2007-04-18 20:59:41

ワーキング・プアから抜け出せないシングル・マザーたち

テーマ:ブログ

中央公論に「ワーキング・プアから抜け出せないシングル・マザーたち」橘由歩さんというノンフィクション・ライターの方が書かれた論考が掲載されてます。これいいなあー。

 論考の「起」は、昨今バッシングされてきた「若い母親」の子殺し事件。事件の背景を追いながら、そこから、シングルマザーの置かれている現状について、考察を深める。シングルマザー世帯の生活実態の数値分析、世帯所得分析、国際比較、当事者のインタビュー&ルポ、専門家のコメント、文献調査と、非常に多角的で、なおかつわかりやすくそして刺激的(ほめすぎ?)。読んだ方で、もしかしたら詰め込みすぎっていう感想をお持ちの方もいるかと思いますが、・・・・まあ、もっとページ割けばよかったのに。手間かかっていらっしゃると思いますし、プロのお仕事かと。

 抜粋してご紹介させていただきます。ライターさんの写真をみるときっと同じ年くらいの女性かなあー。雨宮処凛さんといい、同世代の若い(って言わせて 笑)同性にいらっしゃるのは、ほんとに励みになります。


 今年に入り、立て続けに報じられた、若いシングルマザーによる子殺し、親殺し。幼くして命を奪われた子どもたちの、あまりに短すぎる生を思えば言葉もない。世の誰もが若い母親たちを、「母親になる資格なし」と断罪した。問題は彼女たちが、なぜ子育てを全うできなかったか、子殺しという最悪の結末に向かわざるえなかったかだ。


 本人の資質の問題や、シングルマザーへの偏見に貶める以前に、見落としているものはないのだろうか。少子化が危機的問題として叫ばれているこの国で、シングルマザーは一体どんな状況に置かれているのだろう。


 05年1月に公表された「平成15年全国母子世帯調査」によれば母子世帯数は122.5万世帯(全世帯の2.7%)、前回調査の5年前と比べれば、28.3%増加している。母子世帯になった理由については離婚と未婚が増加し、死別は減少している。今日的傾向として若いシングルマザーの増加が顕著だが、これは「できちゃった婚」の急増と密接な関係がある。とりわけ近年、急速に増えているのが10代後半や20代前半という若い世代の「できちゃった婚」だ。

 家族社会学の観点から「ひとり親家族」の研究を行う、神原文子教授によれば、「25歳未満は6割ができちゃった婚ですね。高校生で妊娠、中退。18~19歳で産んで、経済問題やDVで21~22歳で離婚というのが、最近よくあるひとつの傾向」と言う。おそらく事件を起こした彼女たちも、このパターンだったのだろう。


仕事の経験のないままにシングルマザーとなる、若い女性たち。夫の収入も不安定ゆえ養育費は期待できない。実家が援助してくれればいいが、頼れない場合も多い。06年12月30日、埼玉県和光市で焼け落ちたアパートから、2歳の男児の遺体が発見された。24歳のシングルマザーは、友人とスノーボードをするため「パンとおにぎりを置いて」外出していた。彼女は「母になる資格がない」「勝手気ままな母親」だったのか。警察官の前で、彼女は泣き崩れた。
「子どもが自分でゴハンを食べられるようになったし、1日くらい骨休みがしたかった」(『読売新聞』2007円3月6日)

 1年前に夫と別居し、母子二人だけの生活になった彼女は、深夜の調理のお仕事に就き、子どもを育てた。夕食と入浴の後、子どもを寝かせて午後10時に出勤、帰宅は午前4時。日中は子どもといっしょに過ごす。男児は乳幼児検診も予防接種も欠かしたことはなかったという。公的扶助が受けられることを何も知らず、育児とお仕事に明け暮れた彼女の日々。彼女はたった一人、子育てと労働を自分に課した。そうせざる得なかったから。一ツ橋大学大学院の本木喜美子教授は、こう指摘する。
 「日本のシングルマザーの特徴は、きわめて高い就労率にあります。これは他の国では例を見ません。イギリスのマジェラー・キルキーの分類によれば日本は育児に専従するのではなく、就労しているにもかかわらず低賃金のために貧困リスクをかかえている国々のグループに分類されています。しかもアメリカ、ドイツなど、このグループの平均就労率は60%程度であるにも関わらず、日本は実に87%と突出した数字になっています」
 右記分類の理由は、母子世帯の平均年収が、212万円(03年11月現在)という事実で、一目瞭然だろう。

 これは公的扶助である児童扶養手当や、養育費を加えた額で就労収入となるとわずか162万円にすぎない。この年収も98年と比べて17万円減少しているが、これは非正規雇用の拡大がシングルマザーを直撃したからだ。現にこの5年で「常用雇用者」の比率は50.7%から39.2%減少、逆に不安定な就労である「臨時・パート」が38.3%から49%に増加している。ちなみに02年度の一般世帯の平均年収は589万円だから、その半分にも及ばない低収入労働と子育てのはざまで喘いでいるのがシングルマザーの現状なのだ。02年11月、国は児童福祉手当の減額措置を決定、いまや母子家庭への所得保障という最後の砦も取り払おうとしている。


 母子加算の打ち切りの理由について、神原教授は「生活保護基準が一般母子家庭の生活水準より高いのは不公平という認識が打ち切りの主な理由なのです。しかし、発想が逆でしょう。生活保護基準は憲法で保障されている最低生活基準なのだから、生活保護基準に合わせて、一般母子家庭の生活水準を引き上げるべきなのです」と怒りを隠さない。これは母子家庭の子どもに、未来を描く権利などないと言っているに等しい。

 「08年から継続5年以上の母子世帯は児童扶養手当が最大半分まで削減されます。政府の名目は“給付中心から、自立支援へ”なのですが、実際は福祉予算の削減が狙い。03年から児童福祉手当の支給基準を引き下げる代わりに、さまざまな就労支援策を立ち上げたのですが、アドバルーンをいくつも上げているだけのようで実績がなかなか見えないのです」
 神原教授は就労支援策の効果が上がってから児童福祉手当の削減を検討すべきであるとこの施策を厳しく批判する。「調査対象の254名中、何らかの行政の就業支援策を利用した人は46名、うち就職や転職ができた人が18名、うち正規採用に至ってはわずか6名。いくら就労支援を謳っても大事なのはその仕事で生活できるかどうか。母子家庭の中で、収入が増えた世帯と収入が減った世帯との格差が広がっています。でも、勤労収入が増えたといっても年収300万円なのです」
 すでに87%のシングルマザーは働いている。なのに国はさらに「働け」という。

 子どもは延長保育で預かるからと。しかし、厚生労働省が「見る」子どもは就学前限定。小学生以上の子どもはすっぱり切り捨てられる。「母子福祉法の目的は、ひとり親で育つ子どもたちの健全育成なのに、母親の就労ばかりを強調する。収入を上げるために、母親がかけもちで働くことになると、夜間、子どもが置き去りになることもある。子どもの生活保障、進学保障をどう考えているのか。03年大阪市の実態調査では、母子世帯の16歳以上の子どもの中学卒(あるいは高校中退)率が10%を超えていた。日本全体で3%なのに本人のやる気だけの問題では決してないでしょう。高校卒でもなかなか就職が困難な状況の中で、これらの子どもたちは十分に自立できないまま、社会に出ざる得ないのです。」
 女性が一人でも子どもを豊かに育んでいける社会こそ当たり前であるべきではないか。

 

 大卒よりも高卒、高卒よりも高校中退と学歴が低いほど、離婚率が高いという調査結果がある。経済的に不安定な階層同士が結婚し、その経済的不安定さが離婚を後押しするのだ。神原教授は口惜しさをにじませこう語る。「ほとんどのシングルマザーは、子どもにわびしい思いをさせたくないと、いろんな工夫をして頑張って、一生懸命働いて子育てをしています。しかし20歳以上の第一子の学歴は有配偶者より総じて低いのです」


 こちらのブログを読んでいる方は、わたしはわりと硬いことばかり書いているので人文系の編集だと思っている方もいると多いと思うのですが、もともと生活情報誌出身の編集です。ですので、「家計」にはうるさいのかなと思うのですが、生活情報誌もいろいろあって、私がいた雑誌はだいたい年収300万円くらいの結婚したての主婦層が読者層でした。
昔、編集部の女同士(ほぼ全員女性なんで)
でいってたんですけど、「女の自己実現のために男が家事育児に参画をー」って簡単にいう人もいるけど、家に6時くらいに帰ってくるだんなさんだったら、まあ言ってもいいんじゃないかと思うけどね、夜中にへとへとになって帰ってくるだんなさんにいえないし、年収低いとだいたい共稼ぎだから、朝、子どもに菓子パン食べさせるってことで手一杯なんだよね。だから特集で「朝ご飯」とか企画は出るんけど特集ではほとんどやらない。なぜかというとそういう需要がないから。端的に売れないからです。

 ようするにお父さんもお母さんもどっちも余裕ないわけですよ。でもね、余裕ないなかでほとんどの人はちゃんと生きよう、子どもをなるべくちゃんと育てようと思っているんだと思いますよ。・・・「早寝早起き朝ご飯」ですか、そりゃできるならやってるって。

 なんか新潮とかだと、「最近の母親は子どもに菓子パン食わせとる、けしからん!」とか短絡的な話になってしまうわけです。もうちょっとふつうに考えて欲しいんだけどねー。


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コメント

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14 ■アメリカから2

安原さま。お返事ありがとうございます。もし、機会があれば拙文に目をお通しください。特に2章には、橘さんと同様の視点でシングルマザーと虐待のかかわりを指摘している部分があります。また、この本には村田さんと言う方が、ジェンダー論からネグレクトの問題を指摘していて、僕のより面白いかもしれません。
さて、teenの妊娠ですが、90年代後半のアメリカ社会を彩る問題だったと思います。例えば、Luker(1997)という人は、貧困も人種間の格差も社会保障費の異常な伸びも虐待も麻薬も全て、teenの妊娠から説明されていたと指摘しています。(「Dubious conception: the politics of teenage pregnancy」)。その後、teenのこの問題は少し熱が冷めてきた(数も落ち着いた数になっているのだと思います)のですが、(ここには90年代の社会福祉改革が絡んでいます)、安原さんが指摘するようにブッシュ政権の家族政策の目玉は、(彼らは自分たちの政策をpro-familyだといってますけど)、「healthy-family」政策です。目玉の柱のひとつは、養育費の取り立てです。離婚や婚外子に絡んで、父親たちに対して、州政府が養育費の取立てを行い、不払いの場合には車の免許を更新できないようにしています。(アメリカでは車がないと生活できない)。もうひとつの柱は、カウンセリングですね。「marriage skill education」などで、人間関係が良くなれば、家族は安定して、貧困の問題も、人種間格差も、虐待も、麻薬もすべておさまるという主張です。
でも、ブッシュたちがこうした政策の効果性をどこまで信じていたかは疑問です。根底には政治的な傾向とか、宗教的な信念だとかが微妙にありますよね。
最後にアメリカン健康保険は皆保険ではありませんが、特に子どもたちはかなりの部分を州政府がカバーするようなシステムを取っています。
それと、不法移民を除くと保険がない人は、poorより、poorとmiddleの境界線の人が多いです。アメリカの保健福祉政策はどうにもならないものが多いですが、例えば日本で保険料を払えずに無保険者となっている人の問題とかとを考えていくと、もう日本は「アメリカ並み」の国なのでしょうか。

13 ■山野さま

はじめまして。アメリカからの投稿ありがとうございます。本のほうもぜひぜひ読んでみます。
>いわゆる「class」「race」と見事に関連しています。

アメリカだと2001年時点で国民の15%、4000万人くらいの無保険者がいて、ヒスパニックが一番多かったように記憶しております。
アメリカ政府も貧困や社会的な経済要因が健康にも影響するということは認めていると思いますが、「Healty People 2010」
ティーンの妊娠が原因とされているんですね。
こちらだと、そこに純潔教育(フッシュ政権)予算が割かれていて(もちろん、あまり効果がないという話も前調べていたときにありました)、実際はどういう介入をしてるのでしょうか。

12 ■アメリカから

後藤さんが紹介していた「児童虐待のポリティクス」に児童虐待と貧困との関連性の論文を載せた山野というものです。今アメリカで福祉機関でインターンをしています。アメリカでは、teenの妊娠は日本と比べて比較にならないほどの多さですが、見事にいわゆる「class」「race」と見事に関連しています。そしてこのteenの妊娠が全ての社会問題(例えば、teenの妊娠があるから、American Afreicanは貧困なのだ。。。。)の原因とされてきた流れがあります。そのうち日本も全ての社会問題は、「できちゃった」婚になるのでしょうか。

11 ■無題

いえ、こちらこそ安原さんの配慮に気が付かずに
変なこと言ってすみませんでした。

10 ■国民生活白書から

おはようございます。
出産数というより問題にされるのは離婚率ですよね。絶対数的にはそれほどではないですね。http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h17/01_honpen/html/hm01ho12001.html

 なお、子どものいる夫婦4の離婚件数は、80年の約9万6千件から2003年には17万件へと増加し、離婚件数のうちの6割を占めている(厚生労働省「人口動態統計」)。さらに、その際に妻が全部の子どもの親権を持つ場合は8割に達しており、こうしたことは母子世帯の増加にも結び付いていると考えられる。母子世帯数の推移を見ると、離婚を理由とするものは93年には50万7,600世帯(64.3%)、2003年には97万8,500世帯に増えており、母子世帯のうちの79.9%を占めるに至っている(厚生労働省「母子世帯等調査」)。

DVや虐待については最近可視化されたものなので、「顕在化」して増えたように見えるということだと思います。

9 ■統計データをご紹介

そんなんにシングルマザーが増えているのかとか、若い女性の出産が増えているのかと思って、「人口動態統計」を見てみました。
「14歳以下」の出産は、たしかに増えてはいるんですが、平成2年に18人だったのが、平成17年に42人なっただけ。これでも14年の52人よりは減ってます。もっとも、堕胎の数はわかりませんけど。次に、「15~19歳」ですが、こちらは昭和45年の20165人に比べても減っているくらいで、平成17年でも16,351人です。しかも14年以降減少傾向にあります。
シングルマザーについてはわからないのですが、「親権を行わなければならない子がいる離婚」の数は、たしかに昭和45年の56,683件と比べると、平成17年は154,104件と3倍に増えています。ただし、件数自体は平成14年以降毎年減少しています。離婚が増加すれば、親が離婚した未成年の子供の数も増えるわけで、昭和45年には89,687人だったのが、平成17年には262,345人にやはり3倍増加しています。ただし、こちらも平成14年以降減少傾向にあります。
こうしたデータを見ると、単純に若いシングルマザーが増加しているといえるのかどうか、ちょっと疑問です。いつものごとく、一部の例を取り上げて、マスコミがたたいているのではないかと。もちろん、貧困にあえぐ人たちは、シングルマザーであろうとなかろうと、あってはならないのですが。

ちなみに、私の妹はシングルマザーですが、十代のできちゃった結婚ではないです。しかし、長男も本人も障害者なので、働けません。かつ別れた亭主には養育費を払う甲斐性も意思もありません。ですから、生活保護を受けてます。一見、優雅な暮らしに見えるんですが、いつも自殺と隣り合わせの生活をしています。例外っていやぁ例外ですが、生活保護が高すぎるとかいうにバッシングを見たりすると、腹が立ちます。

8 ■nobさま

こんばんわ。

>私もそう思って記事を紹介するか迷ったんですよ…

いやもう、nobさんは十分わかっていらっしゃると思ったんですが、コメント欄見ている人いると思ったので長々と説明させていただき、すいませんでした。

迷わずご紹介してください。とっても感謝しております。

7 ■後藤さま

こんばんわー。
>内田樹の『下流志向』って今でも売れているんですね、
売れてるみたいですね・・・。いやあ内田さんは文章はうまいですよね。読みたくなるなっていう文章を書かれるとは思います。「文藝春秋」も読みましたけど。うむー。読者サービス?

読売の記事って、何が何でも「両論併記」(両論なのかは置いておいて)っていう記者が考える「公平さ」がなんかいびつな気がしますね。結局全体として論理性が通らないみたいな。

6 ■無題

> しかしこの読売の記事は・・・団塊に都合のいい・・・。

私もそう思って記事を紹介するか迷ったんですよ…

斎藤氏の考えでいくと、子どもは増えるけど、若い母親の虐待も増える可能性も出てきますよね、先に貧困問題をどうにかしないと。

DV に至る経緯はさまざまなんだろうけど、最初はお金はなくても幸せになろうって誓って頑張るけど、だんだん現実が見えてくるのでしょうね。

5 ■追記

 認めたくありませんけれども、内田樹の『下流志向』って今でも売れているんですね、仙台のジュンク堂でもいまだに新刊話題書のコーナーに平積みですよ。丸善でもビジネス書のコーナーに平積みですし。あと「論座」も同書に好意的な書評を掲載しましたね。ああ、やっぱり「若者論」って、誰も疑わないのでしょうね。がっかりです。「世界」あたりに打診して批判を書きたい。

 あと、内田って、今発売中の「文藝春秋」の、人口減少社会予測の記事にも登場しています。大体その記事の結論が、今の若い世代は団塊世代の悪いところばかり受け継いで身勝手になっているから少子化が起こる、なんて酷いものですけれども、こういう言説の根拠として引き合いに出されるのが内田でした。曰く、今の若い親は小さい頃から経済合理性を身体化して育っているから、云々。嗚呼、とっとと断筆すればいいのに。

4 ■無題

こんばんは。

上野加代子『児童虐待のポリティクス』(明石書店)という本に収録されている論文の中に、神奈川県における児童虐待の統計を分析して、やはり児童虐待が貧困とは決して無関係ではないことを論証した論文がありましたけれども、そのような視点とは裏腹に、我が国の多くのマスコミにおいては、やはり若い親(なかんずく母親)に関する問題を、彼女たちの世代的な問題としてしか捉えない、要するに「若者論」でしか語らない、という傾向が多くあり、困ったものです。

手元に「中公」があるので先ほど読み返したのですが、橘氏の文章は秀逸なものでした。それなのにnob様が提示された読売の記事の書き手は、やはり「若者論」でしか語ることができないのですから、この時田英之なる書き手の知能が疑われます(いくら私が読売の文化面が好きであっても)。

3 ■nobさん、すいません。

nobさん、すいません。上の私のコメントちょっと変だったんで補足です。

 橘さんの論考は「若い母親の犯罪(虐待といってもいいです)」→ここに「ふだんの生活のあまりの余裕のなさ」を見出してその背景としてシングルマザーがいかに社会保障のネットの外におかれていってるかを分析しているわけで、論考の論理性が際立ってると思うんですね。

 読売の記事は「いやそうではない」とあの「バラバラ事件とか中流家庭じゃなかったか」、「「普通の子」が「キレた」じゃないか」といってるわけで、内田さんとかをもってきて、「消費主体」じゃないかって話にしてるわけです。記者は橘さんの論考を読んでるなら、年間収入162万円で・・・、どうやって「消費主体」になるの?生活でいっぱいいっぱいですって、ここですでに論理破綻してる話ですよね。橘さんが問題にしてる事件とバラバラ事件は全然切り離さないといけない背景があると思いますよ。
 斉藤さんの対談は「締め」が「恋愛が合理的判断じゃないから希望を見出す(大意)」って書いてましたけど、余裕のなさから合理的判断できず、ほんのささいな「自己肯定」をしてくれた人に、「恋愛らしきもの」を見出し、これが「若気の至り」で済めばよかったんですが、ちょっとしたかけ違いが重なって、できちゃった結婚して、DVにあっていく背景こそ分析対象にのせるべきはなしなんで。それをやってるのが橘さんの論文です。あと橘さんの論文でいいのは、ここで男性を責めるロジックにもっていく短絡さからもなるべく避けようとしているところ。あとメディアにのる事件は被害者、加害者のどっちが「まったく落ち度のない無垢さ」になってる場合が多く、敵対関係を先鋭化させますよね。でも実際は両方に言い分があって、両方なんらか「落ち度」があるわけです。そういう事件を出しているところがいいなと思いました。

2 ■nobさま

こんにちわー。
ほんとだ。ありがとうございます。しかしこの読売の記事は・・・団塊に都合のいい・・・。もともと殺人は家族間などの顔見知りの間で起きることのほうがほとんどでして。内田さんのように「今の人たちは消費主体だから」って個人の責に帰す話にしちゃったら全然意味が違うと思うんですけどね・・・(苦笑)

この橘さんの論考はよかったんですけど、斉藤さんの対談はね・・・・・なんかイラっとしました(笑)。愛憎半ばっていうでしょうに。できちゃった結婚が多いのは、お仕事とか将来に希望が持てなくて(実際お仕事なくって)、自分が帰るホームベースのようなものを身近な「恋愛」にもとめてしまうのではないでしょうか。そういうふうに階層によって「恋愛」がなってしまっているのが悲惨だと思いますよ。DV や虐待も貧困問題を抜きにすると、こういう「やっぱり団塊だ」みたいになるんだろうなー。

1 ■無題

安原さん、こんにちは。

どこかで見たことある本の題名だと思ったら、読売新聞に載ってました。

家族壊す「消費主体」社会
http://job.yomiuri.co.jp/library/column/li_co_07041801.cfm

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