菊池英博『消費税は0%にできる』第2章に大きく負っています。
私が御伝えしたい、今シリーズの要諦(ようてい)は、内閣(政府)が暴走した場合、その暴走を阻い止める「ブレーキ機能」としての「参議院」について、でありまして、
小泉政権時代に繰り広げられた「郵政民営化法案」(2005年)を事例にし、「参議院のブレーキ機能」が、うまく伝われば幸い、と思っております。
何故その事を、この時期に申し上げるのかというと、
大阪維新の会が掲げた「船中八策」の政策内容が、市場原理主義的であるばかりか、
その中の一つに、「参議院改革→最終的には廃止も視野」という、個人的には危険と思われる政策が、掲げられているからです。
郵政民営化を、
1995年の「対日年次要望書」以来、
アメリカは毎年、要求してきたようです。
つまり、小泉政権が成立する何年も前から、
アメリカ政府が、要求してきた、という事になります。
アメリカ政府は、
”郵政省のような政府機関が、民間保険会社と競合する保険業務を営むことを禁止すること”を要望し、
「官から民への移管」
を求めてきたのでした。
「郵政公社の民営化」を、アメリカが、ずっと求めてきたのは、
郵政事業のなかでも、「簡易保険の民営化」でした。
なぜアメリカ政府が、「郵政民営化」を、
そして、その中でも「簡易保険(かんぽ)の民営化」を望んだのか、
というと、そこには大きく、二つの都合が潜んでいるようです。
ひとつは、アメリカの保険会社が、日本の保険市場で、郵政の「簡易保険」と競合するに当たり、厄介で、商売のジャマだから。(TPPでいう「障壁」)
もうひとつは、郵政公社の「簡易保険」という長期安定資金を、民営化により、アメリカの手中に納めれば、
その「かんぽ資金」を、今度は「米国債」の購入に使うことができるから、という訳です。
これまで、郵貯預貯金である「ゆうちょマネー」および、簡易保険の運用資金である「かんぽマネー」は、
日本国債の購入に当てられ、日本国債購入の約3割を、その「郵政マネー」が占めてきました。
「郵政マネー」は、「財政投融資」を通じて、
アジアなどでのダム開発など様々な開発で、アジアの環境を破壊するのに、使われてきた側面があります。
また、日本の公共事業で、山河や干潟の埋め立てなどの開発など、自然環境や生態系破壊に使われてきた側面もありました。
原子力発電やスーパー林道や飛行場建設・・・など、環境の観点からすれば、とても看過できない側面が、財政投融資の運用で、見られてきました。
そうした側面をみると、「郵政マネー」が財源の一つとなっている「財政投融資」について、
否定的な意見を持ってしまう事は、もっともなことであります。
「無駄な公共事業」のこと、
そして、こうした「環境破壊」の側面を踏まえた上で、敢えて、お尋ねします。
「無駄な公共事業」や「環境・生態系破壊」に使われた「財政投融資」の財源のひとつである「郵貯マネー」や「簡保マネー」を、
政府運用から民間運用にかえる「郵政民営化」に賛成ですか・それとも反対ですか?
上に見てきたような悲しい側面を踏まえた上でも、それでも、
わたしは「郵政民営化」には反対です!!!
じつは「”無駄な使われ方”の公共事業」も、じつはアメリカからの圧力によって行なわれた側面が、まず有ります。
(申し訳ありませんが、その根拠となる出典資料は、
いま現在のところは、企業秘密にさせてください)
上のような側面を見れば、
原発、開発、環境破壊、ムダな公共事業に対する対抗策(カウンター)として、
「郵政民営化」を支持したくなる心情は、
十分に理解できます。
でも、「郵政民営化」で、日本国債購入/財政投融資から、「ゆうちょマネー」や「かんぽマネー」が離れたとしても、
その200兆円規模のマネーが、どこに向かうか、
”カウンター(対抗策)”として「郵政民営化」を支持する人で、
そこまで意識が行かない場合が、多くあります。
「郵政民営化」により、
「かんぽマネー」が、米国債の購入に向かえば、
その「かんぽマネー」などが、戦争や防衛事業で儲ける、アメリカ軍需産業の利権をはじめとする、アメリカ財政に消えていくだけです。
それだけではありません。
それどころか、日本の破滅につながることが、
「郵政完全民営化」で、
もたらされる事になります。
発行される日本国債を、200兆円規模の郵政マネーで引き受けることで、
日本は、安定した国債金利のもと、財政破綻せず、経済危機を起こさずに済んでいるのに、
財務省からマスコミに流され、政府や御用マスコミが垂れ流す扇動情報のおかげで、国民がイメージしているのとは、まったく違った形で巻き起こる経済恐慌や財政破綻が、起こる事になって来さえするかもしれません。
だとすれば、「郵政民営化」を支持した人の善意や期待が、完全に裏切られた事からくる悔しさの遣り場は、どこに持っていけばいいのでしょうか?
怒るどころの騒ぎじゃなく、
日本が破壊されてしまって、
何とか、その日を生きのびるために精一杯で、
それどころでは無くなっているかもしれません。
要するに、「郵政民営化」を、日本政府に対してアメリカ政府が、1995年から要求しつづけてきている理由は、
「郵政民営化」により、
1)アメリカの保険会社が、日本で商売がしやすくなるから
2)「かんぽマネー(簡易保険の資金)」で「米国債」を買わせ続けることが出来るので、アメリカ財政構造が安定するから
・・・・でした。
ブログ記事が、長くなりすぎるといけないので、
今回は、ここで終わります。
(つづく)
まことに手前味噌で恐縮ながら、
このブログ記事を、
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高樹辰昌
(関連記事)
○ 「郵政民営化見直し・亀井靜香・政権交代劇」
○<郵政民営化1年 利用者「サービス低下」、
局長も戸惑い>http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1066519.article.html
○<郵政民営化にともなうサービス低下等の問題についての意見書>(札幌市議会 2008年意見書)
http://www.city.sapporo.jp/gikai/html/documents/20_2t_7.pdf#search=%27%E9%83%B5%E6%94%BF%E6%B0%91%E5%96%B6%E5%8C%96%E3%80%81%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E5%8A%A3%E5%8C%96%27