。

水戸黄門にしても悪役の重要性に変わりはなく、
故スガカン(菅貫太郎氏)演じる
悪徳公家の一条三位(いちじょうさんみ)は伝説の名悪役ですね。

(CAL)

時代劇ドラマで決定的なのは、
萬屋錦之介版「子連れ狼」(1973ユニオン映画)の阿部頼母(あべ・たのも)でしょうか。
直参旗本で公儀御口唇役(お毒味役)。

阿部頼母(故金田龍之介氏/1973ユニオン映画

ウィーン会議進行役の
ッテルニヒ侯爵ばりの情報網と女郎使いぶりで、拝一刀親子を追い詰めます。

あまりの非道ぶりでテレビ東京の再放送では
頼母編はカットされたものです。

刑事物なら、「Gメン75」(1975近藤照男プロダクション)の望月源治(故蟹江敬三氏)です。

(1975近藤照男プロダクション)

望月源治はとにかく、救いようがない悪党です。読者はドラマ展開に思わず引き込まれます。ドラマの進行中、もしかしたら改心するかもと思わせるシーンが盛り込まれていますが、あっけなく裏切られ、こんな極悪非道な男、さっさと立花警部に逮捕されてしまえと、目が熱くなります。

「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」に登場する犯人みたいな知能犯もおもしろいですが、極悪非道の悪役が最後にのたうつのもまた、爽快です。

悪役が強大であればあるほど、主人公は輝きます
物語を書く作家や脚本家は、この鉄則をおさえておく必要があると思います。中途半端に情けをかけたり、イイ人になったりすると、一気に緊張感が緩んでダラダラした展開になります。悪党がイイ人になるのは、ラストのほんの一瞬でいいんです。このほんの一時こそが、積み上げてきた極悪非道のおこないを担保するからです。

フィリピンで至高の人気を誇る「超電磁マシーンボルテスV」(1977東映)の悪役、プリンス・ハイネルは最後の決戦前に、ほんの数秒ですが自分を愛してくれたカザリーンへ本心を吐露します。復讐と野望に明け暮れた男がみせた一瞬の感情でした。

(1977東映)

悪役は冷酷非道であればあるほど、闇が深ければ深いほど、主人公の光が照らします。

そして悪役というのは、乗り越えるべき親父の背中です。
だからこそ、悪役は永遠に不滅なんです。


ここからは蛇足です。
親父の背中に関連します。
悪役ではありませんが、紹介したいエピソードがあります。
「特捜最前線」(1977東映)最終回三部作の前編、
「橘警部・父と子の十字架」です。

橘警部(故・本郷功次郎)は仕事熱心なあまり、家庭をかえりみない昭和の男です。
長崎県から長男と次男が上京して橘と対峙します。
息子に、”あんた”と言われましたよ・・・」と、
デカ部屋で橘はぼやきます。

うまくフォローしてこの兄弟の面倒をみたのは、紅林刑事と叶刑事です。ふたりとも両親と死別した過去があったのです。
「見せたいものがある」と
兄弟を連れていった先は、卑屈に頭を下げる
橘の姿でした。目撃証言を求めていたのでした。そのダサさに息子兄弟は毒づきます。
その態度に叶は「カッコ悪さを見なきゃダメだ」と叱咤しました。目が覚めたのか、兄弟は紅林や叶と共に捜査を手伝い始め、
やがて
事件は解決の方向へ向かいます

いろんな意味で、橘の粘り勝ちでした。


ラスト、夕陽の中で長男は叫びます。
父さん。俺・・・、刑事になろうと思う
次男も
叫びます。
おいは・・・、牛のように生きて見ようかと思うと

夕陽に向い、子供たちの言葉を
無言で
受け止める父親の背中はとても大きい。
夕陽を一瞥し、大きな背中を揺らしながら、振り返ることなく、橘警部は新たな一歩を踏み出しました。




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こんにちは。
歴史家とっきぃです。

「教えて!GOO」で
歴史家とっきぃが再登場です。
松尾芭蕉の忍者説を検証してみた”の記事です。
記事本文を補完して、背景を検証してみたいと思います。

「奥の細道」の旅路の総移動距離は約2400km(600里)です。総日程は約150日。
江東区深川を出発して荒川区南千住にて「矢立の初め」をおこなって日光街道を下っていきます。
栃木県に入って日光詣でを経て、御用邸のある那須では壇ノ浦の合戦で扇を那須与一に思いをはせます。
その後、白河の関を越えて福島県に入り、宮城県多賀城市、同平泉市と踏破します。

そこから西へと進んで山形県から日光街道沿いに北陸街道を下りました。新潟県、富山県を通過して金沢市に入り、福井県へと南下します。今は発電所のある敦賀市から琵琶湖を東回りで南下して岐阜県との境目にる不破関を越えて岐阜県岐阜県に入ります。そして大垣市に着いたところで、門人たちに迎えられて旅は終わりとなります。

『おくのほそ道』は元禄15年に京都の出版社、井筒屋から刊行されました。基稿となったのは、西元本と云われるもので、芭蕉の弟子素龍(そりゅう)が編纂した決定稿です。現代では、この井筒屋刊が人口に膾炙しています。ウクライナでは中学校の教科書に採用されています。

とっきぃ
の力量では、忍者説を言い出した人物は残念ながら突きとめることができません・・・。
しかし、芭蕉は伊賀上野出身です。伊賀上野城の城代家老だった藤堂采女(うねめ)の親族、藤堂良忠に仕えていましたから、その辺りの履歴、歴史への深い造詣、一般的水準をはるかに越える健脚ぶりなどから、出版後に自然に広まったものと思われます。もちろん推測です。
 
それが近現代に入ったら、小説やマンガの格好のネタになったとものではないか、そう推察いたします。。
ネタもだいたい出尽くしているので、これといった新説は寡聞ながら存じません。

服部半蔵説ですが、芭蕉は元は藤堂藩の藩士(郷士)であって、幕臣ではありません。藤堂家をも辞職して江戸へ下って後は事務仕事で食いつないでいます。

ちなみに、服部半蔵二代目石見守正就(まさなり)は、ワガママだったため部下に追放されたボンボンです。
この正就と比較しても、弱者へのいたわり、自然への畏敬の念など研ぎ澄まされた感性の持ち主である芭蕉との接点は皆無ですね。
ちなみに、この弱者へのいたわりが心性に備わっていないと、東大には合格できません。
2次試験の現国で落とされるんです。

初代服部半蔵は安土桃山時代晩期に亡くなっています。
ちなみに3代目半蔵(半蔵の次男/2代目ボンボン石見守正就の弟さん)は隣りの桑名藩(三重県)のご家老さんです。桑名松平家の家老職と「服部半蔵」(大服部家)を代々襲名して幕末に至ります。
おまけに、2代目ボンボン石見守正就の子孫も「小服部家」として続いています・・・。


城代家老というのは、藩(大名家)の国元における最高責任者です。
藤堂藩は伊勢国一部と伊賀国の2カ国に及んでいます。藩庁は津市にあります。
藤堂家は伊賀国ではよそ者ですので、彼の国を治めるには地元出身の上忍がいいだろうというわけで、上忍の保田元則(やすだもとのり)に藤堂姓を与えて藤堂采女(うねめ)と名乗らせました。ですので、伊賀上野城・城代家老の藤堂采女は藤堂家の血筋ではありません。「藤堂采女」も「服部半蔵」と同じく世襲の称号です。
ちなみに、初代采女となったこの藤堂(保田)元則は、初代服部半蔵の甥御さん(兄の子)にあたります。
泉下の芭蕉が自分が服部半蔵に間違われていると知ったら、真っ青になるのではないでしょうか(笑)。

忍者は心の上に刃を置いて日常を送っています。究極のリアリストです。極限まで闇を直視するからこそ、見えてくるものもあると存じます。
イタリア・ルネッサンスは古典文明が花開いた反面、暴力と殺戮の世界でもありました。極限と極限は相性が良いのです。至高の芸術と最悪の暴力とは、永遠の一瞬という意味では当価値かもしれません。

透徹した精神から生み出されたぜい肉を削ぎ落とした珠玉の一句一句は、世界にも普遍的に通用するのです。
システィーナ礼拝堂天井画のミケランジェロの傑作を筆頭とするルネッサンス芸術が世界で愛でられるように。


要するに、現代における芭蕉の影響力と『おくのほそ道』から芭蕉の精神性に迫ることは可能です。芭蕉は自然への畏敬の念、限りある視界に広がる偉大なる小宇宙を見出しました。
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
古池や蛙飛びこむ水の音
傑作ですね。
 
何気ない日常の一コマでしかありませんが、ポチャンと石を投げた水面のように波紋が心に広がっていきます。日本ならではの感性です。

また、義経明智光秀など悲劇の武将への想いも特徴です。




明智光秀夫人の徳行を讃えた、
月さびよ明智が妻の話せん
はエピゴーネン(真似)が各国でつくられています。

エピソードはご存知でしょうか?
光秀夫人光秀との結婚直前に、疱瘡(天然痘)を患って顔の左半分がアバタだらけとなり、
父親の計らいで婚礼は彼女の妹が行くことになります。しかし光秀公は花嫁が本人でないのを見ぬいて
この妹御を送り返して、本人を娶ったのです。夫人はこのことを決して忘れませんでした。そして時は流れ、
光秀夫妻が浪人中、出費が必要になった時、美しい緑の黒髪を売って費用に当てたのでした。
 
月さびよ明智が妻の話せん
赤貧に喘いでいた門人夫婦がもてなしてくれた事に感激して芭蕉が夫妻に送った一句です。

松尾芭蕉の至高の芸術は、永遠ですね。

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こんにちは。
歴史家とっきぃです。

端午の節句ですね。

戦後は「こどもの日」と称されていますが、日本はアメリカさまと違って古い国です。
節句とか、小正月とかの日本独自の慣習を
アメリカさま許してもらえるよう、日本の指導者には「虎ノ門」に、はたらきかけてほしいものです。
元来は小正月だった「成人の日」はやりたいほうだいです。特に沖縄県は新成年に甘いですからちょっと過激です。

「昭和の日」は昭和節、「文化の日」は明治節が本来あるべき姿です。
「天皇誕生日」は天長節ですが、これを主張したらハワイ大神宮の先例を持ちだして「ジョージ・ワシントンの誕生日も祝日にしなさい!」と、米国務長官あたりがまくし立ててくるかもしれないですね。ちょっと剣呑です。

扨(さて)、
今日は高尾山に登りました。富士山がくっきりと見えて幸運な端午の節句でした。

来る度に道が補修されていて、歩道メンテナンスは本当に素晴らしいです。ミシュランの評価が3ツ星なのもわかります。

久々に登ったので、股関節に炎症を起こしてしまいました。これは初めてですね。年齢の積み重ねを認識せざるを得ませんでした。柔軟体操など準備運動は大事ですまさかの場所にまさかの時間に天災は発生しますから

高尾山は針葉樹と広葉樹の混植で、生態系が理想に近い形になっています。また、切り落とした木はそのままにしております。時間の経過を取り入れた処方なのだと思います。これは鋸谷式間伐です。
最新の学説を導入する柔軟さには脱帽ですね。

1号ルートで登りました。ちなみに6号ルートは上り専門で下りは禁止です(GWのみ)。ケーブルカー駅までの上り坂で、かなりの発汗がありました。背中にタオルをはりつけていましたが、もうぐっしょりです。ケーブルカー駅まで歩き着いたところで、背中のはりつけタオルをスポーンと首側から抜きます。これは爽快ですので、是非ともお試しください。オススメです。
汗で不快なのは背中です。スポーンと汗の染みこんだタオルを抜く瞬間は快感です!
新しいタオルを背中に仕込んで歩みを続けます。薬王院では例によってお守り販売をやっております。商売は残念ながら東照宮の方が上手いですね。ここの職員さんは一度日光に見学に行ったほうがいいと思いました。

高尾山頂に辿り着き、さらに奥高尾の小仏城山(こぼとけしろやま)を目指します。小仏城山には城山茶屋があります。

ここのコーヒーは天下一品です。井戸水を使っているとのことですが、3回おかわりしました。カップとソーサーもなんか70年代風で風情があります。

あと、有名なナメコ汁! やみつきになりますね。

足腰の鍛錬にはトレッキングは最適だと思います。
空気も美味しい、水も美味しい、そして絶景の自然。
都民のリフレッシュに最高の場所です。
高尾山は明治維新百周年記念で、国立公園になったとのことです。先人の思い、伝えていきたいものです。

都民に愛され、国民に愛され、高尾山はこれからもパワースポットとして繁栄していくでしょう。

あと、ケーブルカー駅近くには、路上詩人の安田邑美さんが晴れの日にはおられます。安田さんは書家です。

下の名前をメモに記入すると
安田さんは、じっとこちらの眼を見て色紙にメッセージを書いて下さいます。
とっきぃも書いてもらいました。
諦めない自分の心を大切にして、心の炎ある限り、真っ直ぐにすすめと美しい字で書いてありました。

自分と向き合いながら、今生の使命にこれからの人生を捧げたいと考えております。


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