労働生産性を上げるか、労働者を増やせばいい と述べています。
これは実質GDP成長率が「労働生産性上昇率」+「労働者増加率」として表わされることに基づいているのですが・・・
記事ではさらに
>まず労働生産性から見ていこう。日本生産性本部がまとめた「労働生産性の国際比較2010年版(2010年12月20日)」によると、日本の労働生産性(2009年)は、1998年以来、11年ぶりに前年度水準を割り込み、順位もOECD加盟33ヵ国中、第22位、主要先進7ヵ国では最下位となった。
と日本の労働生産性が低下している事を指摘し
>ところで、経済を成長させるもう一つの方法は、労働者を増加させることである。中長期的には、出生率2.0を回復したシラク3原則に象徴されるフランスの先例に学び、わが国の人口を減少させない施策をパッケージで実行することが要請される。もちろんこれは、成果が出るまでには少なくとも20年近くの年月が必要となる(たとえそうであっても直ちに着手しなければ取り返しのつかないことになる)。
つまり・・・少子高齢化で労働人口が減って労働者の増加は望めない+生産性低下=日本経済が成長していない
と主張したいわけですね。
で、その対策についてですが、構造改革と経営改善による生産効率の向上と、雇用環境のグローバル化による労働力の確保と書かれています。
(教育環境のグローバル化で人材確保と育成についても書かれてますが)
うーん、果たしてそうでしょうか?
実質GDP成長率=「労働生産性上昇率」+「労働者増加率」
これは正しいのですが、労働生産性と雇用者数は自ずとある要素によってその上限が制限されます。
それは 『需要』 です。
需要が縮小する中、企業が労働生産性(労働者一人あたりの生産量)を維持するためには、リストラして労働者を減らす必要があります。
逆に雇用を増やしたら、一人あたりの生産量は当然減ってしまいます。(労働生産性が低下します)
需要がなくモノが売れる環境ではない状況で生産性と労働者を増やしてしまったら大量の在庫を抱えて倒産してしまいかねません。
だから、需要が無ければ生産性は頭打ちになってしまいますし、それでもムリに生産性を向上させようとすれば失業者を増大させるだけの結果になってしまいます。
ただ、
すべての企業が息をあわせて投資と雇用拡大をすれば、同時に需要も増えるので経済は成長できますがなかなかそうもいきません。
企業にとって需要がない場合、投資を控えリストラをして支出削減し、利益を最大化する事が最も合理的な経営選択だからです。
個々において合理的な選択であっても個が集まってできる集合体、マクロの経済全体で見ると非合理的になる。
この事を「合成の誤謬」と言いますが、これが日本で今起こっています。
また、筆者はサービス業を特に強調していますが、サービス業こそ需要の影響をモロに受ける業種です。
サービス業は需要の発生と共に供給が行われる性質がありますから。
在庫を作ってとっておく事ができないんです。(当たり前ですよねサービスですから)
よって、まず需要を優先的に増やさないことにはどうにもなりません。
でも、前述したように民間に需要を増やせと言ってもムリです。
名目金利より実質金利が大きいデフレ下で投資をしても収益が望める可能性は薄いですし、消費を増やそうと考える家計は皆無です。
(お金の価値が上がっていっていますので)
このようなデフレ不況下で率先して需要を創出できる部門は政府をおいて他に存在しません。
で、その肝心の政府による有効需要の推移ですが・・・こんな感じです。
近年は多少増えてはいるのですが、バブル崩壊からまったくの横ばいです。
グラフを見ると政府最終消費支出は確かに増えています。
(マスコミはここしか取り上げません)しかしその分、
公的固定資本形成(=公共投資)が大きく削られているためトータルでは需要が増えていないのです。
このグラフに民間の需要も重ねてみます。

民間の需要が増えない中、政府までもが需要を増やしていないのですから、日本の経済が成長しないのもムリはありません(-_-;)
・・・ここで「有効需要」という言葉を使っていますが、
民間や政府が支払ったり渡したりしたお金の内、GDPにカウントされる項目を有効需要と呼びます。
子供へのお小遣いや政府が支出する子ども手当は所得移転ですので、有効需要=GDPにはカウントされません。
需要、需要という言葉をよく聞きますが要するに
有効需要 = 名目GDP です。
日本政府はバブル崩壊以降、負債を実に2倍以上増やしていますが、その負債によって得られた資金をすべて税収が減った分の補填に使ってきました。
つまり有効需要の増加為には使われなかったので、
政府の負債が増加してもGDPは成長しないという最悪の事態を招いてしまったという事です。
余談になるかもしれませんが、国債を増やして、もしくは公共事業を削減した分の予算を回して増えた政府の支出項目は一応あります。それは・・・

子ども手当や年金支給、生活保護などの政府の所得移転系の支出です。(グラフのクリーム色の部分)
これらの所得移転系の支出は、直接有効需要にはならず受け取った人が消費や投資をして初めて有効需要=GDPとして計上されるため、
GDPに与えるインパクトは小さいです。
さて、記事のタイトルでもある「日本経済を成長させるにはどうすればいいか?」に戻りますが、もう答えはほとんど出ているかもしれません。
今までの赤字国債発行に加えて建設国債を発行し、公共投資などの直接有効需要(=GDP)になる支出項目を増やす事です。
所得移転を増やしても効果が薄いので極力控えたいです。
ですが、日本政府の支出はどんどん増えているではないか?
と思われる方がいらっしゃると思いますが、それはマスコミが創り上げた間違ったイメージです。
増えているのは一般会計の歳出で、特別会計を含む政府と地方を合わせた一般政府の支出は増えていません。
他の国と比較してみます。
これはIMFのデータを元に、1980年の政府支出額を100としてその後の政府支出の推移をグラフ化したものです。
ただし、アメリカなどの1980年からデータ集計がされて無い国についてはデータ集計開始した年を100としています。
(※なんでデータが無いのかについてはIMFに聞いて下さい・・・)
他の国に比べて日本はまったく支出が増えていません。
日本は放漫財政だから財政が悪化した? ・・・マスコミはウソを言わないで下さい。
これのどこが放漫財政なんでしょう? 2001年から集計開始したアメリカにあっさり抜かれています。
それにグラフからはみ出している国もありますし(^_^;)
ちなみにグラフの縦軸のスケールをオートにすると、日本のグラフはほぼ一直線になります・・・
そして政府支出と名目GDPとの関係ですが、
このグラフは先進32カ国の過去30年間の政府支出増加率(前年比)と名目GDP成長率(前年比)を平均化し、それぞれの国のデータを横軸政府支出増加率、縦軸名目GDP成長率のグラフにプロットしたものです。
(※アメリカなどのデータが途中からしかない国はデータがある期間のみを平均しています)
政府支出増加率と名目GDP成長率の間に正の相関関係があるのが分かりますよね。
ちなみに赤い点はどの国か分かりますか?
・・・そう我が日本です。
日本の経済が成長しない理由についてマスコミやエコノミストがいろんな理由を付けてごちゃごちゃ言っていますが、何のことはありません。
ただ単に政府が支出を拡大し有効需要を増やしていないことが、日本経済が成長していない最大の理由なのです。
政府が需要を増やせばその需要に対応するために(というか稼ぐために)、企業は設備投資や雇用を増やして供給力(生産性+労働力)を拡大します。
その設備投資と雇用はまた新たな需要となりますので、さらに企業は生産性を向上させる。
と、今のデフレスパイラルとはまったく真逆の好循環が発生します。
今の日本の取り組むべき最優先課題は『需要の創出』です。
生産性の向上と労働力は需要が増えれば自然に改善されるので今は優先順位が高いとは言えません。
ただし、支出を増やすにしても
子ども手当などの所得移転系はNGです。
でも、同じ所得移転でもエコポイントや自動車減税などの消費(需要)が発生してから初めて支給されるような支出はOKです(^_^;)
エコポイントの経済効果は絶大でしたから。(過去記事参照)
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※参考過去エントリー家電エコポイントの効果
http://ameblo.jp/hirohitorigoto/entry-10924682849.html日本が今取るべき政策
http://ameblo.jp/hirohitorigoto/entry-11108060843.html 日本経済を成長させるには?
http://ameblo.jp/hirohitorigoto/entry-11084059988.html経済成長って何だろう?
http://ameblo.jp/hirohitorigoto/entry-11076938640.html ※出典各国政府の支出、名目GDP・・・IMF
http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2011/02/weodata/weoselgr.aspx 政府、民間需要・・・内閣府 国民経済計算確報
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html
1 ■無題
ホントにエコポイント制度は良かったですよね。普段あまり消費しない私でさえ
液晶テレビ+商品券に目がくらんで買いにいったんですから。
あの政策の発案者は一体どなたなんでしょう。
優秀なブレーンさえ
いれば経済は動くんですね。
私の案は高齢者(主に老後の不安から貯金を貯め込んでいる層)
対象の「国内限定トラベルポイント」。
代理店経由、宿泊施設等支払時に商品券ゲットとなれば国内中お金が
回ってくれると思う。シーズンオフ特典オプションつければ少しは渋滞解消に
つながってくれるかな。