★たまに、無性にサンバ・カンソンを聴きたくなる時があります。以下は、以前の記事の再掲載。

今夜は、先日も掲載した小野リサさんの昔のライブ映像を題材に、サンバ・カンソンの名曲「Alguém como tu」(あなたのような人)のテーマ部分のコード進行をご紹介します。
小野リサさんのコード進行は大体下の通り。一般的な進行とはちょっと変えていたりします。例えば、[A]の1小節目は、普通は[B]の1小節目と同じで、C△7⇒Dm7(さらに、一瞬ですがD♯dim7を追加する場合もあり)、[A]の7小節目はC△7⇒A7(♭9)とする場合もあります(C△7とEm7は代理関係)。また、[A]の11小節目F♯m7(♭5)は微妙なところですが、F♯m7(11)としてもOK。まあ、この曲の場合はどちらでも可ですね。あとは、エンディングの半音上がって行くB♭△7(9)⇒B△7(9)⇒C△7(6)(onG)の進行が、シンプルですが効果的で美しいですね。

尚、ご参考までに、下の右の譜面は以前ブラジルで出版されたジョアン・ジルベルトの音楽の分析本「Bim Bom」(元は、サンパウロ大学の修士論文とのこと)から、古いサンバ・カンソンの伴奏リズムのパターンです。「Alguém como tu」では、小野リサさんは典型的なボサノヴァのパターンでバッキングしていますが、昔のサンバ・カンソンではこういった伴奏リズムが演奏されていたという訳です。因みに、「acompanhamento」というのは「伴奏」のことで、「ritmico」は「リズミカルな」という意味の形容詞です。