2006-08-20 00:51:09

日本の子供の学力って落ちてるの?

テーマ:ブログ

 さてさて、日本の少年少女たちは、頭は悪いわ「学力低下問題」、凶暴だわ「少年犯罪問題」、やる気がないわ「ニート問題」と言いたい放題いわれておりますが、このたびのエントリーでは学力低下問題について。
 
 学力低下について、ギャンギャンいわれたのは2004年の師走に発表された国際学力テストOECDの「生徒の学習到達度調査」(PISA2003)、もうひとつが「国際数学・理科教育動向調査」(TIMS2003)です。
 先のPISAで日本の読解力が8位から14位に低下したことに注目が集まってマスコミが一斉に「学力低下」と言いました。
 その表がこれです。

 pisa01  PISA2

 
 まあこれ見ると確かに落ちてますよね。「数学的リテラシー」と「読解力」の項目が落ちてますよね。とくに「読解力」。
 ただ、ほかは良好。しかし人口1億人規模で上位にある珍しい国ではあります。イギリスやアメリカなどの国よりはぜんぜんよいことがわかります。

 では「数学的リテラシー」と「読解力」なんですが、これどんな問題が出たかご存知ですか?ご存知の方はいいんですが・・。

 日本の子供たちの回答率が非常に低かった問題です。では問題。

 きっと私のブログを見てる方なら「数学的リテラシー」のほうは簡単だと思います。


 「数学的リテラシー」の設問 盗難事件

 あるテレビレポーターがこのグラフを示して、「1999年は1998年に比べて、盗難事件が激増しています」と言いました。
 このレポーターの発言は、このグラフの説明として適切ですか。適切である、適切でない理由を説明してください。

 盗難


 「読解力」の設問 落書き

 まず下のふたりのお手紙を読んでください。


 学校の壁の落書きに頭に来ています。壁から落書きを消して塗りなおすのは、今度が4度目だからです。創造力という点では見上げたものだと思うけれど、社会に余分な損失を負担させないで、自分を表現する方法を探すべきです。
 禁じられている場所に落書きをするという、若い人たちの評価を落とすようなことを、なぜするのでしょう。プロの芸術家は、通りに絵を吊るしたりなんかしないで、正式な場所に展示して、金銭的援助を求め名声を獲得するのではないでしょうか。
 わたしの考えでは、建物やフェンス、公園のベンチは、それ自体がすでに芸術作品です。落書きでそうした建築物を台無しにするというのは、ほんとに悲しいことです。それだけではなくて、落書きという手段は、オゾン層を破壊します。そうした「芸術作品」はそのたびに消されてしまうのに、この犯罪的な芸術家たちはなぜ落書きをして困らせるのか本当は私は理解できません。                      
 ヘルガ

 

 十人十色。人の好みなんてさまざまです。世の中はコミュニケーションと広告であふれています。企業のロゴ、お店の看板、通りに面した大きくて目障りなポスター。こういうのは許されるでしょうか。そう大抵は許されます。では落書きは許されますか。許されるという人もいれば、許せないという人もいます。
 落書きのための代金はだれが払うのでしょう。誰が最後に広告の代金を払うのでしょう。そう、その通り、消費者です。
 看板を立てた人は、あなたに許可を求めましたか?求めていません。それでは落書きをする人は許可を求めなけれないけませんか。これは単にコミュニケーションの問題ではないでしょうか。あなた自身の名前も、非行少年グループの名前も、通りで見かける大きな製作物も一種のコミュニケーションではないかしら。
 数年前に店で見かけた、しま模様やチェック柄の洋服はどうでしょう。それにスキーウェアもそうした洋服の模様や色は、花模様が描かれたコンクリートの壁をそっくりそのまま真似たものです。そうした模様や色は受け入れられ、高く評価されているのに、それを同じスタイルの落書きが不愉快とみなされているなんて、笑ってしまいます。
 芸術多難の時代です。
 ソフィア


問1 この二つの手紙それぞれに共通する目的は、次のうちどれですか?
 A 落書きとは何かと説明する
 B 落書きについて意見を述べる
 C 落書きの人気を説明する
 D 落書きを取り除くにはどれほどお金がかかるかと人々に語る


問2 ソフィアが広告を引き合いに出している理由は何ですか?


問3 あなたはこの2通の手紙のどちらに賛成しますか。片方、あるいは両方の手紙の内容にふれながら、自分なりの言葉を使ってあなたの答えを説明してください。


問4 手紙に何が書かれているのか、内容について考えてみましょう。手紙がどのような書き方で書かれているか、スタイルについて考えてみましょう。どちらの手紙がよい手紙だと思いますか。片方あるいは両方の手紙の書き方にふれながら、あなたの答えを説明してください。


ちなみに日本の子どもたちは問2、問3の無回答率が他国に比べて多いです。

答えは後日。なんか運の悪い出題って気もしないでもない(笑)

AD
いいね!した人  |  コメント(14)  |  リブログ(0)

hiromiyasuharaさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

14 ■万引きと凶悪犯罪

NHK公式サイトに「『凶悪犯罪をした少年の半分(半数)が万引き経験あり』の元データは何ですか?」と質問メール出したのですが、半年経っても返事は来ていません。
警察関係のサイトを探したけれど見あたらず。
出どころくらい教えてくれたっていいのに。

13 ■いえいえそんな。Forsterstrasseさま

 いえいえおっしゃってることよくわかります。「勉強するモチベーション」に問題意識がある点では同じだと思います。
 「学生の持つ教養とか学力というのはこうあるべき」という理想みたいなものは、どんな人でも自分の体験からしかなかなか想像の発端は開けないと思います。
 日本って「学力低下ショック」みたいになって、「子供守る」派と「大人守る」派みたいになってるかんじがするんですよね?私は若者の味方でもなんでもないし、だいたいそんな若くありませんし。実態や現実がわからないものがあんまり好きじゃないなというだけで。
 単純に実際どんな問題ができなくて、どんな学力観がはかられたんだろう、PISAで騒ぐんだったら、そこで良い点取れるようになればいいってこと?荒川静香が評価基準から戦略練って金メダルとったように(笑)みたいな単純な理由からちょっと調べてみようかなと思っただけで。
 で、PISAではかっている学力が「いいのか悪いのか」「好きなのか」「嫌いなのか」「日本にとってはどうなのか」とかとか、それはその議論はあるんでしょうけど、少なくとも明確に「これからはこういう世界になるから、こういった学力がこれからは必要である」という指標をもってるし、考えてますよ。それをきちんと出さないと、何を基準に話していいのかもわからないなと思うんですけどね。 学校の中の話じゃなくって「出口論議」含めて話す想像力ってのも生まれるのかな、と。
 正論っていうか、そんな大層なものじゃないんですけど、なんかふつーに考えるとそうなりませんか?ってかんじなんですけどね。
 
 そんなこんな、治安やら教育論やら雇用の話もそうですけど、「やる気がない」「気味が悪い」みたいなレベルで責任を若者に押し付けてしまうことになると、それは根性論とか精神論とかにしかならないですよね(なってますが)。
 それは政策論議とか社会問題ではなくて、ある意味「宗教」ですよね。「自己改造セミナー」チックになってしまいますよね。
 そりゃあ「やる気ないやつ」って勿論いますけど、それに対して個人レベルで「あんたさーやる気なさすぎじゃない」っていうのと、国家レベルや世論レベルで総力をあげて「やる気ないよね」ってやるのは違うと思うんですよね。問題設定のおきなおし作業というのが一番今必要なんではないでしょうかね。

12 ■ご回答有り難うございます

安原様の論旨は了解いたしました。正論だと思います。その上で、私の主張が変わらないことも、安原様ならばご理解頂けるかと思います。

私が想像するに、多くの方々は私と同様、何らかの個人的な体験をコアとして持った上でメディアの検証不十分な主張に乗っているのではないかと。

11 ■TAKESAN さま

こんばんわ。遊鬱さんところでバカバカ黙れといわれている安原なので、えらそうなこといわないようにしようと思います(うそっー笑)。

また答えは後日上げますが、「数学的リテラシー」のほうのヒントは「実数」を見てください。

10 ■typo

訂正です。

 >問:4
→問4:
です。失礼しました。

9 ■大人でも出来ない気が

今晩は。

数学的リテラシーの問題は、マスメディア関係者に解いて頂きたいような。答え:不適切――二年分の比較であるから、「激増」と断言は出来ない。

読解力の設問の、私の回答
問1:B
問2:ソフィアに聞いて下さい。
問3:書いてある事が良く理解出来ないので、判りません。
問:4どちらが良いかと聞かれても…。二人とも、もっとスマートに書けば良いのに。あ、ヘルガが書いた、落書きがオゾン層を破壊する、という部分の意味が解りません。

零点間違い無しです、私。
やはり、正解は、ヘルガが正しい、でしょうか?

日本の子ども達の無回答率が高かったのは、「これだけじゃあ、何も言えないよなあ…。」と思ったから、だったりして。
落書きを「芸術作品」、落書きをする人を「犯罪的な芸術家」、なんて表現する事自体、意味が解らないのではないですかね。

何か、ものすごーく的外れな事を書いていますね、私。

8 ■Forsterstrasse さま

こんばんわ。はじめまして。

数字については「いっけんもっともらしい因果関係をすぐ信じるのではなくて、細かく見ようよ。せめて元データくらいは見ましょう」という主旨です。

「学力低下」といわれてるなら、その計られている「学力」というのはなんだろう?と思ってます。
「学力観」というものは時代や社会から要請されるものだと思います。このPISAのデータを見る限りは、この学力というのは「百マスドリル」とかじゃないですね。
「教養主義の没落」竹内洋さんの本などを読むといわゆるイメージされてるような「教養」というのはなくなってるんだと思います。ただ、それを「学生がバカになった」とか「学生の質が落ちた」と短絡するのではなくて、実際に大学の上に論文も書かないでおしゃべりばっかりしてる教授職がいれば、そりゃあ「知」で身を立てる気もなくなるでしょう。非常勤講師の処遇や教授職の評定論議が「学生がバカになった」たとえば一言で知らんぷりされるのは意識的か無意識的かどうあれ、それは世代交代を阻害している要因ではないかと思います。過去に戻れるわけではないですからね。諸外国では「直近4つの論文でその内容が査定される仕組みの導入」なども検討されてたりしますしね。

7 ■無題

性犯罪の再犯率を扱った一連の報道を見て感じたのですが(例えばNHK)
http://d.hatena.ne.jp/rna/20050120/p1
マスコミの統計読解能力ってかなりやばいんじゃないでしょうか。学力低下?

6 ■素人の戯言ですが

安原様の文章の趣旨は、細かい数字に一喜一憂するのは馬鹿げている、だと拝察いたしました。なるほど、と思いましたが、その一方で個人的な記憶が。

明治生まれの祖父が、祖母に向かって聞いたそうです。「うちの子供達は全然勉強しないが、おぬしはどうじゃったかの」祖母「もう少し勉強したものですがねえ」

その話を私に伝えた昭和一桁の母が私に「そのあたしよりも貴方はさらに勉強しない」

メディアの態度は馬鹿げているのかもしれません。しかしながら、社会に巨大な格差があり、だが貧乏人の子供でも勉強さえ出来れば確実にどん底からはい上がることが出来た時代と、学歴批判、入試批判が長年にわたって行われ、その結果として学歴が貧乏人に希望を与える力が弱まっている現在とで、勉強への取り組みは違っていて当然だろうな、そして、その結果として日本の学力は低下していて当然だろうな(違わなければ変だ)と思います。

5 ■いえいえ私も素人なんで。

こんばんわ

「ご近所の底力」は小宮先生出てたやつはみました(笑)
なんか5時くらいになったら腕章つけたご老人たちがたくさんいるスーパー。

>比率から見ていくことに非常に疑問を感じます。
そうですね。私も書きましたけど、まず実数でも見るべきでしょうね。

>前提とするデータに「全少年のうちの、万引きした少年の比率」はありませんからね。
「価値判断」として、そういう指標があると変にびびらないというのはありますよね。
私も前エントリーにあげましたけど、子供が交通事故に遭う確率のほうが
不審者に殺される確率よりも高いみたいなね・・・。

ただ、「凶悪犯罪を犯した子供のうち半分が万引きをしていた」というのが
ある統計的な尺度のもとに出されているのではあれば
その尺度内では統計的には事実ということです。レベルの低い事実とレベルの高い事実が
あるってことです。なのでそれだけだと「ふーん」って思ってればいいのかな、と。

このあたりのエントリーで「問題」出してみたことがあるので
一度ご覧いただければ幸いです。
http://ameblo.jp/hiromiyasuhara/entry-10009997481.html

4 ■万引きと凶悪犯罪

安原さん、お答えありがとうございます。
この問題に似た話は、実際にNHKの番組(「ご近所の底力--防げ!万引き」)で出たものです。
私は統計の専門家でないので、この問題の「正解」はわからないのです(すみません)が、素人が見ても、このデータから「万引きと凶悪犯罪を関連付ける」のは疑問を感じます。

・凶悪犯罪をした少年の人数
・万引きをした少年の人数
・少年全部の人数
に数量的に大きな違いがあること。
これを無視して、「凶悪犯罪をした少年の半分が…」という比率から見ていくことに非常に疑問を感じます。万引きをしても凶悪犯罪をしなかった少年も大勢いる、というか、そのほうが圧倒的に多いわけですから。

また、「凶悪犯罪をした少年の半分が万引き経験がない」とも言えるわけだから、「半々なら、あまり関係ないじゃん」と思います。

もしも「全部の少年のうち、万引きをした少年の比率が50%を超える」と、
・万引きをした少年のうち、凶悪犯罪をした少年の比率
よりも
・万引き経験なしの少年のうち、凶悪犯罪をした少年の比率
のほうが高くなります。
それじゃ、万引きしない少年のほうが危ないぞ、ということになるの?
前提とするデータに「全少年のうちの、万引きした少年の比率」はありませんからね。
数値だけで考えてもおかしな話です。

万引きと凶悪犯罪の関連を検証するなら、安原さんのおっしゃるような定義の問題、万引きや凶悪犯罪の中味の吟味が必要だと思います。

素人考えなんで、ツッコミ歓迎です。

3 ■kirikoさま 2

次にこれを「万引きをした人が凶悪犯罪をする可能性が高い」という因果関係をいうためには、これは「仮説」であるということになります。つまり偽相関である可能性を排除しているデータなのかというチェックが必要です。まず上記にも書きましたが、犯罪行為の定義。凶悪犯罪とは何なのか(たとえば、殺人、強盗、強姦、放火)。万引きというのは何なのか。万引きも一人で自発的にやったものなのか、集団でやったものなのか、人にやらされたものなのか、頻度など、その定義は何か(例えば、ひとりで自発的に万引きに及んだ店舗での1回以上の窃盗)。万引きから凶悪犯罪を犯すまでの年月というのはどれくらいなのか、という定義も必要です。この仮説は「万引き」が「凶悪犯罪」に結びつくのかというところを検証したいわけですから、本来なら成人してからの凶悪犯罪という可能性も考慮しなくてよいのか、など。そのうえで、ある子供たちの集団で万引きをしたか、してないか以外は条件(年齢、経済状況、性別、学齢 などなど これは細かければ細かいほど厳密)は同じという二つのグループに分け、経年的に観察し比較した上、そのような相関があるなら統計的な信用度は高いということになります。さらに結果的に相関があった場合、凶悪犯罪を犯したグループの万引きのスタイル(たとえば回数とか内容とか累犯であれば都度の介入状態)なども検討すればより統計的価値は高いということになるかと思います。

あとはいろいろやり方はありますよね。後ろ向きにいく方法も。凶悪犯罪を犯した万引きをした子供の条件を検討していくとかですかね。万引きとは異なる変数のほうが強い相関関係を示していれば、もとの仮説のほうを疑わないといけません。

あってますー?

2 ■kiriko さま1

こんにちは。はじめまして。
問題ありがとうございます。

テストの答えっぽいかんじで、がんばってみますね(笑)

これだけの情報であるならば「適切でない」です。
まず「凶悪犯罪を犯した子供のうち半分が万引きをしていた」という表現が問題です。テレビ番組であるならば、ということを考えると「半分」という言い方は曖昧な表現になり、誤解をうむもとになります。なぜなら、受け手が1000人のうちの500人という半分なのか、1万人のうち5000人なのかがわからないからです。たとえば10人のうち5人でもこういえてしまいます。ただし、これ自体は事実としては事実です(あと凶悪犯罪や万引きや子供の定義はどうかというチェックもは必要)。

1 ■確かに運が悪い

はじめまして。興味深く拝見しています。

なあんだ!
日本の子どもの学力低下の元凶は、ゆとり教育でも親の教育でもゲームでもなくて、メディアと警察だったのか(笑)

ではこういう問題どうですか?
・あるテレビ番組が「凶悪犯罪をした少年の半数が万引きをしたことがある」というデータを出しました。そして「万引きをすると、凶悪犯罪をする可能性が高い」と説明しました。
データが正しいとして、この説明は適切でしょうか? 適切である、適切でない、その理由を述べてください。

コメント投稿

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。