「少年法の改正と児童福祉の課題」
テーマ:ブログ 昨日赤木さんも出てたNEWS23の年末特集観ました・・。
ちなみに去年のNEWS23の年末特集は「不安を生きる・子どもが壊れる」特集でした。鳥が死んじゃうなめたイメージイラスト使って煽りまくって、頭きたのでエントリーをあげておりますね。
http://ameblo.jp/hiromiyasuhara/entry-10022328884.html
まあ、昨年のように「子供が壊れる」のでよってもって「食卓が大事」みたいな、教育再生会議のようなバカ丸出し特集よりは、「生活が壊れる」のほうに問題意識シフトしたんだったら、まあいいと思います。
しかしですね、なんかカラーフィルターかかったような団地映像とか、赤木さんの顔でピラミッド作るとか、安っぽいパラパラ紙芝居の赤木さん主張の紹介とかは悪意がにじみ出てる(なんか若いもんがこんなアホウなこといってまっせと非常に小バカにしてるように見えた→いっしょに観てた人間の感想でもある)。もうちょっとちゃんと作ってやらんかい(怒)。
私はあそこに出てたそれぞれの人が抱える社会的問題の解釈はできますよ。多少は予備知識ありますから。でもあの番組は一般の何も知らない人を相手にしてるんだよね。何を言いたいわけ?「ワーキングプアの悲惨さ」のこと?「福祉行政の怠慢」のこと?「肥満と貧困」のこと?「団地の孤独死に見える低所得者向けの住宅供給の問題」のこと?「サビ残に対する労使対立」のこと?「地域の助け合い」のこと?「少子高齢化と貧困層の福祉後退のダブルパンチ」のこと?「孤独死と無縁仏」のこと?「貧困心中事件と刑務所福祉の向上」のこと?「不正受給」のこと?「高学歴ワーキングプア」のこと?それぞれがそれこそ本1冊書けるような話でしょう?
詰め込み過ぎのうえに、なんかそういった「社会背景のちゃんとした説明」ってありましたっけ?それなしで報道すれば、「なんでバナナ1本なのにあんなに太ってるの?」って感想しか抱けない視聴者だって多いんじゃないかな。 取材の甘さと情報の弱さと稚拙さをまたもやイメージ映像とでごまかしてるなあと思いました。NHKの「ワーキングプア」に対抗するために、安直に「量」でもってきたなという感想です。甘いなあという気がします。
さて、2000年に少年法改正がされたときは大騒ぎでしたが、2007年にも少年法は再改正されたんだけど、目立った報道がないんだよね・・。
2008年1月「月刊福祉」(18~21P)より、日本社会事業大学教授/弁護士 若穂井 透さんの論文が参考になったので以下抜粋します。
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2000年の少年法改正では、犯罪少年に対する原則逆送致制度が導入され、殺人など重大犯罪を犯した16歳以上の犯罪少年に関しては、従来の保護優先主義を見直し、刑罰優先主義へ転換し、そして2007年の法改正では14歳未満など重大事件を犯した触法少年に関しても、警察の介入が合法化され、児童福祉優先主義が大きく見直された。
少年院送致の下限年齢が引き下げられ、さらに遵守事項違反を繰り返す保護観察少年に対する制裁として少年院送致が容認された。
こうした一連の動きは「戦後非行法制を再編(構造改革)し、厳罰化の完成を目指した」と総括できるように思われる。
改正案の要点
■警察に対する触法事件および、ぐ犯事件に対する調査権限の付与と児童相談所への送致権限の付与(警察権限の拡大)※ぐ犯少年の調査権限に関しては後に削除される
■児童相談所に対する触法事件の家庭裁判所への原則送致の義務化(児童福祉の後退と司法福祉の優先)
■少年院収容の下限年齢の撤廃と家庭裁判所に対する触法少年の少年院装置権限の付与(家庭裁判所の保護処分権の拡大)※下限撤廃についてはおおむね12歳以上に制限
■保護観察所に対する遵守事項違反の少年を家庭裁判所へ送致する権限の付与
(保護観察所の権限強化)
長崎市、佐世保の事件があって、小泉内閣のときに作られた「青少年育成大綱」、「犯罪に強い社会のための行動計画」のなかで急浮上した緊急課題のように表向きは言われてるけれど、最高裁判所、法務省、警察庁にとっては積年の課題であった、と。マスコミが大騒ぎしてくれた目立った事件だったんで、世論的にはそっちで正当化しろ、ってことだったいうわけですね。
少年法改正によって大きな岐路に立たされるのは児童相談所、警察と家庭裁判所への対応が大きな課題として浮上してくる児童自立支援施設である。
警察の事情聴取と児童相談所の調査が競合するので、より警察化するってことかなあ。
法制審議会少年法部会での議論によれば、いわゆる西宮事件が家庭裁判所への原則送致制度の導火線になったといわれる。
これは父親への殺人と母親への障害で児童相談所に送致された息子が殺人を否認したが、児童相談所の調査は難航し、殺人容疑を解明し得ずに障害容疑で児童自立支援施設に送致したという事件である。これを契機に事実認定の脆弱な児童相談所に重大触法事件の調査は任せられないという認識が警察庁、法務省、最高裁判所などに広がったのである。
取り調べ機関ではないので事実認定が弱い、と。「事実」と「事情」って両立しないのかなあ。
これを受けて改正少年法第6条の6では、重大事件の家庭裁判所への原則送致を児童相談所に義務づけている。殺人、強姦、放火が凶悪犯と呼ばれ重大事件の典型とされる。
触法重大事件に対する警察の触法重大事件に関する補導人数と家庭裁判所の終局人数は次の通りである。(2003年の資料〕
〔警察の補導人数〕
殺人3人 強盗29人 強姦14人 放火166人
〔家庭裁判所終局人数〕
殺人3人 強盗致傷4人 強姦4人 放火3人
すくなっ。
この警察データを比較すると、警察に補導された人数(特に放火事件)と家庭裁判所に送致されて保護処分を受けた人数に大きな差があることがわかる。
触法少年の放火には子どもの火遊び的な事件が多く、凶悪事件として警察が補導しても児童相談所から家庭裁判所に送致される事件は少ないことをこの差は示している。
しかし、改正少年法第6条の6に基づき、重大触法事件か否かという形式的な基準によって、事件が家庭裁判所に丸投げさえることになると、これまで児童相談所が対応してきた多くの事件が児童福祉優先の理念からこのれ落ちるのではないかと危惧される。
この論文の論旨だと改正少年法では原則送致の例外的な取り扱いを認めてるし、児童相談所は形式的な基準にとらわれず、「事情」は考慮できるし、考慮してほしいが・・・でも、と続きます。ここでも「被害者・被害者遺族の事実を知りたい」という部分と「被害者遺族の裁判における心情陳述」である、と。
家庭裁判所への原則送致制度が導入された背景には、被害者・遺族への配慮という、もうひとつの問題があった。事件が家庭裁判所に送致された場合、被害者遺族は被害に関する心情等を陳述し(少年法第9条の2)、少年・保護者の氏名・住所、家庭裁判所送致決定の年月日、主文、理由の要旨について通知を受け(少年法第31条の2)、記録の閲覧・謄写を求めることができる(少年法第5条の2)。
しかし、児童相談所の調査手続きにはそのような規定が存在しない。そのため児童相談所が家庭裁判所に事件を送致しなかった場合、被害者・遺族は少年法に基づく配慮を受けることができない。
「家庭裁判所に原則送致せず、児童相談所で調査し、処遇を決定する手続きの公正さと透明性を担保するため、被害者・遺族、マスコミを含めた児童相談所の調査手続きにおける情報開示のあり方が至急検討課題」であるとまとめてらっしゃいます。この件数だったら家裁にまかせてもいいような気もするんだけど、マスメディアのほうでも、情報開示の公平性を検討したほうがいいんじゃないかな。
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1 ■無題
私は番組を見ていないんですが、見てたら顔ピラミッドで気絶しているでしょうね。
私を担当してくれた方は非常にまじめな方で、貧困問題に対して真摯に考えていて、論座の記事が出た直後に連絡してくれて、話をしてるんですよね。
それでも、TVという枠で扱われると、そういう形になってしまうのは、もはやTVというシステム自体の欠陥だとしか思えないですね。