2006年10月12日(木) 00時56分47秒

本の読み方

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本好きのAさんが、古びた文庫本を読んでいるので聞いてみたら、もう、新しい本は買わない。これからは、前に読んだ本を読み直すのだと言うことだった。おかしな事を言うな、と思った。

そんな折り、本屋で「本の読み方 スローリーディングの実践」という作家の平野啓一郎氏が書いた新書に出会った。

情報が氾濫する現代だからこそ、スローリーディングをすべきだと書いてあった。10冊の本を速読するより1冊をじっくり味わって読むべきだ、と言っていた。

今までは、本に追いかけられる様に読んでいた。スピードと量が重要だと考えていた。

私は、この本に出会って、何だかホッとした。これからは、自分のための読み方をしようと思った。Aさんの選択の正しさが分かった。
2006年02月16日(木) 06時00分41秒

娘に語るお父さんの歴史

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昭和38年生まれのお父さんが、平成生まれの二人の娘に自分の生き様を語るというストーリーである。

新幹線、東京タワー、アポロ月面着陸、東京オリンピック、万博などの思い出が語られる。確かに、あの時代は、21世紀は科学技術に裏付けられた物質文明が我々を幸せにしてくれるとみんな思っていた。

しかし、実際に21世紀になってみると、何かが違ってしまった。娘に聞かれても、それが分からない。追いつめられたお父さんは、強引にこんなことを言い出す。

「未来は、いつだって幸せなんだ」

結局、青い鳥は見つけられなかったが、夢だけは持ち続けて欲しいという願いを込めた叫びで話は終わっている。

今の子どもは、どんな未来の夢を持っているのだろうか。

「娘に語るお父さんの歴史」
重松清 著
ちくまプリマー新書
2005年11月29日(火) 00時35分01秒

「使える弁証法」

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「使える弁証法」難しい題だが、非常に分かりやすく書かれている。ここで紹介されているのが、ヘーゲルの弁証法に書かれている「螺旋的発展の法則」である。螺旋階段は、回りながら階段を登っていく。一見、同じような繰り返しに見えるが確かに上に登っている。これと同じことが、インターネットの世界で起っているというのだ。

例えば、ネットオークション、e-ラーニング、電子メール、オープンソースなどは、市場の競り、寺子屋、手紙、奉仕活動という一昔前に流行ったことが繰り返されている。姿形を変えて、圧倒的に便利になって、インターネット時代に復活している。

このような現象が見えるようになるには、論理思考ではだめで、ヘーゲルのような哲学的思索が必要と説いている。木でなく森が見えるようにならなければならない。また、この「螺旋的発展の法則」は、西洋文明から東洋文明への大きなうねりをも起こし、日本がその融合のキャスティングボードを握っていると言っている。この考え方は、奇しくも藤原正彦氏が、「国家の品格」で言っていることと非常に近い。

本書には、このような法則がいくつか紹介されている。インターネットを通して今を理解するための参考になる好書である。インターネットが本格化して10年が過ぎようとしている。そろそろ、インターネットや、それを取り巻く現象は何だったのかを考え直す時期に来ているのではないかと思う。

「使える弁証法」
田坂 広志 著
東洋経済
2005年11月22日(火) 23時50分15秒

「icon スティーブ・ジョブズ 偶像復活」

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「icon スティーブ・ジョブズ 偶像復活」 を読んだ。かなり読み応えがあった。ジョブズの最も新しい伝記だ。彼ほど、生き様がドラマになるCEOも珍しい。

インドを放浪したり、禅に傾倒したり、アップルから追放されたり、離婚したり、トイストーリーをヒットさせたり、アップルに戻ったり、iPodを成功させたり、波乱万丈に見えるが、野次馬が勝手に評価を下しているだけでジョブズ自身は、淡々と自分のやりたいことをやっているだけだ。

この本を読むと、今でも好きなことに熱中している、生き生きとしたジョブズに会うことが出来る。そこに、最近の日本では死語になりつつある「志」の高さを感じることができる。

「Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)」

やはり、この言葉につきる。
2005年11月02日(水) 02時20分28秒

ガリバー旅行記と観音崎

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先日、ブックオフに行ったら講談社の青い鳥文庫のガリバー旅行記が100円で売っていたので読んでみた。青い鳥文庫は、子供用に全てルビがふってあるので読みやすい。その中で、ガリバーが日本に立ち寄ったという記述があった。立ち寄ったのは、ザモスキという日本の南東にある小さな港町とある。この町は、海峡の西岸にあって、その海峡は北にのびて細長い入り江になり、入り江の北西にこの王国の首都のエドがあると書いてある。どう考えても、これは東京湾である。

私は、近くに住んでいるので気になったのでインターネットで調べてみたら、これを解明したページ があった。ザモスキとはXamoschiと書き、観音崎というのが定説になっているようだ。観音崎→カンノンザキ→Kannonsaki→Xamoschi→ザモスキとなったらしい。何か、ロシア語のような読み方だが小さな島国の田舎町をよくこの名作に登場させてくれたものだ。

ガリバー旅行記は風刺物語と言われているが、もう一度読み返してみると面白いところが沢山ある。野蛮人として検索エンジンの代名詞になったYahoo(ヤフー)も出てくる。今から300年も昔の話だがその中から色々なものを発掘するのも面白い。秋の夜長の過ごし方にはもってこいだ。
2005年10月28日(金) 06時46分50秒

水木サンの幸福論

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「水木サンの幸福論」に、こんな条文が出ていました。さすがに妖怪博士だけあって考えていることが人間離れしていますね。でも、かなり引かれるものがあるのは、私も妖怪に近づいた証拠かも知れません。

「幸福の7か条」
第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的にことを行ってはいけない
第二条 しないではいられないことをし続けなさい
第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべき
第四条 好きの力を信じる
第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ
第六条 怠け者になりなさい
第七条 目に見えない世界を信じる

「水木サンの幸福論」 日本経済新聞社
2005年03月25日(金) 03時16分19秒

ウエブログの心理学

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ウエブログの心理学、久しぶりに読みごたえのある本だった。現役のブロガーでもある4人の社会心理学者が、ブログの起源は何か、何でこのブログのブームが来たのか、ブロガーはなぜブログを書き続けるのか、これからのブログはどうなるのか、ということに対して学術的に分析した論文集である。

さすがに、現役の学者の分析力はすごいと感心すると同時に今までのインターネットやブログに関する自分なりの考えを整理するのに非常に役立った。あまりの面白さに、線を引きながら一気に読んでしまった。巻末にまとめてある「ブログの歩き方」や「インターネット・ウエブログ関連年表」も簡潔で示唆に富み、これだけ読んでも十分ためになる。

ブログは、コミュニケーションのツールとして新しい人間関係を形成すると同時に、書く人にとっても精神衛生上のメリットが大きいとしている。夏目漱石が、神経性胃炎を治すために有名な「我が輩は猫である」を書いた理由にも近いものがある。毎日、ブロガーによって書かれているブログが、やがては、時代の貴重な証言になる可能性は十分にあるとまとめている。この本は全てのブロガーに読んでもらいたいおすすめ本だ。

「ウエブログの心理学」
著者:山下清美/川浦康至/川上善郎/三浦麻子
発行:NTT出版

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