歴史家とっきぃの 振り返れば未来

歴史家とっきぃのブログです。

歴史、日本のカルチャー、勉強法、生徒物語などを随時、更新していきます。


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こんにちは。
歴史家とっきぃです。

TPPに日本は調印しました。もうすっかり話題から外れてしまいましたね。

TPP調印、これは終わりの始まりです。
明治日本が苦心の末に獲得した「治外法権の撤廃」と「関税自主権の回復」を平成日本は簡単に手放しました。
泉下の陸奥宗光と小村寿太郎が泣いています。あまりに恥ずかしくて、この二名の名前が中学校教科書から消える日も近いでしょう。
「陸奥宗光」の画像検索結果「小村寿太郎」の画像検索結果
農作物の問題ではありません。日本人は賢いですから食の安全に対する審議はとても厳しいです。
どんなに安くてもマクドナルドなんかチキン騒動で閑古鳥がないてしまいました。また、日本人は鰻の蒲焼きが大好きですが、安い中国産よりも割高でも国産のものを買います。ですので、農薬三昧のカリフォルニア産を変えと米国企業が日本政府を恫喝してもあんまり効果がないんです。

問題は医療です。
アメリカの保険会社がわんさか押し寄せてくるでしょう。ところが日本には国民皆保険制度があります。病気になっても生活費の範囲内で通院できるのです。内科から外科、眼科に耳鼻科と日本には医療が充実しています。それが保険会社には気に食わない。商売上がったりです。何としてでもこの国民皆保険制度を崩さなければならない。本国政府に手を回して厚生労働省とか総理官邸を締めあげても、さすがにこれだけは抵抗するでしょう。
たぶん日本国民はマジギレします。日本がマジギレしたらほんとうに困るので、もっとスマートなやり方を連中は採用します。そう、例のISD条項です。国民皆保険制度を「非関税障壁」として撤廃を上位機関に提訴すればいい。
必ず日本が敗訴するようになっていますから、
これで国民皆保険制度はおしまいです
日本政府としても赤字だったし内心は嬉しかったりするかもしれないですね。
さあ、保険屋さんの出番です。病気の種類ごとに保険に加入するようになっています。一品一品は値段も大したことはないのですが、内科、外科、耳鼻科とか虫歯治療とかなんとか組み合わせるとベラボーな引き落とし金額になります。マックのセットメニューみたいなものでしょうか。


日本と違って、盲腸手術なんてやったら中流家庭が下流になるのが相場らしいです、アメリカでは。だから普段からサプリを常飲するなど健康管理に留意しているのだとか。その割には睡眠薬が欠かせないとかDVがひどいとか、どこか病んでいます。テレビや映画で流された「ホームスィートホーム」は幻想です。
「アメリカの理想家庭」の画像検索結果
TPP調印により、日本は半独立国に格下げとなりました

それから憲法改正ですが、喧々諤々いろんな意見があって議論があっていいです。
ただ、天皇を国家元首にするという案は賛成できません。それと同じく国軍を天皇に直接つけようという明治憲法の考え方も賛成できません。
日本の天皇は外国の国王とは立場が違います。外国では国王というのは軍の総司令官でもあるのです。ですから戦争があったら真っ先に責任を問われます。立憲制でも同じことです。
ところが日本の天皇は「祭祀王」(さいしおう)なんです。神道の宗家なんです。神道では「お祓い」つまり清浄が大事なんです。ここに権力を持ち込んだら穢(けが)れてしまいます。だから天皇は日本の象徴で十分です。皇室というのも「禁裏」(きんり)と言葉を改めたほうがいい。皇室というのはあくまで禁裏の下位概念です。
国軍の最高司令官は内閣総理大臣であって命令指揮系統を確立して置かなければ、明治憲法のようにチグハグしてしまいます。

明治憲法では陸海軍省、統帥部、元老院、枢密院と「上司」がいっぱいいて指揮系統がぐちゃぐちゃでした。
実はクビライ・カアン亡きあとのモンゴル世界帝国もそういう側面がありました。
モンゴル世界帝国の東半分で盟主だった大元ウルス(朝)は天変地異とか江南地方の叛乱にうまく対応できずに中華本土を手放すことになります。ダギ皇太后が実権を握っていた頃が、ターニングポイントでした。

権力は一元化されてこそ本領発揮します。
内閣総理大臣を総司令官にして三軍を管轄下に置くのが正解だと思います。禁裏は日本の心の支えです。皇室外交もいいですが、願わくばお祈りに専念して日本国を清涼にしていただきたいものです。TPP調印により日本は半独立国に成り下がって、ますます日本国は穢れていきますから。

最も危険な近未来を述べますね。
そのうちアメリカ人が大量に乗り込んできて、英語特区を要求する日もやってくるでしょう。そしたら後は、テキサス共和国とかハワイ王国の轍(てつ)を踏むことになります。差別だなんだと騒ぎ立てて伝家の宝刀「非関税障壁の撤廃」をやるんです。日本を「ジャパン州」にと声を大にして提訴するでしょう。日本は負けて亡国です。
天皇は日本国王と改称を余儀なくされて、ハワイのリリウオカラニ女王みたいな末路をとらされる事になるでしょう。あるいはビルマ王国のティーボー国王のように流されるかもしれません。
Liliuokalani.jpgKonbang-Thibaw.jpg
どうして日本国王に改称なのか、妬ましいからです。英欄はどっちもKingなのに日本はEmperorなんて生意気だからです。こいつらのせいでアジア植民地を無くした恨みがあるんです。韓国の李明博大統領が実証したように、天皇家に触れたら日本は本気で怒るから、これまでは何も言わないけれども、TPPで国力を奪ったらハナシは別です。容赦なく帝国主義の牙を向けてきます。
「ウィー、アッ、ザワー・・・」(We are the World,,,,,)なんて歌っている場合じゃありません。

ちょっと絶望的になってきましたが、日本はまだまだやっていけます。大丈夫です。頑張りましょう。生き抜ける方法は必ずあります。


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こんにちは。
歴史家とっきぃです。

人口に膾炙した「パナマ文書」。世界中の富裕階級が脱税を図っているというお話です。税金を納めたくないという思いは全世界共通なのですね。
実は
「パナマ文書」なんてちょろい方で、カリブ海の英国領にはもっときわどいタックスヘイブンがゴロゴロあって、流れたカネはロンドンのシティへ集積されて金融立国イギリスの原資となっています(さらにそのシティを締めている大ワルもいるのですがそれは書きません)。
この問題自体は古今東西・・・、もうありふれたことです。

そして免税特権を振りかざす人々の共通項目も抽出できます。
はやい話が、先の先まで考えていないんです。目の前の現金とか帳簿にばかり目がいって、全体の流れが見通せなくなる。今ある幸運を「天与のもの」と錯覚してしまうんです。「錯角」ではありませんので念のため。

例えば、貴族であれば自分たちは「戦う人」であり、そのために封土を営んでいるのであって、税金なんてもってのほか。
経営者なら、正社員なのだからサビ残は当たり前だ。バイトや派遣じゃあるまいし・・・。
前者は、働く人が汗を流しているから領地経営も成り立つというアタリマエのことを忘れています。
後者は日本人の美徳に甘えて悪ノリしています。ワタミとかすき家とか、ユニクロがおなじみさんです。

藤田田(デンと発音してください)という男がいます。
日本マクドナルド創業者で、晩年期はハンバーガー王を謳われました。

デン氏は典型的な国際人で、日本はコメ作りをやめてベトナムかどこかで三期作でやったほうがいいとか著書で述べています。また、税金が安いリヒテンシュタインの国籍を手に入れたいとか「銀座のユダヤ人」の名に恥じない悪辣漢ですね。
他方、漢字の視覚性とか、国民性を江戸時代のメンタリティーに求めるとか、卓抜した探究心と商魂の持ち主でもあります。
とっきぃは彼の著作にてタックスヘイブンの存在を知りました。また、ベトナムの三期作なんてTPPのさらに先をいっている展開です。彼の著作を読むと、ユダヤ人すなわちアメリカ帝国の思考パターンがおもしろいくらいわかります。
彼が最初に出した『ユダヤの商法』は1972年第一版です。

この頃には日本人経営者も真面目に納税していたのではないでしょうか。それがバブル期を堺に変貌していきます。バブル崩壊したら利潤はどんどんタックスヘイブンに流れていくというわけ。日本人に悪知恵を授けたのが
藤田田(デンと発音してください)とまでは言いませんが、罪な話です。

日本人富裕層の多くが免税特権階級になってしまいました。
今回の「パナマ文書」では政治家の名前は不思議と出てこないですが、楽天の三木谷とか、ユニクロの柳井、ソフトバンクの孫正義とかが出てきました。一時期、ユニクロの柳井は社員登用制度を改革するなんて言っていましたが、渋谷区松濤の柳井の豪邸は官邸並みの物々しい警備です。よっぽど何かを恐れているのでしょう。
正社員にするというのは無期限無制限に働けという意味なのは言うまでもありません。
今流行の「全人格労働」というやつです。電車が止まった時に「会議に遅れるから」と線路を歩き始めて問題となったあれです。
ここまで滅私奉公で追い詰められているのが大方の正社員サラリーマンです。洗脳されて社畜となっているんです。ショッカーの戦闘員とおんなじです。


「パナマ文書」には、三菱、三井、住友、トヨタといった老舗まで出てきています。彼らは日本人の均質な労働力に甘えているんです。現場の末端は外国人でも構わないんです。中国人は意外にも契約に忠実だそうです。最初に明快にしておけばキッチリとやるらしい。コンビニでも中国人が多いですが真面目に働いています。南京大虐殺がどうの慰安婦がどうのと、お客さんに絡むなんてことはしません。個人的経験では、靴工場で一度だけ在日韓国人に近代史で絡まれたことがあります。が、彼の仲間が必死で止めたのを覚えています。
同じく個人的経験ですがとっきぃが勤めた頃のトヨタでは、工長(CL)が「人はなんぼでもおるで」と豪語したものです。それが2年ほど前には「人がおらんのや(汗)」と嘆いているとのことでした。自業自得ですね。労働自体は技術革新とカイゼンでだいぶ負担は軽減されているはずですが・・・。

ちなみにヤマト運輸の配送センターでも深刻な人手不足に陥っています。一時期は面談をやるくらい応募があった職場なのに、ちょっと不思議な話です。

どうやらみんな分かってきたようです。どんなに頑張っても再生産に必要な賃金だけあてがわれて上前はぜんぶ富裕層に流れていくというシステムにです。だから働いても働いてもラクにはならないんです。結婚しない人が増えたのも当たり前です。結婚すれば「普通の生活」が待っています。教育、住宅ローン、お隣さんとの比較、自動車の買い替えとか、絶対に逃げられないようにプログラムされています。
例えば、学校の保護者会で週一回ペースのランチ会があるとします。出席しなければ、子供も自分も大変な立場に突き落とされることになる。フレンチだったり懐石料理だったり、旦那さんのお手当だけで賄うのも大変です。

それでも「普通の生活」を続けるために、地獄の道を歩まねばならない。

ハンバーガー王、故藤田田(デンと発音してください)の悪知恵が効いたのか知りませんが、
一般庶民にばかり(社会保障費を含む)
インフラ整備を押し付けて、自分たちはタックスヘイブンにお金を貯めて左団扇。

これでは勤労意欲が低下して当たり前です。
賢い人はすでに「普通の生活」に見切りをつけています。
必要最低限のお金だけ稼いで、その他の時間を好きなことに充てるという生き方です。中世のはじまりです。これからどんどん増えてくると思います。ローマ帝国末期と状況が似てきています。

国家が崩壊する理由いうのは、外患ではないんです鉄則です。例えば中国が攻めてくるとか、韓国が対馬に攻めてくるとか、そういう
外患は逆に国家隆盛につながっていく。

ちなみに民主党政権カンチョクト時代に対馬侵攻が発覚した時には、陸上自衛隊は独自に動いて韓国軍に備えています(2010年の延坪島砲撃事件のことです)。この重大な国難を、カン総理は見て見ぬふりをしていたからです。この時は米中と北朝鮮が動いて対馬侵攻は未遂でした。もし
侵攻が実施されていたとしたら、カン総理は粛清された可能性も否定できません。国を売るというのは、それだけ重い罪だからです。

外患には自衛隊が動きます。なんの心配も要りません
中韓相手なら必ず勝ちますから。海という防波堤は大きな恵みです。中国もロシアもランドパワー、つまり陸軍国です。ですから海が間にあるとちょっと厳しいんです。韓国?、北も南も口だけ番長です。問題無いです。

むしろ、問題は国民が生きる気力を失くすことです。年間3万人を越える自殺者はもう当たり前の情報になってしまいました。自殺者は氷山の一角で水面下には膨大な自殺未遂、鬱病、適応障害が横たわっています。リストカット症候群も珍しい現象ではなくなっています。生きたいという生の渇望がここにはあります。去年が転換点で、実質上今年から21世紀が始まっています。人間の意識は15年ほどのタイムラグが発生しますから。


新しい世紀には新しい生き方が要求されます「普通の生活」は前世紀の遺物です。ま、続けたい人は続けてもいいと思います。そういう人がいないと富裕層が困りますからね。
あと、免税特権を謳歌している富裕層の皆様に申し上げます。カタストロフィーは突然やってきます。ローマ時代の高度な技術がどうして失われたのか、歴史をもうちょっとだけ深く考えてみてくださいね。

1789年当時、まさか4年後に斬首されるなんてフランス王も王妃も考えつきませんでした。


日本人はおとなしいから大丈夫なんて高をくくっているのは油断です。室町時代、正長の土一揆が起きています。最初の百姓一揆です。

為政者もバカじゃないですから、さすがに現代はもっとスマートなやり方で搾取しています。
食っていければ庶民は動かないからです。

フランス革命でもなんでもそうですが、食えなくなるから下は動くんです。現代日本ではさすがに食べてはいけますが、精神疾患という形でメッセージが出ています。会社は「心の風邪」なんて言ってはぐらかしています。支配階級の十八番「原罪植え付け」ですね。いじめの政治学記事(生生しいのでアメンバー記事)でも充分に述べたあれです。興味ある方は中井久夫博士が上梓した『アリアドネからの糸』(みすず書房)を読んでくださいね。論考「いじめの政治学」を所収しています。


新しい生き方、それは近代以前にヒントがあります。
振り返れば未来へのヒントは必ず見つかります。人間のやっていることに、そんなに違いはないからです。


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こんにちは。
歴史家とっきぃです。バージョンアップ記事です。」

正義は国の数だけあります。
そして、国の数だけ仮想敵国もあります。
これまでの歴史もそうだったし、世界の終わりまで
多分そうでしょう。
敵、物語でいえば悪役のことです。


フィクションにおいては、人気のある作品は悪役が強大で、なおかつ憎めない、そういうブロットを必ず用意しています。

スポーツ根性ものだったら、鬼コーチだし、貴族的なプリンスないしプリンセスが立ちはだかります。

例を挙げれば、出崎統監督の劇場版「エースをねらえ!」(1979東宝)。

容赦ないシゴキの宗方コーチ(声:野沢那智)、
華麗なるお蝶夫人(声:池田昌子)、
そっと見守る藤堂さん
(声:森功至)
狂言まわしの親友マキらに支えられて主人公、岡ひろみはその魅力を全開にまで引き出されます。

メーテルのような高貴さに包まれたお蝶夫人、


コブラのようなメンタルタフの宗方コーチ、



ガッチャマンのような爽やかナイスガイの藤堂さん、



でも、それぞれが苦悩を抱えています。
ひろみも不完全ですが、取り巻く人々もまた人間なんです
そして本作で決定的なのは、
藤堂さんが選んだのは麗香(お蝶夫人)ではなく、ひろみだったことです。
お蝶夫人は恋の鞘当てでひろみに敗北したんです。
それでも彼女は
正々堂々とひろみと戦い、その後タッグを組みます。女として敗北し、選手としても敗北しても、それでも気高いんですね。女性特有のくだらないキャットファイトはしません。

これほどまでに魅力ある引き立て陣がいるからこそ、「エースをねらえ!」は不滅なのだととっきぃは思います。

(1979東宝、TMS)

お蝶夫人と似た出崎キャラに雪の女王がいます。


「雪の女王」(2005NHKアニメワールド)の主人公ですが、
本人は序盤と最終回あたりでやっと活躍する程度の露出です。真の主人公は
少女ゲルダです。

最終回、雪の女王はほんの一瞬だけ私情を吐露します。
そして、吟遊詩人ラギに、みごとにフラレます。女王本人と、わかる視聴者だけ気がつくという演出です。それでもお蝶夫人同様気高いのですね。

(2005NHK、TMS)

気丈な女性脇役には心惹かれますが、
ヒーローものなら、なおさら悪役は輝かねばなりません。
悪役はヒーローが成長するための肥やしです
その意味でスターウォーズのダース・ベイダーは典型的な悪役です。

映画「スターウォーズ」といえば誰しもあのヘルメットとマスクを思い起こすと思います。
エピソード5「帝国の逆襲」でみせた極悪非道ぶりと、鉄壁な強さに映画館のお客さんは魅了されたのです。
悪役は純粋に残酷無比でいいんです。その冷酷非情な中に、ちょっとした意外性がでると完璧です。
エピソード5ラストの告白は、お客さんを仰天させました。それもこれもベイダー卿が悪の権化だったればこそです。

逆に、悪役のインパクトが弱いと駄作になってしまいます。
スターウォーズのエピソード2「クローンの攻撃」がそうです。最後のチャンバラシーンこそ面白かったですが、それだけです。
グリーバス将軍、ダース・ティラナスといった魅力ある悪役がまったく活かされていません。案の定、評判は散々たるものでした。

水戸黄門にしても悪役の重要性に変わりはなく、
故スガカン(菅貫太郎氏)演じる
悪徳公家の一条三位(いちじょうさんみ)は伝説の名悪役ですね。

(CAL)

時代劇ドラマで決定的なのは、
萬屋錦之介版「子連れ狼」(1973ユニオン映画)の阿部頼母(あべ・たのも)でしょうか。
直参旗本で公儀御口唇役(お毒味役)。

阿部頼母(故金田龍之介氏/1973ユニオン映画

ウィーン会議進行役の
ッテルニヒ侯爵ばりの情報網と女郎使いぶりで、拝一刀親子を追い詰めます。

あまりの非道ぶりでテレビ東京の再放送では
頼母編はカットされたものです。

刑事物なら、「Gメン75」(1975近藤照男プロダクション)の望月源治(故蟹江敬三氏)です。

(1975近藤照男プロダクション)

望月源治はとにかく、救いようがない悪党です。読者はドラマ展開に思わず引き込まれます。ドラマの進行中、もしかしたら改心するかもと思わせるシーンが盛り込まれていますが、あっけなく裏切られ、こんな極悪非道な男、さっさと立花警部に逮捕されてしまえと、目が熱くなります。

「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」に登場する犯人みたいな知能犯もおもしろいですが、極悪非道の悪役が最後にのたうつのもまた、爽快です。

悪役が強大であればあるほど、主人公は輝きます
物語を書く作家や脚本家は、この鉄則をおさえておく必要があると思います。中途半端に情けをかけたり、イイ人になったりすると、一気に緊張感が緩んでダラダラした展開になります。悪党がイイ人になるのは、ラストのほんの一瞬でいいんです。このほんの一時こそが、積み上げてきた極悪非道のおこないを担保するからです。

フィリピンで至高の人気を誇る「超電磁マシーンボルテスV」(1977東映)の悪役、プリンス・ハイネルは最後の決戦前に、ほんの数秒ですが自分を愛してくれたカザリーンへ本心を吐露します。復讐と野望に明け暮れた男がみせた一瞬の感情でした。

(1977東映)

悪役は冷酷非道であればあるほど、闇が深ければ深いほど、主人公の光が照らします。

そして悪役というのは、乗り越えるべき親父の背中です。
だからこそ、悪役は永遠に不滅なんです。


ここからは蛇足です。
親父の背中に関連します。
悪役ではありませんが、紹介したいエピソードがあります。
「特捜最前線」(1977東映)最終回三部作の前編、
「橘警部・父と子の十字架」です。

橘警部(故・本郷功次郎)は仕事熱心なあまり、家庭をかえりみない昭和の男です。
長崎県から長男と次男が上京して橘と対峙します。
息子に、”あんた”と言われましたよ・・・」と、
デカ部屋で橘はぼやきます。

うまくフォローしてこの兄弟の面倒をみたのは、紅林刑事と叶刑事です。ふたりとも両親と死別した過去があったのです。
「見せたいものがある」と
兄弟を連れていった先は、卑屈に頭を下げる
橘の姿でした。目撃証言を求めていたのでした。そのダサさに息子兄弟は毒づきます。
その態度に叶は「カッコ悪さを見なきゃダメだ」と叱咤しました。目が覚めたのか、兄弟は紅林や叶と共に捜査を手伝い始め、
やがて
事件は解決の方向へ向かいます

いろんな意味で、橘の粘り勝ちでした。


ラスト、夕陽の中で長男は叫びます。
父さん。俺・・・、刑事になろうと思う
次男も
叫びます。
おいは・・・、牛のように生きて見ようかと思うと

夕陽に向い、子供たちの言葉を
無言で
受け止める父親の背中はとても大きい。
夕陽を一瞥し、大きな背中を揺らしながら、振り返ることなく、橘警部は新たな一歩を踏み出しました。




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