2005年12月22日(木) 21時43分09秒

富士山

テーマ:
仕事の帰りに、客先から武蔵小金井の駅に出るためにタクシーに乗った。雲が一つもない良い天気だった。しばらく走っていると、突然、運転手が話しかけてきた。

「ここから、富士山が見えるんですよ。この辺じゃ、富士が見えるのはここだけなんですよ。」
見ると、ビルの谷間から青空があらわれ、そこに富士山がぽっかりと浮かんでいるのが見えた。

「今年は、雪が少ないようですね。やはり、富士には雪がないと様になりませんね。」
ほんの数秒で富士山は、ビルの影に消えてしまった。

このタクシーの運転手は、数秒の富士山を見るのを楽しみに、毎日、仕事をしているのだろう。日本人は、総じて富士山が好きだ。何で好きかと聞かれても理由はない。とにかく、見ていると良い気持ちになるのだ。

高層ビルがなかった江戸では、どこからでも富士山が見えたのだろう。しかし、今の日本にも富士山は確かに存在し、それを愛でる日本人の美しい心があるということを忘れてはならないと思う。誰も知らない自分だけの秘密の場所を教えてくれた、このタクシーの運転手に感謝したい。
2005年12月20日(火) 23時55分47秒

昭和30年村

テーマ:生活
「昭和30年村作ります」 という本を読んだ。著者は、昔、ツカサのウイークリーマンションのテレビのCMに出ていた川又社長だ。ディズニーランドを手本にして、昭和30年の頃の日本の町を再現したテーマパークを日本中に作ろうという話だ。最初は、奇想天外の夢物語だと思っていたが、読み進めるに従って、どうやら、本気らしいと思えてきた。

単なるテーマパークでなく、そこで、老人介護の問題や、生き甲斐の創出、フリーター問題、高齢者雇用、教育問題も解決しようと言う壮大な計画だ。バブルが崩壊して宙に浮いたゴルフ場の跡地や過疎化した土地を有効利用して団塊の世代が楽しめる場所を作ろうとしている。

昭和30年村計画というホームページ も出来ていて、会員を募集している。少し怪しい人が講師になっているが、すごいことを考えている人がいるものだと思った。「ALLWAIS三丁目の夕日」のような団塊の世代向けのブームになるか、しばらく、注目してみようと思う。
2005年12月17日(土) 03時35分53秒

コンプライアンス

テーマ:
丸紅のコンプライアンスマニュアル にこんなことが書かれていた。
『正義と利益のどちらかを取らねばならない状況に遭遇したら、迷わず正義を貫け』
さすがに、150年の歴史を持ち、ロッキード事件などを乗り越えてきた企業だと思った。

今回のマンションの設計偽造問題の建築士は、これと全く逆のことをやってしまった訳だが、彼の証人喚問の中に「一級建築士の誇りというものがあった」という言葉があった。彼に、「技術者として恥ずかしいことをしたくない」という考えがあったら、今回の不正は止められたのではないかと思った。

利益と誇りの代わりに、正義や恥という言葉をもっと大事にしたい。コンプライアンスという横文字の本質は、日本人が昔から持っていた規範である「卑怯なことをしないという武士道精神」に戻ることではないかと思った。
2005年12月11日(日) 03時58分27秒

ありがとう

テーマ:生活
昨日は、親父の七回忌の法要だった。その時、お寺の住職の法話の中にこんなフレーズがあった。

「生まれたからには、人は時がくればいつかは死ぬ。100年も生きられない。人が死ぬのは必然であって、人が生きているのは奇跡的なことで、ありがたいことだ」

「ありがたい」を辞書で調べると「有り難い」と書いてあった。ありがたいという言葉には、こんな意味があるのかと気づいた。「ありがとう」という感謝の気持ちを表す言葉も「有り難う」と書き、同じ意味だ。「Thank you」には、こんな深みはない。

今まで、法要なんて面倒なことだと思ていたが、死の自覚と生への有り難さを思い返す場と考えると意味のあるものだと思った。

最近、大人が子供を殺めるという目を覆いたくなるような事件が多発しているが、そのような卑劣な大人たちに、この住職の話を聞かせたい。奇跡的で有り難い存在である命を止めるという愚に気づいてもらいたい。「ありがとう」という日本の美しい言葉を再発見した。
2005年12月04日(日) 04時13分30秒

サンリオという会社

テーマ:ブログ
サンリオという会社をご存知だろうか。キティちゃんなどの子供向けのキャラクタ商品で有名な会社だ。

先日、娘がくるみ割り人形の話を読みたいというのでアマゾンで探したら、辻信太郎という人が書いた本がたくさん見つかった。最近、良く本店で見かける『みんなのたあ坊の菜根譚』も書いている。この人がサンリオの社長だとは知らなかった。この本には、「これをしちゃいけません、あれをしちゃいけません」と禁則事項を決めていくのではなく、「そういうように生きていくといいね」と言うことが書かれている。

また、対談で、今は、あと何年かすると技術面で中国や韓国に日本は追いつかれ、追い越される。そのとき、日本は、何を輸出していくのか。それは「日本独特の文化」なんだとも言っている。みんな同じ地球人を目指すというグローバリズムの考え方に異を唱えている。山梨県庁の職員から転身したというユニークな経歴を持つ人で、論語や老子を良く読んでいる人らしい。

会社のホームページを見ると、SanrioとはSaint River「聖なる河」を表す言葉で、河のほとりに聖らかな文化を築きたい、という気持ちが込められているということだ。「其処に集まる人々がお互いに思いやりを持ち、仲良く暮らせるコミュニティを作りたい。」ということが社是になっている。辻信太郎社長自身も、童話や演劇が好きで、好きなことをやって、みんなの幸福に貢献したいという思いを見事にビジネスにしている。

会社は、株主のもの、利益追求だけのもの、という殺伐とした考えを持つ経営者が多い中、このようなことを当たり前のように言えるオアシスのようなサンリオという会社 は貴重な存在だと思う。
2005年12月02日(金) 05時30分45秒

琴欧州の大関昇進の口上

テーマ:生活
ヨーロッパ人初のブルガリア出身の琴欧州の大関昇進の口上はこんな内容だった。

「大関の名に恥じぬよう稽古に精進します」

今の日本では相撲の世界でしか聞けない言葉である。この「恥」という言葉は、マスコミにも出てこないし、社員研修や学校でも教えてくれない。

歩きながら物を食べること、立小便をすること、弱い者いじめをすること、道に落ちていた財布を届けないこと、電車の中で老人に席を譲らないこと、シルバーシートに座って携帯で電話すること、こんなことをするのは恥ずかしいことなんだ、と言っても誰も耳を傾けないだろう。

それは、分からなくて当然なのだ。なぜなら論理的な話ではないからだ。こんなことを守らなくても社会生活に支障はないし、せっかく手に入れた座席の権利を年寄りにあけ渡したり、落ちていた財布を届けるなんてバカだ、忙しいんだから何処で電話しても勝手だろう、というのが今の風潮ではないだろうか。

今、問題になっている建築設計事務所による構造計算書の偽造事件の根には、この「恥」という理屈ではない日本古来からこの島国にあった小さな言葉が消えた、ということがあるのではないかと思う。

琴欧州のブルガリアの実家では衛星TVの生中継で新大関の口上を見たという。海外のマスコミは、この口上の中の「恥」という部分をどのように解釈して伝えているかを知りたいものである。

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